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「住民監査請求」に係る監査結果

  上田市秋和常磐城地区に係る土地区画整理事業に関する件


長野県職員に関する措置請求の監査結果

 第1 監査の請求
1  請求人
    上田市大字秋和901番地           井上朋徳
    上田市常磐城6丁目1番12号      田村俊夫
2  請求書の提出
    請求書の提出は、平成13年3月26日である。
3  請求の内容
 提出された長野県職員措置請求書に記載されている事項及び事実を証する書面並びに陳述の内容から、請求の要旨を次のとおり解した。
 請求の要旨
(1)   上田市秋和常磐城土地区画整理組合は、設立認可申請に当たり土地区画整理法第18条に規定する同意を得ていない。
(2)   平成12年3月末日までに終了した道路わきの水路改修工事は、仮換地の指定がないまま実施したものであり、工事施工の手順に誤りがある。
  また、同工事は土地区画整理事業施行地区の区域外で行われたものであり、上田市が土木工事として実施すべきで、土地区画整理事業として実施すべきではない。
(3)   上記(1)及び(2)から、上田市秋和常磐城土地区画整理事業に対する補助金の支出は、長野県民の貴重な税金を不正に使用したものであり、補助金の全額返還を要求する。
4  請求の受理
  本件請求は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第242条所定の要件を具備しているものと認め、平成13年3月26日にこれを受理した。
5  請求人の証拠の提出及び陳述
  請求人に対して、地方自治法第242条第5項の規定により、平成13年4月18日に証拠の提出及び陳述の機会を設けた。
第2 監査の実施
1  監査対象事項
  請求の内容、事実を証する書面及び陳述の内容から判断し、上田建設事務所長が上田市秋和常磐城土地区画整理組合に対して平成10年度において交付決定した組合区画整理事業補助金のうち、平成11年度に繰り越され、地方自治法第242条第2項の規定による請求の期間内である平成12年4月27日に支出された補助金26,577,500円について監査対象とした。
2  監査対象機関
  土木部都市計画課及び上田建設事務所について監査を実施した。
3  関係人調査
  地方自治法第199条第8項の規定により、関係人として、上田市秋和常磐城土地区画整理組合から事情を聴取した。
第3 監査の結果
  監査対象事項は、請求人が主張する違法、不当なものではなく、本件請求には、理由がない。
  以下、事実関係の確認及び判断について述べる。
1  上田市秋和常磐城土地区画整理組合(以下「組合」という。)の設立認可申請に
 係る同意について
(1) 組合の設立認可についての事実関係の確認
  監査対象機関及び関係人から事情を聴取するとともに、関係書類を調査したところ、組合の設立認可申請については、平成9年12月2日に組合設立認可申請者工藤栄次 外6名から、土地区画整理法(昭和29年法律第119号。以下「区画整理法」という。)第14条第1項の規定による認可権者である長野県知事(以下「知事」という。)に対して、組合設立認可申請書が提出されている。
  認可申請を受け、土木部都市計画課では書類の審査を行うとともに、区画整理法第20条第1項の規定により、組合の事業計画を縦覧に供するよう上田市長(以下「市長」という。)あて通知し、その結果について速やかに報告するよう求めている。
  市長は、平成9年12月5日に公告を行い、事業計画について平成9年12月8日から12月22日まで公衆の縦覧に供している。この際、意見のある利害関係者は、平成 10年1月5日までに知事に意見書を提出することができる旨の公告を行っている。
  都市計画課では、市長から縦覧結果の報告を受けた後、期限を経過しても利害関係者から意見書の提出がなかったため、平成10年1月9日に組合の設立を認可し、組合設立認可申請者あて通知するとともに、平成10年1月16日に県報により公告を行っている。
(2) 請求人の主張する事項についての判断
  組合の設立認可申請に係る関係書類を調査したところ、組合の定款及び事業計画に関して、公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地以外の土地(以下「宅地」という。)の所有者の同意状況は、次のとおりであった。
  なお、組合設立認可申請者は、宅地の所有者の同意を得るに当たって、あらかじめ土地区画整理事業の施行地区となるべき区域について、区画整理法第19条第1項の規定により、市長に対して公告の申請を行っており、申請に基づき市長は、平成9年7月9日に公告を行い、同日から7月22日まで関係図書を公衆の縦覧に供している。また、施行地区となるべき区域内には、借地権を有する者は存在しなかった。
  ア 区域内の宅地の所有者総数                     196名・・・(A)
      うち同意書提出者数                           162名・・・(B)
      宅地の所有者総数に占める同意書提出者の割合 82.65%・・・(B)/(A)
  イ 区域内の宅地の総地積                  165,078.87m2・・・(a)
      うち同意書提出者の所有する宅地の地積  136,132.54m2・・・(b)
      宅地の総地積に占める同意書提出者の所有する宅地の地積の割合
                                                 82.46%・・・(b)/(a)
  上記のとおり、区域内の宅地の所有者総数に占める同意書提出者の割合は3分の2以上となっている。また、区域内の宅地の総地積に占める同意書提出者の所有する宅地の地積の割合も3分の2以上となっており、区画整理法第18条に規定されている組合設立認可申請のための要件を満たしている。

  このことから、「土地区画整理法第18条に規定する同意を得ていない」とする請求人の主張は認められない。

2  平成12年3月末日までに終了した道路わきの水路改修工事について
(1) 工事の内容についての事実関係の確認
  陳述の内容から判断すると、請求人が主張する工事は、組合が組合等区画整理補助事業実施要領(昭和50年11月1日付け建設省都区発第46号)に基づき実施した道路側溝工事であり、施工箇所は9か所、総延長で653mである。
  組合は、平成10年度において区画整理工事等を実施する計画であったが、地権者の同意が得られず仮換地の指定ができなかったことから、工事が年度内に完了しなかったものである。このため、工事費について上田建設事務所長(以下「所長」という。)の承認を受けて平成11年度へ繰り越しているが、その後においても、仮換地の指定に至らなかったため、施工内容を変更した上で工事を実施し、平成12年3月30日に完了している。
(2) 請求人の主張する事項についての判断
  監査対象機関及び関係人から事情を聴取するとともに、関係書類を調査したところ、土地区画整理事業の施行地区の区域については、平成9年1月14日に上田市都市計画審議会において審議されており、都市計画法(昭和43年法律第100号)第17条第1項の規定により、都市計画の案が平成9年1月20日から2月3日まで公衆の縦覧に供されている。この際、意見のある者は、縦覧期間内に市長に意見書を提出することができる旨の公告が行われたが、意見書の提出はなかった。さらに、長野県都市計画審議会の審議を経て知事の承認を得た後、平成9年3月12日に都市計画決定され、都市計画法第20条第1項の規定により、関係図書が公衆の縦覧に供されている。
  工事施工箇所における土地区画整理事業の施行地区の区域については、現地調査を実施するとともに、都市計画が決定された際の図面や組合設立認可申請書に添付された図面を調査したところ、道路の外側をもって定められている。工事の実施に当たっても、組合は施行地区と境界を接する地権者と現地において境界の確認を行っており、工事は施行地区の区域内で実施されたものと認められる。
  仮換地については、区画整理法第98条第1項の規定によると、施行地区内の宅地について指定することができるとされている。工事施工箇所は、現在、上田市が管理する道路の一部として利用されており、事業計画において将来的にも道路としての利用が予定されていることから、公共用地であり仮換地の指定は行われない。
  なお、工事は土地区画整理事業を実施した後における道路排水等のために計画されたものであり、事業推進のために必要なものと認められる。また、組合は工事の実施に当たって、総会を開催し、組合員に工事内容等について説明を行うとともに、関係する水利組合と工事に関して協議を行った上で、工事を実施している。

  これらのことから、「工事施工の手順に誤りがある」「同工事は土地区画整理事業施行地区の区域外で行われたものである」という請求人の主張は認められない。

3  第1の3(1)及び(2)を理由とした補助金の不正使用について
(1) 補助金の支出についての事実関係の確認
  当該工事に係る経費については、換地設計の経費等と合わせて、平成10年9月1日に組合理事長から所長あて補助金交付申請書が提出されている。所長は、平成10年9月16日に、国からの補助金及び上田市の負担金を含めて、補助金96,625,000円の交付を決定している。
  その後、事業の一部が年度内に完了しなかったため、年度終了実績報告書において実績が報告された補助金70,047,500円について、平成11年4月27日に支払いが行われ、工事費の一部である補助金26,577,500円については、所長の承認を受けて平成11年度に繰り越されている。
  繰り越された工事は、平成12年3月30日に完了し、3月31日に所長に対して実績報告書が提出されている。同日、上田建設事務所がしゅん工検査を実施するとともに、額の確定を行った後、平成12年4月27日に補助金26,577,500円が支払われている。
(2) 請求人の主張する事項についての判断
  当該補助金については、所要の手続きを経て設立された組合に対し、財務規則(昭和39年長野県規則第8号)並びに補助金等交付規則(昭和34年長野県規則第9号)及び組合区画整理事業補助金交付要綱(昭和49年7月22日付け49都第236号)に基づき適正に処理された上で、交付されている。また、組合においても、総代会の議決を経るなど収入支出の状況を明らかにしており、補助金の交付条件を遵守した上で、処理しているものと認められる。
  このことから、「上田市秋和常磐城土地区画整理事業に対する補助金の支出は、長野県民の貴重な税金を不正に使用したものであり、補助金の全額返還を要求する」という請求人の主張には理由がない。

 

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