11月25日 部長会議録
H16(2004).11.25 14:30〜15:04
特別会議室
出席者:知事、経営戦略局長、総務部長、社会部長、衛生部長、生活環境部長、商工部長、産業活性化・雇用創出推進局長、林務部長、土木部長、住宅部長、公営企業管理者、企業局長、警察本部長、代表監査委員、教育長、監査委員事務局長、副出納長、経営戦略参事(2名)、経営戦略局参事(2名)、社会参事、林務参事、地方事務所長(9名)
欠席者:出納長、危機管理室長、企画局長、農政部長、議会事務局長、教育次長(2名)、地方事務所長(1名)
(田中康夫知事)
はい、それでは11月25日の部長会議を開きます。
御存知のように、古田芙士議長と一緒にブラジルとアルゼンチンの県人会の方々にお目にかかってきました。様々な多くのことを感じましたが、これは、後で時間が許す限り少しお話させていただければと思っています。
今日の会議事項であります。まず最初に敷地内禁煙の実施に関してです。それでは、政策促進チームリーダーの阿部さんお願いします。
(阿部精一政策促進チームリーダー、小松仁保健予防課長、白田正夫職員サポート課長)
資料に基づき説明。
(田中康夫知事)
はい、どうもありがとう。この問題はかなり前から、それぞれ3つのチームや課がかなり一所懸命やってくれてます。小松さんのところの林康子係長を始めとして、かなり準備をしてきてくれている中で、12月1日から敷地内禁煙という形になります。警察関係の施設に関しても岡弘文本部長のもと、大変に、むしろ私たちの取り組み以上に、深いご理解のもと積極的な施策を講じてくださることに大変敬意を表したいと思いますし、ある意味では県警察本部の取り組みに負けぬだけの取り組みをしなくてはいけないと思います。
御質問や御意見があれば、まず頂戴しようと思います。
実際にたばこを吸われる方、今日は出納長が飯田の方に出張でいませんが、古林管理者いかがでしょうか。
(古林弘充公営企業管理者)
まあ、ちょっと大変つらいなあと言う感じはいたしますけど、決めたことでございますので、頑張ります。
(田中康夫知事)
他には、志村商工部長。
(志村商工部長)
つらいところですけど、ルールを守りたいと思いますので、御支援のほど、お願いします。
(田中康夫知事)
これは、組合の側にはこのことは、再度、御説明したんですよね。
(松林憲治経営戦略局長)
組合ではですね、11月22日、地公労(地方公務員労働組合共闘会議)、
教育委員会も含めて全ての組合が集まって、地公労共闘会議との組合交渉の中でも、これについてはかなりの時間を費やして交渉した経過がございます。主張としましては、我々の主張どおりには受け入れてはいただけなかった訳でございますが、我々の主張というのは、昨年来の、9月からの建物内の禁煙から始まって、先ほど阿部リーダーから説明のありましたこういった準備期間を6ヶ月間経た上での実施である。それから先ほどの警察の施設においても、より積極的に禁煙に取り組んでいこうと、この二つを主に我々としては組合の方に依頼をしたわけでございます。残念ながら、そこら辺は平行線をたどったわけでございますけれども、我々としては予定どおり実施させていただくということで、本日を迎えているという経過がございます。
(田中康夫知事)
議会の側は、それぞれ各会派においては、まだ2、3の会派は部屋の中での喫煙をしないという形を励行いただいてますが、他の大半の会派が室内の中でも室内分煙という形の状況であるということであります。これは議会側もお認めになっている点で、先般の各会派との意見交換会の際にも、私の方から議長に、まずこの点に関して、きちんと少なくとも建物内の禁煙ということを励行いただきたいと。議会棟も小学4年生の社会科見学を始め、多くの方々がいらっしゃいますので...。峯山局長は今日はいないのか。じゃ、これ松林さんの方から峯山局長に改めてこの文書、用意してありますからお渡しいただいて。議会側は12月1日からは性急じゃないかという御意見でありますが、まず議会側がきちんとその前に各会派のお部屋の中での喫煙ということに関してはお控えいただくということをお願いしたいということをお伝えしています。それから高等学校は、瀬良さん、どういう風になるのでしたっけ。
(瀬良和征教育長)
高等学校、盲、ろう、養、県立学校はこれと同じでございます。
小・中学校につきましては、市町村教育委員会の管理責任と言うことでありまして、これに対しては、先般、学校における禁煙の在り方検討委員会というのが11月半ばにありまして、いろんな方、県教組の方も入って検討いただいておりまして、その中で17年度中の早い時期に全小・中学校で禁煙を、敷地内禁煙をしていただくようにお願いしてゆくという風な提言が出されているところでございます。
(田中康夫知事)
それによって、市町村立の小・中学校は来年度になってからということですか。
早ければ今年度中というところもあるんでしょうか。
(瀬良和征教育長)
既に禁煙を積極的にやっている学校が、小学校で10校、中学校におきましては5校、やっております。そういうものを出来るだけ啓発しながら、市町村教育委員会の方に、この決定を含めて十分に働きかけ、提言等も十分周知していただきながら速やかに進めていただきたいと願っております。
(田中康夫知事)
格段、その他に御質問や御意見が無ければ...。ではこの形で進めますが、記してあります職員サポート課、保健予防課、政策促進チームだけでなく各部署が、そうした方々をいたずらに排除したり追い込む形ではなくて、一緒に行ってゆくように引き続き御協力をお願いしたいと思います。
それでは、12月補正予算案に関して、牛越徹さんの方から報告をお願いします。
(牛越徹財政担当参事)
資料に基づき説明。
(田中康夫知事)
はい、ありがとう。じゃあ条例も御説明をいただいてその後行います。花岡隆夫さんお願いします。
(花岡隆夫情報公開課長)
資料に基づき説明。
(田中康夫知事)
はい、ありがとう。各担当が非常に一所懸命、予算に関して作成をしてくれたと思います。感謝をした上で、一点、今回たとえば災害を踏まえて様々な私達の手だてを補正でも組みます。その時にこの問題のみならず他の問題もそうなのですが、これは皆さんと議論をして私がこういう予算を組もうと、こういう事業を緊急的に行おうということは、私が責任を持って方針として打ち出すわけですから、是非、今後そうしたことに関して、よい意味で積極的に応える予算であったり、事業を持ってきていただきたいと思います。と申しますのは、私が知事に就任した4年前から感じていることは、国からの補助金等がふんだんに付くようなものに関しては、むしろ皆さんの方が私以上に積極的に予算を計上してきたり、事業の拡大を図られます。これはよく「一財」(一般財源)という言葉は私は最初何だかよく分からなかったんだが、一般財源はなるべく使わないというような発想があります。ただ、税金は私どもの県民の皆さんが納めてくださっている訳で、その県民が必要としていることには弾力的に使うということです。ですから一財を使うものだと、どうも皆さんの中にちぢみ思考があって、私がこういうことをしましょうと言っても、それに応えるだけの予算の作り方、同時にこういったことを...、贅沢とかと言うことではなくて、贅沢を持ってくるのではなくて、私が言う意味では、言ったらこんなに期待できる予算を持ってきたけど、ここまでは逆に大変かもというような、私の様な者が逆に大丈夫かなって思うくらいのものをきちんと事業にしても内容にしても、人員配置にしても、予算にしても持ってきていただきたいということです。一財を使うものだと何か未だに自粛をしていて、補助金を使うものだと少し大胆になるというのは、まさに全国知事会の中では、全国知事会が出した三位一体の改革に、これは違うと言ってるのは私だけでなくて、実は長野県の市長会も、町村会も、議会もですね、連合も、経営者協会もおそらく全国では唯一、この知事会の出した三位一体の改革案は改革ではないと言っているのは、長野県だと思いますが、その中身以前の問題として、私たちは補助金行政ではないということを目指している訳ですから、この点は是非、今後お考えいただきたいと思います。それからスペシャルオリンピックスですけれども、これはですね、長野市も2億円予算を計上するというお話であります。御存知のように、スペシャルオリンピックスは当初、私が就任した直後に、ジャーナリストの野中ともよさんが知事室のほうにお越しになって、これは民間の催しであって、是非県内の施設をお借りしたい。と施設に関しては、長野県の持っている物ではなく、大半は長野市だということもお伝えした上で、彼女たちが応募をなさって、ワシントンに本部のあるスペシャルオリンピックスが長野県を会場にして行うことを決めた訳です。御存知のように、細川佳代子さんというのは御主人がいわゆる自民党政権ではない初の政権を作られた方で、こうしたこともあって当初、政治の側の動きが鈍いという様なことをですね、逆に自民党の中で心配なさる武見太郎さんの息子さんの武見敬三さんであるとか、こうした方々がソニーのファンダである盛田昭夫氏のご子息である盛田英夫さんにですね、細川佳代子さんだけでなくて、広範な範囲で資金調達等をお願いしたいということで、自民党の心ある方々が盛田さんに働きかけをしてですね、始まったという経緯があります。で、盛田さんを始めとする方々がご努力をくださったのですが、こうした中で、なかなか経済情勢が厳しいという形が続いていました。で、これはお話したかもしれませんが、過日、東京会館で、首相を務めた森喜朗さんを代表として、そのスペシャルオリンピックスの世界冬季大会の支援をする集いの役員会が開かれました。これは、小林陽太郎さん、富士ゼロックスの会長、ソニーの会長の出井伸之さん、あるいはフジテレビジョンの会長の日枝久さん、電通の今は顧問でしょうか、成田豊さん、こうした方々が御参集になった訳です。で、この場で、森さんが、様々な経緯があってもやはりこうしたものを日本から発信して分け隔てのない日本であるということが日本のソフトパワーであって、その場として、オリンピックやパラリンピックの開かれた長野の地で開かれるのはふさわしいことだという御発言がありました。小坂憲次さんからも、今なぜ長野なのかとか、今なぜこのような資金を出すのかという様な話をしている場合ではないという御発言がありましたし、小坂憲次さんからはかなり初期の段階から私に、是非、民間でそのようにやる盛田英夫さん達を長野県として支えて行こうと、盛田英夫さんをよろしくというような御発言は、再三あったわけです。ですから、こうした中で開かれる中において、本県、しかも長野市も2億円出すという中で、これは、無論、当初は民間で行うというお話でしたが、これだけ全国的な広範な、しかも県外の錚々たるという言葉は私好きではありませんが、正にそうしたインフレンシャルなオピニオンを持っている人達がこのような考えである時に、本県がこれを傍観する訳には行かないというように私は思っております。議会の中には様々な手続き論に拘泥する御意見があるようですが、そのことは、私は議会の方々に改めて深い御理解をお願しいたいと思いますし、またそうした深いご理解がありませんと、逆にそれは、ソフトパワーとしての長野県というブランドを県外の方が御覧になった時に、果たしてどのように御覧になるのであろうかということであろうかと私は思います。この点は社会部においてもですね、深くご認識を改めていただきたいと思いますし、職員としてSONAと呼ばれる地元の行う場所に出向している人たちにもですね、これだけの方々が一緒に支えようと仰ってくださっている時に、逆にその資金をどのように用いて、どのようにして行くのかということは、イベントであるから計画が事前に断ち切れないというような考え方は捨ててですね、私どものより有為な職員を送り出している訳ですから、SONAもきちんと、全国の方々の期待に応えられるだけの、説明を行っていって欲しいと願っています。
給与の削減をいたしますが、同時に幾人かの関係する職員に関して処分を、大変忸怩たる思いはありますが、させていただきます。この点に関して小林公喜さんの方からお願いします。
(小林公喜総務部長)
はい、総務部長の小林公喜でございます。今回の知事及び公営企業管理者の給料の一部減額につきましては、人事活性化担当参事といたしまして、これの仕事を担当いたしましたので、私の方から報告をさせていただきます。先程、12月県議会に提案します条例案の改正の中で、三番で花岡課長から概要については、簡単にふれてありますけれども、皆さんご承知のとおり、企業局では松塩水道用水の管理事務所の本山浄水場の汚泥排出問題がありました。そして、中国産はるさめ等から、過酸化ベンゾイルの誤検出、誤公表問題というものがありまして、これに関連をいたしまして、これらの問題の責任を深く認識をされて、知事の給料を3ヵ月間20%、そして公営企業管理者の給料を3ヵ月間10%減額をするということで条例の改正案を出すわけでございます。ご案内のとおり現在条例で定めております給料、知事の場合には135万円が現行のカット条例では30%の減額で94万円5000円になっておりますので、ここに20%減額ということになりますと半額、マイナス50%、月額67万5000円ということになります。公営企業管理者につきましても、旧条例では86万円でございますが、現行カット20%で68万8000円でございますので、10%カットいたしますと、30%カットで60万2000円となります。今回責任をとって、減額される特別職では知事及び公営企業管理者でございますが、その他条例で規定され公表されております特別職の給料は、副知事におきましては現在おりませんけれども、カット後で83万2000円、出納長はカット後で72万8000円、教育長はカット後で68万8000円でございます。知事の給料が一番、公営企業管理者を除きまして、三役では知事の給料が最も低くなるわけでございまして、一般職員の方が逆に知事の給料を越える方がいるんじゃないかと。こういうような減額でございます。
これはトップに立つものとしての責任を認識されての措置でございますが、こうした状況を我々幹部職員も十分に心しながら、日常の業務に精励していくべきではないかと、こんな風に考えております。なお、職員の処分につきましては、企業局の汚泥排出問題、はるさめ問題、いずれにしましても関係いたしました職員、双方10名を近日中に懲戒処分とする予定でございます。
それから、知事さん申し訳ありません、もう一点だけ。前回の部長会議で私の方から発言するのを忘れていたのですが、私の方で大きなミスをいたしまして、改めて皆様方にも承知をしていただいた方が良いと思う案件がございます。ひとつは知事宛の文章はすべて経営戦略局の政策秘書が見ますので、必ず知事宛の文書は政策秘書の方に渡すべきではないかと。また知事との面会をですね...。
(田中康夫知事)
例えば、各部に届いたような文書でもということですね。一般県民から来た内容ですね。
(小林公喜総務部長)
はい、そうです、すみません。それから、知事と面会したいという話も時々来ると思います。各部局の方へ。そうした場合もですね、知事の日程が非常に忙しいからということで、勝手に各部局の入り口段階で断ることなくですね、やはり、そうした場合も必ず経営戦略局の政策促進チームの方にあげていくべきではないかと。私どもの失敗を反省しながら、各部局、同じような扱いをしていただいた方がよろしいのではないかと、このようなことで発言をさせていただきました。以上でございます。
(田中康夫知事)
はい、そうですか。私はまあこれ、多くの職員の処分も出しますし、私の最高責任者としての監督の問題がありますので、3ヶ月20%という形での条例を出させていただきます。別に給料の多寡で仕事ぶりが変わるわけではないと思いますけど。出納長には是非、特命事項も多くありますから、一生懸命働いていただくということで改めてお願いをしておきたいと思います。
あの、今日で中川照行さんがおそらく最後の出席なんで、後でまたご挨拶をいただきますが...。ブラジルに行きました。ブラジルに行く11月11日は朝、民主党を中心とする方々にですね、三位一体の改革のおかしさということをきちんとお話いたしました。昼からは亀井静香氏が代表であります「志帥会」というところから招待を受けまして、実はもともと受けていたんですが、台風23号の翌日でありましたので、一度キャンセルをさせていただきました。で、非常に不思議な世の中になってきているなあと思うのはですね、やはりこの前、森喜朗さんと会ったときにも、森さんに「よろしくお願いします、スペシャル・オリンピックス」といったら、「いや、君と義務教育は同じ考えだなあ」というので、「いやあ、小泉さんの後見人でいらっしゃいますから、お大変でございますね」といったら、「いやあ、わしは小泉さんの後見人じゃあないよ、ははっ」と言っていましたけれども、義務教育であったり、生活保護であったり、あるいは、災害関連であったり、こうしたことはやはり国の役割...。いや、役割というか、役割分担という言葉はどうも総務省的で僕は好きじゃあないんですけれども、それぞれが何をするのかというのをしないまま、本当に復活折衝のように数字の按分で瑣末な議論で始まってしまったというのが大きな問題だと思います。全国知事会の場でも、テレビでずっと流れるのかな。ケーブルテレビでご覧になった方もいるかと思いますけれども、私が申し上げたのは、例えば3兆円の税財源移譲といっていますけれども、国はすでに今年度の6500億円分は別、その中に含まれると言っているんですね、質問趣意書の中でも明確にそう言っているわけです。とすると、「にもかかわらず、来年からの三兆円という言い方をしている全国知事会はおかしいんじゃないか」ということを言いましたら、知事会の幹部の中には、たかが質問趣意書じゃあないかみたいな言い方をする人がいて私は大変驚いたわけですね。で、発言はあいかわらず千載一遇のチャンス、乾坤一擲、我々は闘う武器を持たねば、地方対国の闘いだとか、極めて情念的なことばかりを言っていて、国家百年の計、私が国家なんて言葉を何で使わなければならないんだろうかと思うくらいに、非常に知事会は責任逃れをしている。私は梶原拓会長にですね、その他の県がですね、「いや、本県では地方六団体が皆一致団結して、新聞広告まで出してこの三位一体の改革を進めよう」といったら、愛媛県知事の加戸守行さんがですね、「いや、知事というものが言い出せば、その外の人々は唯々諾々従わなければならないような日本の歴史風土がずっとあったんじゃあないか」と言いました。で、私は最後に、「長野県は私とは異なる意見の持ち主が多くいらっしゃいますけれども、この問題に関しては私が提唱していることに関して、市長会も、町村会も、各議員、議長会も、あるいは連合も経営者協会も一致していると。でも、「長野県の考えは、私の考えは、日本ということを考えた時に決して間違っていないと。むしろ、真っ当な意見だと思うけれども、長野県の意見は少数意見であるということをですね、県に帰ってお伝えしなければいけないと、旧建設省出身の梶原会長からもそのようにいわれた」というふうに言ったら、梶原さんが色をなされて「旧建設省ということはどういうことだ」と言うから、「栄えある日本を作ってきた省庁のご出身だというキャリアを申し上げたまでです」といったら、「そんなことは関係ない」というので、私の横に富山県知事の石井さんがいらっしゃって、消防庁長官から転身をなさいましたので、冒頭で挨拶をされたときに消防庁での経験を活かしてやってくださいと、皆さんが仰っていたので、「先程、過去のキャリアのことに言及なさったではないですか」と言ったら「そういう問題ではない」と仰ったので、「人間は心にやましいことがあると激昂しやすいものでございます」というふうに言ったら「失敬な」と仰っていました。ですから、私は「6500億円の問題にもう一度だけ戻りますが、この問題は別で、来年度は三兆円で宜しいんですね」と言ったら、「そうだ」と仰るから、「では、そうでなかったら、責任はどういう風になるんですか」といったら「私は責任を取ります」と。まあ、1月に任期を終えられる会長でございますけれども。あるいは、また自分の後継者を知事が指名なさって、なんら地元で批判が出ないというのも、なかなかの人徳だと私は改めて敬服したところですけれども。まあ、最後に私は「心ある、国土交通省の後輩は泣いておられると思います」と付け加えようかと思ったところですけれども。あの、ですから亀井さんたちともお話しましたのは、長野県が言っているのは目先の利権を守ろうとか、私利私欲とかではなくて、本当に国民ということを考えた時に、このような議論で行っていっていいのかっていうことです。で、おそらく、これは私は近い将来歴史が、というよりも、近い将来長野県が述べてきていることが間違いではないということを総務省以外の各省庁の人、あるいは、財務省の人も対総務省ということでほくそ笑むという文脈ではない所で、そうだということを理解してくださっていると思います。
ブラジルに伺いまして、ブラジルの県人会長は、石井賢治さんという臼田のご出身で、大変なマラソンというかですね、陸上競技の名手であった方ですが、敗戦直後であったので、国際的な大会にあまり出れなかった方です。で、宝飾店を営んでいらっしゃいますが、この方のもとに多くの方々が、私は大変立派な方が多かったと思います。で、アリアンサという場所がありまして、これは、600キロぐらい離れた場所でございます。ここに長野県が入植したんでございますね。もう一枚の方の紙についていると思います。で、実はこのアリアンサの問題というのは、私は本当に長野県がこれから冷静にですね、見直していかなければならない問題が含まれているなぁと思いました。というのは、この場所には多くの希望を持って入植された方がいて、それを長野県及び信濃教育会はですね、積極的に送り出したわけです。送り出したのですが、長野県が貧しかったこともあるかもしれませんが、お約束していた資金というか、そうしたものを施さないままなんですね。で、ここに入植された方はプロテスタント系の松本をはじめとする多くの中信の方が多くいらっしゃって、一緒に来て希望の地に入植しようと。ゴム園やコーヒー園をやろうということを述べる一方で、県の側や信濃教育会にかなり言いますが、あのほとんど反応がないという形です。しかしながら、この場所の方々は正に、刻苦勉励なさって、成功なさるんですね。すると本県はどういう反応をしたかというと、やはりここに送り出した向上心溢れる長野県民がこのように成功していると。この正に長野モデルというものをもって、満蒙開拓というのも長野県がモデルとして打ち立てて行こうという展開をするわけです。で、私はここに書いたようにエドワード・サイードという、先日、白血病で亡くなった、一度しかお目にかかったことがないのですが、私は師匠であると思っていますが、彼は「オリエンタリズム」ということを言いました。オリエンタリズムというのは、植民地主義を支える西洋的な知識なわけですね。でも、私たちはむしろ知らないうちにオリエンタリズムから脱却しようと日本はしてきたわけです。私は、オリエンタリズムから脱却しようと地方はしたわけです。そして、その中で多くの方がブラジルに行かれたと思いますが、実は知らないうちに、本県に残った者たちはですね、そのブラジルの地に行ったものたちをその場で固定化してみようと。実は、本県がオリエンタリズムをまたブラジルの地に行った人たちに強いていたのではないかという深い反省に立たなければいけないということをとても思いました。しかしながら、1998年に山川出版社から出た私どもの歴史館の職員が書いた本の中では、今申し上げたような歴史が書かれていて、これはブラジルの県人会の方々、アリアンサに住んでいる方々にとっては大変にショックなことだったんですね。で、この山川出版から出た本、あるいは大月書店、いずれも進歩的といわれているかもしれません。そこから出たものは何かというと、長野県は総力をあげてブラジルに平和裏に送り出して成功した。それを歴史に翻弄される中で、国に使われる形で満蒙開拓でも多くを送り出して、今度は逆に悲劇を国によって産み出されたと、極めて古いイデオロギッシュな左翼的な文脈の中でですね、本県を正当化して、本県が被害者であるかのように記されている本です。で、これは皆さんとの挨拶の中で、きちんと県の責任においてこの歴史を書き換えるということを文書としてですね、書籍として残すことをしなくちゃいけない。願わくば、本県の言論を形作ってきた信濃毎日新聞から出版されるようなことが望ましいのかなというようなことは言いましたが。
で、向こうで多くの人がいま日本で出稼ぎに行っていることはどうかというので、私は、出稼ぎという言葉は違うんじゃないかと。前も皆さんに、日刊ゲンダイの原稿をお配りましたけれども、国家という政治が創り出した人種というモザイク模様、チェチェンやイングイッシュのようなこういう悲劇は作っちゃいけないと思います。でも、雇用という経済が産み出した国籍のモザイクというものは、むしろそこにおいてクオリティ・オブ・ライフをもたらすために、そうしたものがあるということは、それは優勝劣敗のWTOではない社会を創るという考えの元で、私は大事なことだと思いました。で、あの教員がですね、実はここは信濃村とみな長野県は言っていますが、鳥取や富山の人も分け隔てなく受け入れたんですね。で、第一、第二、第三アリアンサとありまして、第二と第三には富山と鳥取から教員が来て日本語をずっと今でも教えて、子どもたちも日本語がしゃべれます。で、本県はずっとそうした支援をしてきておりません。
むしろ、そうしたところでJICAに行ったりするのと同じように、海外協力青年隊に教員が行くのと同じように、訪れて二年間なりを居て、戻ってきて、長野県の子どもたちに現状や歴史を語るということもとてもソフトパワーとして重要なことだと思います。ただ、ブラジルの方々もここで日本語を学びたいと言っているんですが、それに対してブラジルの方だけでなく日系人の方だけのみと仰っているので、ここは是非心を開いていただいてですね、是非、地域の人々が一緒に入れる日本語の学校という形、あるいは第一、第二、第三アリアンサもそれぞれ、20キロメートルくらいずつ離れていますけれども、毎日開くわけではないので、私は三つの学校を統合して三県の教員がいけば、より専科的なことも教えられるので、私はそうした形で考えたいなと思っています。ブエノスアイレスの県人会も訪れました。1000キロほど離れた所でぶどう園を作っていらっしゃる、チリの国境に近い所からもですね、わざわざ飛行機が満席なので、車に乗っておこしになられたような方々がいらっしゃって。で、彼らが本県に技術研修員で来るということを是非絶やさないで欲しいという話でした。私は、ですから、長野県が健康長寿であるということが保健師であったり、看護師であったり、こういった形のものが、研修を積んで本県の健康の病身連携を伝えていくのならば、その本人だけでなく、多くの人に伝わりますので、ITの技術者というよりも、むしろ、そうした方々に関しては受け入れを引き続き行っていく必要があるんじゃないかなと思いました。ちょっと時間があれなので、また改めてどこかで文章を書いたものをお配りすると思います。で、前期の業績管理評価の二次評価を終えました。これは8月からわずか三ヶ月という期間ですけれども、大変に皆さんがお忙しい中で、十分な対話をそれぞれ、課長と部局長と行って下さっているというメモを見て、改めて実感し、感謝しています。私も、知事部局の206名の部課長及び所属長の方々の業績評価の管理表を拝見させていただきまして、二次評価を行わせていただきました。あの、とても皆さん、繰り返しますが、大変に努力をなさって、対話の上で、熟慮をした上で評価をされていることをありがたいと思いますけれども、5という達成度とは何かというと、目標。どうも私たちは五段階評価の通信簿と比較してしまっているところが無意識にあるのだと思いますけれども、目標どおりの達成できたということでは3なんですね。ですから、3は失礼な言い方をすると可もなく不可もなくまあ合格ではあるということです。で、5という評価を得るためには目標の130%以上の達成という大きな成果を産み出す必要があります。で、この130%に関しても一律の適応じゃあなくてですね、あくまでも、設定された目標の内容についての認識も必要です。ですから、設定された目標に目線を置くだけでなく、それ以上の良い意味で、私が帰納法と申し上げている挑戦的で、創造性あふれるブレークスルーを目指していただきたいと思います。で、もう一点、今回の業績管理制度というのは、あくまでも成果を評価するということです。ですから、正にその人の人格であったり、あるいは、その人のもともと持っている潜在能力であったり、適性であったりですね、あるいは管理者としての能力であったりと、こういうことを今回評価しているわけではありません。あくまでも皆さんが設定されたものに対しての評価がどうかということです。ですから、今後、まあ例えば、有り体に言いますとですね、まあ、残業をそうですね、100時間減らしますという凄い目標を立てていたとするとこれは達成できない。残業を5時間減らしますと立てていると、7時間であるならば、これはAになっちゃうかもしれないということですね。ですから、今後、設定のし易さのスキルや技巧に走るということがないように皆さんが課長と話をする時、あるいは皆さんが副知事なりとが話をするときにもですね、既に後期に関しても行っていますけれども、その点をきちんと...。これは、トライアンド・エラーで努力をしながら私たちが得ていくことだろうと思います。で、取り組む姿勢を評価して、成果の評価を左右してしまうというようなことはですね、公正さを欠くわけです。あの人は一生懸命努力をしているからともって多とすると。私もそういう気持ちが強い人ですし、やはり、まず意欲が大事だと、努力が大事だということは、私も常に皆さんに言っていることですが、ただこれは、それとはまた別なんですね。ですから、逆に言うとここで高い評価を得たからといって、あなたは管理者として、あるいは公僕として大変素晴らしいと言われたという訳では必ずしもないということ。良い意味で、プライドを持って自覚をしていただきたいと。ですから、仮に今回の評価がDという方が、これは人格が否定されたわけではありません。で、努力をされて今度、BやAになることが、これが結果として、組織として全体として、一人一人で構成されている組織のパワーアップになるのだということだと思います。ですから、後期の面談は終わっているかもしれませんが、必要とあれば、今申し上げたような技巧的な目標設定をしているような形、ここにいらっしゃる方々の中でも、かなり良い意味で、高い目標設定をなさって、それに対して、そうした方は良い意味で冷静にですね、そこまで至っていないと仰っています。わりかしと抽象的であったり、まあ一回目ですから、それは問題があるわけではありません、まあ、総論的な目標設定をなさった方は、わりとクリアーなさっているというケースがあります。ですが、これも回を重ねるごとに変わっていくことじゃなあないかと思いますけれども。まあ、あのこういった点も含めて、直接評価をなさったわけではありませんが、おそらく今までのキャリアの中で詳しい、中川照行さんからもし何か補足があれば。
(中川照行経営戦略参事)
経営戦略局中川照行でございます。今、知事、細部にわたってご説明いただきましたので、申し加えることはあまりございませんけれども、やはり、部局長の中でですね、目標設定のスキル、それから、評価のスキルというところで、正直言って、ばらつきがございます。まあ、今回最初でございますので、これから慣れていただくということになると思いますので、慣れる一番の方法はですね、やはり当事者同士が対話を深めていただくということでございます。それから、僭越でございますけれども、やはり、部課長の、これは目標設定であり、部課長の成果の評価でございます。担当者とは違いますので、やはり、マネージャー、リーダーとしてのですね、高い視線での目標設定をぜひともお願いしたいという風に考えております。
(田中康夫知事)
えーと、中川さんはですね、ご存知のようにブリティッシュ・ペトロリアムという会社に、今度お移りになります。私は、よい意味でですね、やはり、本県で働いている者が、そのようにですね、あまりヘッドハンティングという言葉は好きじゃありませんが、やはり、彼の資質というものを評価してくれる所があり、そこに新たな人生を掛けるということは、ある意味では、そのような方が本県の職員としてですね、加わろうという意思を持って、そして期待以上の仕事をしてくれたということは、それだけ本県の改革というものが注目され、又、有為なる者達がそこで努力をしようと集ってくれるということだと思って、大変に、感謝をしていますし、誇らしく思っています。で、もし中川さんの方からお話があれば。
(中川照行経営戦略参事)
どうも知事、御過分のお言葉ありがとうございます。あの、まあ、スピードと実行力が信条とはいえですね、こういった形で長野を離れることになりましたまず身勝手をお詫び申し上げます。申し訳ございません。どうぞお許しくださいませ。思う存分仕事をさせていただきました。それを支えていただいたここにいらっしゃる皆様方にですね、感謝の念が絶えません。誠にありがとうございました。ご指導をいただいただけではなくてですね、仲間としても暖かく迎え入れていただき、切磋琢磨をさせていただき、なおかつ、私もですね、皆様の公僕としてのですね、高い、高邁な理想、行動に関しまして、改めて敬意を評する次第でございます。こういった形で一旦長野を離れますけれども、これもご縁でございます。人生を通して、また、ご指導、ご支援、ご鞭撻、切磋琢磨をさせていただければと思っております。どうぞお許しくださいませ。ありがとうございました。
(拍手)
(田中康夫知事)
どうもありがとう。イギリスのロンドンに自然史博物館というのがあるんですけれど、この中にブリティッシュ・ペトロリアムが寄贈したコーナーがあります。どういうコーナーかというとですね、バクテリアとウイルスの話なんですね。前から言っているように、ネイション・トゥー・ネイションの戦争というのは、バクテリアとバクテリアの戦いです。いつか答が出るかもしれません。悲劇は多く生まれても。しかし、今のテロというようなもの、或いは、地域間の紛争というようなものは、これはウイルスの戦争で、ウイルスというものは駆除しきれない、ウイルスは有為変転していくものなんですね。で、どういうコーナーかというとですね、元気なウサギがあります。生きているわけではないですけれど。元気なウサギのまわりに、いっぱいバクテリアが飛んでいる、土にもちょっとある。元気なウサギがだんだん老いてきて、土に近いところにバクテリアが多くなってくる。ウサギが亡骸になります。そうすると、その亡骸と一緒にバクテリアがみんな地下に入っていって、けれどもそこからまた新しい生命が生まれてくると。これが一つのコーナーなんですけれども、こういったことをブリティッシュ・ペトロリアムはやっています。北海油田をはじめとして、多くの環境破壊をしたじゃないかと、いうようなことを言う人がいるかもしれませんが、こういったものを、自然史博物館の中に寄贈しているんですね。で、やっぱり、もし、シティコープに行くと言ったら、私はちょっと反対したかもしれませんけれども、シティコープの最近の発言というのは、本当に日本の経営者の方がよほどまともだと思えるくらい、とんでもない非人間的な金の亡者達たちかもしれませんけれども。こういうものを寄贈するようなところ、これは、最後に、キ文康隆1さんのヤマト運輸と郵政公社の、これはとてもよくできている文書だと思います。あの、特に、生田正治さんというのは優秀な僕は経営者だと思いますけれども、商船三井の。左ページの下から二段目のようなところで、改革が個別組織の段階に及んだとき、社会システムの改革ではなく組織生き残りのための方策に転化してしまう。経営者が優秀であるほどそうなる、というのが今の郵政公社の問題じゃないか、と言っているんですね。ですから、郵政民営化に反対と言っている私の友人の福島正芳さんも、志帥会にもいる荒井広幸さん、ちっちゃな特定郵便局の息子だった人なんですけれども、彼は、単に民営化がいけないって言っているんじゃなくて、巨大なものが、JRも独占企業になってしまっているけれども、それ以上にこのような独占企業になっていってしまうというときに、本当にそれは、独占禁止法違反にならないかということを、彼も言っているんですね。このキ文1さんの文書はこれ、前にも配ったことがあったかもしれませんけれども、これはとても大事な内容だなと思います。もし、機会があれば、月刊文春に、なぜヤマト運輸を最初小泉氏は評価しながら、ヤマト運輸と郵政だけを残そうとしたのに、ヤマト運輸側が郵便ポストを税金を使って設けたところと、郵便ポストを自前で設けろと言う我々と同じ土俵になっていなんじゃないかと言った途端に、ある意味ではヤマト運輸を切り捨てるかのごとき施策になっていった理由というのが、月刊文春に載っていますけれども、来週お配りしようかと思いますが。これは、とても、民営化というのが真の意味でどこに立脚しなければならないのかということを述べている気がします。それから、あの、12月の4日の日に、台北で、これは、向こうのセブンイレブンであったりでですね、信州りんごを販売するという形で、これは、長野県だけではなくて、北信地域のですね、多くの市町村や民間企業が一緒に、「信州ブランドを海外へ推進実行委員会」というのを設けてくれました。前回に続いて、李登輝前総統ともお目にかかることになっております。議会中ではありますが、議会運営委員会でも今日、ご説明をいたしましたので、このフェアを行ってですね、台湾では、まあNHKのBS等も流れておりますので、かなり長野県のことをご存知の方が多くいらっしゃいますので、大いにアピールして参りたいと思っております。それでは以上です。どうもありがとうございます。
配布資料(抜粋)
○ 日刊ゲンダイ2004.11.11 9面「田中康夫 奇っ怪ニッポン
ブッシュ再選を喜ぶ日本はどうかしている」
○ 日刊ゲンダイ 2004.11.18 7面「田中康夫 奇っ怪ニッポン
官僚出身が半分を占める全国知事会の地方分権」
○ 日刊ゲンダイ 2004.11.25 7面「田中康夫 奇っ怪ニッポン
国民益より首相益 飯島秘書官の耳を疑う発言」
○ 週刊SPA「田中康夫の東京ペログリ日記リターンズVol.33」
○ 週刊SPA「田中康夫の東京ペログリ日記リターンズVol.34」
○ FORESIGHT November 2004 経済報道「解読ノート」
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「ぼくが大地震をウォッチしたわけ2:本音を申せば」
○ ニッケイ新聞 2004.11.13「長野県・田中康夫知事が来伯」
○ ニッケイ新聞 2004.11.17「信濃移住地が80周年 田中知事迎え記念際」
1「キ文康隆」(きぶんやすたか)さんの御名字ですが、本来は「喜」の草書体を使われております。しかし機種によっては表示が出来ない場合がございますので、カタカナの「キ」で表記させていただきました。
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