12月28日 部長会議録
H16(2004).12.28 13:34〜14:07
特別会議室
出席者:知事、出納長、経営戦略局長、危機管理室長、企画局長、総務部長、社会部長、衛生部長、生活環境部長、商工部長、産業活性化・雇用創出推進局長、農政部長、林務部長、土木部長、住宅部長、公営企業管理者、企業局長、警察本部長、代表監査委員、教育長職務代理者、監査委員事務局長、議会事務局長、地方労働委員会事務局長、人事委員会事務局長、副出納長、経営戦略参事、経営戦略局参事(2名)、社会参事、林務参事、教育次長、地方事務所長(10名)
(田中康夫知事)
はい、それでは、12月28日の部長会議です。私はあまり、「粛々」という言葉とか、「節々」という言葉は好きじゃなくてですね、「着々と」とかという言葉は好きなんですけれども、「粛々」という言葉は、はじめに答えありきでですね、それに向かっていくような気がしてあまり新聞でそういう言葉を見ると好きじゃないんですね。新聞でもう一個あれなのは、よく皆さんも社会面とかで、「なんとかときっぱり」って発言したと。「きっぱり」で「。」とするのがですね、新聞社の文法であるんですけれども、「きっぱり」って何なのかなと思うんですね。断言したとかというのなら、政治家が言った場合いいと思うんですけれども、「きっぱり」という言葉は、非常に白か黒かみたいなですね、人間の感情というのはその間に非常にあってですね、その上で様々決断をしていくんだと思います。まあ、あの、何でこんなことを言ったかというと、今日は12月28日で、2004年としては最後の部長会議、まあ、おそらくですね。例えば天変地異が起きたりすれば別かもしれませんが。で、「節々」いうのもどうも私はあまり好きじゃなくて、「節々」だから何か報じるとかですね、振り返るというのではなくて、常に私たちは県民のためにサービスをさせていただいているわけですし、この年末年始も働く者は当然いるわけですし、「節々」だから振り返るんじゃなくて、常に私も自戒を込めて自問自答し続けるという、私たちはサービスパーソンでありたいと思っています。まず、発表報告のところにあるようにですね、「17年度の施策づくり」というのを牛越徹さんから発表していただきますけれども、これはあの、ホームページのほうにも載せているんですね。実は、かなり財政改革チームが一生懸命考えてくれて、これ、あれだ、クリックのあの絵がついていない。皆さんご覧いただくと、これ、牛越さんからこの後発表しますけれども、このページがあって、実際にはですね、ホームページの上ではですね、いわゆる輪になって財政改革チームと一緒に議論してきたチームが発表してくれたのがあると思いますけれども、それを各部の仕事から入るんじゃない形に今回はさせていただきます。つまり、私たちはやはり、サービスをしているわけで、県民がもっとこういうサービスが欲しいな、或いは新たに欲しいな、もっとこれを充実させて欲しいなと。ですから、こんな事業、事業という言葉も行政用語だと思うので、こんなサービスをしますと、こんなサービスがあるんですよというところからクリックしていくと、だんだんこういう事業になっていて、それが結果的にゼロ予算かもしれないし、予算もついているし、それは結果的にこういう部所が担当しているんですと。今までだと、例えば、社会部、衛生部、土木部と。まあ、道路の場合で言うと、私たちは割合、土木部、農政部、林務部は一緒に「道路」というところで出てきたかもしれませんけれども、部単位だったと思うんですね。チームというのを私たちが作ったのも、実は、「島」と呼ばれる係、隣の係のことも私たちは何か言わないと。隣の係が忙しくても、自分たちの仕事は終われば、なかなか戻らないで残業をさせられているのは申し訳ないと思っていますけれども。チームという風にしたのは、いい意味でみんなでチームワークと。グループというと、これはやはり、この前「報道2001」でも言いましたけれども、蛸壺型のグループの中だけよれけばよいと。チームというのは同時に、チームを越えて一緒にコリーグになっていく、或いはチームが組織ということではなくて、個人が揃っているチームがアライアンスを組んでいくということだと思っています。なので、今日のこれもですね、一番最初のところ、一見、予算に関してのパブリックコメントを求めますと、文書ではなくてこのようなタイトルになっています。後ろの施策体系のところは、各部の名前が書いてありますけれども、願わくばこれもですね、いろんな将来的には課やチームの名前が書いてあって、もしかするとそこにBSEの時にも、例えばそれは農政部だけではなくて、それは商工部も関係してくるかもしれないわけです。そして、ブランド戦略チームも関係してくるかもしれませんし、衛生部も関係してくるという感じでですね、それぞれの蛸壺の部所の仕事というのではない形を認識してもらおうということで、ちょっと今回、ホームページの入り方が逆になっています。逆引き辞書みたいなやつですね。じゃあ、牛越さんお願いします。
(牛越徹参事兼財政改革チームリーダー)
資料に基づき説明
(田中康夫知事)
一つすいません。朝令暮改で。1ページ目、「過去を溶かし現在を守り未来を創る」の。私は、皆の始めたよいことは守っていこうということだったんですけれども、やはり「守る」という言葉はあれなんで、ここを「現在を育み」にしましょうかね。そうすると「創る」と「育む」と似ているように思われるけれども、今はあるものを更に育んでいくと、成長させていくということなんで、そして、未来を創るなんで。今後すみません、朝令暮改で。「過去を溶かし現在を育み未来を創る」と。すみません、ホームページのほうも直してください。
(青山篤司出納長)
「過去を溶かし」というのはどういう認識をしたらいいですか。
(田中康夫知事)
はい?だって例えば、この後申し上げようと思ったけど、全国の都道府県でね、唯一うちの県は起債残高が減ってきているわけですよ。起債残高が増えていけばいいんだという発想もあるかもしれないけれども、少なくとも、そうではないんじゃないかということで私は始めたわけで、それは逆に言えば、過去の負債を軽減するということは溶かしていくことでもあるかもしれないし。或いは過去の呪縛を放っていく。ただ、それはあの、組織としてというよりも、やはり一人一人の心の持ちようと。皆さんも感じると思うんですけれども、最終的にはどんなに素晴らしい制度や予算や仕組みがあったとしてもですね、最終的には人なんですよね。それがチームワークであって、それがスポーツだってチームワークというのは、もっと言えば感情の相性かもしれませんけれども。それは議会と私の永遠の課題かもしれませんけれども。でも、人なわけであるから、今言ったように「過去を溶かす」ということもですね、今、出納長は非常にこう、根源的な禅問答の問いかけをされたわけですけれども、やはりそれは、もっと言ってしまうと、その言葉から想像して膨らますことができるかできないかということじゃないでしょうか。もしご意見があればおっしゃってください。
(青山篤司出納長)
ちょっといいですか。
(田中康夫知事)
今の質問はどういう意味だったの。だって、青山さんは、じゃあ過去を溶かすという意味が分らないということだったでしょ。
(青山篤司出納長)
だから、今ので分りました。
(田中康夫知事)
本当かな?すごい物分りがいいんだ。
(青山篤司出納長)
もう、これ直す必要はないんだけれども、意見として申し上げますが、県民の意見を聞くということでしょ。そうするとね、施策体系について事業があるけれども、この事業の内容について分らないですよ、県民に向かっては。名前はあるけれども、これはどういう事業だというのがぱっと分からないと思うんですよ。そういう意味での説明がこのペーパーでは足りない。もう一つは、この事業についていくら要求しているんだと。予算要求というのはやはり出していかないと施策と要求というのは一致して見てもらわないと県民には分らないと私は思うんですよ。それともう一つ、この中でモデル的な事業を主張しているんだったら、体系の中でモデル事業はこれですというのを示していかないと県民だって分からないじゃないかと。3点。
(田中康夫知事)
これ、事業というところをクリックすれば、こういうことというのは出てくるんでしょ。ただ、本当はもしかすると、さっきの逆引き辞書のもっと言えば、こんなサービスがあればいいな、こんなサービスいらないよということを検索で入れると、それで本当は検索できて、そのためにこんな事業が充実されます、こんな事業が始まります、もっと言えばこんな事業は今年で多分終わりになるかもしれない、今のところ予算要求はされていない、とかが出てくればよかったんでしょうね。今、私も気がつきましたが。
(牛越徹参事兼財政改革チームリーダー)
申しわけありません。先ほどの説明、不足しておりました。
(田中康夫知事)
いいえ、違う、違う。あなたの責任じゃなくて、それは私の指示不足だと思います。
(牛越徹参事兼財政改革チームリーダー)
出納長さんからのご質問なんですが、実際には、この後に各部局の施策体系と事業一覧というものを、今日ちょっと厚くなるもので間に合わなくてすみません。各部局ごとに、ちょうど、予算発表の時と同じように主要事業の一覧、要求段階のものをつけて、ホームページでは、今ちょっとお話のありましたように、それぞれの、いわゆる9つのキーワードからも入っていけますし、ただ、後ろのほうにいきますと、今度はマトリックスでネットを張ってありますので、部局名からもぞれぞれの部局の事業のところに飛んでいけるようになっております。ホームページではそのように今構築してきております。それから、今日の報道発表にも、各部局の一覧、資料については今日、併せて配布をさせていただきました。以上でございます。
(田中康夫知事)
他の方、いかがですか。
それでは先ほど12月31日付ということで辞令を交付したのですが、産業活性化・雇用創出推進局長の丸山康幸さんがですね12月31日をもって退職なさいますので、何かご発言があればどうぞ。
(丸山康幸産業活性化・雇用創出推進局長)
先ほど知事から退職の辞令を頂きました丸山康幸です。去年の2月1日にですね、こちらに来まして、任期付ということで一日一日、一週間一週間、という単位ですね、とにかく何かアウトプットを出すと。それから実務的に仕事をやっていくということで頑張ったんですけれども、これまでの仕事振りが不十分であったということとですね。それからこれからに期待していただいた方があればですね、この場を借りて申し訳なく思いますし、ここにいらしている皆さんとですね、それから仕事で接しいろいろな一緒にさせていただいた県民の方とですね、スタッフとか同僚の皆さんに気持ちよく仕事をさせていただいたものですから本当にお礼を申します。ありがとうございました。
先ほど知事がおっしゃったように「粛々」とした県政ではなかったと思うのですけれども、2年間はダイナミックでエキサイティングな県政に居させていただいて非常に生き生きと仕事をさせていただきました。
それで、知事にはもともと全く行政手腕も仕事の手腕も未知数の私をですね、去年呼んでいただきまして採用頂いて、そのうえ一番大事な課題の一つである雇用とか、あるいは職業能力開発とか産業活性化とか大事な仕事をお任せ頂いて、そのほかにも人事・財政等の特命事項も任せていただいて、本当にチャンスを頂いてありがとうございました。それから一貫して実務的なアドバイスを頂いて、もちろんここにいらっしゃる皆さんもそうなんですが優秀なスタッフと仕事が出来る環境を作って頂きまして本当に感謝いたします。
今、予算の話があったのですが、こういう形で横串をさした分野ごとの予算というのも今まで初めてだと思いますので、是非2月、3月の17年度の予算はその先、複数年続くような骨太の、長野県がやはり変わっていくという予算を作っていただければと思います。
いろいろ言いたいことがあるのですが時間もありますので、本当にお世話になりましてありがとうございます。
(拍手)
(田中康夫知事)
丸山康幸さんは、いわゆる4年間という任期を区切っての私たちの職員としては最初の採用だったわけですけれども、先ほどの辞令のときに申し上げたんですけれども、やはり私たちの組織の中には単に変わりたいとか変えたいということではなくて、変えていかなくちゃいけないと。仕事納めでもお話しようと思いますけど、やはり今の日本に政治家も官僚も、あるいは経済人も、本当に私たちの22世紀であったりそこに至るまでの21世紀は日本はかくあるべきだという強い気概や信念というものが見えないと思うんですね。中途半端に食べるものと着るものが事欠かないからだと思いますけど。そういう中で私たちの多くの年齢に関係のない職員のなかで、やはり長野県をより良くしなくてはならないと思う人たちに丸山氏の仕事の仕方、会議の進め方、あるいは職員への伝え方というものに非常にある種まぶしい輝きを感じてですね彼から学ぼうという職員は確実にいたと思っていますし、そうした機運を与えてくれたことに大変感謝したいと思っています。
先週も配ったこのキ文康孝
さん、私前から非常に評価している批評家ですけれども、それと例の武田薬品工業の会長の武田國男さんの「私の履歴書」をお読みになった方もいるかもしれませんが、あるいは紙をいっぱい使って地球温暖化にいかがという人もいるかもしれませんけれど、是非これ年末にでも読んでみてください。キ文さんの『「世襲」はすべて悪なのか』というのの左側の上の段のところはとても私たち行政の組織にも似ていると思うんですね。武田薬品の10年には日本企業が直面しているあらゆる矛盾が詰まっていたと。名門意識、これはやはり自分はそう思っていなくても周囲から「県職員でしょ」。多分奥さんや家族も「お宅は県職員だから」と言われてしまう。規制に守られた高収益と、規制を作っているのは国だというかもしれませんけれど、ただ私たちは基本的に競合プレゼンを木製ガードレールであったりあるいは地域食材の日のときに行ったように、私たちには第2電電はないわけですよね。ですから競争はないわけです。ですから高収益ではないかもしれませんが、規制に守られた高収益に似ています。社員たちの甘えと責任感の欠如という倒産することはないという神話のもとに、私たちは知らず知らずのうちに無意識のうちにそうした気持ちが出てきてしまってますから。この官僚的な海外投資と本社と海外部門の断絶とこれがだいぶ変わってきたかもしれませんが、おそらく武田薬品の場合でも海外の部門の人は偉い。よく商社でも国際部門と国内部門と同じ缶詰を扱っているのに、アラスカに行っている人と国内の函館に行っている人はなんとなく違うように思っているというのがあったわけですね。これは私たちの現地機関と呼ばれるところかもしれません。ただこれはある意味ではここが意識を両方持てるようになったことが土木部や農政部の変化ですし、同時にそのことが従来は国を向いていただけであったかもしれない。市町村に下ろしていただけだったかもしれない。失礼な言い方かもしれませんが。であったかもしれないですね、社会部や商工部がですね、急速に意識が変わってきているということはありがたいことだと思います。新しいことに挑戦する人間に対する足の引っ張り合いと、どこの組織もそうかもしれませんが、何となくうなずける訳ですよね。短期的に見ればそこそこに収益が上がっていると。だから矛盾にメスを入れず先送りすると。一方で海外では国際的な医薬品業界の再編が待ったなしで、遺伝子工学の進展など技術革新はすざましい勢いで進んでいると。だから、そこそこ私たちは矛盾にメスを入れなくてもいけると。外郭団体等も他の県だってしていないじゃないかと。そのことでもっと長野県が混乱するじゃないかという人たちがいる。でも海外ではとありますけれど、つまり国の財政的にいえば、750兆円もの借金を抱えてきているわけであって、もしかするとすべて経済も政治もパッシングされてきているいうことだと思うんですね。右側の下のほうのところに、右側の下の段の真ん中に、大衆は常に、大衆という言葉は私はあまり好きではありませんが、市民は市民あるいは小市民は常に身の回りにいる異端や感じたものに関して潰しにかかり、あらゆるものを平均化すると。しかし「企業家精神」に富んだ人というのは平均的には馴染まないと。次にですね、その最後に世襲によってサラリーマン経営に染まっていない発想の経営者を抜擢する人事もあっていいと。これはまさに世襲ではありませんけれど、この組織に20歳なり22歳の若き頃から入っているプロパーという言葉は外郭団体の場合だけ皆さん使っているけれど、私たちの組織もある意味では様々な他の省庁からの人事交流であったり、任期付任用であったり、あるいは私のように別の惑星からやってきたような人間が来れば、皆さんはその意味ではプロパーなんで。この皆さんの世襲ではありませんけれどこのサラリーマン経営に染まっていない、でもある意味では皆さんがそこの中で育ってきた中で発想を変えられる人をより抜擢していける人事ということは大事だと思うんですね。ですから、これは私たちの組織は終身雇用というのは国の制度が変わらない限り良いのかしれませんが、良い意味でですね年功序列というものをですね、職場を疲弊させるのではなくて良い意味で年功序列を打破していくことが必要だろうと思っています。ですから、経営者選択の場を異邦や偏狭の地に広げる、とありますけれどこれはある意味でいくと私がですね、小さな市町村であったり現地研修であったりあるいはステップアップ研修であったりそうした場所にある意味では可能性を信ずる者を積極的に送り出しているというのはそういう偏狭や異邦の地にですね、この職員として22や20、あるいは24の人もいるかもしれませんが、入った者がここで短期間にせよ経験することで自分のなかの眠っていたものが忘れかけていたものを覚醒して頂きたいという願いからです。この右ページの一番下のところに真ん中辺りに、まさにこの人は変なヤツだったわけですね。変なヤツが田中康夫だけではもったいないわけでして、田中康夫が言っていることを伝道するということをよく言いました。あるいは同時通訳すると言いましたけれど、一緒に変なヤツになっていく、あるいは田中康夫とはまた違う変なヤツになっていくということを逡巡しないで頂きたいということだと思うんです。鮎沢光昭も変な人だったと思うんですよ。だって「どこでも農声部」といって親父ギャグのような政を声にしたかもしれないけれど、200箇所、300箇所近くやるというのはこれは変な人なんですね。でも変な人がやったことによって、一緒にそれをイヤイヤだったかもしれないし、その時気付いたかもしれないし、でも実際に「どこでも農声部」に行く中で目覚めた職員がいっぱいいる。すると、それぞれが良い意味での分子運動を始めるということだと思っているんです。この一番下の段に何らかの意味で優れたものであることは必要ではないとあります。私が言葉でなるべく、そういう表現を使う人は限られているかもしれないですけれど、さすがは一流の老舗ならではの味、いうような言い方でそのものを評価するようなことは私はしないようにしようとあるいはそういう表現はしないようにしようとしました。「さすがは」とか「一流の」とか「老舗は」というのはいったい誰が作ったのかということですね。一日前に始まったお店と10年続いているお店とでは明らかに接客の蓄積も違うかもしれないし商品開発の蓄積も違うかもしれません。でもその老舗とかの名前のうえに胡坐をかいてしまっていると。一日目に始まったお店は立ち向かえないかもしれませんが、一年あるいは五年、まさに進取の気性を持ってきた人には負けちゃうかもしれないです。この武田國男という人も三男で兄が死に次男はたまたま研究者で仮に社長のお鉢が回ってきたと。カルロス・ゴーンが就任したとき以上に、彼が就任したときには、武田薬品というのは生ぬるいとすべてのメディアが批判したわけですね。無論数字を出したから彼は評価されるようになったかもしれませんが。でももしかしたら、さすがは一流の老舗ならではの味ということの対極で、いやはや三流の老舗ならではの困ったちゃんということで彼は出てきたかもしれないですね。一番最後のところにしたたかな企業家精神はもたれあいのなかで利潤調整に終始する身内主義からは生まれないと、これは当たり前だと思うんですが、同時にタエマエとしての正義を掲げるだけの、青い民主主義からは生まれないと書いてあります。
で、私はこの一年とても感じてきたことは、屈しない人というのは多くいます。よく市民運動家とはですね、反権力だといってずーっとそれに屈しないということありますが、でもその人がそれぞれ権限をもって判断しなければいけなくなって、自分に類が及ぶ責任ということが問われるようになったときに、屈しないことに関しては声高に語り続けられる人が逃げないということも同時に出来る人はものすごく限られているということは前から漠然と感じてましたが、この数年間この地にこのポジションに就いて多くの市民の意見、評論家の意見を聞く中で感じています。是非、屈しないというよりむしろ皆さんはそれぞれ逃げないということを、大変なことですけれどこの年末年始に考えていただければなあと思っています。それが同時にリーダーシップは私だけが振るうことではなくて、マネジメントという言葉とリーダーシップという言葉は違うんだということを昨日行政機構審議会の場で高橋俊介さんという、皆さんご存知のようにもともと彼はJR、国鉄にいた人です。一回講演をしていただきました。あの時もお話になったかもしれませんけど普通の会社は予定よりも早くする予定よりも良い数字をあげるとですね、良い子って褒められるんですけれど鉄道会社は違うと。予定よりも早く列車が着いたら、飛行機の場合は管制塔が許せば着陸できるけれど、予定よりも早く列車が動いたら事故になっちゃうんですね。だからなかなか鉄道会社は第二電電もないから難しいと彼は言ってますけれど。マネジメントをするというだけではなくて皆さんがリーダーシップを張られるような、それはやはり逃げないということだと思ってます。
えっともう一個、地方行政というこれ時事通信が出している雑誌に福田志乃さんという地域系コンサルタントって何か調べたら、いろんな自治体のコンサルタントや審議会の委員もやっているからもっと当たり障りのないことを書く人かと思ったら、私たちの県を評価してくれているということだけじゃなくて、今までの論評にはない本県がやっていることはこういうことなのだと、あるいは3×3の図なども私たちが描いていた以上に鋭いものになっています。是非これはお読みになってください。
ただ一個残念なのは、私たちの多分組織の中にはこの地方行政をとっている部署って少なからずあると思うんですよ、時事通信が出しているから。私のもとにこれ12月13日付です。私のもとにこういうのを教えてくれたのは21日かなんかにですね、違うか22日か。いや24日の日にですね、松葉さんが持ってきてくれたんですね。たぶん皆さんの部署の中には読んでいる人もいたと思うんですよ。で、私に忠臣蔵をしなさいといっているわけでは全然ありません。長野県のことに関して良いことであっても悪いことであっても書いてあったときに自分だけがその情報を抱えていたら駄目なんです。同僚の課長であったり、局長であったり、部長であったり、あるいは部下に読んでもらったり、あるいはその中の一人として私であったり、松林さんであったり、小林さんのところにもこういうのが載ってたよと。もっといえば長野県の「な」の字が一個も載ってなくてもですね、例えばどこどこの広島県でマツタケの原産地呼称制度じゃないけど、マツタケのブランド化にこういうのうちのヒントになるなと思ったら、やはりそれを部局を越えて伝えていくと。そうでないとうちも財政が厳しいですから、膨大な新聞や雑誌を取ってそれを机で読んでいることは皆さんの仕事ではないですから、席を温めずにいっぱい現場に出て行ってそこで走りながら考えて議論することが、それで変えていくことが皆さんの仕事ですから。その意味でいくと、この地方行政という雑誌はあるいは膨大に取っている新聞も逆にもう予算が厳しい中で一切取らないというほうが・・・。読んでみようと思ったら自分のお金で買うと。これは一般の週刊誌等でもですね、経営戦略局や私のガラス張りの一階のスタッフですら新聞に見出しまでついているのに、長野県関係の記事が私が買って持ってきてコピーしてというまでに毎日毎晩会っているのに、こんなの載っていますよ局長、とか知事、とか部長っ、ていうことも言わないっていうのはですね、本当に自分の仕事を愛するという前に自分の仕事への興味とか関心というのをどれくらい持っているのかなってことを年末最後にまた失礼かもしれませんが、12月13日付の雑誌が私がもちろん自分で探さなかったのは私の感度の鈍さかもしれませんが、でも私とて聖徳太子ではありません。ですから、松葉さんだから褒めているわけでも何でもありません。12月24日にならないとこういうものがあるってことを少なくとも私が共有できなかったってことは、私の反省も含めて皆さんももう少し私たちのサービスという金じゃないんだけど、サービスの木になりそうなものへの感度というもの、そしてそれを感動したらうれしいと思ったら、あるいはとんでもない記事でこの野郎、と思ったら横の人にも教えるというエネルギーを欠かさないで欲しいと思います。それでは今井さんからちょっとあるかな。
(今井監査委員事務局長)
一つご報告させていただきます。九月のこの部長会議のなかで、コンプライエンスのなかでもっと検討しなくてはいけないのではないかと問題提起をさせていただきました。私を含めて5名の人間でずっと検討会をしております。まだ形として十分に発表できるものではないんですが、ここに今日最後になられた丸山康幸さんはじめですね、いろんな意見を頂いております。丸山さんの一つのプロジェクト名としてはですね、「コンプライエンス〜私たちの誇りとやりがいのために〜」とこういったネーミングを付けていただきました。こういった形で進むのか今後どういう風に進めていくのかどういう風にコンプライエンスを考えていくのかということはちょっと遅れておりますけれど、来月になりましたらここにご主席の部長の方々、あるいは地方事務所の所長さん等々にもお話聞かせていただいて、本当に素晴らしい目指すべき方向というのをこのコンプライエンスのなかに出したいという風に思っています。ご期待いただきながら叱咤激励頂いてまたアドバイスですね、コンプライエンスの検討しているんだったらこんなことを考えてみたらと、それこそ今の知事のお話じゃないですけどこんな記事があったよ、というようなことも頂ければ非常に助かります。ちょっと報告としては中途半端ですけれども、来年きちんと報告をさせていただきたいと思いますんでよろしくお願いいたします。以上です。
(田中康夫知事)
今日は45分、50分くらいで終わるかなと思ったら結局私がダラダラしゃべったので7分も遅れちゃいました。申し訳ない。それではこのあと講堂で仕事納めの式を行います。
配布資料(抜粋)
○
「地域内『循環型経済』による自立・振興は可能か」―「現場ありき」で補助金を活用・長野県栄村―(福田志乃):地方行政2004.10.9
○ 「職員の人件費こそ最大の事業費」―脱・公共事業依存が出発点・長野県―
(福田志乃):地方行政2004.12.13
○ 「『世襲』はすべて悪なのか」FORESIGHT January 2005
経済報道「解読ノート」
○ 「私の履歴書」(武田國男)日本経済新聞
注 「キ文康隆」(きぶんやすたか)さんの御名字ですが、本来は「喜」の草書体を使われております。しかし機種によっては表示が出来ない場合がございますので、カタカナの「キ」で表記させていただきました。
|