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平成17年6月県議会定例会における知事議案説明要旨


  今6月県議会に提出いたしました議案の説明に先立ち、県政をとりまく最近の状況、平成16年度の決算見込みなどに関し、しばしご説明申し上げたく存じます。

 ご承知のとおり、平成17年3月25日から9月25日まで、「自然の叡智(えいち)」をテーマに、愛知万博、愛称「愛・地球博」が開催されております。 
 信州・長野県は、中部9県の共同パビリオン「中部千年共生村」におきまして、「千年の舞台 土壌 〜15センチの奇跡〜」をテーマに、信州の豊かな森の土を切り取り、そのまま展示しております。豊かな森林資源や水資源に留(とど)まらず、様々な命を育(はぐく)み、様々な文明を生み出した土壌です。この森の土と、都会の土を比較展示し、植物、動物、昆虫や微生物といった生物という資源が営み支える自然の恵みを、多くの人に目で、手で、感じていただく展示です。
 また、去る5月25日には「信州・長野県の日」をEXPOホールで開催しました。原産地呼称管理制度の生みの親でもある田崎真也氏、伊那谷の塩蔵(えんぞう)と呼ばれる古来の製法により作られた高品質な生糸を用いて着物をデザインなさるコシノジュンコ女史、信濃町の住民で私費を投じて森林整備を行うC.W.ニコル氏をゲストに迎え、会場にガラス張り知事室を出現させ、信州・長野県の魅力を3ステージにわたってお伝えし、EXPOホールは各回とも満員御礼となりました。
 さらに、「中部千年共生村」には、各県の優れた知恵や先端技術、食文化をテーマに「見て」「触って」「作って」「味わって」、楽しく体験していただくワークショップのコーナーがあります。本県は、茅野市蓼科で料飲施設と宿泊施設を兼ね備えたフランスのオーベルジュスタイルのレストランを経営されている若手シェフ、藤木徳彦さんによる信州の秀逸な食材を使ったフランス料理と、長野県原産地呼称管理制度で認定しました信州産の高品質なワイン・日本酒を、長野市内で酒店を経営し原産地呼称管理委員会のメンバーでもあるソムリエ、高野豊さんが紹介し味わっていただくワークショップを3回開催いたします。第1回のワークショップは6月10日から14日まで開催され、茅野市の鹿、高遠町の山鳩といった信州ジビエや県で育成した信州サーモンをご紹介しました。明日6月24日から28日までの5日間は、第2回のワークショップが予定されており、諏訪市立豊田小学校3年生の皆さんが捕ったザリガニをメインに据えたお料理をご提供することとしております。

 地球温暖化対策は世界規模で取り組むべき課題です。国では京都議定書の発効を受けて、削減約束を確実に達成するため、京都議定書目標達成計画を4月28日に策定したところです。
 こうした中、私は平成17年2月議会の議案説明の中で、数多(あまた)の水源を有する美しき我らが信州・長野県の使命として、全国の都道府県に先駆け、地球温暖化対策を具体的に進めるための条例の制定を目指すことを表明させていただきました。その際にも触れましたが、既に本県では平成15年4月に「長野県地球温暖化防止県民計画」を策定し実行しております。しかしながら、温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出量は、未(いま)だに増加しつづけている状況にあります。 
 持続可能な脱温暖化社会を構築するための大きな仕組みを信州から発信し、目に見える形で対策を進めるべく、平成17年5月9日に長野県環境審議会に対し、地球温暖化対策に係る条例について諮問しました。 
 検討範囲が多岐にわたりますことから、高木直樹信州大学工学部助教授を委員長とし、NPO、エネルギー、産業、法律、行政など各方面の方々9名からなる長野県環境審議会地球温暖化対策検討会を設置し、検討していただいております。今後、順次検討会を開催し条例案をご審議いただくとともに、県民の皆さんからもご意見を募集し、遅くとも年内には環境審議会から答申をいただき、議会に上程してまいりたく考えております。

 大量生産、大量消費そして大量廃棄という20世紀型とも呼ぶべき工業社会においては、社会基盤整備のみならず教育や福祉もが、日本全体で画一的に進められ、それぞれの地域が有する優れた個性という「大切なもの」も失わせ、人々の生活様式や考え方まで同質化させる状況を産み出しました。
 信州・長野県は、21世紀型のゆたかな社会を創り上げていくために、人と人の絆(きずな)を原点として、施策の流れを「地域発」に変え、自律的な市民とともにコモンズに軸足を置いた改革、「コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」を昨年スタートさせました。この改革を通じて実現を目指すゆたかな社会とは、誰もが自分達(たち)の可能性や個性を活(い)かして未来へ挑戦し、身の丈にあった自分ならではの幸せの基準を見つけ出すとともに、それぞれの地域が持つ潜在能力や多様性を用いて、自らの手で明るい将来を創出していくベクトル上にあります。
 こうした信州ルネッサンス革命をさらに推進するべく新たに今年度、創設いたしました「『信州ルネッサンス革命』推進事業(コモンズ支援金)」は、5月20日までに市町村、広域連合、地域づくり団体などから予想を遙(はる)かに上回る多くの「コモンズ支援金事業計画」を提出いただきました。 
特別分と一般分を合わせまして711件、26億円余の支援金申請額となっております。事業実施主体別には、市町村、広域連合からの申請が581件と全体の8割以上になりますが、NPOや地域の方々で作る実行委員会など地域づくり団体からも130件の申請をいただきました。 
当初予算で計上いたしました10億円を大きく上回る申請をいただいたことに、担当職員を始めとして嬉(うれ)しい悲鳴を上げています。足腰の強い信州を目指すコモンズ支援金の趣旨が皆様にご理解、ご支持いただけたものと深く感謝申し上げる次第です。引き続き、ご期待に添えるべく、審査をさせていただきます。

 平成15年度当初予算の編成時に、調査費や会議費や事業費といった予算が確保されないと事業はできないという従来の考え方を排除し、県職員が自ら市町村や県民の中に飛び込み、汗をかき、智恵を出すことにより実現できる事業を検討したことから始まった「ゼロ予算事業」も3年目を迎えました。歳出総額の3割を占める人件費こそが最大の事業費という考えの下、平成15年度は「集落どこでも農声(のうせい)部」を始めとする157事業を実施し、平成16年度には「万水(よろずい)川せせらぎの小路(こみち)づくり」など206事業を実施しました。
改めて申し上げるまでもなく、ゼロ予算事業は「事業を実施する」ことだけがその目的ではありません。私たち県職員も、この素晴らしき信州に生きる一人の県民です。公務員である前に、そうした一人の県民としてコモンズに根ざし、智恵と汗で県民の皆さんのために役立ちたいという純粋な職員の思いを実現するとともに、常に成果を評価して改善や統合を進めることにより、真に人々の願いに応(こた)える事業へと昇華していこう とする心構え=アティテュードを育(はぐく)むことへとつながるのです。
 本県が先駆けとなったこのゼロ予算事業は、地方自治関係誌や全国紙で取り上げられたこともあり、多くの都道府県、市町村からお問い合わせ、視察のお申込みをいただいています。宮城県、島根県などでも、長野県に倣(なら)って同じ取組が始まりました。正に、「もうひとつの信州モデル」と言っても過言ではなかろうと思います。創設県の本県では平成17年度におきましても、200近いメニューが各課、各現地機関で考案され名乗をあげております。信州・長野県から生まれたゼロ予算事業と、そのもたらす効果がさらに全国へと波及していくよう、本年も積極的に実施してまいります。

 続きまして、長野県の行政改革について申し上げます。
 6月15日、長野県行政機構審議会から、「長野県の人事制度のあり方に関する考え方について」答申を頂戴(ちょうだい)いたしました。3年前の平成14年7月8日に諮問した、本県の行政機構のあり方に関する課題、すなわち、外郭団体の見直し、本庁及び現地機関の再編や業務体制のあり方、人事制度のあり方、これらすべてに関して答申を頂戴(ちょうだい)したことになります。会長をお務め下さった長野経済研究所調査部長の平尾勇氏を始めとする方々に、多方面にわたる長野県の行政改革につきまして、ご議論していただき、その方向性を指し示していただきました点、改めて深く感謝するところです。
 今後、私たちは審議会における議論を踏まえ、さらなる行政改革を実行していくこととなります。行政改革は、組織、人事、給与の3項目に及びます。県民の皆さんが税金をお納め下さる中で給与を頂戴(ちょうだい)し、さまざまなサーヴィスを担当させていただいている私を始めとする一人ひとりの職員が、自分自身の問題として、組織や人事、給与というものを捉(とら)え、進めていくことが大切であります。知事室分室が位置する塩尻市の林業総合センターに隣接する総合教育センターの講堂等を活用し、各地域においても会合をもち、職員間の対話を行ってまいります。こうした過程を経て、単に組織、人事、給与の行政改革に留(とど)まらず、一人ひとりの職員が自発的に熱意を膨らませ、「これしたい」「こうなるよ」「なぜするか」の行動・成果・理由を、常日頃から考え、述べられる仕事振りの実現に向け、努力してまいります。
 委員のお一人である星野リゾートの星野佳路(よしはる)さんは、おっしゃいました。組織文化を変える時には、必ず問題が起きたり、抵抗があったりする。それは、いかなる改革においてもつきものであり、そのことを恐れてはならない。うまくいかない点が出てくるのは当然であり、問題が出たなら、その場で不具合を変えていく。しかし、最初の理念は変えてはならない。それが日本のモノ作り産業にも見られる「改善」なのだ、と。この審議会からお示しいただいた考え方は、必ずや県民益の向上に役立つものという信念を持ち、ひるむことなく進めてまいる所存です。

 続いて、最近の経済動向及び雇用情勢について申し上げます。
 国内経済の状況を見ますと、景気は弱さを脱する動きが見られ、企業収益が改善し個人消費が持ち直していることから、世界経済の着実な回復に伴って、景気回復は底堅く推移すると見込まれます。こうした中、情報化関連分野で見られる在庫調整の動きや原油価格の動向等には引き続き留意する必要があります。県内経済も、需要好調な自動車、産業機械向けの生産は高水準を続けています。デジタル家電向けを中心とするIT関連財の生産も、下げ止まりをみせています。県内の雇用情勢は、全国の有効求人倍率が未(いま)だに1倍に達していないのに対し、本県では平成16年6月からこの4月まで11か月連続で1倍台の水準を保ちつづけております。
 こうした中、本年4月1日から施行された「信州ものづくり産業投資応援条例」に基づく「環境配慮型企業投資応援助成金」に関し、早くも2件の認定事業者に、私から直接、認定通知書をお渡し申し上げました。第1号の認定事業者は、飯山市の長峰(ながみね)工業団地内に再生プラスチックパレットの製造工場を建設する愛知県名古屋市の中京荷役(ちゅうきょうにやく)株式会社です。第2号の認定事業者は飯島町の久根平(くねだいら)工業団地内に、米酢、りんご酢などの食酢製造工場を建設する岐阜県八百津町(やおつちょう)の内堀醸造株式会社であります。いずれの企業も、県内雇用を確保し、地域経済を支える新たな中核的企業となっていただけるものと期待しております。

 公共事業の改革について申し上げます。
 本年5月、平成17年度、18年度の建設工事等入札参加資格を付与するにあたり、意欲ある建設業の方々の受注機会を拡大するため、全国一律の経営事項審査における総合評点では反映されない、例えば、優良な工事を施工したり、より多くの技術者を養成したり、さらには除雪や小規模の修繕工事で地域に貢献している、地域に根ざした意欲溢(あふ)れる建設業の皆さんの実績を、本県独自の「新客観点数」として評価し加点いたしました。その結果、土木一式工事では、167の意欲ある建設業者の方々について、入札参加資格の区分がランクアップし、より規模の大きい工事の入札に参加できるようになりました。さらに、全国で初めてのケースとして、新客観点数の高い建設業の方々に対しまして、土木一式工事の発注件数の1〜2割を目安に、ワンランク上の工事の入札に参加できるよう配慮することとしました。
 また、地域に根ざした業者の育成という観点から高い評価をいただいております参加希望型競争入札制度も、この度、対象工事を予定価格500万円未満から800万円未満に拡大するとともに、旧Cランクの業者の方々にも参加いただけるよう、一層の充実を図りました。
このように本県は、意欲に溢(あふ)れ、地域に根ざし、着実な仕事を行う企業が報われる入札制度の実現をめざして、今後も様々な取組を行ってまいります。建設産業構造改革支援プログラムに基づく経営多角化・新分野展開への相談は2年間で2,000件以上に上っており、福祉や農業、環境等への進出の成果は、過日のフジテレビジョン系「報道2001」でも全国に向けて紹介させていただいたところです。
 なお、国土交通省発注の鋼鉄製橋梁(りょう)工事をめぐり、入札談合を繰り返していたとして独占禁止法違反の疑いで幹部が逮捕された11社を、5月27日に10か月の指名停止としました。さらに今月16日には独占禁止法違反の疑いで起訴された15社に対しても同様の措置を講じました。
 「談合のしにくい入札制度への改革」を掲げ、全国に先駆けて改革を進めてきた本県の取組と成果を、去る6月21日付けの「讀賣新聞」は「談合できなきゃ天下りもゼロ 長野・入札改革」と大見出しを打って、「2002年度から徹底的な入札制度改革を実施した長野県で、県発注工事の落札率が軒並み急落するとともに、県幹部の建設関連企業への再就職が激減し、03年度末には1人もいなくなっていたことがわかった」とのリード文章で始まる特集記事を社会面の8段抜きで紹介しております。今回の事件に対する厳正な対処も、こうした本県の姿勢を示すものであります。

 治水・利水対策に関して申し上げます。
 長野県治水・利水ダム等検討委員会からの答申を受けて、多くの皆さんの献身的ご理解とご協力を得て、策定作業を進めておりました砥川・上川を含む諏訪圏域河川整備計画は、平成17年3月9日付けで国土交通省の認可をいだたき、今年度より国庫補助事業として新規採択も認められるに至りました。これは、砥川に関する基本高水流量280トンでの「ダム有り」計画を破棄し、220トン想定の河川改修事業を積極的に推進していく内容であります。
浅川に関しては今年度末で河川改修の進捗(ちょく)率が82パーセントに達します。天井川状態であった約3キロメートルの区間につきましても改修を進め、天井川状態の解消を実現しました。今後は遊水地候補地区での説明会も開催した上で、早期に河川整備計画を策定してまいります。
 基本高水流量の再検証につきましては、一定の期間を設け、流量調査等のデータ収集を継続して行っていますが、多くの方々から再検証の場を早期に設置するようご要望を頂いておりましたことから、流域協議会をベースとした流域住民の参加によります基本高水研究の場を設置いたします。
 なお、昨年の豪雨の際、基本高水流量450トンの浅川におきまして、計画日雨量130ミリメートルで260トンの流量が想定されておりました富竹地点では、24時間雨量124ミリメートルを記録しましたが、実際の流量は44トンと6分の1に留(とど)まったことも、併せてお伝え申し上げます。

 次に、昨年度の決算見込みと本年度の財政見通しについて、ご説明申し上げます。
 国の「三位一体の改革」を反映した地方財政計画により、半ば唐突にも地方交付税等の総額が大幅に削減される厳しい財政状況に昨年度は直面しました。私の就任当初、起債制限比率に於(お)いて全国ワースト2位の財政状況で、平成16年度には財政再建団体への転落も予測されていた長野県財政を健全化し、持続可能な財政構造を構築するべく、財政改革推進プログラムを策定し、県民の皆さんや職員、さらには議員各位の深いご理解とご協力の下、プログラムを着実に実行する中で、一般会計と特別会計を合わせた普通会計の累積債務、即(すなわ)ち県債残高は平成12年度をピークに、平成15年度まで3年連続、減少しています。これは全国の都道府県でも唯一の事例であり、平成16年度にも同様の成果を達成できるものと考えています。
 無論、縮み思考に陥らぬよう、財政改革推進プログラムの見直しを行う中においても信州モデル創造枠予算を活用して、産業活性化・雇用創出、福祉・医療、教育、環境など、真に必要な施策に大胆な発想で財源配分を行い、積極的に事業を展開してまいりました。
 こうした中、これまで3年連続して減少傾向にありました県税収入は、景気回復を反映して法人二税が増収となり、前年度を2パーセント以上、上回る見込みとなりました。また、財源の確保と重点的配分による効率的な予算の執行に努めてきた結果、当初予定しておりました基金取崩しの一部を圧縮することができ、また、一般会計の実質収支は30億円余の黒字を確保することができる見込みであります。
 本年度の財政見通しに関しましては、県税収入は増加が見込まれるものの、「三位一体の改革」の影響を受けて本県の地方交付税が引き続き削減される見込みであることから、一般財源の確保が依然として困難な状況にあります。また、歳出面では、人件費や公債費、社会福祉関係費などの義務的経費の割合が増加しております。
 今後の中期的な県財政の状況を試算しますと、このままでは、平成19年度には基金が枯渇してしまうおそれがあるなど、県財政は引き続き危機的な状況に置かれております。こうした状況を踏まえ、長野県再生のために策定した財政改革推進プログラムでも謳(うた)う「選択と集中」の発想を徹底し、事業の再構築、人件費や投資的経費の削減等に取り組み、更なる財政の健全化に向け、不退転の決意で臨んでまいります。
 また、滞納等により25億円余りの個人県民税、14億円近い自動車税、全体で58億円もの収入未済額が昨年度に生じている現実を深刻に捉(とら)え、新たに問題解決型のプロジェクトチームを立ち上げることといたしました。さまざまな事情があられるにせよ、国民としての義務であります納税に関し、県民の皆様のご理解とご協力を賜れるよう、一層の努力を重ねてまいります。
 加えて、全国の都道府県で唯一、累積債務を複数年にわたって連続減少させても猶(なお)、「三位一体の改革」の名の下に地方への重圧がのしかかる中、依然として財政状況は綱渡りの状態であることを職員一人ひとりが真剣に認識し、ゼロ予算事業にも積極的に取り組みながら、創意工夫を凝らして限られた財源を最大限に生かし、より確かな県民益を創出すべく事業を実施してまいります。
 なお、先の2月県議会定例会でも申し上げましたように、乳幼児医療費の窓口無料化の実現に向けたビジョンをお示ししてまいりたいと考えております。この実現のために、県内の市町村長の皆様に対して、乳幼児医療費窓口無料化に関するアンケート調査を実施し、具体化に向けた取組を進めてまいります。

 さて、今回提出いたしました一般会計補正予算案その他の案件につきまして、その概要を申し上げます。
補正予算案は、一般会計5億9,992万9千円です。
 まず、県産材活用の推進についてです。県産間伐材を活用した「信州型木製ガードレール」は、森林県として相応(ふさわ)しき実効性の伴う景観形成事業であると同時に、地域住民のみならず県内外からの来訪者に心の安らぎを与える、正に全国に先駆けた信州モデルであります。既に昨年度から、県内の観光地や景観に配慮すべき地域に設置を始めており、複数の都道府県や政令指定都市の首長からも我が地でも導入を検討したい、との反応をいただいています。「これぞ21世紀の望ましい公共事業」との国土交通省の佐藤信秋技監の有り難きご評価もあり、また、国の支援を受けることができる見通しとなったことから、多数の観光客が訪れ日本を代表する観光地である軽井沢や上高地などに重点的に「信州型木製ガードレール」を設置し、間伐材の利用促進や環境立県、観光立県「信州」のイメージアップを図るとともに、全国に信州モデルとして発信してまいります。切捨て間伐の状態で半ば放置される状態であった本県の木材を用いて、県内の土木建設関連企業が製品化する「信州型木製ガードレール」は、他の都道府県で製作される従来のガードレールとは異なり、本県内に新たな雇用ももたらす「循環型」公共事業とも呼ぶべき「信州モデル」です。
 信州ブランドの推進についてです。スキー関連産業の振興は、観光立県である本県を支えるうえで極めて重要な施策であります。スキー人口の減少に歯止めをかけ、信州スキー人口のシェア拡大を図るため、スキー・観光関係者などからの強いご要望やご意見を踏まえながら、これまでの「スキー王国NAGANO構築事業」を再構築いたしました。新たな事業として、スキーメーカーと連携して大都市圏等で県内スキー場をPRするスキーコンベンション・フェアの開催や、お客様の生の声を即時にフィードバックしてサーヴィス向上に結びつけるシステムの構築などの経費を計上しております。このほか、ゼロ予算事業として、県職員等がスキー関係者と協働してスキー場のホスピタリティアップを図ってまいります。昨年度好評を博しました「やさしい信州“雪道お助け隊”」は「スキー王国NAGANO構築事業」に統合し、チェーン装着などお客様の安全運転のサポートや観光案内など、安心、安全でスキー場にアクセスできる環境を引き続き整備してまいります。
 次にコミュニティ活動の支援についてです。県内各地において、現地機関の職員が市町村や地域住民と連携・協働することで、きめ細やかなサーヴィスを提供するため、宝くじ助成金を活用して「コモンズ支援車」を5か所の地方事務所に配置し、相談窓口の開設や住民との協働事業を行うとともに、衛星携帯電話を搭載し、災害発生時には災害現場での情報収集等の拠点として活用してまいります。
 建設産業構造改革の支援に関しましては、これまで経営相談を始め情報提供、経営支援など各種事業を実施することによって、建設企業の基盤強化や経営多角化、新分野への展開を支援してまいりましたが、高い志と熱い意欲をもって先進的に経営革新に取り組む建設企業が増えてきましたことは、大きな成果の現れであると認識しております。こうした構造改革に向けて頑張っている建設企業の一層の意識高揚を図るため、先進的な取組の発表や同じ意欲をもった方々との交流の場を設けるとともに、新分野へ展開した企業が現在事業化している商品の展示・試食を行うなど、信州建設産業のイメージアップを図ってまいります。
 教育施策の充実についてです。近年、児童相談所に一時保護される児童生徒数は増加傾向にあり、その保護期間も長期化しております。このため、一時保護の児童生徒が学ぶ喜びを途切れさせることのないように、教員経験者を派遣して児童生徒一人ひとりに応じた学習指導を行ってまいります。また、自律学校の地域化を推進するにあたり、障害のある子どもや保護者の願いに応(こた)え、その子どもに合った就学や就学後の教育内容が実現できるよう、自律教育地域化主任推進員を県内2か所に配置し、市町村教育委員会等の関係機関と調整を行ってまいります。
 福祉施策等の充実につきましては、作家の故・水上勉(みずかみつとむ)氏のご遺族からいただいた寄付金により図書を購入し、県内の児童養護施設や点字図書館等に寄贈いたします。
情報化の推進につきましては、県民が身近に情報に接することができる環境を充実させるとともに、高速インターネットの利用可能世帯を拡大するため、和田村が行うケーブルテレビ施設の整備について、国の支援制度を活用して助成を行い、地域間の情報格差の一層の是正を図ってまいります。
 しなの鉄道に関しましては、その経営健全化に資するため、設備投資等のために借り入れた資金について損失補償契約を結び、金利負担の軽減を図ってまいります。
このほか、耐震性の高い木造住宅の構造体の試験・性能評価を行う「壁試験機」を林業総合センターに導入するとともに、交通信号機の増設、国定公園の歩道等の整備に対する助成などに要する経費を計上いたしました。
 以上申し上げました一般会計補正予算案の財源として、国庫支出金1億8,250万6千円、寄付金362万円、繰入金258万5千円、繰越金3億3,874万6千円、諸収入6,047万2千円、県債1,200万円を見込み、計上いたしました。
 本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと、8,533億7,234万5千円となります。
 
 次に、条例案は、一部改正条例案14件であります。このうち、「長野県男女共同参画センター条例の一部を改正する条例案」など10件の条例案は、県有施設の管理において、民間の力を活用しつつ、県民サーヴィスの向上と効率的な行政の推進を図るため、来年度当初からの指定管理者制度の導入を目指して、所要の改正を行うものです。

 事件案は、市町村の廃置分合についてなど16件であります。

 専決処分等の報告は、平成16年度長野県一般会計補正予算の専決処分報告など14件であります。

 なお、今回事件案として提出しております松本建設事務所が実施した都市計画街路事業に係る用地取得に関し、お話し申し上げます。これは、用地取得の補償金を全額支払ったにもかかわらず、当該土地が取得できていないという、通常では考えられない事案であります。このような事態に至った原因を詳細に調査しましたところ、県側にも不適切な事務手続きの実態があったことが明らかとなりました。契約の相手方に対しては、補償金の返還を請求する訴訟を提起して解決を図ることとしておりますが、担当職員の事務処理上の問題点に留(とど)まらず、松本建設事務所を始めとする従来の県組織としての対応にも、看過できないものが見受けられます。裁判の経過に留意しつつも、関係者及び監督責任者について厳正な処分を行う必要があるものと考えております。この点に関しては、確定後、速やかにご報告いたします。改めて、県民の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫(わ)び申し上げます。
 
 以上、今回提出いたしました議案に関するご説明を申し上げました。ご審議の上、ご議決を賜りますよう、お願い申し上げます。


<お問い合わせ先>
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秘書広報チーム Tel 026-235-7054 Fax 026-235-6232
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