本県では、国の経済対策や災害への対応に加え、北陸新幹線・高速道路の開通、冬季オリンピックの開催などにあわせて社会資本の整備を進めるため、平成11年度まで全国平均を上回る県債の発行をしてきました。
この結果、起債制限比率は全国ワースト2となり、借金の返済に充てるための経費(公債費)が県財政を圧迫するようになりました。
平成18年7月5日の日本経済新聞で、「長野県の実質公債費比率は20.1%となり、都道府県では最も高い」との試算が報道されましたが、本県では平成12年度以降県債発行額を抑制し、大幅な収支改善を達成してきました。このため、実質公債費比率のベースとなっている起債制限比率は、平成16年度(17.4%)をピークに今後平成20年度には12.2%と5.2ポイント低下し、実質公債費比率も同様に低下していく見込みです。
また、総務省の「地方分権21世紀ビジョン懇談会」報告書の中で、長野県と人口規模・財政需要などが同レベルの岐阜県の財政状況が比較されています。次表にあるように、平成16年度には長野県の県債残高は岐阜県を上回っていますが、平成12年度以降長野県の県債発行額は岐阜県や全国平均を下回って推移しているため、岐阜県や全国平均の県債残高が増加する中で、長野県の県債残高は平成12年度以降連続して減少しており、今後、平成16年度の岐阜県と同程度の規模まで減少する見込みです。
もし、こうした財政改革にいち早く取り組んでこなかったとすれば、平成17年度には「財政再建団体」に転落し、30人規模学級や乳幼児医療費の無料化など、長野県が独自に実施してきた事業ができなくなっていたところです。
平成3年度から平成12年度まで財政再建団体となった福岡県旧赤池町(現福智町)では、町営住宅の家賃、町営施設使用料、汚水処理施設使用料などが20%以上値上げされ、住民生活に大きな影響が出ました。 |