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最終更新日:2006年03月24日
 

記録の提出拒否に対する告発について(議第22号)」に関する発言要旨
(平成18年3月23日 本会議より)

※本会議の中継映像から聞き取りにより発言要旨を作成しました。

宮澤敏文議員 提出者説明要旨

北山早苗議員 反対討論要旨

佐藤友昭議員 賛成討論要旨

石坂千穂議員 反対討論要旨

宮澤 敏文議員 提出者説明要旨

 提案者を代表いたしまして議第22号記録の提出拒否に対する告発についての議案を説明いたします。
 国のような三権分立の無い地方政治制度の中で、予算の決定、条例等の制定を始め行政が適切に行われているかをチェックすることを主たる責務として位置付けられている地方議会のすべての判断の源である調査権は、法律で保障されております。そしてその政務調査の費用は、知事など予算編成者が立ち入ることのできない自立した位置付けがなされるほど議会の調査権は重要な扱いとされているのであります。地方議会が理事者の資料不提出などで調査権が脅かされた場合や通常の調査権では調査の限界が生じたときは、地方自治法第百条で司法への告発を義務付けた強い調査権を持つ調査委員会の設置を規定しております。そして地方自治法第百条で規定された調査委員会は提出された記録と証人尋問から得た事実のみをもとに判断を下すのであります。
 長野県議会では、2005年2月より15回にのぼる総務警察委員会で積極的な調査にも拘わらず調査の限界を指摘され同年6月県議会において地方自治法第百条の委員会、知事後援会幹部の働き掛け等調査特別委員会の設置を賛成多数で決定いたしました。以来30回にわたり調査特別委員会が開催されたのであります。この百条調査委員会では、長野県議会として25年振りに設置されたことや調査内容が県知事後援会幹部者や関係者や県職員にまで及んでいたこともあり、慎重に運営され、運営方針はその都度17名の委員で法的拘束力や認定のありかたに至るまで協議し、全員合意で進められてきました。このことは3月2日の委員長報告のとおりであります。
 告発の事実につきましては、お手元に配布させていただいた議案のとおりでありますがその概要をご説明申し上げます。
 昨年7月27日、県知事後援会幹部の働き掛け等調査特別委員会では、平成15年9月と10月の動きを把握するためと、知事後援会費用負担の関係で平成17年度2月の動きを把握する必要性から松林憲治氏の個人手帳の提出を求めたのであります。同じ調査のために他の6人の関係者からも同じ趣旨でそれぞれの個人手帳の提出を求めました。委員長報告書にもありましたように、個人情報保護や個人のプライバシーには最大の神経を払い確認作業は個人手帳提出者の合意のもと、インカメラ方式にて提出者と正副委員長がプライベートと公務を区別し、公務事項のみを調査委員会委員に提出したところでございます。
 しかし松林憲治氏だけは、自らの判断でマスキングした写しと当日直接提出した個人の手帳にもすでにマスキングが施されておりました。委員長が再三にわたり個人手帳の記載が公務かプライベートか確認できないので、他の個人手帳の提出者は自ら個人手帳を開示する中で合意の上公開部分を判断した経過を説明したにもかかわらず、松林憲治氏は一切応じようとしませんでした。このような行為により当百条委員会として、松林憲治氏の提出した記録の掲載事項の確認をすることが不可能であり、この結果、記録中に調査対象に関する事項が記載されているのか否か判断はできなかったものであります。このことは記録の提出が事実上拒否されたものであり、地方自治法第百条第三項に規定されている「正当な理由」は無く、記録の提出を拒否したことに該当するものとして、同条9項の規定により告発するものであると判断したところであります。
 松林憲治氏の記録の不提出は、地方議会、地方の時代の議会調査権の本質を脅かす行為であり、議会のあり方まで行き着くものであります。長野県議会として全国の地方議会に対し凛とした議会姿勢を示し、地方自治法第百条を守るためにも、松林憲治氏の記録不提出の認定を告発する議案の提出をするものであります。

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北山早苗議員 反対討論要旨

 北山早苗です。あおぞらを代表して、また、事実を知り百条委員会に対して大きな疑問を感じているあまたの県民の皆様を代表して、経営戦略局の松林憲治局長の記録提出拒否に対する告発について反対の意見を述べます。
 皆さんに知っていただきたい事実があります。個人の手帳提出に対してプライバシーに配慮していただくよう、2度にわたり知事名で議長あてに行っている事実です。
 まず平成17年8月2日付けの知事からの申し入れ文書で「1、記録の提出は個人のプライバシーに係る部分又は調査項目と関連性のない部分をマスキングしたものの写しによること。2、手帳の実物の提出に関しては原本性の確認に関し本人立会いのもとで正副委員長の2名のみで写しとの突き合せを行った上、確認終了後速やかに本人に返還すること。」という提案をしました。
 これに対して議長は平成17年8月2日の回答文書の中で「当然のことながら個人のプライバシーには最大限の配慮をもって進めてまいる所存であり、正副委員長に対し、記録等の取扱いも含め、この点に十分配慮して委員会運営を指示したところであります」と知事に回答しております。しかし、この議長の回答では、プライバシーの保護に関する具体策まで明らかにした内容になっていないとして、平成17年8月3日付けで再度知事名で議長あてに明快な回答を求めています。「当方からの提案の受け入れの可否について明確なご回答をいただきますよう再度お願い申し上げます。また、当方からの提案を受け入れ難いという場合には、それに代わる具体的なプライバシー保護に関する提案をお示しいただきますよう併せてお願いいたします。」と先の提案が受け入れ難い場合は代替案を示してくださいとお願いしました。
 これに対し議長は平成17年8月4日の回答文書の中で「議長の指示に従い調査特別委員会においてはプライバシー保護の観点から個人手帳の提出者に対して別添のとおり文書を発送いたしましたのでご了承願います」と回答しており、別添文書では、「本委員会といたしましては、記録の取扱いには慎重を期す必要があると考えますので、ご本人立会いのもとで正副委員長が個人の手帳とその写しを照合し、原本性が確認され次第、その場で原本の返却を行いたいと考えております」と書かれています。このような経過の中で松林局長が平成17年8月3日に手帳のコピーを提出し、8月10日午前9時に議員会館に出向き事前に提出しておいた手帳の原本と手帳のコピーを正副委員長立会いのもと照合してもらいました。正副委員長は手帳の原本と照合し、提出した手帳が原本であることを確認してから手帳の原本を松林局長に返却しました。またその際、松林局長はマスキングしたカ所に関して「内容は残業でタクシーを使用した際の料金と帰宅時刻の記載で、これはプライベートな内容なので、知事名で申し入れさせていただいた項目に沿ってマスキングをさせてもらった。またマスキングした中で一カ所公務があるが、これは総務委員会の開催日時の記載で、申し入れ事項の調査項目とは関連性の無い部分なのでマスキングをさせてもらった」と正副委員長に対して説明しました。これに対して正副委員長からは質問はありませんでした。これは原本と相違ないこと、マスキングについてはプライベートなものであることを小林実委員長と提案者である宮澤敏文副委員長が認めたからです。異論があればその場で言うべきことです。正副委員長が知事と議長のプライバシー保護のやりとりを念頭に真摯にきちんと対処されたということは、大事な事実関係です。
 ところが4カ月後に突如この8月10日の真摯なやり取りが覆されます。12月26日の百条委員会の場で、知事と議長とのプライバシーに関する配慮の文書、立会いの際の正副委員長が認めたという2つの事実を無視し、さらに松林局長本人には何ら弁明の機会を与えずわずか15分後に記録提出拒否と多数決で認定してしまいました。
 このような百条委員会の事実認定のやり方は数の力を振りかざした、あまりにも乱暴であり、粗雑であり、証人の人権を無視するものです。審議の手続きや証人の尋問に関して裁判所に準じ民事訴訟法の手続きを準用することが義務付けられている百条委員会の姿からはほど遠いと考えます。
 また、百条委員会の結論が百パーセント正しいとして、先のような事実をきちんと調査して伝えないマスコミにも問題があります。例えば3月18日の信濃毎日新聞の社説には「松林局長については個人の写しと現物の提出を求めたのに対し、日付以外を伏せて提出したことを提出拒否と認定した。地方自治法に基づき、百条委には事実解明のため強い調査権限が与えられている。関係者に証言や記録提出を求めることができ、嘘をついたり正当な理由なく証言などを拒めば告発の対象となる。県会が知事と松林局長を告発するのは、その限りでは筋が通っている」と書かれていて、信毎社説は、知事と議長とのプライバシーに関する配慮の文書、立会いの際の正副委員長が認めたという事実に何ら触れていません。実際に松林局長のところには、百条委員会に関し信毎からは一度も取材に来たことが無く、委員会報告書に記載されていることだけが真実であるという前提に立った主張をし、読者である県民に事実を伝えていません。
 知事が「指示していない」と言ったことなどを偽証とする件も同様です。(平成15年10月)8日から岡部氏が独断で文書隠蔽に動いていたという事実をきちんと調べないばかりか、9日に知事室で指示されたという岡部氏の主張のみによるガセネタに飛びついたことを隠し、県民の眼をごまかそうとしていることに他なりません。
 このようなことが長野県においてまかり通ってしまうとしたら、数の力を振りかざした議会人と、事実の追求という使命を忘れたマスコミ人によって仕立て上げられた正に冤罪です。
 議会が数々の事実を無視して数の力で賛成するような告発をするのは誤りです。
 松村文夫弁護士らも3月16日に発表した意見書の結びで「検察官が受理しても、取扱いに戸惑うような告発を長野県議会はその名誉と権威にかけて多数決をもってすべきことではない」と忠告しています。
 どうか議員の皆様にも長野県の歴史に恥じない判断をお願いし、討論を終わります。

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佐藤友昭議員 賛成討論要旨

 議第22号記録の提出拒否に対する告発について、賛成の討論をいたします。
 本議案の提案説明のとおり、地方自治法第百条による調査委員会は、提出された記録と証人尋問から得た事実だけが頼りの委員会であります。換言すれば、人の誠意と善意があってこそ成り立つ委員会であるわけでございます。
 この度の百条委員会において、出席いただいた数多くの証人は長時間に亘り、また証人によっては数日に亘り貴重な時間を割いてくださり、記憶をたどりながら正確さを期すために資料やメモ等を用意して委員の尋問に誠実に答えていたと仄聞しております。
 また、知事部局を始め委員会が記録の提出を求めたほとんどの機関、個人が大変な手間をかけ、誠意を持って膨大な記録を提出していただいたとお聞きしております。
 私どもの県議団の百条委員は、今更ながらこれらのご協力に対して頭の下がる思いだと申しておりました。
 百条委員会は強制的な調査権を持たない委員会です。繰り返しますが、人の誠意と善意があってこそ成り立つ委員会です。それ故偽証と出頭拒否として記録の提出拒否に対する告発の制度が設けられております。何故被告発人が記録の提出を拒否されたのかはわかりませんが、恣意的に提出拒否をされたとするのであれば、これは明らかに事実の隠匿であり、許し難い行為と言わざるを得ません。このような事実上の記録提出拒否は百条委員会に付与された権限を否定し、議会調査権を脅かす行為に他なりません。
 百条委員会は、事の本質、真実を明らかにすることがその目的であり、罪人を作ることが目的ではありません。それでも尚この告発をしなくてはならないのは、この記録提出の拒否という行為が、単にわが長野県の問題の止まらず、地方自治法の精神を踏みにじる行為であり、全国の地方自治体全体の問題であり、看過することは許されないところであります。
 議員諸氏におかれましては、どうかこの点をご理解いただき、議第22号記録の提出拒否に対する告発について、に賛同いただきますようお願いを申し上げ賛成の討論といたします。

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石坂千穂議員 反対討論要旨

 議第22号に反対の討論を行います。この告発のご提案によりますと、正当な理由なく事実上記録を提出しなかった、とされています。しかし何をもって正当な理由があるかないかを判断する場合、その基準、すなわち民事訴訟法第220条によりますと、もっぱら文書の所持者の利用に供する文書、つまり個人のメモや私有物については、たとえ裁判所であっても文書提出命令を強制的に出すことはできないとされています。わかりやすく言いますと、私有物を所持しているご本人が、出したくないという意思があれば、たとえ裁判所であっても、法の規定をもっても、ただいま民事訴訟法第220条をご紹介いたしましたが、強制的に提出をさせることができないということです。これが、法治国家日本の法律になっております。この民事訴訟法をもってしても、強制的に提出をさせることができない個人の所有物を、ご本人の同意なしに、たとえ調査権のある百条委員会であっても、議会が強制できないことは、おわかりいただけると思います。
 百条委員会の記録の請求に対し、請求を受けた当事者が誠意を持って協力しなければならないのは当然のことではありますが、個人使用の手帳というのは、個人のプライバシーにも深く関わるものであり、個人情報、プライバシー保護の立場から、当事者が提出を拒んだとしても、委員会として当事者の権利を全面的に否定してまで、強制することはできず、それだけで告発できるかどうかは、民事訴訟法上極めて難しい問題である、といえるのではないでしょうか。しかも、この個人手帳の提出により、百条委員会が入手できる情報として考えられるのは、当時の知事周辺の公的な日程の確認等が主要な目的と思われますが、この手帳が提出されなかったことによって、百条委員会の調査が著しく暗礁に乗り上げたとか、調査の大きな障害になったというものではありません。告発が法的な処罰を前提にしている以上、今回の個人手帳の提出の事実上の拒否が、法治国家日本の関係法令上の十分な検証の上になされなければならないことは当然のことであり、この告発がその様な検証の上にされているのかは、以上申し上げました理由からも、大いに疑問のあるところです。
 今回の個人手帳の事実上の提出拒否だけをもって、告発に値するものではない、そのことを述べさせていただきまして、反対の討論といたします。

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