プロフィール
新潟県上越市出身 。1999 年長野大学入学。2003年度卒業。2005 年度長野大学研究生となる。大学 3 年から上田周辺を対象とした地域通貨「上田地域もの・こと交換制度 蚕都くらぶま〜ゆ」にも所属。卒業論文のテーマは地域通貨関係。 2003 年 4 月より「こみっと」を始める。
 活動内容
学生と地域の方々を結びつけるような活動を行っている。具体的には、学生や地域の人々が一緒にNPO活動や異世代間交流ができる地域の拠点となるような場所づくりとその運営が主な活動。現在は上田市下之郷にある長福寺の境内にある建物を無償で借り、学生が中心になって拠点づくりのための「ネットワークハウス縁舎」をオープン(建物の名称は、人と人の「縁」がつながるような場所にしたい思い)。「ネットワークハウス縁舎」を利用して、NPO、地域通貨、循環型社会など、これからの課題とされているものについて学習会を行っている。
「もっと小さく、地域密着型でありたい」

―地域くらし創り考房「こみっと」を始めたきっかけはなんだったのでしょうか。

「以前長野大学において、地域の住民の方々を対象にアンケート調査を行ったことがあります。その結果を見ると、地域の方々が一番望んでいるのは『地域のみんなと交流する場が欲しい』ということと『長野大学の学生と交流を持ちたい』ということでした。私はこの結果を見て、学生であるわれわれに何かできることはないかと考えました。長野大学には、地域を活性化させる活動を行っている先生方も多いので、この先生方と協力すれば、地域の方々に喜んでいただけることができるはずだと考えたのがきっかけです。また、長野大学は、下之郷の方々から農地や山を提供していただいてできた大学です。長野大学で学んだ学生として、地域の方々に恩返しをしていきたいという気持ちもありました。『ネットワークハウス縁舎』をつくったのもそのような理由からです。気軽に誰でもこれで地域の方々同士や学生と交流できる拠点を、まずつくっておきたいと思っていました。」

―「ネットワークハウス縁舎」をつくるにあたってかなりのご苦労があったと思いますが。

「そうですね。一言で拠点を作るといってもそんな簡単にできるものではありません。まずは場所探しからはじめました。地元の方に相談し、長福寺さんを紹介していただきました。長福寺さんの境内には、昔保育園だった建物があるのですが、この建物がぜんぜん使われてなかったんです。そこで、長福寺さんの檀家の皆さんに、われわれが、この建物を活動拠点として使用したい、ひいてはここを地元の方々の交流の場、学生との交流の場にしたいという旨をお願いしたところ、快く、無償で貸していただけることになりました。場所が決まったあとも苦労の連続です。古い建物ですから、改修工事をしなければいけませんが、私たちには建築に関する知識がありません。ここでも、地域の大工さんやわれわれの試みに賛同していただいている地域の方々のご協力を得て、やっと「ネットワークハウス縁舎」が完成しました。オープン当日には 200 人近い方々に参加していただき、大変うれしかった。集まっていただいた方には本当にありがとうございましたと伝えたいですね。

―地域通貨にも取り組んでいますね。

「『まーゆ』のことですね。地域限定通貨『まーゆ』は、上田市内に住む 130 人ほどの会員間で流通しています。地域通貨のいいところは、今まで、市場経済において評価されてこなかったサービスの価値を認めるところにあります。たとえば、犬の散歩やお年寄りを車で送迎すること、草むしり、何でもいいんですが、要するに今まで金銭的に価値がないとされていたサービスに対し、サービスを受けた側がサービスを提供した側に『まーゆ』を支払います。

『まーゆ』の支払い対象となるサービスは、毎月開かれる『まーゆ市』における提案において決められます。これにより、会員誰もが提供できるサービスを自然に持てるようになるし、自分の『まーゆ』の残高を確認することなどで、自分が提供しているサービスの少なさなどに気づかされて、何かやろうというということになります。

私は、大学で地域通貨について学んでいました。勉強しているうちに、地域通貨には可能性があるなと感じるようになったんです。サークルで吹奏楽ばかりやっていた私が地域で活動しようと思ったのも地域通貨を勉強したことによる影響が大きいと思います。」

―活動を続ける上で心がけていることはなんですか

「『こみっと』では現在複数のプロジェクトを平行して進めています。これらのプロジェクトは全て、長野大学の学生がやりたいと自ら提案して始めたことです。プロジェクトを立ち上げ、推進していくのは大変労力のいることで、大学の先生などに随分助けていただきました。また、プロジェクトの立案には地域の方々にも携わっていただいています。地域の方々には立案だけでなく、長野大学の先生方が行う勉強会や講演会を通してプロジェクト推進を助けていただいています。このように沢山の方々の協力をいただいていますが、なかにはそれでもうまくいかないことがあります。ただ、うまくいかなくてもできるだけマイナス思考にならないようには心がけています。ここで学んだことが別の場所で役に立ったりすることは多々あります。失敗してもくよくよせず、そこから何かを学ぼうと心がけています。

そして今後のことですが、これからは地域と関わる中で、地域の方々一人一人をもっともっとよく見る必要があると思います。つまり、一人の方ともっと深く付き合っていきたい、より深く知りたいと思っています。そうすることによって、私自身大変勉強になります。」

―「こみっと」がさらに拡大するといいですね

「逆ですね。もっと小さく。地域密着型にして地元の下之郷のひとと考えながら、この地域に合った考えをとりいれていくべきですね。他の地域のことを勉強して、それをこの地域でどう生かすかを考えていきたいと思います。」