A:【田中知事】
同時多発テロへの対応についてでございます。
昨日もこの場でお答え申し上げましたとおり、私たちが忌むべきは、テロリズムあるいはテロリスト、及びそれを支援する政権や勢力であり、一人ひとりの無実の市民ではないことは改めて申し上げるまでもないことです。
「目には目を」的な報復では真の解決には決して繋がらず、むしろ出口の見えない混迷を招く、と冷静に捉えるべきではないでしょうか。
私たちは、20世紀に人類が起こした戦争という数々の悲劇を繰り返さない為にも、日本国憲法の第9条の理念を継承し、旧世紀の戦争観を超えた新しい安全保障の概念を創造すべきであります。
また、日本の平和活動は世界の国々が加盟し、唯一の平和機構であります国際連合を中心に据えていくべきだと考えます。
24日の国連総会でコフィ・アナン事務総長は、「テロとの長期戦に世界的な正当性を与えられるのは国連だけだ」と述べたうえ、10月1日から3日間前後の日程で開催予定の国連総会・テロ対策集中討議を通して、加盟国がテロ防止・抑止に関する12の国際協定を批准、発効させるよう促しております。
テロ行為は憎めども、いたずらな軍事報復はいかがかといった論調が見られるヨーロッパ諸国にとどまらず、アメリカにおいてもインターネットサイトといったアメリカの市民レベルでは直後から交わされておりました弁証法的な冷静さを取り戻すべきとの論功が、ロサンゼルスタイムスのみならず、当初は好戦的な記事が目立ったニューヨークタイムズにおいても掲載されるようになってまいりました今、日本もなおのこと、
We must fight といった一時の感情的勇ましさに酔いしれることなく、議院内閣制に基づく法治国家としての冷静な対応が求められていると考えております。
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