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最終更新日:2004年2月27日

 

平成16年9月県議会定例会における知事議案説明要旨


  今9月県議会に提出いたしました議案の説明に先立ち、県政をとりまく最近の状況などに関し、しばしご説明申し上げたく存じます。

 山口村の「越県合併」に関してです。
  「夜明け前」で知られる作家・島崎藤村の生誕地にして、全国4番目の広さを誇る信州・信濃・長野県の西の玄関口に当たる中仙道の馬籠宿を擁する山口村には、固有の歴史と文化が息づいており、それは宗派を超えた存在とも言える北の善光寺とともに、「信州人」のアイデンティティ、精神文化の礎とも呼ぶべき地であります。
  かつて旧神坂村の越県合併論議が沸きあがった際も、こうした礎たる地を守るべしとの県民の声と、県議会における多くの皆様の深く熱く激しい議論の末、時の内閣総理大臣裁定で分村が行われ、馬籠を含む大半の地は長野県に留まる形となりました。
  星霜を経て本年4月2日、山口村と岐阜県中津川市から総務大臣あての合併申請書が私の下に提出され、岐阜県との間で合併に向けた事務的な準備を進めてきたところです。しかしながら、これは一連の「平成の大合併」において全国で唯一、都道府県境を越えての合併案件であります。即ち「地元」なる概念は当該市町村民に留まらず、当該都道府県民を意味するのです。加えて、先程申し上げましたとおり、山口村が山口村民のみに留まらず、「信州人」のアイデンティティ、精神文化の礎となっている歴史的事実を鑑みますと、広く県民各層及び県議会の皆様の議論が必要と私は考え、今定例会での提案を見送らせていただく決断をいたしました。
 無論、広報不足という私たちの至らなさを心からお詫(わ)びした上で、220万県民の皆さんに今一度、「信州人」としてのアイデンティティ(自己同一性)に係わる本質論として、山口村の「越県合併」問題をご議論いただきたく思います。その上で、県民1万人規模の意向調査を行う所存です。

 いわゆる「三位一体の改革」について申し上げます。
  8月18、19日の2日間、新潟市で開催された全国知事会議では、私をはじめ群馬、山梨、三重、広島、愛媛、大分の7県知事の反対にもかかわらず、他の40都道府県知事の賛成多数により、義務教育費国庫負担金のうち中学校教職員の給与等を含む国庫補助負担金3兆2千億円の削減を柱とする「改革案」が“承認”され、その後、政府に提出されました。
  そもそも、三位一体の改革とは、規制緩和の観点に立ち、役目を終えた補助金を税源移譲し、地方自治体の自律的運営を図るべきであり、最初に金額ありきの按分(あんぶん)論であってはなりません。
  義務教育費国庫負担金について申し上げれば、「人財」こそ唯一無二の資源である日本において、基礎的な学力を全国津々浦々の全ての子どもに同等な教育環境の中で授ける上でも、その実施主体が国、都道府県、市町村の何れかを問わず、義務教育費は国家が責任を持って財源保障すべきものであり、今回の動きには深い憂慮の念を抱く一人であります。
  今回の「改革案」も、税財源の移譲が確約された上で、国が国庫補助負担金の削減を行うべきと考えます。今後の国の対応を慎重に見守ってまいります。
  と同時に私は、全国知事会内に設けた「国の行財政改革評価研究会」の座長として、中央政府に対して、より迅速かつ強力な改革を自ら断行するよう迫るとともに、国の在り様を抜本的に変革すべく、今後、国の行財政改革の取組に向けて他の知事とも協力・共闘しながら具体的な提言を行うなど、積極果敢に取り組んでまいります。

 次に、財政改革、行政改革について申し上げます。
 本県では「バブル経済」崩壊後も、巨額の県債発行に依存しながら大規模に公共事業を実施してきました。公共事業は、将来に向けての資産を形成しましたが、一方で「有利な起債」という名の下に県債発行額を増大させ、借金の返済という大きな負担を後年度に強いることとなりました。
  私が就任した平成12年には、県債残高は1兆6千億円余に上り、財政状況の硬直度を示す起債制限比率は既に前年の11年度から全国ワースト2。数年後にも財政再建団体に転落しかねぬ危機的状況でした。
 このため、安易に県債を発行して事業量の確保を図るのではなく、真に県民生活に必要な事業を実施するために必要な範囲内で、将来の財政負担をも十分考慮し、県債発行の抑制に努める方針へと一大転換を図りました。
この結果、全国でも本県のみが平成14年度から15年度にかけて県債残高が減少し、1日当たりの利子支払額も11年度には1億4,812万7千円だったものが、15年度には1億1,513万5千円へと減少しています。1日当たり3,299万2千円、年間では120億4,199万6千円もの節約です。
  のみならず私たちは、県税収入の落込みや財政の硬直化、過去の借入金の返済などにより大幅な財源不足が発生する中で平成14年度から18年度までの5年間を財政改革推進期間と位置付け、より具体的な財政改革推進プログラムを策定し、財政の健全化に向け、果敢に取り組んできました。職員給料の減額を含む、こうした一連の改革を行わねば、長野県は奈落の底に落ちていたでありましょう。
 しかしながら、国は、平成16年度地方財政計画において半ば唐突にも、地方交付税等の大幅な削減を強行し、再び財政再建団体への転落も想定される状況に県財政は置かれることとなりました。このため、財政改革推進プログラムの基本的考え方に沿って、更なる財政の健全化に向けた取組を追加し、プログラムを見直すこととしました。
  プログラムの見直しに当たっては、「過去を溶かし 現在(いま)を守り 未来(あす)を創る」の精神で、県民サーヴィスの水準を向上させるべく、事業内容を再構築し、躍動感に溢れ、未来に希望が持てる施策を新たに展開することとしました。
  それらは何れも、「未来への提言 〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命〜」の理念に基づき、3×3(スリー・バイ・スリー)と私たちが呼ぶ、21世紀型の新しい雇用を創出する福祉・医療、教育、環境の経世済民的分野へと予算を傾注投資し、従来から本県の経済を牽引してきた製造業、農林業、観光業の分野を結び付けながら、集落や地域を元気付ける施策です。
  今後とも、信州自治共和国とも呼ぶべき長野県に暮らす、自律的で向上心に溢れる220万県民の皆さんにとって真に豊かな未来を、「的確な認識・迅速な行動・明確な責任」の下、切り拓いてまいります。
  県の組織の再編につきましては、「未来への提言」で示しましたコモンズ発の政策の流れに呼応して、まず現地機関の組織について検討し、次に本庁の組織について考えていくことといたしました。現地機関の検討に当たっては、職員や市町村からのアイディアを募り、地方事務所長が中心となってそれぞれの地域の特性を踏まえた現地機関の案を作成いたします。
  なお、既に9月14日には、いわゆる地域の「コモンズ発」という視点で、下伊那地方事務所管内の町村と県の職員が協働して検討した成果が「新たな自治体運営『南信州モデル』実践プラン」として提案されたところです。これは、仮称としての下伊那ふるさと振興局を南部・西部・北部の3地区に設置するものです。地区内町村への局設置か、地方事務所への窓口設置か、何れかを3地区の町村長が選択し、これに県が対応します。また、森林整備に関しては地方事務所在籍の林業改良普及員が地区ふるさと振興局員を兼務し、農業振興についても飯田市から距離的に遠く、地域固有の課題がある町村へは、問題解決までの一定期間、農業改良普及員が駐在するものです。さらに、「自治体連合『南信州モデル』」として、たとえば町村事務サポートセンターを複数の町村で設置する場合に、県も連携させていただくなど、画期的な実践プランです。
  飯伊地区に留まらず、これらの多様なアイディアに基づく多面的な議論、検討により新たな現地機関の組織再編案を整理しつつ、これをサポートする本庁舎の組織を検討してまいります。その過程で市町村との意見交換も行い、行政機構審議会の審議・答申をいただきながら、県の組織再編案を決定してまいります。
  県民や市町村のご理解が必要な大規模な再編については、17年度中に条例改正等を行ってまいりますが、検討にいたずらに時間をかけるのでなく、喫緊の課題への対応や県民益の観点から早急に実施すべき組織の整備は、迅速に実施してまいる所存です。
  外郭団体の見直しにつきましては、本年6月10日に長野県出資等外郭団体「改革基本方針」を策定し、公表いたしました。この基本方針においては、県の行財政運営と密接な関係を有する54の外郭団体について、県としての見直しの基本姿勢をお示ししたところです。
  このうち、長野県土地開発公社や長野県道路公社など、財務上の問題やいわゆる「プロパー」職員の方々の雇用等の課題を有する7団体については、県財政への影響や再就職先の確保などに留意しながら県民益を極大化することができるよう、更に詳細な改革のスケジュールとその具体策について検討を重ねてまいりましたが、この度「改革実施プラン」として取りまとめ、昨日9月21日に公表いたしました。
  今後、各団体及びそこで働く職員の皆様のご協力をいただき、速やかに「改革実施プラン」を実行に移してまいりたく存じます。

 続いて、最近の経済動向及び雇用対策について申し上げます。
  国内経済の状況を見ますと、世界経済が回復し国内民間需要が着実に増加していることから景気回復が続くと見込まれ、雇用情勢の改善ともあいまって、個人消費が着実に増加するものと期待されます。本県におきましても、製造業の増産投資や新製品開発投資を中心に設備投資も前年度を上回る見通しにあるなど、県内景気は引き続き緩やかに回復しております。
  雇用情勢につきましては、製造業の生産増加を背景に改善傾向にあり、有効求人倍率は、2か月連続で1倍台となるなど改善に向けた動きが見られますが、業種間、さらには地域間で「南高北低」の格差が生じている状況となっております。このため、事業主が期間を定めて試行的雇用を行う場合に支援する「トライアル雇用事業」につきまして、今後、建設関連産業を離職された方のための再就職支援に重点を置いて実施してまいります。
  15歳から24歳の完全失業率は、他の年齢階層に比べて全国的に高い水準にあり、完全失業率が全国で2番目に低い本県も、同様の傾向にあります。こうした状況を打開すべく、去る5月24日、若者の仕事探しを支援する若年者就業サポートセンター、愛称「ジョブカフェ信州」を松本市に開設したところ、1日平均50人近い若者が相談に訪れて下さっております。また、県内全域を対象に、産業カウンセラー等の資格を持つ方を派遣する「地域キャリア・コンサルティング事業」を展開し、就職や職業に対する若者の悩みにきめ細かな相談体制により対応してまいります。さらに、この10月からは、若年無業者・フリーターを対象として、技術専門校の訓練システムと一定期間の企業実習を組み合わせた「若者向けデュアルシステム訓練」を長野技術専門校、伊那技術専門校に導入し、実践的な訓練を通じ、産業界にとって必要な人材の確保に努めてまいります。

 公共事業の改革について申し上げます。
  公共工事等の入札制度につきましては、地域に根ざした業者の育成という観点から高い評価をいただいております参加希望型入札に加えて、現在試行中の受注希望型競争入札制度に関してもさらに改善を図るため、建設業に従事する方々との意見交換会を県下15か所で開催し、1,162名のご出席をいただきました。その際、低入札価格調査制度の見直し、災害復旧工事の地域要件及び除雪業務委託方法の見直しなどさまざまなご意見やご要望をいただきました。このうち、災害復旧工事等の発注方法につきましては、緊急を要する応急工事及び本復旧工事の要件について、地元業者の皆様の協力が得られるよう、早速、改正いたしました。
  また、除雪業務委託の発注方法につきましても、これまで採算性が低くボランティア的要素が強かったことから、競争性と透明性を確保しつつ随意契約あるいは指名競争入札とし、積算につきましても単価契約方式から機械維持費を計上する総価方式に変更するなど採算面での改善を行いました。これらは、いずれも本年9月1日以降の公告から試行しております。

 治水・利水に関してであります。
  長野県治水・利水ダム等検討委員会に諮問いたしました河川につきましては、何(いず)れもダムに依(よ)らない治水・利水を求めたそれぞれの答申を元に各流域協議会において、地域にお住まいの皆様との対話を繰り返しながら、治水・利水対策の具体的な検討を行っております。
  砥川・上川を含む諏訪圏域河川整備計画につきましては、現在、国土交通省への申請に向けて手続きを進めております。
  また、浅川につきましては、これまでに頂戴(ちょうだい)しております様々なご意見を踏まえて現在も検討を進めております。今月中にも流域協議会を開催し、さらにご議論をいただくこととしております。

 さて、今回提出いたしました一般会計補正予算案その他の案件につきまして、その概要を申し上げます。補正予算案は、一般会計34億1,899万5千円、特別会計3億6,743万4千円、企業特別会計4億8,900万円です。
  「過去を溶かし、現在(いま)を守り、未来(あす)を創る」。こうした経世済民的認識に立ち、
今回の補正予算案においては、道路や河川の維持補修、信号機の増設など県民生活に身近な社会基盤の整備、あるいは、宅幼老所のさらなる整備など、地域に密着した「創る」事業による雇用の拡大を目指します。
  教育施策の充実についてです。お年寄りの知恵と経験に子供たちが日常的にふれあうことができる空間を小中学校内に整備するための経費に対して助成します。これは、子供たちを優しく諭し、しつけられるのは最早(もはや)、お爺ちゃん、お婆ちゃんしか居ないのでは、との教育委員会の職員との意見交換の中から生まれた施策です。また、来年2月26日から山ノ内町志賀高原ほか6会場で開催されます「スペシャルオリンピックス冬季世界大会」の各種プログラムに自主的に参加する県下の小中学校の児童生徒の活動に対して助成してまいります。
  福祉・医療施策の充実につきましては、NPO法人・営利企業が行う民家改修型の小規模多機能ケア施設、いわゆる「宅幼老所」の対象事業に、高齢者などが地域で暮らすための生活拠点型を加え、小規模多機能ケア施設の開設をより一層支援してまいります。ちなみに、現在162箇所を数える宅幼老所は、その内の71箇所がNPO法人、35箇所が営利法人と、新たな担い手の創出にも繋(つな)がっています。また、障害者に対する理解を深めるとともに、障害者の社会参加に寄与するため、来年4月の「長野オリンピック記念長野マラソン大会」に併せて新たに開催される「長野車いすマラソン大会」の準備経費の一部を負担してまいります。  さらに、施設が狭隘(きょうあい)で老朽化が進んでいる、諏訪湖健康学園の改築にあたり、基本構想を策定するための検討に着手することといたしました。
  森林整備の推進です。県内外の市場へ付加価値の高い県産材製品を新たな戦略により販売するため、新製品の開発から、営業までをコーディネイトするマーケットクリエイターを選任し、協働して県内企業とともに信州の木の利用を力強く推進するための経費を計上いたしました。また、列状間伐に象徴される森林整備を効率的に進めることが喫緊の課題となっている状況を踏まえ、タワーヤーダ、フォワーダ等、高性能林業機械の必要性などに対する理解を高めるため、団体の機械導入に対して助成するとともに、機械操作に対する研修を県有林において率先して実施してまいります。

 「信州ブランド」の推進について申し上げます。早くも3年目を迎える原産地呼称管理制度は、お陰様で田崎真也、玉村豊男の両氏の奮闘により、ワイン、日本酒ともに定着し、認定を受けた商品も利益率の高い価格で完売する傾向にあります。こうした中、従来は桔梗ヶ原産のブドウを山梨県で醸造・出荷していたサントリーが、原産地呼称管理制度の認定資格を得るべく塩尻市にワイナリーを建設する運びとなりました。これもまた、高品質で高付加価値な信州ブランドの形成に寄与するものと嬉(うれ)しく感じています。
  白骨温泉に端を発した「入浴剤問題」も、信州を愛し訪れてくださる年間1億人近い方々との信頼関係を失いかねない極めて深刻な事態であるとの認識のもと、去る7月16日に、太田寛(ゆたか)生活環境部長を本部長とする「信州の温泉品質問題対策本部」を設置いたしました。2千余箇所の温泉施設への訪問調査に加えて、8千余箇所に及ぶ全ての入浴施設に関し、入浴剤使用の有無、掛け流しか循環式か、加温や加水の有無、塩素などの殺菌の状況を調査し、その詳細をホームページで公表してまいりました。
 こうした中、「長野県の取組を見て対応を考える」と当初は静観していた環境省も、本県と同様の調査を全国で行うに至りました。
 これは、昨年8月、「ヤミ金」被害の拡大を防ぐべく、当該業者の口座を凍結・閉鎖していただきたい、と関係金融機関に対し文書で要請したところ、結果として全ての金融機関が要請に呼応して下さり、この一連の長野県の対応が切っ掛けで、監督官庁である金融庁も同様の措置を講ずるに至ったのと同様の展開と言えます。
  適切な情報公開−インフォームドコンセントに基づいて、消費者の方々が適切な情報選択−インフォームドチョイスをして頂ける「安心、安全、正直」な信州の温泉づくりのため、県温泉協会と連携して策定中の長野県独自の温泉表示制度と、信州の温泉の魅力を紹介するパンフレットを作成する経費を計上し、信州の温泉への信頼回復を強力に支援してまいります。
  これからも私達は、権限が無いから対応出来ない、と後ろ向きの言い訳をするのではなく、お客様たる県民、国民、そして、誠実な業者の方々を護(まも)るために最善を尽くす行政を目指し、努力を重ねてまいります。

 産業・雇用施策の充実につきましては、須坂市にあります、県営日滝原産業団地の分譲に係る経費を計上するとともに、先程申し上げました、再就職促進のためのトライアル雇用事業の実施経費を追加計上いたしました。
  雇用の創出につきましては、緊急雇用創出特別基金を活用して各事業を実施しているところですが、この基金を活用して行う事業は今年度が最終年度になることから、上向き始めた雇用情勢をさらに確実なものとすべく、基金を追加して活用することといたしました。
  市町村が行う緊急的な事業に所要額を交付するとともに、スキー場周辺の主要道路において、雪道に不慣れな大型バスを含む県外車両に対して、チェーン装着のお手伝いやアドバイス、工具の貸し出し、周辺施設のインフォメーションなどのサーヴィスを提供し、スキー観光への誘客も図る、やさしい信州「雪道お助け隊」を配置するほか、木曽谷の国道19号に交通警備員を警察支援要員として配置し、警戒車両による先頭誘導、啓発チラシの配布、違反ドライバー発見時の警察への通報活動を行うなど、雇用の創出に努めることといたしました。以上により、県及び市町村で延べ1万2千人日の雇用創出が見込まれます。

 県民生活に密接に関連する社会資本の整備につきまして、最初に、情報化の推進について申し上げます。本県では既に、全世帯の90パーセント以上が高速インターネットを利用できる環境になっておりますが、山間地などでは、サーヴィスの提供が受けられない地域も存在します。ブロードバンドの環境整備を行う市町村に対して助成し、年度内にも全117市町村でブロードバンド化を目指します。また、実際に高速インターネットを利用する世帯数は全体の3割程度にとどまっていることから、県民の皆様へのITサポートや利用ニーズのアンケート調査を実施し、普及率を高めてまいります。
  財政改革推進プログラムに基づき、段階的に公共事業費の削減を進める中においても、県民生活に身近な社会基盤の整備に関しては、その配慮に努めてきたところです。今回、更に「現在(いま)を守る」道路の路面状況の悪化が顕在化し、地域住民から補修要望が多く寄せられている箇所について、道路舗装の補修を積極的に行うとともに、災害関連として、降雨などによる法面(のりめん)崩壊や路肩決壊など緊急に対策の必要な箇所の復旧工事を行います。
  河川維持事業につきましては、全国各地において、豪雨による被害が発生している状況に鑑(かんが)み、県下15の建設事務所で河川の状況調査を実施しました。その結果を踏まえ、各建設事務所から緊急の対応を要すると申請のあった全箇所について今回、堆積(たいせき)土砂の排除を行ってまいります。この地元密着型事業は、「現在(いま)を守る」だけでなく、「『脱ダム』宣言」に基づき、「未来(あす)を守り、創る」ものであります。
  急傾斜地崩壊対策事業につきましては、八千穂村清水町(しみずちょう)地籍において、急傾斜地崩壊防止施設であるブロック積壁面に亀裂が発生し、崩壊にともなう被害が発生するおそれがありますので、既設ブロック積の補強工事を実施してまいります。
  交通安全対策につきましては、通学路等における安全で安心な歩行空間や円滑な自動車交通の流れを確保するため、歩道整備、交差点改良を前倒しで実施します。また、3つの県内企業グループの熱意が実って国の設置基準を満たした信州型木製ガードレールは、森林県に相応しき実効性の伴う景観形成事業であると同時に、地域住民のみならず県内外からの来訪者に心の安らぎを与える信州モデルであります。その充実を目に見える形で図るべく、中軽井沢駅前から千ヶ滝に至る3kmを始めとする区間で実施してまいります。
  信号機の増設については、平成16年度末供用開始予定の県道下仁田浅科線の浅科・百沢(ももざわ)バイパスなど新設道路の交差点3箇所と、歩行者の安全な横断を確保するため、交通量の急増した長野市湯谷(ゆや)小学校東交差点及び今年度末児童館の開館により、多数の児童の利用が予想される佐久市小田井児童館前交差点にそれぞれ信号機を設置してまいります。

 災害等への対応につきましては、県民の防災意識を高め、地震などの災害発生時に県民が自らの命を守り、助け合い、自律した生活を取り戻せることに役立たせるためのビデオを作成します。また、局地的豪雨が全国各地で相次ぐ中、東御市中央公園を主会場として10月14日に開催予定の総合防災訓練では、大雨、暴風、洪水等を想定した訓練を加えると共に、220万県民が心をひとつにして県内全体で防災訓練を行うべく、多くの市町村や病院、社会福祉施設、学校等のご協力を得て、準備を進めております。
  去る7月9日の降ひょうによる農作物被害を最小限に食い止め、農業生産の安定確保を図るため、市町村が農業者に対して行う種苗購入・病害虫防除事業などに助成をいたしますとともに、農業者が農業経営の立て直しのため、金融機関から融資を受けた資金に対し、市町村などと協調して利子助成を行います。 
  コイヘルペスウイルス病対策としては、昨年11月に、茨城県霞ヶ浦で、コイヘルペスウイルス病により養殖コイが大量に死亡する被害が発生してから、各都府県でこの病気が確認され、本県においても去る6月、飯田市で発生が確認されました。コイヘルペスウイルス病のまん延を防ぐため、水産試験場を中心に指導、検査などに取り組んでまいりましたが、今回、持続的養殖生産確保法に基づく処分命令によりコイの処分等を行った養殖業者の皆様に対し、発生した損失を補償してまいります。
  野生鳥獣被害の緊急対策として、ニホンザル、ツキノワグマなどによる農林業被害が増加している状況を踏まえ、野生鳥獣から農山村を守るため、農作物被害防止施設を設置する市町村に対して助成するほか、ツキノワグマの緊急捕獲やニホンジカの一斉捕獲の実施、さらには、本県観光の要(かなめ)でもあり、多くのIターン者が新しい県民として移り住んで下さっている軽井沢町において深刻化しているニホンザル被害を解決するべく集中的に、ニホンザルの捕獲を行うなどの被害対策を実施し、被害拡大の防止に努めてまいります。これらは何(いず)れも、「現在(いま)を守る」という観点に立っての予算案です。
 
  以上申し上げました一般会計補正予算案の財源として、県税28億4,922万4千円、分担金及び負担金400万円、国庫支出金3,899万5千円、財産収入3億2,865万円、寄付金1,000万5千円、繰入金1億3,039万1千円、諸収入473万円、県債5,300万円を見込み、計上いたしました。
 本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと、8,799億6,515万8千円となります。
 
  特別会計補正予算案は流域下水道事業費で、事業費負担金を市町村へ返還する経費を計上いたしました。

 企業特別会計補正予算案は病院事業会計で、取得してから10年が経過し老朽化した木曽病院の血管撮影装置更新に要する経費を計上いたしました。
  ガス事業会計では、ガス事業の民営化を図るため、ガス事業継承会社の設立・経営者の公募を行うとともに事業提案を求め、「ガス事業継承会社設立に関する評価会」において候補者の選定を行ってまいりました。その結果、東京瓦斯(ガス)(株)グループを設立・経営者として決定し、新たに設立されるガス事業継承会社に対する出資金を計上いたしました。
  84億円の起債残高を抱えておりましたガス事業は今回、固定資産を110億円で購入していただける運びとなりました。国内各地で行政機関が営んでいる電気、ガス、水道事業において初めて、本県がこうした評価会の仕組みをつくり、複数の企業体の中から審査のうえ、最も県民益にかなう形で、持続的に公共エネルギーを安定供給し得る事業体を選ぶことができました。今回の新しい試みもまた、まさに信州モデルとして本県から他の自治体へと発信するものであります。多くの自治体において、同様の手続きで改革が行われることを願っております。

 次に、条例案は、一部改正条例案2件であります。

 事件案は、市町村の廃置分合についてなど7件であります。
 
  専決処分の報告は、交通事故に係る損害賠償の専決処分など4件であります。

 最後に、企業局松塩水道用水管理事務所本山浄水場の汚泥排出問題、中国産「はるさめ」等からの過酸化ベンゾイル誤検出・誤公表、伊那建設事務所等の管内における無認可採石について申し上げます。
  松塩水道用水管理事務所本山浄水場におきまして、水道用水の浄化処理にともない発生した汚泥を奈良井川へ排出していた問題は、独立した組織で皆様に安全な上水道を安定供給することが使命である企業局に留まらず、本県の行政全体が深く頭を垂れ、お詫びすべき問題であります。
 平成10年から、繰り返しこのようなことが行われていながら、6年もの長きにわたり、これを防止・改善できなかったことを、大変に申し訳なく思っております。
 従来、専門性の高い職員が1箇所で長く勤務するという形が多く見受けられました。しかし、そうした状況の下では、組織における相互確認機能や緊張感が低下しがちです。県民の皆様へのサーヴィスと安全確保の責任という観点から、早期に改めるべき課題と認識しております。
 中国産「はるさめ」等からの過酸化ベンゾイル誤検出・誤公表に関してです。検査結果の誤りが確定した8月23日、直ちに関係自治体を通じて、輸入業者など関係者の皆様に対し、経緯、状況を連絡するとともに、回収・廃棄を中止していただくようお願いいたしました。翌24日以降、職員が直接訪問して、お詫(わ)びを申し上げ、事情説明をさせていただきました。さらに、この情報を全国に提供するため、新聞各紙及び本県ホームページにお詫びと正しい検査結果を掲載し、輸入業者など関係者の皆様の信頼回復に努めるとともに、広く消費者の皆様への情報提供を行ったところです。今回の検査は、国が示した検査方法を現場の判断で一部変更して実施し、他の妨害物質を誤って過酸化ベンゾイルと解釈し、更には衛生部、環境保全研究所ともに上司への相談を怠ったまま、公表したものです。検査方法と検査体制などの抜本的見直しを行い、精度の向上、データのチェック体制の改善に一層努力してまいります。と同時に、今回の当該部署に留まらず、「報・連・相」即(すなわ)ち報告・連絡・相談のチェック機能を、全庁的問題として認識し、再構築してまいります。
  伊那建設事務所管内における無認可採石についても、同所管内の伊那市及び駒ヶ根市において、採石法に基づく採取計画の認可手続きをせずに岩石の採取を行っている採石場が存在することが明らかになりました。 
  同様の事例の有無を全建設事務所において調査するとともに、伊那建設事務所を始めとする関係職員に対して聞き取り調査を行った結果、同所のほか飯田建設事務所などで、無認可採石場の存在が確認され、9月3日にその結果を発表いたしました。既にいくつかの場所においては、私たちが業者の方と協力し、採石場の緑化などの努力を重ねてきている中でこのような事態が発覚したことは、大変申し訳なく思います。今後、無認可採石場パトロール実施要領の作成や職員を対象とした研修制度の充実など実施体制の整備を図り、職員が一丸となり、再発防止に努めてまいります。

 なお、最後に、70年もの歴史を有し、戦前・戦中・戦後と日本経済を支える人々に勇気と希望を与えてきたプロ野球への新規参入を通じて、日本という社会に元気を与えようと現在、複数の企業経営者が名乗を上げられています。奇しくも長野市には、全世界に深い感動を与えたオリンピックスタジアムが存在します。長野市長にもお願いし、県民の皆さんにもお願いし、素晴らしき自然環境の中、次代を担う子供たちに夢を提供する、元気なNAGANOの実現に向け、及ばずながらも観光立県の知事として私も全力を尽くさせていただきたく存じます。

 以上、今回提出いたしました議案に関するご説明を申し上げました。ご審議の上、ご議決を賜りますよう、ご理解とご協力の程、お願い申し上げます。

(2004年9月22日)

 

<お問い合わせ先>

■ このページに関するご質問及びご意見は、経営戦略局までメールもしくは下記にご連絡ください。


秘書広報チーム
Tel 026-232-2002
/ Fax 026-235-6232

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