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最終更新日:2004年04月01日

 

部課長級職員辞令交付における知事あいさつ

(2004年4月1日)


 ただいまは、それぞれの方々に辞令をお渡し申し上げました。この信州・長野県の県知事を務め、また今日から引き続き皆さんとともに、220万の県民の真の幸福の更なる実現のために全身全霊を尽くす田中康夫であります。

 新しく多くの方々をお迎えいたしました。そして引き続き現在の職務に加えて多くの仕事をお願いし、また新しい私たちの組織においてご尽力いただくため、それぞれ辞令をお渡しいたしました。改めて申し上げるまでもなく、私たちは県民のための奉仕者であります。そして私たちが行うべきは、常に的確なる認識、迅速なる行動、そして明確なる責任というものが、これはすべての職員が抱くべき気概でありますし、とりわけ今日辞令をお渡し申し上げた方々においては、それこそ皆さんもまたノーブレス・オブリージュ(noblesse oblige:高い地位に伴う道徳的・精神的義務)というものの真の実現をする場所にあるということです。そしてそれを改めて心に刻んでいただきたいと思います。

 私が県知事に就任してから3年半を経過しつつあります。情報公開や説明責任、あるいは住民参加ということは、これは私たちの本県においては当たり前のことであります。とりわけその中において私たちは手続きを踏む民主主義にとどまることなく、まさに成果をもたらす民主主義を本県から実現していかねばなりません。任期付任用の方々を募集するときにも書いた文章でありますが、私たちはまさに新しい脱物質主義の社会における、ジョン・メイナード・ケインズを超えたケインズ型社会を創っていくということです。物質的には恵まれ、おそらく多くの方々が基本的には満ち足りた生活をしながら、しかしながら私たちの社会は日々混迷を深め、日々閉塞の状況にあり、息苦しい社会になりつつあります。その中において、本県は全国四番目の県土の中に、極めて自分の考えを持ち、自分で行動する多くの方々がいらっしゃいます。よい意味で教養というものを超越した方々が県民であるということです。私たちもまた従来の教養というものに拘泥することなく、ある意味では多く教養を修められたであろう皆さんが、その教養を越えて新しい体による教養というものを創りだす気概を持ってご尽力をいただきたいというふうに私は思っております。

 それぞれの職務において、先ほど的確な認識と申し上げました。的確な判断というものは、そこで思考が止まってしまうということです。よい意味で私たちはより良き成果をもたらすために的確な認識を常に持つ必要があります。そしてその私たちが、満ち足りているにもかかわらず閉塞的な社会というものを日々多くの方々が感じながら、時としてまさに手続きの民主主義の過程というものを観客として見るだけの観客民主主義という社会の空気に覆われています。しかしながら本県においては観客民主主義ではなく、一人ひとりの県民が参加という言葉をさらに乗りこえた行動民主主義というものによって成果民主主義をもたらすということだろうと思います。そして皆さんも常に一人の県民であり、市民であり、国民である者として的確な認識、迅速な行動、明確な責任というものを常に行いうる職員であっていただきたいと思います。

 皆さんには今お渡しした辞令にあるようにさまざまな肩書が付与されています。同時にそこにはさまざまな皆さんの権限が、私同様に付与されています。その権限を皆さんであったり、みなさんの周囲の一部の方であったりに奉仕するのではなく、まだ見ぬ多くの県民の真の幸せのために奉仕をするということが、皆さんにさまざまな肩書を含めた権限を今日、辞令としてお渡ししたということです。ぜひその点を深く認識なさり、しかしながら決してひるむことなく、私たちは多くその県民の願いを実現するために行動していかねばなりません。行動する場合に、無論よく見る必要あります。Look before you leap(転ばぬ先の杖)である必要はありますが、しかしながら、そのLook before you leapということを、往々にしてひるむ言葉の方便のように使うことなく、ひるむことなく常に前進をしていく県政改革に参加する一員であっていただきたいと思います。

 大変に概念的な話をしておるかもしれませんが、多く私たちのその社会は、そうした理念であったり概念であったり歴史というものがない中で、目先を調整するようなマニュアル的なことを行いがちです。けれどもそうした従来の教養の中で、その教養がさびついた中で作られたマニュアルと呼ばれるようなものによっては社会を変えていけないということです。皆さんがコモンズの一員として、一人の自律した人間として、皆さんの体が感じることをぜひ議論し、まさに議論が好きであり現場が好きである職員として全霊を尽くしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

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