「仕事納め式」知事あいさつ(2002年12月27日)
年の瀬も押し迫り、しかしながらもちろん、今この瞬間も各現地機関において、あるいは私たちの病院や警察の現場において、県民のための奉仕者として働いている同僚がおります。彼らや彼女らにも感謝をしつつ、今日講堂にお集まりの方だけでなく、現地機関も含めて、今日の私のあいさつは防災無線を通じて多くの職員が聞いてくださっております。彼らにも私の思い、そして皆さんへの感謝を伝えたいと思います。先ほど部局長会議の際にも少しお話をしたのでありますが、やはり私たちは改めて、この年の瀬、私たちは、貸し渋りや貸しはがしに金融機関から遭っている方々のための110番というものを設けました。そしてまた、本日、ヤミ金融機関の被害に遭ってらっしゃる方々やそのご家族のための110番というものも設けました。私たちは、常に税金を払ってくださり、またこの長野県民であられる、国籍や障害の別を問わぬ方々が、より長野県民としての慎み深い誇りというものを実感できる、こうした社会を形づくっていかねばなりません。先日、ぜひこれは、皆様にもお願いをしたいのですが、来年1月15日には構造改革特区というものの第2次締切となります。この特区というものは、ある意味では規制改革というものでありまして、こうした新しい規制緩和という言葉を超えた規制改革という中から、長野県民のために私たちが設けるべき特区、しかしながら私たちの多くは、日々、市町村の職員に比べれば県民に接する機会は相対的には少ない部署で働いております。私たちの頭の中で、あるいは私たちの知識や、職員としての経験だけでは計り知れない、例えば、新しく起業された方々、あるいは福祉の現場で働いたりしている方々、多くの方々が望む特区というものを、申請をしなくてはなりません。ぜひ、この年末年始、多くの職員の方々もご家族やご親戚やご友人、また、様々な、県庁職員としてのネットワーク以外の場所で知り合った方々にもですね、こうした時にこういう規制というものがもう少し異なるものであったならば、より県民として実感できる幸せが得られるのにと、こうした内容があればぜひ、私のもとに年末年始の期間も、Eメールあるいはファクスでお寄せいただければと思っておりますが、経済産業省の若き構造改革特区を担当しているスタッフと話をしておりましたときに、彼がとりわけ教育の特区というものに熱心でありまして、教育のNPOの人たちのみならず、同じ霞ヶ関の別の省庁に特区の「営業に出かけた」という言葉を使いました。私は1回目の知事に就任したときに、私たちは、県民のサービスを行う営業マンであるというようなことを申し上げたかもしれませんが、私たちはただ黙って立ってお客様がいらっしゃるのを待っているのではなく、すでに産業振興課や産業技術課をはじめとする商工部の面々が、またある意味では土木部の多くの面々も、新しい意識改革の光のもとで、積極的に奉仕者として、また自分のプライドのためではなく、県民の喜びのために外に出て、営業をして仕事を取ってくるという精神になっていることを大変に私は感謝を申し上げておりますが、やはりこの「営業」という言葉を若き霞ヶ関の人間が用いましたときに、私たちはまさに、県の職員は、国を向くのではなく市町村を向かねばなりませんし、また市町村を向くというときには、市町村長や、市町村議員や、あるいは市町村という組織を向くことではなく、基本としての県民である市町村民を向いて私たちは仕事をせねばならないと思いました。
これは、橋本大二郎さんという方が、私よりも長く県知事をなさっていますが、彼が先日職員に出しましたEメールの中において、私たちはともに県民のために奉仕をする、皆さんも私も同志ではあるけれども、それと同時にもし、残念ながら、まだ県民の願っていることを実現するために県民と向き合うという気持ちが、ときとして欠ける場合がある職員がいるならば、自分は県民の一人として、そうした職員の意識をぜひ、北風を吹かせるのではなく太陽としてその職員の心を変えていきたいというEメールを出してらっしゃいます。ある意味では私もまた、足りませんが、そうした思いで今年1年、あるいは来年も働きたく思っております。幸いにして、120の市町村の多くの市町村が、従来の交流職員ということを超えて、私たちの職員がそうした市町村の現場で、下水から福祉から、様々なことをある意味では丁稚奉公(でっちぼうこう)させていただくという形のお願いをしておりまして、ことのほかありがたい反応をいただいております。ぜひ、若い職員だけでなく、中堅の職員あるいはまさに様々な判断をくだしてきた課長という職員の方々も含めてですね、初心に戻って、私たちが県民のサービスパーソンだというために、来年度は120の市町村に交流職員ということとはまた別に、私たちが県民の真意を知るためにですね、そこで働くという機会を設けたいと思っております。
話が、あるいは長くなりましたが、常に私たちは公僕としてですね誰を向くのか、それは、直属の上司やあるいは「私」を向くのではなく、仮に向いていたとしても、その背後にある、まさに一人ひとりの県民の願い、それはもとより皆さん自身が、一人ひとり納税も行う、そして長野県を愛する県民であります。途中、私は長い夏休みを勝手に取らせていただきましたけれども、この2年間の間に多くの方々が、まさにそうした県民のための奉仕者という気持ちを持つようになってくださったことに感謝を申し上げたいと思います。そして、ただ私たちは、県民のための奉仕者ですから、その仕事に完璧あるいは完成というものはないということを改めてこの年の瀬に心に刻み、来たる年においても、より私たちが県民から信頼される、そしてまさに県民の目線になるだけでなく、また県民と向き合うだけでなく、県民と一緒になってこの長野県をより良くしていく、こうした公僕、公僕という言葉の前に、まさに市民としての私と、市民としての私が願うこと、そして市民としての隣人の願うことをともに果敢に実現していくと、こうした思いを抱いて来年もまた働けることを、一人ひとりの方々に願い、仕事納めの言葉といたしたいと思います。
今年は9日間ほどお休みの期間があります。ぜひ、それぞれに様々な予定があられると思いますが、鋭気を養っていただき、来たる年がより県民から信頼され、また期待される職員であり、またその職員の、人の顔が見える集合体としての県の仕事をともに行っていけるようにいたしたいと思います、大変この1年間に感謝を申し上げ、繰り返しますが、年の瀬も昼夜の別なく働いてくださる多くの職員にも感謝を申し上げ、皆さんがまた来年、元気な顔でこの場所に集い、あるいは各現地機関において私の仕事始めのあいさつをお聞きいただけることを願い、今年最後の集いを締めたいと思います。どうもありがとうございました。
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