おはようございます、県知事の田中康夫です。
既に御承知とは思いますが、先週2月1日の早朝5時20分、給与削減に関する長野県地方公務員労働組合共闘会議との交渉に於いて、有り難くも別添の内容で御了解を頂きました。心より感謝申し上げます。持続的な県財政への再建という大きな命題を抱える中での苦渋の選択とはいえ、日夜県民益創出のために働いて下さっている職員の皆さんには大変な困難を強いる内容であり、申し訳ないと申し上げても凡そ足りない気持です。
昨年11月の提案以来、徹夜での3回を含む延べ7回にも及ぶ交渉に於いて私は、職員給与削減にまで踏み込まざるを得ない長野県財政の危機的状況と、そこから脱却する為の財政改革の進め方を詳らかに御説明申し上げ、私たちの長野県が目指すべき社会の在り方を提示致しました。と同時に今回の交渉は私にとって、県民サーヴィスの最前線で奮励し続ける大勢の皆さんから、現場の切実な思いを直接お聞きする得難い経験でもありました。
妥結に至るまでの約2ヶ月半、私あてに大勢の県民の皆さんから、更には職員や職員の御家族の皆さんからも、電子メールやFAX、手紙を頂戴しました。「斯くも莫大なる借金を作り続けた10数年間、意見を述べるチャンスすら与えられなかった我々が何故、財政運営の失敗のつけを支払わされねばならないのか」、「当時の財政運営の責任者や幹部職員が先ずは責任を負うべきではないのか」、「給与カットが借金の返済に充てられるのは到底理解出来ない」。こうした御意見に加えて、結婚を控えての不安、保護者としての教育への出費、御両親の介護の問題等々、長野県職員であると同時に一人の県民として苦悩する皆さんの切々とした訴えを、時には目頭が熱くなる思いで拝見しました。
若年層の削減幅を縮小し、扶養手当を増額したとはいえ、その合意項目は皆さんにとって御満足頂ける内容ではないかも知れません。私は、常に皆さんの思いを真摯に受け止めながら、県財政の健全化を目指し、県民の皆さんが(それは即ち職員の皆さんと御家族にとっても)勇気と希望を抱ける社会の実現に向け、邁進することを誓います。それこそが、今回の皆さんの誠意に対してお応えする、知事としての責務に他ならないと捉えています。
交渉の期間中、自分の愛する長野県とは一体、何だったのか、とのお叱りと嘆きを、職員を含む数多くの県民から頂戴しました。失職、再選を経たとは言え、その責任は少なからず県知事を務める私にあります。と同時に、交渉の最後でも申し上げましたように、利息のみでも1日当たり1億3千万円を支払わざるを得ない奈落の底へと陥った過去10数年間の県財政に関する調査、検証を早急に実施し、責任の在り処や原因を改めて明らかにして参ります。
先日の部長会議で私は、県予算の約三分の一を占める人件費こそが、県政最大の事業費であると申し上げ、各部局長に予算を伴わない事業の提案を求めました。
実は事務事業を見直す中で、以下の声を幾度か耳にしました。予算が無いので新たな提案も出来ない、との。が、私たちは財政状況が厳しいとの理由を以って、縮み志向に陥ってはいけません。制度を見直し、仕事のやり方を変え、或いは、知恵を出し、体を動かすことで県民の利便性や事業効果を高めていかねばなりません。「頭で考えるな。体で感じた企画を提案し、営業の意識で行動しよう」とも申し上げました。私たちには、県民と同じ目線と体温が求められているのです。
次年度には、意欲ある職員が手を上げればチャンスが与えられる人事異動や人事制度を具現化して参ります。マイナス評価ではなく県民益創出のために何を提案し、行動したかで評価するプラス志向の人事評価制度の創設や、人事異動に於ける公募ポストの更なる拡大、女性職員の登用等を果敢に実現し、皆さんが希望を持って「いつでも・どこでも・だれもが」アイディアを出し合い、語り合い、考え合い、のみならず実行に移していける環境設定に努めて参ります。
どうか、県政改革への職員の皆さんの、主体的な参画をお願いします。
構造改革特区への提案も、引き続き、募集しています。
2003年2月3日
長野県知事 田中康夫
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