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平成17年2月県議会定例会再議提出にかかる知事説明要旨


 今回提出の再議書に関し、説明を加えます。

 平成17年度長野県一般会計予算案は、「過去を溶かし、現在(いま)を育(はぐく)み、未来(あす)を創る」の気概と覚悟の下、"優しさ・確かさ・美しさ"を信州・長野県に齎(もたら)す「コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」を更に推進するべく、身近な社会資本や森林の整備、福祉・医療、教育の充実や、安全で安心な生活環境の整備などの施策を重点的に展開するものであります。まさに220万県民の要望を叶(かな)えるべく提出した予算案です。しかしながら、この予算案は、昨日の本会議において、5つの事業について全額、もしくは減額修正が行われた上、議決されました。
 各委員長の報告をお聞きする限り、「現下の厳しい財政状況に鑑(かんが)み」ての判断、とのことであります。しかしながら、これら5つの修正は、当初予算全体の0.1パーセントにも満たない金額なのです。
 私は新年度予算構築に当たって今回、寧(むし)ろ既存の事業にこそ、いまだ気付かぬ改善すべき部分があるのでは、と職員と共に幾夜にもわたって通常経費の見積書を1枚1枚、確認しました。
 その意味で、大変に僭(せん)越ながら愚考いたしまするに、前例踏襲で今日に至っていたかも知れぬ、数多くの既存事業を県議会におかれては、更に詳細に再点検いただき、従来型発想の事業展開からの脱却に向けての観点から、私どもに対して厳しくご指摘下さってこそ、真の「チェック機能」でありましょう。にも拘(かかわ)らず、時代や県民が求める新しい事業を殊更に標的とする嫌いが、万が一にもあるとしたら、それは県民益創出のための議論とは対極に位置する県議会となってしまうのでは、と深く憂慮するところです。
とまれ、これら5つの事業は何(いず)れも、当初予算編成の基本的考え方に沿って、県民の皆様の方を向いて県政を遂行していく上で、必要欠くべからざるものと考えております。今回の修正議決は、こうした私の政策意思に反するものであり、ひいては県民生活に支障をきたすことになります。由(よ)って、地方自治法第176条第1項の規定により再議に付するものであります。

 まずは歳入に関してです。第12款繰入金第2項基金繰入金の減額は、5つの事業の執行に支障をきたすものであります。また、第14款諸収入第7項雑入中の財団法人日本宝くじ協会助成金の減額は、ユニバーサルデザインに配慮したコモンズITバス事業費の執行に支障をきたすものであります。

 続いて、歳出に関してです。
 第2款総務費第1項総務管理費中の広報事業費の減額についてであります。多くの分野にわたる県の施策に関し、その活動や成果の具体的情報を、的確に、迅速に県民の皆様へお伝えするのは、行政に求められる説明責任であります。また、そうした広報事業の充実を通じて、県民の皆様が参加し、発言し、行動する県政改革が促進され、県民益が創出される、と考えます。
 県議会の来年度広報事業費が、議員諸姉諸兄のご判断で、今年度比224パーセントと大幅増額予算計上され、議決と相成りましたのも、恐らくは同様の哲学に基づいてであろうと忖度(そんたく)いたします。
 私たちも、県民一人当たりの広報事業費が全国44番目の低水準に位置しておりました本県の広報活動を、県民の目線に立って、改善させていただきたく今回、予算計上させていただいたところであります。ちなみに、今回提案させていただきました県の広報事業費をもってしても、吉村午良氏が県知事を務めていた平成10年度の予算額よりも少なく、県民一人当たり全国32番目の水準であることを申し添えます。
 なお、昨日の総務警察委員会委員長報告の中で、「現在の県の広報は、単に知事個人の意見を表現する場となって」おり、「広報のあり方として、極めて問題がある」との指摘を頂(いただ)きました。県知事の意見を開陳するのは県の広報として相応(ふさわ)しくない、との考えは、県行政の最高執行責任者としての私の存在を否定しかねぬもので、その発言が意図するところを図りかねております。
 況(い)わんや、新聞紙上に掲載すべく作成中の「広報ながのけん」の原稿を総務委員会の場に事前提出せよ、との要求は、いつか来た道にも繋(つな)がりかねぬ、まさに県議会としての権限に基づく「要求」を超えた、事実上の検閲ではあるまいか、と強く懸念するところです。

 次に、第2款総務費第2項企画費中のユニバーサルデザインに配慮したコモンズITバス事業費の全額削除についてであります。日々の生活の中で体く躯と頭脳を鍛錬し続けてこそ、より広い社会参加を知的発達障害者にも可能とする、とのユーニス・ケネディ・シュライバー女史が掲げる哲学と精神に多くの人々が共鳴し、全国、全世界から集ったスペシャルオリンピックスの開催地でもある本県は、年齢や性別、経歴や肩書き、国籍や障害の有無を問わず、生きる意欲を有する人々に、より開かれた人生へと挑戦する公正な機会を提供できる自治体を、素(もと)より目指しております。
 障害を克服していく意志を持った方々のみならず、山間や県境にお住まいの方々、今までパソコンに触れる機会の少なかった高齢者や家庭を守る皆様も幅広く参加できる移動パソコン教室を開催し、IT基礎技能の習得を支援するのが、コモンズITバスです。加えて、県政に関する様々な相談等の行政サービスを行う「よろず承り相談」窓口を、多機能バスを活用して実施するものです。それは、旧山口村の「越県」合併論議の際に私が繰り返し申し上げた、相対的少数者や弱者のためにこそ、より長野県行政は尽くすべきである、との信念にもつながります。
 事実、今年2月に市町村に対する聞き取り調査を行ったところ、55市町村が移動パソコン教室の開催を希望されています。先日、県議会の方々と市町村長との意見交換会の際にも、強いご要望があったと伺っております。この予算の減額は、県民誰もが等しく行政サービスを享受出来うる環境の整備に支障をきたすものであります。市町村長との信頼関係の重要性を常々、私に教え諭して下さいます議員諸姉諸兄の高い識見を期待するところです。
また、このバス整備の財源に関しては、そのほぼ全額を、財団法人日本宝くじ協会からの助成金で賄うこととしております。既にご承知かと存じますが、念の為、付け加えさせていただきます。

 次に、第6款生活環境費第1項地球環境費中の環境保全研究所長の報酬の減額についてであります。現在、環境保全研究所長を務める青山貞一氏は、地球の有限性に関する問題意識を共有する全世界の碩(せき)学が集うローマクラブの日本事務局を経て、フジテレビジョン系のシンクタンク所長として活躍された、環境問題の第一人者であります。氏は、環境保全研究所の業務に留(とど)まることなく、地理情報システム(GIS)の構築、コモンズ新産業創出事業選考委員等、さまざまな仕事にご尽力下さり、各部局や現地機関からの依頼に基づく講演もお引き受け下さり、幅広く県行政に貢献していただいております。この予算の減額は、県行政の遂行に甚大なる支障をきたすものであります。
 武蔵工業大学教授の重職にある氏の本県における活躍を評価し、ならば、常勤雇用を求めるべき、との意見も議会内にあるとお聞きしました。が、それこそは、より良き相対主義の心智=メンタリティからは程遠い、敢(あ)えて申し上げれば「『長野県』天動説」とも呼ぶべき、身勝手で絶対主義的な理屈ではないでしょうか。
 世界的なソムリエとして評価高き田崎真也氏、ヤマト運輸"中興の祖"である小倉昌男氏、現状追認の護送船団意識が抜けぬ「政・官・業・学・報」の排他性と敢然と闘う櫻井(さくらい)よしこ女史、ノーベル経済学賞候補の碩(せき)学として知られる宇沢弘文氏。その他にも数多くの優れた方々が、それぞれ超多忙な合間を縫って、貢献して下さっています。それは、向上心溢(あふ)れる220万県民が真っ当に暮らし、学び、働く信州の地から全国へと発信する比類無き改革を評価し、期待して下さればこそでありましょう。
山国であったが故の数々のハンディキャップを、持ち前の民度の高さで乗り越えてきた本県民が、その自分達の代表としてお選びになった選良として今日、この議場に定数58名の皆様は集われています。日本列島の背骨に位置し、数多(あまた)の水源を擁(よう)する環境立県・信州には凡(およ)そ似つかわしからざる、「猜(さい)疑心」といった偏狭な心智=メンタリティを努々(ゆめゆめ)、抱かれませぬよう、懇望します。

次に、第8款商工費第2項観光費中のスキー王国NAGANO構築事業費の減額についてであります。これは、国内に留(とど)まらず、韓国、台湾、香港でも昨今、スキー&スノーボードのメッカとして高い認知度を誇る、信州におけるスキー関連産業を、観光立県の要(かなめ)として更に充実を図る、官民共同事業であります。本県では平成14年度から全県的取組として継続し、その効果もあって、15年度のスキー場利用者数は、急激な落込みに悩む北海道や東北6県、隣接の新潟県の何(いず)れよりも緩やかな減少に留(とど)まっています。こうした中、係る予算の減額は、本県観光業に甚大なるマイナスの影響を与えるものと危惧(ぐ)します。

最後に、第9款土木費第2項道路橋梁費中の信州型木製ガードレール設置事業費の減額についてであります。
信州型木製ガードレールは、県土の8割が森林で覆われる長野県産の間伐材を有効利用する、まさに全国に発信する信州モデルであります。県内企業3グループがそれぞれ研究・開発を行い、国土技術政策総合研究所における実車衝突実験の結果、自治体として初めて車両用木製防護柵として国の衝突試験に合格した、何(いず)れも十分に強度が保証された製品です。環境立県、観光立県として知られる本県にふさわしき、美しさと温(ぬく)もりに満ちた景観の創造と県産間伐材の有効利用、森林整備による地球温暖化の防止、循環型ビジネスの誘発、地元雇用の創出に寄与するものであります。
過日、東京で歓談しました国土交通省の最高幹部であられる佐藤信秋技監も開口一番、信州型木製ガードレールこそは納税者から理解され、我々も胸を張って予算執行出来る21世紀の望ましき公共事業であろう、と積極的評価を与えて下さいました。「増額してまで前倒しをして設置する必要性が全く認められない」、と知事査定の段階で増額した点に疑義を表された土木住宅委員会委員長報告とは極めて対照的であります。この予算の減額は、本県の優れた環境の保全、観光県としての付加価値の創出、にも大きな支障をきたすものであります。

奇(く)しくも昨日付「信濃毎日新聞」は、「相次ぐ予算修正 理由分かりにくさ 公式の場 議論不足」と題する記事を掲載しています。
「予算修正は、田中知事に批判的な8会派(現7会派)の幹事長らが朝食会で情報交換するようになった昨年2月定例会以降、目立っているが、踏み込んだ審議に至らず、削る理由、削らない理由が分かりにくいケースもある」と冒頭で解説する件の記事は、以下の事実も紹介しています。すなわ即ち、「全額削除したスキー王国NAGANO構築事業費」は、商工委員会における「審議でそうした意見(全額削除)は出ず、一部委員らの非公式懇談で削除が決まった。(削除に)賛成したある委員は、同事業で発行するウインターチケットと別の全県共通リフト券について『支持者から『削ってほしくなかった』と言われた。失敗した』と漏らし、審議の粗さもうかがわせる」との。
「どちらを向いて仕事をしているのか」。これは、1年間にわたって総務警察委員長の重責を担われた宮澤敏文議員から、私を始めとする理事者側に昨日、議場で投げ掛けられた警句であります。
県民の皆様から税金を頂戴(ちょうだい)し、事業を担当させていただくのみならず、生活の糧たる給与も頂戴(ちょうだい)している私たち公務員は、真の県民益創出に向け、従前にも況(ま)して、身を引き締め、取り組ませていただく所存です。至らぬ点は、これからも忌憚(きたん)なきご叱正(しっせい)を頂戴(ちょうだい)したく思います。
 と同時に、議員諸姉諸兄におかれましても、議場外で執り行われる非公開の「朝食会」等に留(とど)まらず、この神聖なる議場の場においても私と大いに前向きの議論を、より開かれた形でこれからもお願い申し上げたく存じます。
「より良き信州・長野県を形作るために、入口論に留(とど)まらぬ、本質論としてのご審議及びご議決の程を」、と2月16日の今議会開会日、提案説明の最後に敢(あ)えて、付け加えましたのも、真にポジティヴな議論の闘いを議場で行わせていただきたい。こうした想いからであります。

以上、今回提出いたしました再議書に関する説明を行いました。

 

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秘書広報チーム Tel 026-235-7054 Fax 026-235-6232
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