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「長野県」調査委員会による報告会の概要

 

日 時 平成17年11月25日(金) 15:00〜17:09 
場 所 長野県庁議会棟4階 404・405号会議室

 

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   それでは時間になりましたので、ただいまから「長野県」調査委員会によります報告書の提出に関する報告会を開催いたします。私、この会の進行役を務めさせていただきます経営戦略局の政策促進チームリーダーの阿部精一でございます。よろしくお願いいたします。
本日この報告会に先立ちまして、午前11時に「長野県」調査委員会の磯村元史会長より田中知事に調査報告書を手交いただきました。田中知事からは磯村会長を始め委員各位に、今までの調査の活動に対する感謝と御礼のごあいさつがありました、大変ありがとうございました。本日これから調査結果の要約を委員各位よりご説明いただくわけですけれども、磯村会長を始め委員の皆様、よろしくお願いいたします。
   報告に先立ちまして、今日のスケジュールを若干ご説明させていただきます。これから私どもの方から若干事務的なご連絡を申し上げたあと、委員各位から調査の概要、要約をご報告をいただきます。そのあと若干県の方から報告書の開示方法等についてご説明をいたしまして、その後皆様から質疑応答を受けたいというふうに考えております。おおむねの予定は2時間ということで、午後の5時ごろを目安に会の方を進めさせていただきたいと思いますので、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。
   それでは先立ちまして、ちょっと事務連絡をさせていただきます。皆様、お手元に資料がございますと思いますが、今日は皆様方の利便性も考慮いたしまして、委員会からの報告書を、本文編と資料編ということで2冊の編冊にしてございます。県民の皆様の知る権利ということを尊重いたしまして、公正で開かれた県政の一層の推進に尽くすため、県といたしましては情報公開条例の第32条によりまして、積極的な情報提供に努めるものとされております。今回の報告書につきましても、そうした姿勢に基づきまして情報を提供をさせていただくものでございます。なお、「長野県」調査委員会の設置の目的に照らしまして、公益上の必要性を考慮しても、なお保護すべき個人情報につきましては、資料編の中に非公開として黒塗りにした部分がございますが、その辺はご理解を賜りたいと思います。
それでは、これから委員さんの方からご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

磯村会長
   皆さん、こんにちは。「長野県」調査委員会の磯村でございます。今日は委員5人全員そろって来ておりますけれども、一人一人からご説明すると多少お時間もかかるかと思いますので、私の方でまとめてちゃんとした報告をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
   まず私の方からお礼とお詫びを申し上げたいと思っております。お礼の方は、今回のこの調査報告書を作成するに当たりまして、ずいぶん当時のご関係の方などにいろいろお騒がせをしたり、お忙しいところお時間をいただいたりしてご協力をいただきました。当時の関係者の方以外には八十二銀行さん、あるいは日本オリンピック委員会さん、JOCと略称しておりますがこういった方々、あるいは一般の県民の方からの情報をお寄せいただいた方、こういった方々に本当にご協力をいただきましたことを、心からまずお礼を申し上げたいと思います。
あとお詫びでございますが、ちょうど去年の今時分こんなことになるとは思わなかったものですから、できたら去年の段階でこの年末にということを、できればという前提つきではありますけれども、確か申し上げました。このあとも、できたら2月末ごろまでにというようなことを申し上げまして、3月の上旬に、いや実は貴重な情報を持っておられる方がいらっしゃって、その貴重な情報をお持ちの方々が、ちょっと今は情報を出せないからというふうなお話もございましたのでしばらく提出が遅れますということを釈明したわけなんですけれども。やっと8月になりまして、八十二銀行さん、大変ご苦労されたと見えますが、県に八十二銀行さんの口座を、こうしたお金の経緯の記録をお出しいただきましたので、それを元に報告書のまとめというこういうことになりました。そんなこともありましたし、その他の調査の件もございまして今になりましたことを、まずお詫びをしたいと思っております。確かに交渉ごとがいろいろあったとは言え、遅れましたことをお詫びさせていただきます。
   この報告書を書くに当たりまして、ここにおられます4人の委員の方が大変いろいろ、本当に本業をかなりおろそかになさったんじゃないかと思うんですが、ご協力いただいた委員の方々をご紹介いたします。まずこちらから、あいうえお順で岩瀬委員でございます。それから喜田村委員でございます。それから向こうに黒木委員でございます。それから後藤委員でございます。本当にずいぶん本業をおろそかになさった部分もあろうかと思うんですが、こうやって報告書を出すことになりました。
   先ほど知事にもお渡しをしてきて、知事の方から、こんなことになるとは思わなかったんだろうというようなお話があったので、ええ、まあ、と言っておきましたけれども、心中は「ええ」だけでは済まなかったなというふうに、今思い返しますと感無量でございます。
今日はこの報告書の要約の部分をざっとご説明する予定でございますが、それに先立ちまして、その説明をご理解いただきたいことを、ちょっと前もって5点ばかりお話をしておきたいと思います。
   1つは、私どもの調査委員会の立場でございます。確か去年、今年の初めでしたか、1月にこの報告の一部分をお話して情報提供のお願いをいたしました折に、ご出席の方から、非常に生ぬるいと、もうちょっときちんと追求しろとこういうふうなお叱りをいただきましたが、そのお気持ちは大変よくわかります。よくわかりますが、実は私どもの委員会の立場というのはもちろん公的な捜査機関でもございませんし、違法性の追求の会でもございません。知事から委嘱されたこの帳簿の処分問題についての事実関係をできたら調査をして、その結果を淡々と知事に報告するというのが私どもの仕事でございますので、それ以上でもそれ以下でもないという点をまずご理解いただければ大変ありがたいと思っております。
   それから2つ目に、この報告書ではずいぶん「認定」という言葉を随所に使っております。断定ではございません。なぜ断定でないかと言いますと、帳簿がないからであります。帳簿がないから、実は断定にまでは至らないけれども、集められたいろいろな材料を総合的に判断いたしますと、たぶんこれで間違いなかろうというところまでは書くことができました。しかし、だからと言って、これで事実であると断定はまだできておりません。これを皆さんにご覧いただいて、実はこの報告書の中に、こういった1枚ものの紙がはさみ込んであると思いますが、この紙にもちょっと書いておりましたけれども、来年の5月の末日までにこの報告書をごらんいただいた方で、これはおかしい、俺の手元にある記録や書類ではこういうことが書いてあるから、お前たちの書いていることはおかしいという具体的、実証的な反論がございましたら、あるいは異論がございましたらお受けして、私たちがこれで間違いなかろうと思って認定したことが間違いだったのかなということで、この報告書を修正する場合もございます。しかし、半年間にそういうふうな実証的、具体的な異論、反論をお寄せいただけなかった場合に、そこで初めてこれを事実であるというふうに皆さん方にご理解いただこうかなと、こんなふうに思っております。そこら辺のところを、ひとつよろしくご理解いただければ大変ありがたいと思います。
したがいまして、私ども調査に際しましては、3つ目でございますが、法令や規則などに違背したようなことはなかったのか、それから数字上の整合性はとれているのかどうか、それから県民、国民ですね、の常識に照らして不自然なところはなかったかのかどうか、こういった観点からいろいろな寄せられました情報やら、集まった資料を検討した次第でございます。またそういった観点で、当時の関係者の皆さんからも主張を拝聴させていただきました。
   そうやって、調査の過程で集められた資料でございますが、実は私どもがこの資料編に掲載をしております資料のナンバー1、実はこの資料にローマ数字をふってある資料が始めのA、B、C、DからKまでございますが、これは実は県の施設から集まった資料ではないんです。私どもが入手した資料のうち公開できるもの、あるいは県の委員会の資料、あるいは私どもが加工してつくった資料ということになっておりまして、資料番号の1−1から始まりますローマ数字でふってある資料が、実は県の施設から収集できた資料でございます。この県の施設から収集できた資料は、大部分が県の施設の倉庫の中に、段ボールに入ってございました。もちろん県の公文書の保有年限を定めた規則に則った資料では多分ないんだろうと思うんですけれども、こういうものはほとんど処分されておるはずでございますからそういうものではなくて、当時のご担当の方が転勤とか仕事替えの際に、手持ちのファイルを段ボールに入れて、倉庫や書庫の中に、本来はその時点で処分なさるべきものを、処分せずに倉庫に入れておいておかれたものが、実はこのローマ数字で記載の資料の大部分でございます。したがいまして中には日付のないものもあります。もちろん作成者印はほとんど入っておりません。そんな資料をもとに、この資料を項目別に名寄せをいたしまして、時系列に揃え直して、分析の対象にできるように並べかえて調査をしたというのが、この調査報告書の事実でございます。
   したがいまして、ここでもう一つお礼を申し上げなければいけないんですけれども。もし当時のご担当の方が引き継ぎのときに、仕事替えのときに、従来の自分の手持ちファイルを全部きちんと処分しておられたら、私どもが調査できませんでした。そういう意味では、ああ大変ありがたい記録を残してくださったなという意味で、これは皮肉でも何でもありません、改めてお礼を申し上げたいと思うわけであります。
   そんな資料をもとにこの報告書を書かせていただきましたが、最後にこの委員会の運営という面に一言触れておきたいと思います。早く言えば、この委員会は通常の官公庁の審議会とか、委員会とか、諮問委員会とかといういろいろな官公庁の第三者機関がございますが、こういったものとは全く異質の自前のものでございました。ご存知のように普通の官公庁の審議会、委員会というのは、決して良し悪しを言っているわけではございませんけれども、通常のあり方として、まず人選はその官公庁の意に添う人選をすると。それで官公庁の事務方が叩き台を作り、自分たちの誘導方法に都合のいい材料を集め、それを元に答申案を作り、その答申案を第三者機関と言われている委員さん方が直してくれと言っても、ある程度の迎合をして、ちょっとのところを譲歩して答申原案を作って隠れ蓑にするというのが、普通の官公庁の第三者機関だろうと私は思っております。間違ったらお許しください。ところがこの調査委員会は、正直言って、事務局というのは連絡調整をやってくださる事務局はございましたけれども、調査には全くノータッチでございました。私どもが直接、先ほど申し上げたような県有施設の倉庫などに行きまして、段ボール箱を開けて、これは臭いがしそうだなというふうな資料を、片っぱしから開けてみて、ほこりを払って一つひとつコピーをとって、このコピーをとったものを項目別に名寄せをし、時系列につなぎ合わせて、こんなことはいいのかなという仮説を立てながら報告書を作ると、こういうプロセスでございます。したがって、この報告書の原案もここにいる委員5人がそれぞれ、ときには分担し、ときには人の書いたものに意見を言いながら仕上げたという報告書でございますので、県の意向は全く入っておりません。
   そんなプロセスでこの委員会を運営してまいりましたが、ただ一つ非常に心苦しかったのは、当初できれば公開の場でご議論をいただきたいと思ったんですけれども、その資料を収集し、分析し、検討する過程がそういうプロセスを経てきておるものですから、いちいち公開ということが実はなかった、物理的にできませんでした。この点は、ひとつぜひ事情をご理解いただければ大変ありがたいと思います。
   こんなことで、多少前置きが長くなりましたけれども、この報告書の薄い方の報告書の、恐れ入りますが、8ページをごらんいただきたいと思います。結論めいたものだけ、この箱書きで認定1、2というふうなことで、箱書きの中に太い字で入れてございますので、ここだけお読みいただいても、私どもの結論がだいたいおわかりいただけると思いますが、せっかくの場でございますので、少しずつかいつまんで、実質的なご説明を申し上げたいと思います。
   調査結果の要約、認定その1。帳簿には、残しておくと不都合な理由が3つございました。3つ、A、B、Cは3行飛ばしたところに書いてございます。なお私どもはこの帳簿について、よく廃棄とか紛失という言葉が使われておりますが、私どもは一種の故意にある、故意による処分であるから、処分という言葉で統一しております。不都合な理由3つ。第1は、招致活動に大幅なルール違反の過剰接待がございました。これは本当に大幅でございます。あとで申し上げますが、当時1ドル135円で1人あたり200ドル以上のお金を使ってはいけないという規定があったんですが、それを大幅に超えておりました。理由2つ目。Bに書いてあります。長野が候補都市に決まりましたバーミンガム総会の前後に、約9,000万円の使途不明金が発生しております。3つ目。このルール違反と使途不明金を、92年に行われました一部住民グループの方によります住民監査請求に対して、どうしてもこれは隠しておきたいという必要があった。この3つの理由から、帳簿は残しておくとまずいので処分ということになったと認定しております。
   では、その大幅なルール違反の過剰接待というのはどういうことか、詳しくはこの報告書の第5章、6章にルールが書いてございますが、かいつまんで申し上げますと9ページ、下から4行目でございます。ルール違反というのは、もう少し具体的に言いますと、IOC、国際オリンピック委員会の倫理コード、その中でもとりわけガラードさんという事務総長がお書きになったガラード規定というのがございます。これには、ルールとして金額制限、1人あたり200ドル以上を使ってはいけないという金額制限と、オリンピック委員とは関係のない人たちに旅費を負担してはいけないとか、いろいろな会合でレセプションをやっちゃいけないとかというふうなことを書きました内容制限というものと二通りございます、両方に大幅に違反しております。
   どの程度違反しているかというのが、10ページの上から6行目にございます。ここでは主としてお金の面だけでございますが、お土産関連経費だけで、これは実績という資料がございませんでしたので、予算で見ております。しかし、だいたい公務員の関係というのは、予算をお取りになりますとほとんどお使いになっておられますので、そういったことから見て、予算で見てもそうおかしくないのかなという観点から、予算の数字を計上しております。予算累計で約6,300万円、当時IOC委員というのは95人おられました。仮にこの方全部に一様にプレゼントを差し上げたとしても、1人あたり66万円となります。1人あたり200ドル、当時の1ドル135円で換算いたしますと2万7,000円でございますから、かなり大幅と言えます。この辺の具体的な数字は、この報告書の93ページをお開けください。そこに6,300万円の内訳が、93ページ、図表14というのがございます。ちょっと数字が円単位で細かくなっておりますが、資料に載っておりますそのとおりを転載いたしますと、こういうことになります。合計、一番下に枠外、総計63,037,000円と書いてございます。
   恐れ入りますが、本文の10ページへ戻っていただきまして、ではお土産以外の接待関連費用はどれぐらいかというのが、これは判明分の実績でございます、これ以外あるかもわかりません。5億1,221万円でございまして、これを95人で割りますと、約1人あたり540万円ということになります。この明細は、先ほどの図表の次のページ、94ページの図表15に内訳が書いてございます、年度別にこういうふうに使われております。この辺の解説は、本文のそれぞれのページをごらんいただきたいと思います。
   もう一度10ページへ戻っていただきまして、帳簿を残しておくとまずい理由の2つ目、バーミンガム総会前後の約9,000万円の使途不明金についてでございます。これは詳しいことは1章と2章に書いてございますが、今日は実は資料として多少発見できました支出記入帳のコピー、20ページ、全体をこの資料編につけております。恐れ入りますが、この資料編の資料12というところをごらんください。私も目があまりよくない方なんですが、印刷の都合でこういうふうに縮小せざるを得なかったんですが、誠に恐れ入りますが、お家へお帰りになったら虫眼鏡でごらんいただきますと、よく見えますのでひとつよろしくお願いいたします。この20枚の支出記入帳が、実はひところ騒がれました帳簿、帳簿と言われている部分でございます。前回の一部報告のときには、これの4ページ目だけをお付けいたしました。その4ページ目も、実は個人のお名前が載っておりましたのでそれを消し込んでございましたが、今回はその個人のお名前をつけてございます。
   これの12−4をご覧ください。12−4の一番上の方に、ちょっと小さい字なんですが、招致活動諸経費、吉田和民1億4,000万円というお金が資金前渡で出ております。吉田和民さん、これはご本人の了解をとっておりますが、当時の招致委員会の事務局長さんでございます。その次に8,000万円というお金が、やっぱり資金前渡で出ております。これ出ている日は一番右側にそれぞれ書いてございます。もう一つ、500万円というお金が3つ目に出ております。合計いたしますと、2億2,500万円のお金が出てございます。それが8月2日になりましてから戻し入れになっております。△(三角)で1億3,531万99円でございます。したがって、ざっと9,000万円が返ってきていないということでございます。これはほかのページをずっと見てまいりましたけれども、この9,000万円が返ってきているという痕跡は、ほかの19枚にはございません。したがいましてこれで見る限り、これは実は平成3年度の招致委員会の招致活動費の全部だそうでございますから、ほかにはお金を支払ったという痕跡はないわけでございます。したがって、いろいろほかのこともあわせまして調べました結果、これは使途不明金であると認定をいたしました。
   これについて当然ご本人の事情も伺わなければいけないものですから、私どもは吉田和民さんにお伺いいたしました、このお金は何にお使いになったんですかと。ところがご返事は、確かこれに使ったなというふうな項目が挙げられましたけれども、いやそれはもう既にこの別の支払いでちゃんと出ておりますというふうに申し上げますと、お黙りになりました。では、なぜこの1億3,500万円というお金を現金前渡でお持ちになったのかというふうにお伺いいたしましたところ、当時は外為規制の関係で、国外に出る金はみんなが小分けにして、ドルの現金を懐に入れたり、かばんに入れたりして持っていかなければいけないようなことだったので、何人かで小分けにして入りましたと。向こうで使った残りがあったので、この額はこのお金をドルで持って帰って、しばらく為替が有利になるような時期を見計らって、時間を置いて銀行さんへ持って行きましたと、それが1億3,500万円の返却でございますと、こんなお話でございました。そうすると2億2,500万円の円と言いますと、ドルに換算しますとざっと167万ドル近くになります。それだけのお金を小分けにするということは大変なことだなと思うんですが、当時の外為の規制というのは実際は自由化されておりまして、そんなに小分けにして持っていかなければいけないという状況ではございませんでした。これが理由の一つですね。
   もう一つ、当時は八十二銀行さんからも職員の方が、少なくともわかっている範囲でお二人、バーミンガムへ一緒に招致委員会の方々と同行しておられます。その同行しておられる方々に私ども直接お話を伺いたいと申し上げたんですが、やっぱり個人情報の問題等もございますし、銀行の守秘義務という点もございますので、八十二銀行さんは、では銀行として当時バーミンガムへ行った職員に質問をしてみて、その質問をした結果を委員会に文書で寄越すからというようなこのご協力の姿勢を見せていただきました。当然何という方が行かれてというところまでは、こちらとしては個人情報の関係もございますのでできませんから、ではそのお名前は結構ですから、どんなお答えだったのかだけ八十二銀行さんでまとめてお聞かせいただけませんかというふうなことをお願いいたしましたところ、快くご了解いただいてその記録をお寄せいただきました。記録はこの資料についております。それによりますと、八十二銀行さんの方で随行された職員がおっしゃるには、そんなに百何十万ドルもの大金を持って行った記憶はないと。向こうで管理していたのは確かにあったけれども、たかだか1万ドル前後であったと、そんなお話でございました。またそれ以外の、当時バーミンガムに一緒に行かれた招致委員会の関係者などからも事情を拝聴いたしましたが、そのような大金をみんなで小分けして持っていった覚えはないと、こんなことでございました。
   したがいまして、では本当にその2億2,500万円相当のお金をドルにかえて、海外へ持って行かれたのかどうかについては、実態はわかりません。本当に持って行かれたのか、持って行っていらっしゃらなかったのか、これは今となっては確認をするすべはございません。ただはっきり言えますことは、2億2,500万円をお持ちになって約1億3,500万円はお返しいただいた、お返しいただいたその差額の約9,000万円が、何に使われたかわからないということだけは認定できるな、というふうなことから、9,000万円を使途不明金というふうに認定した次第でございます。
   帳簿を処分して残しておくとまずい理由の3つ目でございますが、報告書の12ページの方へ。12ページ上から3行目、C、過剰接待や使途不明金の住民監査請求からの隠蔽の必要性。一部住民の方が、使い方がおかしいからと言って住民の監査請求をなさいました。結果はここにも書いてございますように、県の監査委員は請求できる期限の1年を過ぎているからなどという理由で、大部分を却下されたようでございます。ただそのときの根拠は、招致委員会は県の機関ではないからということが理由だったように、いろいろな資料から読みとれます。現にそういうことを主張していた事実もあったという県の記録が残っております。それもこの資料にはつけております。そんなことから言いますと、却下をする理由の一つがなくなったということは、逆に言えば、隠蔽しなければいけないから、そういう理由をつけて却下したのではないかというふうに認定した次第でございます。もちろんほかにも理由がいくつかございます。詳しいことは、この本文第1章にきちんと書いてございますので、ごらんいただきたいと思います。
   同じページの認定その2でございます。帳簿の処分は、吉村知事の気持ちを慮った幹部職員の、誘導と黙認の結果であって、当時の教育委員会の黙認は管理失当である、というふうに認定いたしました。ある方から事情を拝聴しましたところ、こういうご発言がございました。その一部をこの12ページ、下から7行目に引用してございます。ちょっと読んでみます。「・・・そんな中で、ああいう帳簿の中にはIOCの個人の秘密に類するような話がいっぱいあったから、迷惑になると判断したんでしょう」と。「・・・帳簿を保存する、そういうことは大事なことなんだけど、知事が処分してしまうんだという考えが当たり前になっていた。知事が処分するんだという趣旨のことを言われたから、誰も、取っておくという意識はなかったね。」というふうな発言が、私どもがとらせていただいた記録の中の一部にございましたので、これをそのまま引用させていただきました。もちろん知事というのは田中知事ではございません、当時の吉村さん、吉村知事でございます。
   これについて、やっぱり関連した記録があちこちにあるんですね。その辺を調べてみますと、13ページの上から9行目ぐらいに書いてあります、@、A、Bのところに3つばかりそれを裏打ちするなと思われることを述べておりました。@、知事が具体的な意思表示をしなかった、処分しろという意思表示をしなかったとしても、当時の幹部は、外国の方々への迷惑を避けるためにも、帳簿がないことが望ましいというふうなことで、いろいろと検討がされているようだという発言も県の議会でしているわけです。この辺は29ページに書いてございますので、後ほどお読みいただきたいと思います。
   それからA、実は91年11月17日に朝日新聞が「招致費19億円の明細書は焼却の方針」といった趣旨の記事を載せておられますが、普通の公務員の方でありますと、5年間残しておかなければいけないという書類を、どこかの新聞社が焼却の方針であると書いたら、それはおかしいぞと思うのが普通でございますが、そういうおかしいなという異論や反論は、県や市の職員のどこからも出ていなかったようでございます。そういうことを示した資料というのは全く発見できませんでした。
   ちなみにこの招致費19億円の明細は焼却の方針ということを、取材をお受けになったのは、その次のBに書いてございます山口さんでございますが、山口純一さん、当時の招致委員会事務次長でございますね。教育委員会に照会をなさったんだそうでございます。この帳簿はどうするんですかと。そうしたら返事がなかったんです。返事がなかったことが今回の原因の最大のものであるというふうな趣旨のことを・・・何て言いましたか、長野自治何とかセンターと言うんですか、ちょっとここには書いてございませんが、そこの報告書の中に書いておられますので、その報告書に書いておられることは事実かなというふうにご本人に確認しましたら、ご本人は事実であると、こういうふうに言っておられました。そんなことから、当時の吉村知事の意向を体した県の幹部の方々、あるいは当時の教育委員会の方々の、いわばちょっと古臭い言葉でございますが、"忖度のガバナンス"、人様の気持ちを慮って、やっちゃいけないことまでやってしまおうかというふうな部分というのがあった、と私どもは認定しております。
では、その使途不明金9,000万円は、何でつじつまを合わせたのかということでございます。13ページ、認定その3でございます。9,000万円あれに使った、これに使ったというお話はございましたが、実は全部具体的な支払いは支出記入帳に書かれておりますので、何かで穴埋めをしておかないと実はつじつまが合わないわけですね。それはどうもいろいろ調べてまいりますと、当時の長野市を紹介する、あるいはこのオリンピックの会場候補地を紹介するVTR、ビデオでございますね、これを実際は1億1,200万円のお金を使って作っておりますけれども、これを約2億円かけたというふうに、8,800万円ほど膨らませてこれでつじつまを合わせたと、私どもは認定しております。
   実は平成11年2月3日の毎日新聞に、VTRは2億円だという記事がございました。資料の20ですか、こういう毎日新聞さんの記事が出ております。この新聞の左上に、小さな字で91年度の長野冬季五輪招致委活動費というのがございまして、この招致活動費の小さな字の下から6行目に、総会用ビデオ制作費20,000とございます。これ単位が万円単位でございますので、数字は2億円と読めるわけでございます。ところが実際には、先ほど申し上げた支出記入帳やら、それからその他の資料からつけ合わせてまいりますと、ここにも書いてございます1億1,272万円しか払われておりません。残りの8,800万円ほどは、これは膨らませたというふうに認定した次第でございます。
   それから本文へ14ページにまいりまして、認定その4、帳簿の処分時期でございます。これは県議会で知事さんや当時の幹部の方が、「平成4年3月末ではないか」というふうに何回か言っておられますが、これは嘘でございます。私どもは、少なくともそれから4カ月経った平成4年7月、具体的には20日までは帳簿は残っていたというふうに認定した次第でございます。ここのくだりは、実は一部報告のところで、今年の1月12日にかなり詳しく図解入りで説明いたしましたので簡単にしておきますが。なぜ7月20日と認定したかと言いますと、7月中、実は監査があったんですね、県の、先ほどの住民監査請求を受けた監査ですか。この監査で、当然まともな監査をやっていれば帳簿を調べた、もし帳簿を調べていない監査だったらこれは監査ではない。ですから、私どもは監査があったということは帳簿を調べていると、だったら帳簿は残っているはずですね。そういうことで、7月20日までは少なくても残っていたというふうに認定した次第でございます。
   ここで県の当時のご関係の方々は、3月末にその場所を移らなければいけない、引越しをしなければいけない。当時はNAOCでございましたが、引越しをすると余分なものは捨てなければいけない、だからどうでもいいものは捨ててしまったと、こういうご説明なんですが、そのどうでもいいものの中に、実はこの大事な帳簿が入っていたわけです。当時の方の記録によりますと、大事なものは残しておいたと、この大事なものは何かと言いますと、パンフレットとか、あるいは幟ですとか、そのようなものを残して、どうでもいい帳簿は処分したというのが処分した理由でございます。ただその大事な帳簿というのは、いったい床面積でどれぐらい必要なのかというのを計算してみました。B5版の帳簿が90冊だそうでございます。ちょっと大きめの段ボールですと、一つの段ボール箱に7、8冊は入ります。大き目の段ボールだってこれぐらいでございますから、床面積はせいぜい0.3平米ぐらいだと思います。90冊ですと、ひと箱に仮に7冊入ったとしても、15箱あれば足りますね。15箱ということは0.3平米の床面積でもダーッと積み上げますと、5箱は積み上がりますからこのぐらいですね。そうすると1平米床面積があれば、B5版90冊を段ボールに入れて残しておくことはできるわけです。それをどうでもいいものだと処分をなさるというのは、ちょっといかがかなというふうに思っております。当時この辺のことは県議会でもいろいろ質問があったようですが、皆さんどうもこの辺は全然不思議に思っていらっしゃらないんですね。大変結構なことだと思います。
   その次、本文の15ページ、認定その5でございます。帳簿の保存義務に反したことや、県が適正に監査しなかったことを正当化するために、随所でコジツケの説明を重ねた。その主因は、「招致事業」に対する考え方の変化にあるということでございます。これは、最初のうちは、このオリンピック招致活動というのは県の事業ではないと。したがって、招致委員会というのは県の機関ではないということで通しておられたようでございます。ですから、公文書公開請求がありましても、あれは県の事業ではないことをやっている県の機関ではないから、公文書ではないから、県としての公文書は不存在であると、こういう主張でこられたという記録が残っております。しかしそれから1年ぐらいたったあとに、今度は、いや、あれはこの県の機関であると、県の事業だというふうに変わりました。変わった理由は、交付金を出しているにもかかわらず、そこに県の監査委員の監査が入っていないことや、情報公開請求の対象にしていないなどを正当化するために、あれは県の事業であると、招致活動というのは県の事業であり、招致委員会というのは、交付金を受けとっておってもそれは監査をする必要のない部署であるというふうな理屈にお変えになったようでございます。ここのところの理屈というのは、なかなか私もよく実は理解ができないところでございますので、詳しくはここに書いてあります、ここのページをお読みいただければと思います。
   そんなことで、ではその交付金というのはいったい県が招致委員会に交付金を、9億何千万か出しているわけですけれども、それを出していても監査をしなくてもいいのか。あるいは交付金というのは出しっぱなしでいいのかというふうなことについて、当時の旧自治省、今の総務省、旧自治省に県の方が二回お伺いをしているんですね、こういう考え方でいいのかと。すると自治省の方は、いや、それはちょっと自分たちで判断できないと。しかし、長野県の言う気持ちはわかるけれども、その判断にはちょっと無理があるよ、というふうなことをよく言っておられます。普通だったら元締めの自治省がそう言うんですから、それをそうかと、では自分たちの考え方はまずいねと言って普通の県だったら変えるんでしょうけれども、長野県は変えなかったんですね。偉いですね。やっぱり交付金を出していても監査はする必要はないということで押し切っております。
   その辺のところは、実はこの資料の6と7に、長野県が聞いたことと自治省が答えたことが比較的わかりやすく書いてございますので、参考までにつけておきました。なおその資料6と7のちょっと前の、資料の5−1というのをごらんください。ちょっと小さな字で申しわけありませんが、資料5−1に、左の方に見出しで「住民監査請求に係る打合せ会議」というのがございます。このページの右の方の●(黒丸)が4つばかり小さな黒丸がついております、右の方に。その黒丸の3つ目、ちょっと読んでみます。県議会での招致決議も根拠としては弱いと。これは打ち合わせ会の中で、どこかの課が言った言葉なんでしょうね。ですから、そんな交付金を出していても、監査請求にはちゃんと応じなければいけないという意味のことを言っているんでしょう。その次の行です。過去の公文書公開請求時において、県の事業ではなく、したがって詳細な収入、支出関係書類は存在しない旨の考え方を示していた時期もあったと、ここでその1年前の自己批判をしておられるわけでございます。
   その次、本文の16ページへまいります。下の方の認定その6、県は長野地裁に「帳簿はない」との事実に反する報告をした。住民監査請求がありまして、それから住民グループの方が却下されたものですから、今度は住民訴訟、損害賠償請求を起こすことになります。その時点で帳簿がないのかというふうなことになりまして、長野地裁が当時の県庁に、帳簿を保管していないかということを調べてくれというふうな請求をしております。それに対して当時の長野県は知事名で、帳簿は保管しておりません、どこにあるかもわかりませんというふうな答弁をして、ここで初めて帳簿がないということがわかったわけでございますが、実はあったんですね。その証拠に、皆さんのこれについておりますから、本当に調べれば出てきたと思うんです。ですから結果的には嘘の報告をしたと、こういうことになります。
ちょっと不思議なことなんですが、例えばこの住民監査請求に関係するこの書類なんていうものは、私どもが倉庫へ行って探しておりますともう何百枚も出てきます。同じものが。だからいろいろな方が保管しておられたんですね。おそらくファイルの数からしますと、私どもが倉庫へ行って埃を払ったファイルを持っていた方、要するに担当者の方は、たぶん15、6人から20人ぐらいおられるんじゃないかなと、これは推測ですからわかりません、ぐらいの方々がいろいろなファイルを作っておられたんですね。その中に、実はこの長野地裁から帳簿を探してくれという依頼があった、普通そういう依頼がありますと知事にあるわけですから、そうすると知事から命令がおりまして、いろいろな部局長に命令がおりて、そして部局長から課長さん、主任さん方に命令がおりて、みんなで探せということになるわけですね。そういう指示をした文書というのが1枚もないんです。他の文書は、同じようなものはあちこちにたくさんあるんですよ。これは僕はこの仕事が終わりましたら、一度今の県の方に伺おうと、こんなことがあったら皆さんどうするかと。私の民間の経験でも、社長あてにそういうものが来ましたら、ちゃんと部長から課長にみんな下りますよ、この帳簿を探せと、いつまでに探せという指示が文書で行きますが、その文書が一つもないんです、あったのはわずか3枚、3枚のうち2枚はここの中につけてございます。質問書、そういう調査書みたいな依頼書、依頼書(補注:調査の依頼書とそれへの回答書の意)がない。もう一つ、ありませんですと、こういう返事を出してもいいかという伺い書、その3枚しかない、ちょっと不思議なことですね。
   その次、本文の17ページ、認定その7でございます。刑法上の判断を"国内法上の決着"にすり替えたが、民事上・行政上は違法行為であった、と認定いたしました。実は住民訴訟なり、損害賠償請求訴訟が最高裁で棄却、上告棄却になりまして、住民グループの方は一応敗訴ということになったわけでございます。それから長野地検の調査でも、起訴はしないということになったわけですね。この二つを以って当時のこの県の方々は、これで国内法上の決着がついたというふうに言っておられますし、またその報告を受けた、実はまたあとで申し上げますけれども、日本オリンピック委員会(JOC)の方も、国内法上の決着がついたというふうに理解しておられるということですございますが、実は法律というのは、ここに弁護士の先生がいらっしゃいますけれども、受け売りでございます、ご存知のように民事と刑事とございますね、民事の裁判の結果と刑事の裁判の結果とはしょっちゅう違うことがございますね。この公文書毀棄罪ということで住民グループの方がお訴えになったわけなんですけれども、この公文書毀棄罪というのは、刑法のものということになります。招致委員会というのは公務所ではないから、公務所でないところの文書は公文書でないから、したがって公文書毀棄罪には該当しないということのようでございます。それで決着がついたということなんですが、実は別に民事上の問題は残っているわけでございます。
   どういうことかと言いますと、県というのは、これは県に限らず地方自治体はそうなんですが、県からお金を払うという場合と、県がお金を受けとるという場合がございます。これを県の金銭債権もしくは金銭債務と言いますね、県がお金を払う場合と県がお金を受けとる場合。これについては、時効は5年間ということになっていますから、その5年間の間は帳簿を残すという意味で、実は帳簿の保存期間を5年間だとしたというふうにも理解できるわけですね。帳簿が残っていないと、県から受けとるべき人が、おい、あの金払ってくれと言われても払えないわけであります。ですから、そういう意味から行きますと、すなわち民事上からは当然招致委員会と県との間に契約、これ招致委員会というのは民間の団体でございますから、招致委員会という民間の団体と県との間の契約で、帳簿の保存期間を5年間ということに定めてあるのに反して勝手に処分してしまったなら、これは民事上の違法行為ではないかという認定でございます。当然行政上も同じ観点のことが言えるのではないかと。
   同じページの認定その8、寄付金は"事実上の割り当て募集"であった、と認定いたしました。この寄付は大きく二通りございます。個人の方々から「長野県スポーツ振興協力会」というところを経由して集まったお金と、それから「長野オリンピック招致財務委員会」というところを経由して集まった、主として県外の財界募金の寄付金と二通りありました。実はこの両方とも、私どもは地方自治法に反する割り当てであったというふうに認定してございます。地方自治法、地方財政法でしたか、失礼しました。
   理由は簡単です。この二つの団体を作らないといけなかったことが、そもそも割り当ての原因でございます。もし本当に県が、これ県に対する寄付というのは、我々個人であろうが、会社であろうが、団体であろうが、県に対する寄付というのはみんなこれ非課税なんです。ところが県が自然体で、今度オリンピックやるから寄付してと言ったのではなかなか集まらないと思ったから、わざわざこういう協力会とか財務委員会という団体をつくったわけですね。ちなみに財務委員会の委員長さんは、小坂善太郎さんでございました。そういう団体をつくって、そこが一生懸命あちこちに事実上の割り当てをしたからこそ、あれだけのお金が集まったんですね。もしこれ自然体ならほとんど集まっていなかっただろうと思うからこそ、そういう団体を作ったんです。団体を作ったということが、割り当てになるという証拠ではないかということでございます。
   なお、これについては財界募金をなさった方、企業ですね、主として、のうち郵送可能な住所のわかる方々に、約700通ばかりのアンケートをいたしましたところ、やっぱり割り当てだったというお答えをお寄せくださったところもございます。この企業名はオープンにはできません。それから長野県内の一般の個人の方、例えば歯医者さんですね。こういった方々からも、いや割り当てでえらい往生したと。そうですね歯医者さんのお話と言いますと、有名人の方もこれやっぱりいろいろなところから寄付を寄付をと、いろいろなところから来るんだそうですね。それで固まらないというので、歯科医師会一方でやってくれと、そうすると歯科医師会もしょうがないものですから、これ以上ほかの寄付金はいたしませんと1人1万円、歯科医師会として800万円寄付をしてくだされば、あとの寄付はしていただかなくて結構だというふうな念書を出してもらったと、この資料についていますからご覧ください。
   その次、本文の18ページ、認定の9でございます。目的不明の預金口座が6口もあり、資金の出し入れは不自然そのものでございました、と認定いたしました。これは招致委員会の名義の預金口座を全部出してほしいというお話を県にいたしましたところ、県が長野地裁を通じて八十二銀行から取り寄せていただきました。それを私ども県からお預かりして分析いたしました。これは今年の8月でしたか、県の方からそういうお知らせをいただきました。八十二銀行さんも、それなりにお立場があってご苦労なさったと思いますが、そういったご協力、お礼を申し上げたいと思いますが、どうでしょう、普通、口座というとそんなに何口もいらないんですよね、たくさんあればややこしくなりますから。ただ、奥さんの口座とだんなの口座とか、子供の学資金の出入りの口座とマンションの管理費の口座と、一般家計費の口座というふうに目的別に分けるとかというふうな場合には、3口も4口もあるということはあるんですけれども、実   はこの招致委員会には、普通預金だけで6口口座がございました。
   ここら辺のところは、恐れ入りますが、この本文の64ページをちょっとご覧いただきたいと思います。64ページ図表5、招致委員会の預金口座と資金の流れ。真ん中辺に白抜きでA−1から6まで書いてございます。これが普通預金で日常の受入、支払をやっていたものと思われます。この部分、6口の口座の間で、結構不自然なお金の出入りがありまして、正直よくわからなかったんです。よくわからないんだけれども何か不自然だなということだけはわかりました。それから、寄付を受け入れる口座が2種類、2口と言いますか、寄付金Aのところに書いています。図表Aのところで書いてあります、これらしい、これが直接県が受け入れる口座なんですね。それからBで長野県スポーツ振興協力会に入った、そこが呼びかけたお金が入る口座というのが、これ一般の方から入っていくわけですね。それからCは、これは先ほど申し上げた招致財務委員会という委員会、小坂善太郎委員長のもとでできておりまして、ここが呼びかけたお金がこの普通預金口座(補注:招致財務委員会の口座)のどれかに入るわけです。その入ったお金は日本体育協会の方の口座に入りまして、その日本体育協会からしばらくしますと、この招致財務委員会の依頼で普通預金口座に入ると、こういう流れになっております。ですから口座数で行きますと、通常の普通預金の6口座のほかにこの口座、Cという口座、Dというものがありまして、そのほかに定期預金の運用口座というのがございます。一番下に書いてございますB口座ですね、口座B、これが5口ございました。こんなちょっと複雑な構成になっておりまして、これを全部名義人ごととか、日付ごとに分類し直しまして調査しました結果、この本文19ページの白いひし形が5つございますけれども、上から2つ目のひし形、先ほどの支出記入帳、約400件のお金の出入りがございますが、このうちの200件はこの預金口座の異動明細と突合できたわけですが、残り200件はちょっとわからなかったですね。わからないということは、別に何か口座があるのかもわからないですね。
   それから3つ目のひし形、招致委員会というのは東京事務所が置かれていたわけでございますが、この東京事務所に対して、6回にわたり100万円単位で現金が持ち出されております。しかしその現金のほかに、「振替」という異動がほかに3件ございます、合計で9件あったわけですね。振替というのは相手に口座がないとできませんから、東京事務所の口座もある はずなんですが、これはご提示いただいておりません。
   それから4つ目のひし形で、外為ネットというものを利用した件数やら、あるいは外貨預金口座と思われるものを利用した送金が約20回ございます。先ほどの使途不明金の9,000万円でございますが、あれなんかにしましても、何も現金を小分けして持って行かなくても、こういう利用で外為ネットか、あるいは外貨預金口座というものを使っているわけですから、そういうところを使えばそんなに怖い思いをしなくても済んだのにと思うんですけれども、なぜか現金が出ているんですね、なぜか現金が出て行く。
   それから、こんなやりとりがあるわけですから、何でこの6口もの普通預金口座で、しかも何のための口座かわからない。例えばさっき言った目的別に普通分類するんですけれども、その目的が資金の異動から見てわからないんです。本当はこの振込先が書いてあるとわかったのかもわかりませんが、残念ながらご提示いただいた異動明細には振込先が書いておりませんで、現金の入で金額、それから振込みか現金払いかという形態、そういったものしか書いてございませんので、そこまでの判別ができませんでした。そういったことから、不自然だということだけは言えると思います。
   その下、認定の10、拡大招致委員会の決算書はずさんで、監査報告は結果的には虚偽である。この決算書をご覧になる監事さんというのは会計の専門家ではありませんからしょうがないと言えばしょうがないんですが、しかし素人の方でも監事という立場で書類をごらんになったら、当然わかるべき部分まで見逃しておられる。例えばさっきの使途不明金、それから先ほど申し上げませんでしたけれども、勘定科目が年によって変わっているとか、本来あるべき場所にないとかいろいろなことが重なっておりますので、この程度であれば素人が見てもわかるはずなのに、厳正、適正な監査がされておると書いてある。しかもその監事さん3人の中には、元日本オリンピック委員会ですからJOCの前監事、元監事をやられた方がおられたり、八十二銀行の頭取さんが(判を)押している。その八十二銀行の頭取さんはご自身で帳簿は見ておられるんですけれども、その前段階でプロの銀行員が帳簿を見ているんですね。それでも厳正、適正であったというふうにおっしゃっておられるわけですから、ちょっとどうなのかなというふうに思いまして、結果的には厳正、適正でなかったわけですから虚偽であったと認定したわけでございます。その辺のところは本文の20ページに、Aとして不自然な科目変更の転記、それからBとしてチグハグな支出科目の設け方などを加えておきました。
   それからその次の21ページへまいりまして認定その11、招致委員会の支出とは別に、県の直接負担も2.6億円にのぼり、負担区分があいまいであった、と認定いたしました。これは具体的にはこの報告書の本文の82ページをご覧ください、もうこれを見ていただいたらすぐわかります。82ページ上から3行目、@、A、B、C、D、Eとございます。
@は招致委員会の経費がちょっと足らなくなったから、ちょっと長野県と長野市に寄付してくれというふうなことが発端になったと見えまして、1億4,910万円出ております。それからAは、県の秘書課がバーミンガムへ行った人たちの費用を、これは当時の県会議員の方も含めて、何か餞別金というようなことで結構出ておりますが、詳しくは資料41に書いてございますのでごらんください。それからBは、当時のマスコミの方々へ、県がマスコミの方々へ私的なスキーの集まりの会に2,764万円もお金を負担しています。これはマスコミの方々にはちょっといかがかなと、あえて苦言を呈したいと思います。それから県が採用したのかな、これ特別顧問として、当時の何か外務省の偉いさんを雇っておられますが、この費用。それからIOC委員会への知事主催のレセプション費用。それからEはちょっとややこしいんですが、オリンピックの候補都市として立候補をする際に、IOC国際オリンピック委員会からいろいろな質問事項がございます。その質問事項に対する「回答書」と、長野ではこんなことをやりますよというインフラ等を説明した「概要計画書」というのを約2億5,000万円かけてつくっておりますけれども、そのうちのどういうわけだか、5,850万円を県が負担しております。なぜこういう半端な金額を負担したのか理由はわかりません。それらをあわせまして約2億6,000万円、県が負担していました。これは本来なら、きちんとこういうふうにすべきだろうと思うんですけれども、どうもそういう痕跡はございません。
   それから、本文21ページの一番下、認定その12、JOC日本オリンピック委員会が、実は国際オリンピック委員会から、長野は本当にいろいろなことを言われているけれども大丈夫か、調査しろというふうに言われたIOCへの調査報告というのがございますが、この調査報告は責任回避のために実態を隠していた。そして陰の主導者は「招致連絡会」というのがありまして、これが陰で糸を引いていたというふうに認定いたしました。どれぐらい、日本オリンピック委員会が国際オリンピック委員会に出した報告書の中身と、私どもが調査をした中身とはどれぐらい違うかという一覧表を、本文の22ページの下から23ページにかけてつけておきました。
   本当に一例でございますが申し上げますと、来日した、あるいは長野に来たそのIOCのガイドラインに違反したとされるIOC委員の数は、JOCの調査報告ですとわずか8人、我々が確認しただけで37人。それから右の方へまいりまして、慣習の域を越えると思われる贈答品を受けとったIOC委員、JOCの報告では把握できなかったと言っておりますが、我々が確認できた限りで39人。それからこれは次に申し上げますが、「スタジオ6」というエージェントがおります、代理店ですね。いろいろこれ疑惑の対象になっておりますが、このスタジオ6との契約と、その支払いについての評価でございますが、JOCの報告では、招致活動につき「必要不可欠であったかどうかについては疑問が残る」という表現になっておりますが、我々の認定は、国際オリンピック委員会自体が「最も悪い」という評価をしておりますその成功報酬、成功報酬をもらっておりますが、それが含まれているのにJOCはそういう報告はしていない。我々は成功報酬であったと認定しているわけでございます。それからJOCによる招致委員会への指導、JOC自身は「十分な連携や指導を行っていなかったことを反省する」というふうな事実に反する報告をしていますが、我々が調べますと、これは我々が調べなくてもどうなんだろうと思いますが、いろいろな書類に書いてあることをそのまま読んでいきますと、実際はJOCが、先ほどの招致連絡会というものを通じてかなり具体的に指導をしておりました。その招致連絡会のいろいろな議事録が手書きでもございますので、それもこの資料に全部つけてございます。特におもしろいのはこの表の下、7行ぐらい下のところにおもしろいことがありますね。括弧書きで書いてあります。あるJOCの委員さんの言葉でございます。「IOCには制約がある。しかし制約には抜け道がある。」いい言葉ですね、これ。IOCには制約がある、しかし制約には抜け道がある、これをやってくれというわけですね。こういうふうなことがちゃんと記録に残っておりますので、資料につけてございます。詳しくは96ページをごらんいただければと思います。ここはちょっと時間の関係で省略いたします。
   それで、認定その13でございますが。今、申し上げたこの「スタジオ6」というエージェント、これ国際的にかなりノートリアス(notorious)、悪名の高いエージェントのようでございますね、いろいろ記事を読みますと。そこへ実はスイスフランで4,500万フランぐらいでしたか、ちょうどこのとき1フラン1円ですから日本円で4,500万円。そのうちの1,500万円は長野にオリンピックの誘致が成功したら払いますと、成功しなかったら払いませんということになっているのだそうです。契約書はもう燃やされておりますのでありません。しかし、いろいろな人のこの説明、記述を読んでおりますと、そういう書き方になっているのだそうでございます。その辺の資料もこの資料編についておりますので、お読みください。
   長野に誘致がうまく行ったら払う、うまく行かなかったら払わない、この1,500万円相当のお金は、長野県知事のお話によりますと、これは成功報酬ではないと。契約書には、契約書というのはこのスタジオ6というところと招致委員会が結んだ契約書でございますね。これには英語で、すみません、私もあまりうまくないんですが、アディショナルペイメント(additional payment)、アディショナルというの付加的、追加するという意味ですね。アディショナルペイメント、支払い、アディショナルペイメントと書いてあるからこれは成功報酬でないというのが、当時の県の方からの主張でございますが、しかし当時も今も日本語で言いますと、これは成功報酬というのが普通の感覚でございましょうねと認定しております。
   最後、認定の15でございます。これはまことに恐れ入りますが、資料72をまずはごらんください。資料の72には文化庁、当時の文化庁文化財保護部美術工芸課長さんあての申請書がございます。古美術品輸出監査証明について申請で、申請者は吉田總一郎さんとなっております。この方は後の招致委員会の事務総長代行をしておられた方でございます。この方の名前で、刀一振りがサマランチさんのために国外へ持ち出すことの証明の申請がこれでございますが、その刀というのは、ご存知のように一県民の好意ということで、当時の長野県在住の高橋次平さんのお手になった刀一振りがサマランチさんに贈られております。その刀というのは、これ国外へ持っていくときには、美術品、古美術品でないという鑑定書みたいなものがいるわけでございまして、その鑑定書を国外に持ち出すために文化庁に出していたんですね。ところが、この吉田總一郎さんの筆跡と判こはご本人ではない、だれかが偽造したんだと。実はそのこともJOCの調査報告の記録の中にも出ておりますが、では吉田總一郎さんご本人がやったんじゃないのになぜ告発しないのかと言ったら、いや一緒に仕事をした仲間なんだ、これは私文書偽造同行使ということになるんだそうですが、そういう罪に問われるのが具合悪いから、あえて告発はしなかったと。しかし俺は自分で書いた、判こを押したわけでもないし、あとからそういう偽造されたことを追認したわけでもないというふうに述べておられます。
   この件について、県議会でもちょっと問題になったようでございます、その資料もついておりますが。どうなったのかと言われたら、何かそのときの県の答弁は、いや何かそういうことがあったと聞いておりますということで、何かうやむやになっているんですね。そういうものを放置しちゃいけませんと思いまして、私どもは私文書偽造の疑いを放置していたと認定したわけでございます。
   ちょうど2、3分残しまして予定の時間となりました。私の説明をこれで一応終わらせていただきまして、あと県の方からひとつよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。後ほどご質問をいただきます。

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   磯村会長様、ありがとうございました。ただいま報告書の概要ということで、ご丁寧にご説明いただきましてありがとうございました。ここで報告書の関係で、県の方から事務的な連絡をさせていただきます。
   報告書の開示の方法でございますけれども、本日、これで報告会が質疑応答が終わり次第、予定では午後6時ぐらいに県民の皆様向けに、この報告書をホームページに掲載をしたいというふうに考えております。それから、今日ご報告いただいた内容につきましては、広く県民の皆様にもお知らせしたいという見地から、12月1日の新聞各紙に「広報ながのけん」という形で掲載をさせていただきたいというふうに考えております。
   それから今日ここにおいでいただけなかった皆様からも、このたくさんのページにわたります報告書について、お要りようだという方がいらっしゃいましたら、その方に関しましては県の行政情報センターを通じて、こちらの方は有償になりますけれども、実費の方で配付させていただきたいというふうに考えております。
   それから今後のいろいろ質問等があった場合には、県の方が窓口ということを考えておりまして、専用の電話を設けますから、そちらの方にお寄せいただければというふうに考えております。委員さんに対する質問等もあろうかと思いますけれども、そういった場合も一たん県の窓口の方でお受けさせていただいて、また委員さんとご連絡をとりながら対応をさせていただきたいというふうに考えております。
   それから、説明会が今日で終わりですが、改めて説明会の開催というようなことに関して、また皆様の方から強い要望等があった場合には、お見えの会長様を始め、委員の皆様にお話をしてご了解をいただいた上で、改めて場を設けることも検討しております。
   それから、本日プレス関係の方もお見えになっておりますから、このようなちょっと資料を配らせていただいていますが、ご苦労いただきました「長野県」調査委員会の概要書というもの、この委員会の今までの目的とか調査事項、あるいは今までご苦労いただきました委員さんの今までのお名前等、それから活動の概要、それから事業に応じました経費に関しまして、平成15年度、16年度と、そして17年11月24日現在のものも資料として配らせていただいております。
   それからあわせて冒頭、磯村会長からお話もございました調査報告書に入ってございますが、長野県民の皆様へということで、今後の今、私がご説明いたしました県の方の専用の受付窓口の電話番号、026-232-2272という専用ダイヤルも設けましたし、Eメールの方も県調査ken-chosa@pref.nagano.jpということで開設いただきましたから、こちらの方に何なりとお申しつけをいただきたいというふうに考えております。
それから今日大変失礼いたしましたが、田中知事、午前中に会長から報告書をいただきまして、今、知事からのコメントという形でメールで届きましたものですから、あわせてこのコメントも今おつけさせていただきまして、皆様のお手元に配らせていただいたところでございます。私の方からの事務連絡は以上でございます。
   このあと、それでは今までのご報告を総括いたしまして、質疑の時間ということにさせていただきます。よろしくお願いいたします。
   それでは質疑を受けさせていただきますけれども、もし差し支えなければプレスの関係の方、お名前とか言っていただければありがたいですけれども、よろしくお願いいたします。どうぞマイクを、では持ってまいります。

長野県議会議員 清水保幸氏
   ご苦労様でございました。2年間に近い間、本当にご苦労様でございました。長野県議会議員の清水保幸と申します。
   質問は、ご報告いただいて、やっぱりいろいろなところに疑惑があることは重々承知いたしました。ただご報告の中になかったのは誰がというところについては、何か明確に誰がどういうふうにしたのだというところが明確になかったものですから、1点だけポイントを絞ってお尋ねをいたしますが、報道で大きく報道されております9,000万円の使途不明金があると。このことについて、誰の指示で、誰が実行し、誰が会計を担当したかというようなところは明確になっているのかだけ、お尋ねいたします。

磯村会長
   お答えいたします。明確になっておりません、どなたからもお伺いできませんでした。以上でございます。

長野県議会議員 清水保幸氏
   すみません、そうすると、結局疑惑は見つかったけれども、その辺のところは2年間ご苦労いただいたけれども、解明されなかったということでよろしいでしょうか。

磯村会長
   おっしゃるとおりでございます。

長野県議会議員 清水保幸氏
   わかりました。結構でございます。

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   よろしいですか。そのほかの皆さんで、どうぞ。

信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
   信濃毎日新聞の記者の宮坂重幸と申します。
1点、率直にお伺いしますが、この1月に中間報告をしていただいた時点で会長さんより、慎重なニュアンスで9,000万円の使途不明金等が推測される、コピーが本物であれば推測される、一番そこが重要だと思うんですけれども。その時点と今日のこの報告書までに、いろいろ証拠保全ですとか、その間皆さん調査されたんでしょうけれども。今回のこの、いわゆる認定という言い方がちょっと若干意味が広いものですから、1月の段階と今日皆さん、委員さんがそれぞれ報告書にまとめたこの内容とどう違いがある、どこが違っているのかという、もうちょっと補足していただければありがたいなと。

磯村会長
   1月12日の時点では、あくまでも本当に一部の報告と、むしろ情報提供のお願いの方に我々は力点を置いたつもりだったんですが。その時点と今と比べまして、一つだけ違いがございます。それは、八十二銀行さんの口座の異動明細が入手できたことでございます。それによりまして、今日お手元についております20枚、20ページの支出記入帳の信憑性が裏づけられたということでございます。

信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
   わかりました。それから別紙で県民の皆様へということで、半年たってもこれに対する具体的な反論ですとか、お話を、ご異論がなければこれが事実だと断定してもいいんじゃないかというふうな理屈と言いますか、理論の運びになっているんですけれども。仮に招致委員の関係者の立場に立つと、彼らが言っているように、帳簿が完全に焼却されてしまって彼らの手元にはないんだと、具体的に何も証拠として、実際に9,000万円の使途を示すような書類が仮に過去にあったとしても、仮に過去にあったとしても現在示すことができないんじゃないかと。要するに、無かったことの証明が非常に難しいというか、不可能だというような反論も、彼らから受ける可能性はないんでしょうか、それはどうでしょうか。

磯村会長
   いや、それはどうでしょうか。何かいまだにどこかに帳簿を隠してあるんだというふうにおっしゃる方もおられるんですけれども。ですから是非、もしそうであれば、その帳簿を出してほしいんですよ、反論してほしいんです。以上でございます。

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   そのほかの方、いかがでしょうか。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   招致費の返還訴訟の原告団の江沢です。何点かあるんですけれども、まず一つに今回の違法行為というか、脱法行為というか、そういうものがいくつか認定という形で出されたわけですけれども。その事実関係の中でというか、やっぱり誰が責任があったかということで言えば、やっぱり招致委員会の会長の吉村午良で、彼はその招致委員会の解散後、代表清算人でもあったわけですよね。塚田市長それから吉村午良県知事がお金の、事実上の招致委員会のトップであり続けたわけですし、そのあとの清算業務の代表者でもあったわけですよね、それで招致委員会の会長でもそれぞれあったわけですけれども。こういうふうな仕組みというのができちゃうと、県民が普通に働いて普通に生活している感覚で言いますと、みんなが一緒くたになってそういうことを、悪いことをしようと思うとできちゃうというか、それが今回のこの招致委員会のお金の問題で一番の疑問だったわけです。
   先ほどのご質問にもありましたけれども、やっぱりあえて質問というあれでもないんですが、やっぱり責任は吉村県知事にあったと思うんですよね。それで、それをお金の出し入れに対して現場の事務をやった県の職員の方もチェックを怠った。それから、今回のこの新しい資料を見ますと、やっぱり寄付行為、それから入ってきた部分、出の部分についても当然県の財政をチェックすべき県議会でほとんどそのチェック機能が果たされていなかったと。それは県会議員も招致委員会のメンバーだったわけですから、当然と言えば当然なんですけれども。やっぱり出の部分も入の部分も、現在に至っても明確に明らかにならないと。帳簿がないということはもちろん無罪だったという証明にもなるんじゃないかというご指摘もありましたけれども、やっぱり余計疑惑が増すわけです。そのことについて、とても変な思いなんですけれども。
ちょっと具体的なことを何点か伺いたいんですけれども。僕個人としては、9,000万円のその使途不明金があったということには別に驚かないんです。もっとたぶん使途不明金があったんだろうと思っていますし、問題は長野県、田中知事がこの調査委員会を設置されたということは、やっぱりこの帳簿がなかったことに起因して、それからなおかつオリンピックを招致したことによってオリンピックを開催し、その結果、県の財政がこういうふうに悪化したんだと。その県財政の悪化の原因を探ろうというのが、やっぱりこの調査委員会の立ち上げの一つの原因になったと思うんですけれども。
   一つには交付金、県から9億2,000万円が出ていますけれどもこの交付金の出し方、何と言うんですか交付金の交付の仕方、交付金額の合計額もそうですし、交付の方法もそうですし、交付金の使われ方、それで使われたお金の清算の仕方等々、一つも県の補助金等交付規則を満たしていないと思うんですよね。それについては明確に、県の補助金交付規則に違反しているというふうなお考えでよろしいんでしょうか。

磯村会長
   明確にとまでは言い切れませんが、少なくとも一般的には違反していると思います。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   それで、とにかく出て来た文書を総合しても、補助金等を申請する場合には総額、目的それから年割ごとの支出、それから使途の内訳、なおかつ使ったものについては、実績報告書を報告するということになっていますけれども。年表のような報告書以外に出ていませんでしょう。そんなことで、今日のお話を聞いて余計にこの補助金等交付規則に全面的に違反していると。それで問題は違反しているにもかかわらず、延べ10回でしたか、僕も忘れちゃったんですけれども、次の年度も次の年度もという形で交付金が出し続けられているということもやっぱり、ということは、県議会についても、県の現場においても何もチェックしなかったということだと思うんですよね。
   それから、ちょっと今日も、今の磯村先生のご報告の中に出ていなかったんですが。仮払い、概算払いされた交付金が、県の財務規則では一たん精算されなければ、次の概算払いはできないというふうになっていますけれども、その点についてはいかがなんでしょうか。

磯村会長
   この点については、正直一たん概算払いをされたものの精算というものの記録が、私どもが集めた資料の中にはなかったんです。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   ということは、招致委員会から出された交付金、交付された交付金について、こういうふうに使いましたという報告が県に上がっていないということですよね。

磯村会長
   それがわからないんです。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   わからない・・・県にはなかったということですか。

磯村会長
   県にはなかったというか、それが我々にはわからなかったと。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   わからなかったと。それで当時の公文書公開請求でもないということだったわけですよね。

磯村会長
   ですよね。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   それから、原告団と知事と市長を告発したその告発人の190何人かの代表で、検事ともお話したんですけれども。今日のお話を聞いていますと、まず一つ、住民訴訟の方では住民監査請求をする時点では帳簿があったと、監査請求を出した92年7月までは・・・

磯村会長
   平成4年の7月ですね。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   そうですね。だから92年の7月ということですが、あったということですね。それが断定されたことは、とても意外と言えば意外なんですけれども。その前回の中間報告のときに出された一部の資料も、監査委員会に提出された資料なわけですよね。ところがその後の公文書公開請求でも、あの中間報告の文書も公開されなかったんですよ。

磯村会長
   そのようですね。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   ええ、それから僕がやった公文書公開でも一度も、ここに今日出た新たな文書を見てびっくりしたものもいっぱいあったんですけれども、出なかったということは、やっぱり公文書公開条例に違反していたということも・・・

磯村会長
   そこのところまではチェックできませんでした。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   そうですか、わかりました。それからもう1点なんですけれども、検察の方は、招致委員会は公務をしていなかったという見方も1点していた。公務を例えばしていたとしても、もう支出の日から帳簿を処分しちゃったこと自体、問題がないという判断だったと思うんですけれども。交付金を出した県としては県の公務を、つまり交付金をきちんと使ってくれて、それをきちんと精算してくれるというのは県の公務なわけですから、それの元になる帳簿がなかったということは、それで県が必要としていた文書ですから、公文書のように供する文書だという理解の仕方で言うと、招致委員会の会計帳簿というのは公文書であり得たんだと、僕たちは今でも思っているんですけれども、その点はいかがでしょうか。

磯村会長
   お上であります検察ご当局やら、裁判所ご当局がご判断なさったことについて、私どもは異論を申し上げるつもりは毛頭ございません。あの方々はたぶんそういうお考えで、特に刑法の立場からお述べになったんだろうと思いますが。私どもは、民間とお役所との間の契約という観点からおかしいんじゃないかということを申し上げていますので、立場がだいぶ違うと思います。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   あと弁護士の方がいらっしゃるので、その自治法で、地方自治法上、今回の招致費というものの出し方に違法性があった、あったらしいというか。それで地方自治法にたぶん書いてあると思うんですけれども、違法な招致活動、いわゆる違法な交付金の支出によってオリンピックを呼んだと。その違法な招致活動によって、それ以後のいわゆる県が支出したジャンプ台の建設費とか、そのほかオリンピック関連の道路建設費の支出というものに対して、招致をしたという違法、僕は違法であると思うんですけれども、その違法な招致費の交付を受け、それから使い方をして、それでオリンピックを呼んだ結果、次の県からの財政負担が増えて結果的に県財政を悪化させたという意味では、これ招致活動自体が違法だったというふうには、そういうふうに、自治法にはやっぱり違法な交付金の支出が、次の交付金の支出を生んではならないというようなことが確か書いてあったと思うんですけれども、結果的には県財政が悪化したことは間違いないと思うんですよね。その点は、ちょっと僕も勉強不足で申しわけないんですけれども。

喜田村委員
   私どもが認定したのは、一部の招致活動、あるいは支出等に違法があったということは認定をいたしましたけれども、と言って、それからあとの招致活動とか、あるいは交付金の支出がそれによって地方自治法上直ちにすべて違法だったということは、必ずしもそれぞれの因果関係とかがございますので、すべて違法化するものではないと。ただ政治問題、あるいは県民の方のお立場からしていかがであろうかという疑問は当然出てこようかとは思いますけれども、法律上直ちにということには必ずしもならないのではないかと思います。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   それからもう1点なんですけれども。では、いわゆる地方財政法上の割り当て的な寄付があったということですよね。それは地区の町内会まで割り当て的寄付が及んでいるんですけれども。この割り当て的寄付というのは、地方財政法で違法だとされていることなわけですよね。その違法だとされているということをやっている、そのお金の入の部分でやっていたということで今のお話にも通じるんですけれども、この招致活動の一部が違法だというふうな認定をされれば、ほかもお金の出し入れもみんなそういうふうな疑問符がつくわけですから、十分違法、招致活動の全体の違法性というものが僕なんかはあるんだと思うんですけれども。
   あれなんでしょうか、確か県の県預金担当者が、一般寄付のほかに1億円の指定寄付があったというふうに、僕、当時の記憶でしているんですけれども。その1億円の招致活動に使ってくれという1億円の指定寄付に関しては、90年の段階でもう既にそれに関する書類はなくなってしまっていたというふうに、確か小林俊規さんだと思うんですが、ご説明を受けたと思うんですけれども。その指定寄付についてのあれという記述がないというように思うんですけれども。

磯村会長
   その点はお話としては聞いたことがございますが、それを裏づける資料、もしくはそれをどうしたかという資料は発見できませんでした。私どもが見過ごしたのかもわかりませんが。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   わかりました。それで、それから一般寄付・・・

磯村会長
   もう一つ、先ほどの割り当て寄付という違法行為をした、その行為が及ぶ招致活動が違法ではないかという部分については、どうでございましょうかね、ちょっとたとえは悪いんですけれども。立小便をしたと、軽犯罪法違反であると、その男がその足で善意の寄付をしに行ったと、その寄付金は立小便をするような違法なことをする男だから受けとらないということなのか、よく似ていると思うんですが。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   財政法の割り当て的な寄付の禁止というのは、国家権力が、地方の権力もそうですけれども、納税をさせるという国民の基本的な義務を国民に課せている、その納税のほかに、新たに税的な寄付をしてはならないという法的な趣旨から割り当て的寄付を禁止しているわけですよね。ですから、もっと重大な意味合いがあるんだと思うんです。
   それと今回はその招致委員会の会長と、交付金を交付する側ともらう側の会長が同じ人だったという、その長の兼職禁止にも違反していたと思うんですけれども、その点はいかがですか。

磯村会長
   長の兼職禁止というところまでは実は調べたことはございません。というのは、実はこの招致委員会の性格というのが、もう一つよくわからないんです。ですから、わからない団体の長の兼職禁止が妥当なのかどうかというのも、実は判断がつきかねましたので触れておりません。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   それから県の寄付、スポーツ振興協力会を経て6億数千万円ですか、入っていますけれども、それから一般寄付、一般財源に入っていますよね。ところが先ほどの表を見ますと、ストレートに招致費に行っているじゃないですか。一般寄付というのは、一たん県の一般会計に入って・・・

磯村会長
   何ページでございますでしょうか。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   先ほどのお金の流れを示す表は・・・ここですね、この71ページもそうですけれども、その使い方を規定した、招致活動に使ってくれという寄付じゃないわけですよね、一般寄付というのは。ところが、この窓口になったスポーツ振興協力会を通じてされた一般寄付というのは、全額招致活動に使われているわけですね。

磯村会長
   いや全額ということではございません。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   そうですか。

磯村会長
   わずかはずれております。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   ちょっとお待ちください。それは金額的にどの程度かわかりませんけれども・・・

磯村会長
   それは本当に1割ですけれども。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   そうですか、それは手数料でとられたとかということじゃなくて。

磯村会長
   いえ、手数料かどうかわかりませんが、一応寄付金の金額に加算されておりますから。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   裁判所に提出されたスポーツ振興協力会の寄付金の状況か何かのあれでは、僕たちもちゃんと計算していないんですけれども、振興協力会が集めたお金はすべてというように記憶しているんですけれども、すべてではなくて1割違っていたと。

磯村会長
   いえ、すべてではございません。1割、それはその前のページの69ページをごらんいただきますと、少なくとも一般寄付として残っておりますお金が約4,000万円ございますですね。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   4,000万円、入ったけれども出ていないという。

磯村会長
   そうです。ざっと言いますと6億8,500万円入って、6億4,500万円が寄付金として県の方に入っていると。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   わかりました。それで、この県に寄付されたものは、確か教育委員会の公文書公開で、県の教育委員会体育課の口座にダイレクトに入ってきたと思いますけれども、この調停議定書というんですか寄付の、これはまだ全部残っていたんですか。

磯村会長
   ございません。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   なかったということですね。このスポーツ振興協力会についての記録と、裁判の中でスポーツ振興協力会の所在地、それからだれが代表者をやっていて、どんな組織だったかというのは全然わからなかったんですけれども、それはおわかりになったんですか。

磯村会長
   ほとんどわかりません。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   わからなかったそのスポーツ振興協力会というのが6億数千万円集めて、その9割方を県に寄付して、県はその寄付を受けた分について、一般寄付なんだけれども、指定寄付ではないけれども、その相当分を交付金として交付したということなんですね。

磯村会長
   ただ所在地がどこかという程度はわかっておりますし、長野県スポーツ振興協力会募金収支書というのが出ているということもわかっておりますが、それ以上のことまではあまりよくわかりませんでしたね。正直、調べたかったんですが。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   それからもう1点なんですが、招致財務委員会、その小坂さんが会長をやっていた方ですけれども。その招致財務委員会は、日体協を免税募金の窓口にしたということで、お話もしたことあると思いますけれども、体協のその寄付の割り当て一覧というんですか、それは手にお入りになったんでしょうか。

磯村会長
   体協自身のですか。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   体協の毎日新聞が95年の元日号で書いた・・・

磯村会長
   体協、日本体育協会の割り当て一覧ですか・・・入手できませんでした。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   そうですか。ということは、日体協が、例えば結果的に日体協を通じて、招致財務委員会に10億5,000万円あまり入ったことになっていますけれども、日体協がいくら集めて、10億5,000万円が長野財務委員会に入ったということも確認できなかったんですか。

磯村会長
   私どもの理解では、日体協自身が集めた金額というのは把握できませんでした。財務委員会が集めた金額というのが公式報告書にも出ておりますので、それを日体協に全部入れたというふうに理解しております。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   招致委員会も任意団体だったわけですけれども、招致財務委員会の人格というのは、どういう人格であったんですか。

磯村会長
   やっぱり人格なき社団と理解しております。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   人格なきということになるんですね。任意の団体ということですね。任意の団体は直接募金集めが、許可をとれば街頭等ではできますけれども、これだけの10億円も集めるということはできなくて、それで特定公益増進法人の日体協を通じてやられたと。その体協の入の方は確認できなかったということですが、そのお金の・・・

磯村会長
   その入というのは、お金の入と言う意味ですか、割り当ては確認できませんでした。入の方は確認できております。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   入の額は確認できたということで・・・

磯村会長
   それは口座の異動明細のお金の流れで確認しております。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   それで一部に報道されたように、その寄付した企業がその五輪関係の工事を受注したと。当時、最近になってまた入札制度というか、入札金額が、談合によって高いところで維持されているようなことが問題視されていますけれども、当時もほとんど談合情報どおりに入札結果が出たんですよね。それで、その寄付した企業が工事を受注したということが報道されているんですけれども、ということは日体協のそれが確認できなかったということは、入の部分の企業名等はわからないということなんですか。

磯村会長
   入の分の企業名の一覧は、その一部が資料についております。資料の40−1から40−3までごらんください。40−1でございます。ここにはJVの競技施設工事契約状況一覧表ということで、JVの頭になっている会社が、一様に1,000万円の寄付をしているという書き込みがありますので添付資料としてつけておきました。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   すごいことがわかりました。

磯村会長
   その次のページには、同じく寄付金の状況として今度は施設の受注企業ベースですね。それからその次の40−3は、今度は工事の請負者の一覧ということです。プロジェクト別に、施設別につけております。作ってくださっている資料を添付いたしました。我々が作ったわけではありません。

長野五輪招致費返還訴訟原告団 江沢代表
   ありがとうございました。それで1点だけ、住民がよりよく暮らすという意味で地方自治法があって、地方自治体が健全に運営されるように、それをチェックするために議会があったり、監査委員会があるわけですけれども。議会がお金のチェックをする機能がなかったというか、それからその監査委員、監査委員会がその監査ができなかったというか、適正に、そのことはとても重要なことで、なおかつその前段に当たっての公文書公開で、本来県にあったものが公開されなかった、それから、意図的に隠されたと、毀棄されたというか、そのことはとても重要なことだと思うんですよね。
   ですから、今回とても長い調査活動で、皆さんがご苦労いただいたことはとても感謝しているんですけれども。これは委員の人に言ってもきっとしょうがないことだとは思うんですが、やっぱり今回出てきた資料というのを生かすということは、ほとんどこういう変なことというか、悪いことというか、僕個人としては、もうああいういっぱいお金を使うようなイベントをするよりはもっと地味なことをやった方がいいなと、今でも思っているんですけれども。やっぱり住民のチェック体制とか、議会のチェック体制を確保していく将来に、それから健全な財政運営をするためには、今回のこの調査結果というのを生かしていかなきゃいけないとは思うんですよね。そのことの、今回認定というのがちょっとあいまいじゃないかというふうに、だから認定だから、例えば反証が崩れれば崩れちゃうかもしれないしということもあるんですけれども。やっぱりこの調査結果から何かをやっぱり導き出さないと、住民としては、本来だったらもっと受けられる住民サービスというのが、このオリンピックによる財政悪化によって現在受けられないわけですよ。それから、本当だったら平均して出てきた公共事業というのが、ドサッとまとめて出たおかげで潰れちゃった会社もあるぐらいですから、そういうふうな全体のことに対しての影響というのはとっても大きいと思うんですよね。
   ですから、この委員会の調査の結果というのを、どう生かすかということも含めて皆さんにお考え、ぜひいただきたいと思うし、それは住民自体も判断しなきゃいけないことだと思いますけれども。

磯村会長
   お答えいたします。この報告書の一番最後のページをご覧ください。お答えのかわりに読み上げます。下から6行目です、一番最後のページ159ページ、「もしどうしても私ども調査委員会の動きを生ぬるいとお思いの方がおられるならば、あとは民法上の不法行為に訴えるかどうかであります。ご承知のように、民法第724条には・・・」皆さんのおられる前でちょっと言いにくいんですけれども、「他人の不法行為によって損害を蒙ったものは、その不法行為を知ったときから3年以内で、その不法行為の生じたときから20年以内であれば、損害賠償の請求ができるとの趣旨の規定がございます。その損害賠償の請求は、私ども調査委員会でできることではございません。できるのは長野県や県民の皆さん方でございます。」以上、よろしくお願いいたします。

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   ありがとうございました。それではそろそろお時間ですが、あとお二人でよろしいですか。

長野県議会議員 北山早苗氏
   県議会議員の北山早苗と申します。どうもご苦労様でした。それで1点、質問というより要望なんですけれども。先ほど清水県議の方から、誰が指示したのか明確になっていないということでお答えがあったんですけれども。そうしますと、やはりこの招致にかかわった人たちの名前というのを、やはり県民の立場から見たときに知りたいと思うんですね。たぶんそういうのは公開されているとは思うんですけれども、この資料の中にそういう、パッと見させていただいたところ、お聞きした人のお名前みたいなものは、招致委員会の方はあったんですけれども。例えばなんですけれども、先ほど長野オリンピック招致財務委員会の会長が小坂善太郎さんだという、そういうご説明があったんですけれども、そういうのがパッと見てわかるような、せめてこの招致にかかわった団体とかの構成メンバーのそういう役割とか、それからどういう立場の方だとか、そういうのがわかるようなそういう名簿みたいなものをやはりつけていただいた方が、県民にとって、誰が指示したとかそういうことがわからないのであれば、やはりそういうかかわった人の名前というのは、県民にとって知りたいことだと思うんですね。それで今、先ほど小坂善太郎会長が長野オリンピック招致財務委員会の会長だったというご説明はあったんですけれども、ここに来てこの説明を聞いた私でしたらば、ああそうだったんだと思うんですけれども、県民の皆さんはこれを見たときに、そういう名簿がないとそれがわからないと思うんですね。
   ですから、ぜひそういうこの招致にかかわった方たちのお名前がわかるような団体、いくつかの団体があると思うんですけれども、そういう方たちの名簿をぜひこの資料につけて県民に公開していただけないものでしょうか。

磯村会長
   今の名簿というお話でございますが、大部分のものはこの153ページにつけてございます。私どもが事情を拝聴させていただいた方々のお名前、あるいは拝聴したいと思った方々のお名前でございます。全部ではございません、ある一定以上の責任のある方のお名前でございます。
   招致財務委員会については、財務委員会のところに書きましたので、ここでは省略をしてございます。本文に書いてございますので、招致財務委員会は、76ページでございますね。これは名簿をつくるのが目的ではございませんので、必要なところに必要な名前の方を書いてございます。これでご理解いただけましたでしょうか。

長野県議会議員 北山早苗氏
   それはここを見ればわかるんですけれども。県民の立場、見る県民の立場からしたら、やはりそういう誰がかかわっていたのかという組織図みたいな、そういうものというのがやはり知りたいところなんですね。その・・・

磯村会長
   お言葉ですが、組織図というのは何枚もございまして、時点、時点で全部変わっているんです。それを全部つけますと大変な数になるものですから、組織図をつけるのは省略いたしました。

長野県議会議員 北山早苗氏
   わかりました。そういう本に出ていると思うんですよ。ただ私が言いたいのは本を、ではその本を買って今教えてくださいました本を買って見ればわかるんですけれども。ただ、何が言いたいかといいますと、先ほどどなたが指示したのか明確になっていないというふうにお答えになったので、せめてかかわった方がパッと見ればわかるようなものを、県民の立場からしたらそういうものがあった方がいいんじゃないかなというか、私はそういうものがパッと見たいなというふうに思ったものですから、たぶんほかの方もそうじゃないかなと思うものですから要望としてお願いします。

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   それでは、あとお一方。

朝日新聞社 五十嵐大介氏
   朝日新聞の五十嵐と申します。数点あるんですけれども、一応まず確認なんですけれども、資料の10ページにもあるんですが、IOCの委員に対して過剰なプレゼント攻勢がかなりあったという話が、内容があるんですけれども。本文というか、この薄い方です。その10ページのところで、お土産関連で6,304万円だとか、接待関連で約540万円、1人あたりとか、こういった過剰な接待ということで出ているんですけれども。今回IOCに対する買収の疑惑を裏づける具体的な支出明細というのは、今回出ていないというふうに考えてよろしいんでしょうか。

磯村会長
   支出明細とおっしゃいますと。

朝日新聞社 五十嵐大介氏
   要するに、これ今回かなりの接待が出たということなんですけれども、これをもって買収があったと・・・

磯村会長
   いや、買収とは言っておりません。だれも買収とは言っておりません。どこでお聞きになりましたか、買収と。

朝日新聞社 五十嵐大介氏
   いや、疑惑ということで買収という言葉が他で出ていたりするんですけれども・・・

磯村会長
   私どもは買収という言葉は一言も使っておりませんから、念のために、間違いないように。

朝日新聞社
   それを確認したかったんです。
あと、この20ページにわたる帳簿なんですけれども、帳簿のコピーが県庁であったということなんですけれども、その具体的な場所を知りたいんですけれども。

磯村会長
   それは申し上げられません。

朝日新聞社 五十嵐大介氏
   わかりました。あともう1点、最初に今回の調査を終えて、冒頭感無量ということをおっしゃっていましたけれども。今回の調査結果を受けて、委員さんの方々でどの程度自分たちとしてできたのかという、その辺の感想をちょっと簡単に聞きたいんですけれども。

磯村会長
   どの程度できたかという自己評価でございますか。いや、これは私どもがすべきじゃございません、間違ってもそんなことは口に出すべきではないと思っております。どうぞ皆様方でご評価ください、お願いいたします。

朝日新聞社 五十嵐大介氏
   わかりました。ありがとうございました。

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   それでは最後ということでよろしいですか、お願いいたします。

読売新聞社 石川氏
   読売新聞の石川と申します。今の質問とちょっと重複するんですけれども、約1万ページに及ぶ資料が見つかったということなんですが、その信憑性を担保する意味でも、県の施設のどこで具体的に見つかったかということと、あと、この調査委員会ができて約1カ月ぐらいですか、もう資料が発見された、昨年の3月ごろもう発見されたということだったんですが、今までコピーであっても帳簿というか、資料というものの存在がないとされてきたものが、調査委員会の調査によってすぐに発見できたという、その経緯というのはどういうことだったのか教えてください。

磯村会長
   第1点目のお話は、ちょっとすみません。

読売新聞社 石川氏
   県の施設のどこで具体的に・・・

磯村会長
   それは先ほどのご質問のお答えと同じように、それはちょっと申し上げるわけにはいかないですね。というのは、申し上げますと、当時の方が担当替えになったときに処分をしていなかったということがわかっちゃうわけですね、そういう方々に傷をつけたくはありませんので、それは言えるわけにはまいらないと、これはご理解ください。
   それから第2点目の、何で調査をし出して1カ月ぐらい入手できたのかという事情は、これはたまたまうまくぶち当たったんでしょうね、それ以外に考えられません。

読売新聞社 石川氏
   今までほかの機関が捜査・・・

磯村会長
   いや、ほかの機関はたぶん探していなかったんだろうと思います。それは私の推測ですよ、はい。たまたま私どもは、その倉庫やら段ボール箱のほこりを払ったから出てきたんだろうなと、幸運に感謝しております。

読売新聞社 石川氏
   わかりました。あとこの資料なんですが、作成なさっているその担当者、記載もないものが多かったということなんですけれども。その資料がこちらの資料編の冒頭に書かれているんですが、「わざわざ故意に作ったとは考えられないので、その何れも捏造した資料ではないと考えてよかろう。」ということなんですけれども。その信憑性というのは、確実に信頼できるものというのはどういう点で。

磯村会長
   中に書いてあります金額ですね。それから中に書いてある日付、こういうものをほかの資料とつけ合わせをしながら全部追っかけました。それで、日付が本当に特定できないがために本文の記述もできない資料は削除いたしました。それでよろしゅうございましょうか。

読売新聞社 石川氏
   あと、今回のその調査委員会の調査の最大の意義というのは、何であると考えられますでしょうか。

磯村会長
   さて、県民の皆様に事実を知っていただきたいという気持ちだけでございますね。

読売新聞社 石川氏
   その事実というのは、やはり使途不明金がこれだけあったという・・・

磯村会長
   いろいろ、それも含めましてね。

読売新聞社 石川氏
   認定した15項目という内容ということでよろしいわけですね。

事務局(阿部政策促進チームリーダー)
   ありがとうございました。それではご質問の方をこのぐらいにさせていただきたいと思います。それからほかの委員さん、この際特によろしいでしょうか・・・どうですか、よろしいですか、ありがとうございます。
   それでは、報告会の方これで閉じさせていただきます。磯村会長を始め委員各位には本当にお忙しい中、文字通り出前スタイルの調査にご尽力をいただきましたことをここで感謝申し上げまして、この報告会を閉じさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。




(追記)
   当調査委員会の原稿作成上の不手際で、「認定14」と付番すべきところを「認定15」と付番いたしました。
   従って、認定項目数は14でありますこと、お詫びして訂正させていただきます。
                             「長野県」調査委員会


 

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政策促進チーム
Tel 026-235-7250
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