Web Site 信州
トップページ戻る目的でさがす分野でさがす組織でさがすサイトマップ使い方ガイド
このコーナーのトップへ
最終更新日: 2005年12月21日


 12月19日 部長会議録


H17(2005).12.19 19:10〜20:41
県本庁舎 特別会議室


出席者:知事、副知事、出納長、県警本部長、公営企業管理者、経営戦略局長、経営戦略局参事(2名)、危機管理室長、企画局長、総務部長、社会部長、衛生部長、衛生技監、商工部長、信州ブランド・観光戦略局長、生活環境部長、土木部長、土木技監、技術参事(2名)、農政部長、農政技監、林務部長、住宅部長、企業局長、副出納長、教育長、教育次長(2名)、代表監査委員、監査委員事務局長、地方事務所長(9名)
欠席者:経営戦略局参事(1名)、林務参事、議会事務局長、地方事務所長(1名)


(田中康夫 知事)
 はい、それでは12月19日の部長会議です。この間の子どもの安全対策会議で大変、澤田祐介副知事の名司会振りが際立ったので、今後澤田さんに司会をしてもらって、最後にあの1分くらい、嘘だなぁ1分じゃ済まないかもしれないけど、1分くらい私がちょっと思ったことを言うって形でしばらくやってみましょう。じゃぁ澤田さんよろしく。

(澤田祐介 副知事)
 議会お疲れ様でした。あの私事ですけども、初めての立場でこの議会、むちゃくちゃ長かったです。ちょっとしんどかったので今日は早く帰って酒飲んで寝ようと思っていますので、なるべく皆さん方も手短に私の健康のためを思って早めに終わってください。お願いします。と言いながらどうしても今日やっておかなければならないことで、実は新聞で大変大きな問題になりました丸水長野県水の牛肉の偽装問題について、今日朝から、ちょっと田山部長たちと一緒にバタバタと動きまして、ある程度の形を整えましたので、ちょっと田山さんの方からお願いします。

(田山重晴 農政部長)
 それでは、農政部の方から説明をさせていただきます。丸水長野県水の不適正表示につきましては、土日月と新聞を賑わしているところでございますが、それについてまず経過でございます。そもそも国のトレーサビリティ法に基づく調査によりまして問題が発見されました。つまりDNA鑑定によりまして、表示と実際の肉との間に相違が見られるということからして発見されたものですから、次はJAS法の方へも飛んでまいりまして、これJAS法は長野県内の営業所のみを持っている事業者である場合には、県の知事の権限になるということで、(2)にありますように県で対応するということになりまして、県で調査をしたところ、JAS法違反の問題が出て来ました。その内容につきましては2にございますが、これはあの上伊那の高遠のスーパーの店頭から端を発しておる訳でありますけど、そのスーパーの段階では問題が無かった、そういう意味でそこに卸している丸水長野県水が原因であるということで、上伊那地方事務所の職員が調査に入りました。12月8、9、12、13連日入りまして、その過程で、そもそもDNAではですね、長野県の肉という表示してあるんですけども長野県の肉ではない肉が入っていることが分かった。しかしそれがどこから来ているのかはその段階では分からなかったんですけども、調査の過程で担当者が「実はそれは外国産のものを使っている。」という証言がありまして、私ども伝票を調べたところ、過去の伝票の結果から仕入の量と出荷の量に大きな差が、つまり仕入の量よりもはるかに多い量が出荷されていた、それが516kgありました。それがオーストラリア産ということが証言とそれから伝票等でわかりました。これは明白なJAS法違反であるということで、私どもはすぐさまこれについて公表をする必要があるだろうということで、16日の夕方、公表ということを決めまして、その中で月曜日には直ちに現地へ調査に入ると、上伊那は調査してあるわけですけども、事業所が松本と、本社は長野市でございますけども、その2つの事業所に対して調査に入るということを決めまして、今日1時から入りました。それからもう一つは、会社の関係者を今日、朝、呼ぶということにその時決定いたしまして、今日、会社の社長ほかが私のところにみえまして、厳しくそこで指導を行ったところであります。一つは県民の、消費者のいわゆるその期待というものを破った、裏切ったということ、それから農業者のブランド、行動に対する努力に対する背信的な行為であるということと、それから県はこれから事態解明について調査するから、全面的協力を、というような指導を行い、今日午後1時から調査に入ったところでございまして、調査の概要につきましてはまだまだ解明する事実があるということからして、この調査は今日だけに終わらず、なお数日間継続した上でその対応を考えて参りたいと。以上が概要でございます。

(澤田祐介 副知事)
 教育委員会の対応について、松澤さん。

(松澤睦司 教育次長)
 今日県立の高等学校、それから自律学校、それから青年の家、それから少年自然の家、これは給食ないし食事を提供している施設でありますが、そこに対しまして、滑ロ水長野県水の牛肉偽装表示に対する当面の措置についてという通知を出して、いわゆる当分の間、滑ロ水長野県水から購入している牛肉の購入を控えろと、そういう通知を出すことにしました。

(澤田祐介 副知事)
 はい、ありがとうございました。社会部。

(田中透 社会部長)
 社会部では、現地機関13、県有施設8のうち、給食あるいは食堂喫茶を提供しているのが、12ありまして、内1箇所が食材を仕入れている小売業者が当該企業から仕入れているということがありましたので、当面の間仕入れを差し控えるようにということを指示出しております。また、文書でそういったことに関して、差し控えるようにということで文書を出しております。以上です。

(澤田祐介 副知事)
 はい、衛生部。

(高山一郎 衛生部長)
 衛生部では5つの県立病院長、また、身体障害者リハビリテーションセンターの所長に対しまして、丸水長野県水の牛肉使用を停止するという同様の趣旨の通知を本日通知いたしました。

(澤田祐介 副知事)
 生活環境部。

(木曽茂 生活環境部長)
 県民文化会館等のレストランに対しまして、丸水さんからのものについて入れないようにというようなことで申し上げております。

(澤田祐介 副知事)
 はい、ありがとうございました。次に、先日来、先般から起こっております、子どもに対して長野県はどうやって対応するか、子どもの安心・安全、特に通学路の安全を守るか、という先日の部長会議を行いまして、その日の午後から、下校時からすぐに警察と教育委員会の方で対応していただきましたが、その取組について、渡辺本部長の方からお願いします。

(渡辺巧 県警本部長)
 お手元に資料がございますが、県警では「子ども安全総合対策室」を本日設置いたしました。これは、子どもの安全確保が犯罪抑止だけではなくて、警察の各分野が総合的に協力して対処すべき問題であるというふうに認識しまして、室長以下10名の体制を新規に編成いたしました。当面やることといたしましては、まずはPTA、住民の方へ提供する情報の一元化の問題の解決、それから学校安心カルテの関係の諸準備と作業の開始、それから子どもの安全対策につきましては、各県あるいは各学校、いろいろなご工夫をされているのが今の実情だと思いますので、長野、信州らしさを出して、かつ効果的、そしてなによりも継続性の高い対策というものを策定していく準備に入っていくということで進めております。教育委員会と特にしっかり連携して進めていきたいと考えております。

(澤田祐介 副知事)
 はい。ありがとうございます。次に教育委員会のほうで緊急安全キャラバン隊の話についてお願いします。

(丸山幌 教育長)
 資料3をご覧下さい。緊急安全キャラバン隊の実施状況でございます。これは教育委員会各課と教育事務所の職員がチームを組みまして、学校へ回っているものでございます。まず、1のキャラバン実施状況及び今後の予定であります。12月14日から16日までの実施済みの状況でありますけれども、小学校、中学校、自律学校、合計で全学校の12.9%を回りました。それから12月19日から28日、年内の予定はご覧のとおりでございまして、既に回った分と合わせますと、下の括弧にありますように、77.5%の学校で実施をする予定でございます。さらに、年を明けまして、1月の10日までの間に、100%を実施する予定でございます。当初の予定1月の20日までというふうに組んでおりましたけれども、前倒し実施ということで何とか10日までに回りたいというふうに考えております。2番の保護者、児童、生徒、教職員などからの声でありまして、これはここに記載のとおりでございます。例えば早速子ども見守り隊を作ることになりました。子どもの安全対策を通じて、学校と地域の絆が深まった感じがします。これは、教員の声でございます。上田市の教員です。それから、警察のパトカーでの巡回が手厚く実施されておりありがたく思っております。これは、保護者の声で、軽井沢町の小学校でございます。それから3番の始まった取組事例等からでございますけれども、最初の丸にあります様に通学路で1人になる場所を通学路図を使って、保護者、本人、担任で確認しボランティアと連携して対応していると、これは、北信地区、長野市の小学校でございます。それから、防犯協会と連携して、最後に1人になる場所をチェックし、安全を確保していると、これは、南信地区、岡谷市の小学校でございます。
 それから、以下記載のとおりでございまして、4番の今後の対応でありますが、モデル的な取組事例については、ホームページ、12月19日からというふうに書いてあります、ただ今作業中で、もうじきアップ出来ると思います。随時掲載をいたしまして取組を広げて行きたいと、そしてまた、キャラバンでいただいた学校安全に関する相談につきましては速やかに、具体的な処方箋を提示していきたいと、必要により、警察ともご相談してやっていきたいと思っております。以上でございます。

(澤田祐介 副知事)
 はい、ありがとうございます。会議をやったそれから4時間後に、もう既に、そういうことが取組が始まったということで、大変あのありがたく感じました。で、特に教育委員会と警察だけではなくて、この席上で全職員の皆さん方テレビを通じても、是非皆さん方のアイデアを、まあこの会場でも、いくつかもうその現場でいただいたんですけども、どうか、皆さん方の子どもの安全対策についてのご提案、是非届けてください、総務の方にお願いしますというふうに依頼をしたんですが、実は、総務の方でまとめていただいたのが、この県庁と現地機関から上がってきたのが全部で279件という、もう300件弱のすごい皆さん方の提案をいただきました。この中で、これをきちっと精査して、実際に教育委員会や警察の方とも相談をいたしまして、具体化できることは、具体化していこうというふうに考えています。私はすこし意地悪なものですから、実はその279をただ分類して、パトロールだとか安全場所の確保というそういう分類をしただけではなくて、ちょっとだけ、部局別と、地方事務所別にちょっと分類してみないというふうにちょっと分類をしました。名前は出しませんが、一番多かった知事部局、ここの中では、一番多いところが11提案で、一番少ないところがゼロというのが、この中。外では、一番多い地方事務所は46提案が来たところから、3つまで、沢山差がありました。これは、特にこのまま子どもの安全、安心に対する温度差だとは思いませんが、279という沢山のご提案をいただいたことを大変うれしく思ったと同時に、うーんいろいろとやっぱり差があるのだと、いろんなことを感じました。とりあえず、本当にありがとうございました。いくつか具体的にさせていただきたいと思います。説明は以上ですが、あと残り2つ皆さん方に資料提供がありますけども、せっかくですからちょっとだけ、説明をしていただこうかと思います。社会部。

(青山篤司 出納長)
 ちょっといいですか。ちょっと今の教育委員会の話で。
 まあこれ、キャラバン隊が回ったことについてはいいんですが、例えばですね、16日までに小学校51って書いてありますよね。で、51の学校を回って、51校全部安全対策、方法論はいろいろあると思いますけども、51校の全部が安全対策ということで、とられているのかいないのか。中学校25校のうちどうなのか、そこの報告が聞きたいんですよ。一番大事なところはそこであって、例えば累計からして、こういう安全対策をとられているのは何校、こういう対策が何校というそういう分析をですね、是非報告してもらいたいんですよ。

(松澤睦司 教育次長)
 はい、報告できるようにいたします。あの、ほとんどまあ全部の学校がなんらかの安全対策をやっておりますし、特徴的には地域連携ということを非常に大事に考えてやっておりますので。はい、その確認事項の中で、分析してすぐにやりたいと思います。

(澤田祐介 副知事)
 あの、出納長、これは教育委員会の方に当初からお願いしているんですけども、やりますよ、やった、やりましたではなくて、一体それがどんな効果が出てきているのか、それから、他のところでやったことを、他の地域にこんなことやっているよっての紹介して、より良く全県が一丸となっていい方向に向かっていくように、フィードバックを必ずかけるということをお願いしますので、是非それを次長お願い致します。

(松澤睦司 教育次長)
 はい、承知致しました。

(澤田祐介 副知事)
 あの、これ、大変大きな事件でしたので、皆さん方これどうなってるのという、もしご質問があったら警察、あるいは教育、あるいは私どもの方に何かありましたら、よろしいですか。
 じゃあ、社会部田中部長の方から。

(田中透 社会部長)
 本会議の中で議員さんの方から、労働相談体制の充実をということが出ましたので、まず動けるということで3つばかり迅速に動きたいと思います。
 一つが窓口の拡大ということで、ホットラインの開設という形で、これはうちの丑山労政課長が携帯を持っていただいて、土日も対応していくということで365日対応していきたいと考えております。それと資料の4の1ページ目ですけれども、お出かけ労働生活相談という形で、勤福センターですとかジョブカフェなどの方にも回りまして、キメ細やかに出て行って相談に対応していきたいということです。
 二つ目が、年末の29、30日に年末の緊急労働生活相談というのをですね実施したいと思っておりますので、これにつきましては県職の方でももしお悩みがありましたら電話をいただければきっちりとサポートしたいと思います。
 それと、労政事務所のメンバーを所長さんも含めて全員労働相談員というような硬い名前ではなくて、労働生活サポーターという形で全員もう一度新たに名前替えをして気持ちも新たにして、電話の相談がほとんど多いんですけれども、電話からきっちりとつなげる所にはつなげていくという形、あるいは必要があれば事務所の方に来ていただくあるいは必要なところには出向いていくという形のサポーターサーヴィスも開始していくということで、まず動けるところから動いて充実を図っていきたいと思います。

(澤田祐介 副知事)
 はい、ありがとうございます。
 では、これ資料がお手元に渡っていると思われますけれども、これは田中部長にお願いなんですけれども、A3の大きい紙見ると一番上に労働サポーターというのがあって、真中によろず承りの精神というのがあって、右の方には安全安心とあって、ずっといつもいつもどこかで見るようなのがずっと並んでますけれども、若きリーダーに引っ張られる社会部としてはもう少し斬新なアイデアと言葉を使って魅力的なキャッチコピーを作ってくれるともっといいかなという気がしますので是非お願いをいたします。

(松林憲治 経営戦略局長)
 今のところでですね、@番の右のところはですね、この労政課のホットラインは8:30から19:00になってるんですよ。で、もう一つのA番のところの労政課の受付時間というのは9:00から18:00ということで、これもう一時間くらい延ばせないんですか。19:00に。

(田中透 社会部長)
 年末の方ですね。はい。

(澤田祐介 副知事)
 2枚目のAのところ上から5行目のところですか。受付時間の9:00から18:00というのを8:30から19:00。

(田中透 社会部長)
 これは、29、30日の限定ということで。

(澤田祐介 副知事)
 2日間だけですね。社会部のA4が2枚とA3が1枚の中の真中のA4の紙の上から4行目のところです。労政課の相談窓口が「受付時間9:00〜18:00」になっていますけれども、これを「8:30〜19:00」までというふうに延ばしてください。お願いします。
その次、総務原部長の方からいつもきれいにという取組をご紹介願います。

(原修二 総務部長)
 職員の自発参加で県庁舎あるいは合同庁舎周辺をいつもきれいにしましょうという呼びかけでございます。これまでも県庁や合同庁舎それぞれで周辺の環境整備というか清掃活動を行っていましたけれども、周辺の住民の皆さんなどから様々なご意見をいただく機会がございましたので、ここでさらに今までの取組をパワーアップしようということで呼びかけを行うものです。県庁では本日から既にスタートしてございますけれども、水曜日の日に周辺のゴミ拾い、雪の降った日には構内というよりは周りの歩道の雪かきというものを、8時から8時25分ほどでお願いしたいというものでございます。
 それから各合同庁舎でも呼びかけを行いましたところ、各合同庁舎でもお取組いただけるということでございまして、10合同庁舎それぞれ毎週1回のゴミ拾い、あるいは雪の降った日の雪かきというものを行っていただくようになっています。詳細につきましては裏面に書いてございますので、各合同庁舎別の取組はご覧いただきたいと思います。また、県庁合同庁舎以外に各単独機関、あるいは教育機関等でも、同様な取組がなされるようお願いを申し上げたいと思います。

(澤田副知事)
 はい、ありがとうございます。ちょっと付け加えます。実は、このごみ拾いというか、周りをきれいにしましょうというもともとの発端は、下伊那地方事務所に寄せられた投稿のメールから始まったことです。つまり、敷地内の禁煙だということで、職員が昼時に早足で外へ出て行って、敷地のところでたばこを吸って、それを外で捨てるとか、あるいは近くのたばこ屋さんの周りに行って、そこで吸って、たばこを捨ててしまって、そのお店の周りにたばこの吸い殻がいっぱい溜まっちゃって、掃除しても掃除しても何ともならんという、そういう投書がございました。これに対して、少しこの地域は、この県庁の周りのところは、あちらこちらでお掃除は特に水曜日にしていただいているのを知りまして、ならば、私達、県庁も少し周り、ここはそういうことはないんですけれども、ごみであるとか、色んなものを少しきれいにしましょう。ちょうど今は冬です、雪かきもそれに合わせてということで、原部長の方に計画をお願いいたしました。県庁だけでなくて、地方事務所の方も、現地機関も含めて、こんな形でやらせていただいて、美化に努めることができたならばということで、試しにとにかく始めてみましょうということで、毎週水曜日にこんなことをお願いしました。各現地機関では、それなりの体制を組んでいただいて、毎週水曜日には必ずきれいにする、一週間にいっぺん大掃除をするという、そんなことが定着すればと思っております。また、面倒くさいこと等々でお叱りを受けそうですが、よろしくお願いをいたします。こちらで、今日用意したのは、22日にもう一度部長会議がございますので、その時には少し重たい内容のものを皆さん方にご提示して、話をしなければいけないかと思いますけれども、今日こちらで用意したものはこれだけです。あと、色々な資料が入っておりますけれども、この部分に関しては、読みごたえのあるものがありますので、ちょっと知事の方から、解説をしていただこうかと思います。

(田中知事)
 一番下に、牛海綿状脳症、この間、私、議会の合間に、坂本龍一と、あと福岡伸一って皆さんご存じかもしれないけど、青学の教授です、理工学部の。彼とか、あと吉兆の専務というか、息子の徳岡邦夫さんなんかと一緒に、最後の晩餐というイベントがあって、行ってきたんですけれども。この二つ見ると、朝日新聞の科学部の記者が書いたのと、あと日経新聞の論説員が書いたのです。その青学の福岡さんは、プリオンっていうのも、実はプリオンじゃなくて、当初私が言っていたように、実はウィルスと同じように、有為転変していくもので、危険部位だけを取ったからと言って、それはリスクがないということにならないんじゃないかっていう本を最近書いているんですけどね。
 前、私、暗黙知っていう話をしたと思うんですけれども、朝日新聞の科学部の記者の記事を見るとですね、まさに暗黙知のない人達という、この科学記者のですね、非常に絶望的な状況があると思うんです。どういうことかって言うとですね、例えば、4段目に書いてあるんだけど、「漠然とした安心感で商品価値を保つ意味はあったかもしれないが、発症リスクを下げる医学的な効果が見込めない対策に、薬品代だけで年間約3億円が使われ続ける。」だから、そうすると、全頭検査をしている牛肉だけじゃなくてですね、羊やヤギも全頭検査している長野県というのは、ほとんど、まさに県民の税金を使って行うべき仕事を間違えているって、朝日新聞は言っているわけです。で、一番下のところ、「安全のための施策でも費用対効果の説明が求められる時代だ。」って書いてあるんですよ。確かに全頭検査をしても、プリオンがウィルスであるとするとですね、これはリスクゼロではもちろんないですよ。その次のところ、「米国や英国では、規制影響分析(RIA)が80年代から採用されてきた。政策の開始や変更時に『救える命は何人。かかる費用はいくら』などと、できるだけ定量的に評価する。」って書いてあります。実は、リスク評価とか、リスク管理ってのは、もちろん大事なことです。でも、この二人の記者の頭の中には、これと同じことを、実はイラクの戦争であったり、この程度の被害であろうから、我々は攻めようと、あるいはその場所にいる無辜の人達は何人程度しか死なないから、残りの人達にとってはこの戦争をやった方が幸せであるというですね、今のまさにハードパワーから未だに抜けられていない人達の理論とこれ同じことを言っているんですよね。分かりますか。
 先程言ったように、全頭検査をしたからリスクゼロではないです。全頭検査さえすれば安全だということはないし、まさに議会が言っているようにSARS終息宣言とか、住基ネット安全宣言とか、あるいはBSE安全宣言を出しなさい、などということが全然論理的でないのは論を待たないことですけれども。けれどもこの2人の記者が言っていることというのは、リスク管理とかリスク評価と言いながら、大変な、その想像力のない科学になっちゃってるのね。それに対して、この塩谷さんという方が言っているのは、3段目のところに、あのまあこの委員会が結果として、「危険部位の除去などいくつかの条件が完全に遵守されればリスクは国産牛とそう大きくは違わない」というものだったと。で、これをただ条件付き輸入容認とだけ解釈してはなるまいと、科学的なリスク評価は政策決定に影響を与えたのか、はじめに結論ありきではなかったのか、って言っているんですね。で、強引な外交の勝利という結論で終わってはいないか、というんです。で、そのあと地球温暖化の話が書いてあります。まあ、非常に対称的な論だと思います。
 でも、このことをですね、この間出納長と話したんだけれども、例えば私たちは災害、勿論、国民の生命と財産を守るということは大事です。でも、治水とか、治山とか、砂防とかいう時に、実はリスク管理、BSEに関してこの朝日新聞の論者が言うようなリスク管理やリスク評価に私はくみするものではないです。政策決定ということとは違う意味でやはり、それは国民のために行うべきことが今長野県が行っているような全頭検査はせめてもの最低限のラインだと思います。でも実はこれと同じことをですね、もし治水に関して、砂防に関して、治山に関して、リスク管理ということを言ったら、敢然とというか猛然と反発する人達はこの世の中にたくさんいるんですね。そして、同じ行政体でありながら、国民が本来口に入れるものに関してはリスク管理とかリスク評価と、当然のことのように英米同様に言い出している行政体というか国家というものが、他方では砂防や治水や治山に関しては、無論私達はより良い治水をしようということに関しては揺るぎがないんですけれども、こういう朝日新聞的な考え方を述べる人達は、一方では極めて自然災害に関してはこれとは全く違うことを言っている、というところに非常に私はですね、不思議さというか、そういうものを感じるんですね。この朝日新聞的な意見というのは戦争のリスク管理、あるいはテロのリスク管理、でもテロのリスク管理はもしかするとこれとは違う意味でテロのためにハードパワーはどんどん投入しようと言っているのかもしれないですよね。これはあの非常におもしろいと思うので是非読んでください。
 もう1個、だいぶ以前に配ったんだけれども、私も名前を失念していた、田尻宗昭さん、これは三重県の県立図書館のアーカイブに、以前ホームページに載ったんですけれども、今見るとこれはもう消えてしまっているんですけれどもね、これはあの以前少し若い職員達にこういう志を忘れないでほしい、ということで読んでもらったことがあります。皆さんにも配ったんじゃないかな。田尻さんは最終的に東京都の職員になりますが、東京都のそのポジションの職員としてはあまり管理職としては向かなかった人かもしれないけど、やはりこの人の生き様というのはある意味では公共サーヴィスをする私達が時折思い出すといいことじゃないかなという気がしています。
 あと、岩見隆夫さんの文章は、別に亀井静香さんというよりも中野正剛という人に関して述べているので、岩見さんはずっと昔は私とあんまり意見が合わなかったんですけれども、新党日本とかを書いているからではなくて、非常に最近の岩見さんはですね、渡邊恒雄さんと同様に非常に私はブリリアントなことを書いているな、と思っています。毎日新聞の記事は最近はちょっと変だなといった感じですね。
 あと、朝日新聞もたまには誉めようかと思ったので、長野版に、名前は渡辺たかし丘さんとか言ったかな、ずっと市政クラブの担当なんですけどね、こういう人が県政クラブにも、あっ県政クラブはうちにはないか、県政の記者だったりすると、どんな記事を書いてくれるのかな、と思いながら読みましたので、是非読んでください。
 はい、今日は以上ですけれども。あと、出納長とか、あるいは、よろしいのかな。
 他の皆さんから何かありますか。
 
(澤田祐介副知事)
 22日の午後2時半から、もうちょっと中身の濃い部長会議をここでさせていただきます。是非、お集まりください。じゃ、今日はこれで終わりにいたします。ありがとうございました。




< 配布資料 >
○丸水長野県水の牛肉偽装問題について
○「長野県警察 子ども安全総合対策室」の設置
○緊急安全キャラバンの実施状況等について
○労働生活相談110番の設置と労働生活サポーターサーヴィスの開始について
○県庁舎・合同庁舎周辺を職員がいつもきれいにします!
○'05取材ノート B大型店進出 見えない長野市のビジョン 朝日新聞2005.12.18
○亀井静香と中野正剛 毎日新聞2005.12.17
○海のGメン 田尻 宗昭
○奇っ怪ニッポン「松岡洋右の言説と酷似する小泉首相の高言」 日刊ゲンダイ 2005.12.15
○田中康夫の東京ペログリ日記 リターンズ vol.83、84 週刊SPA 
○新科論 リスクと生きるD 朝日新聞2005.12.14
○中外時評 相次ぐ安全からの逃走 日本経済新聞2005.12.18

 

 

 

 <お問い合わせ先>
■このページに関するご質問及びご意見は、 経営戦略局までメールもしくは下記にご連絡ください。
政策促進チーム Tel 026-235-7250Fax 026-232-2637
▲このページのトップへ  
Copyright Nagano Prefecture.All Rights Reserved.
各ページに掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。