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最終更新日:2003年12月4日

 

平成15年12月県議会定例会における知事議案説明要旨


 今12月県議会に提出いたしました議案の説明に先立ち、県政をとりまく最近の状況などに関し、しばし御説明申し上げたく存じます。

 

 去る12月2日、長野県総合計画審議会から、長野県の未来、ひいては将来の社会のあるべき姿を展望した「未来への提言〜コモンズからはじまる、長野県ルネッサンス」と題する中間答申をいただきました。

 提言は、物質的な欲求を満たすことを優先してきた二十世紀型工業社会は、私たちに真のゆたかさをもたらしていないという点で行き詰まりを見せているとした上で、この原因は、真の意味でゆたかな社会を実現するために大切なもの、すなわち、大気、水、森林といった自然環境、社会基盤、さらには教育や医療といった制度、これら「社会的共通資本」を適切に管理、運営をしてこなかったことにあると指摘します。

 そして、二十一世紀型の真にゆたかな社会を目指すとき、「社会的共通資本」を適切に管理、運営していく主体として、その中心に置かれるべきは、市民一人ひとりであり、その人々が暮らす地域であり、地域や人々の絆(きずな)で結ばれた「コモンズ」であると提唱します。今回、御提言いただいた「社会的共通資本」と「コモンズ」の考え方は、長野県が未来に向けて歩み始めるための理念的基礎になるものであると考えております。これまでの、国が画一的に決めた制度や政策を全国に広めていく中央集権的な流れは、それぞれの地域の自然、文化、伝統的な叡智(えいち)や技術といった特有の価値をややもすれば軽んじ、損なってきました。「コモンズからはじまる、長野県ルネッサンス」とは、地域に軸足を置いた「コモンズ」を中心とした地方主権、地域からの政策の流れに変え、地域の再生を図るものであり、信頼で結ばれた自律的な人々の活動により、社会を創造していくことであります。そして、それは人間性を回復し、美しい自然環境を取り戻し、長野県に優れた文化を育み、新たな経済の発展を起こしていくことでもあります。

 提言の最後は、アメリカの独立戦争に大きな影響を与えたトマス・ペインの『コモンセンス』を例にひき、「コモンズ」は、地域や、そこに暮らす人々に光を当て、地域が自律するための、現代における「コモンセンス」である、と結んでいます。私をはじめとする県職員一人ひとりは、この提言を具現化すべく、勤勉で自律的な220万県民とともに全国の自治体に先駆け、「信州革命」を進めてまいります。

 

 次に、行政システム改革について、申し上げます。

 職員の意識と行動の変革。これこそが、行政システムの改革を形だけに終わらせず、真に実効あるものとするために欠くことのできないものといえましょう。職員一人ひとりが、県民の奉仕者であるという公僕=パブリック・サーヴァントとしての原点に立ち返り、県民のため、県政改革のために何ができるのかを自ら問い直すことから、真の行政システム改革はスタートします。今、まさに試されているのは、公僕という個人の集合体たる県庁自身の自己変革能力なのです。

 こうした基本認識のもと、職員全員の意識と行動の変革を伴った、真の行政システム改革を実現するため、私をはじめとする約1,300名の職員が直接参加したグループセッション及びサミットセッションにおける成果を踏まえ、全職員が改革の当事者として取り組むべき事項を行政システム改革の「骨格方針」としてとりまとめました。また、人事・給与・研修制度改革、予算・事務事業改革、組織改革など、テーマごとに改革を速やかに具体化、実現するための原動力となる部局横断的な「改革チーム」を編成しました。

 改革とは、粛々と進めるものではありません。長年培われてきた組織風土、しがらみに囚(とら)われず、発想、仕事のやり方を制度や仕組みの根本から改め、今までと違う組織体へと果断に生まれ変わってこそ、改革と呼び得ましょう。

 職員の伸びやかな改革努力を妨げる様々な「きまり」を全面的に見直し、職員が県民のニーズに敏感に反応し、自ら考え自ら工夫する組織風土を作り出してまいります。

 職員の意欲、創意工夫を生かす取組の一つとして、平成16年度予算編成に当たり、従来から実施している本庁各部局による事業提案に加え、県民に日常的に接している現地機関や、担当業務を越えて自由な発想力を有する意欲ある職員一人ひとりが事業を提案することができる「新規事業等直接提案」を新たに実施しました。

 職員が直接事業を提案することにより、全職員の参加による予算編成の仕組みを構築するとともに、部局の縦割り、官民あるいは地域の垣根を越えた総合的・横断的な事業など、ますます多様化する県民ニーズにきめ細やかに対応した、先駆的な事業を構築してまいります。

 

 新たな人事評価システムの創造と研修体系の見直しについて申し上げます。

 職員には、縦割り、前例踏襲といった意識を排し、自律した個人として、自ら能力を切り開いていくことが強く求められています。組織に安住するのではなく、職員同士が互いに競い合い、切磋琢磨(せっさたくま)していく環境こそが、困難に果敢に立ち向かう高い志と能力を持った職員を育てうるとの考えに立ち、新たな人事評価システムの創造と研修体系の見直しを図る、「変革の時代を担う職員活性化プログラム構築事業」に着手しました。

 職員が自らの能力を磨く喜び、誇りを源泉としたサーヴィスにより市民に幸せがもたらされ、その幸せが職員の幸せにもなるというサイクルを実現するべく、組織が人を教育するのではなく、職員自らが学習する組織への変革を進めてまいります。定型化されたサーヴィスにとどまることなく、常に、県民の目線に立って価値観を共有し、自らの能力によるサーヴィス向上を自己実現として考える職員こそが、「コモンズからはじまる、長野県ルネッサンス」の財産であると考えます。

 新たな人事・研修制度の構築は、本年度に制度の設計を行い、平成16年度において制度の試行を実施し、平成17年度からの運用を目指してまいります。先月には、管理職約600人を対象に自らが業務の目標を立て、自らがプロセスを管理し、自らが達成度を評価する業績評価の研修を実施したところでございます。本プログラム構築事業の進展により、効果的かつ効率的な行政運営の推進に寄与するものと考えております。

 

 続いて、外郭団体の見直しについてです。

 県が出資又は関与する57の外郭団体の見直しについては、長野県出資等外郭団体見直し専門委員会において、真の県民益を創出するとの観点から、あるべき外郭団体の姿を求め、先入観を排し、原点からの議論が重ねられてまいりました。先般、13団体の廃止を含む大幅な見直しを内容とする報告書素案が示されました。委員会では、報告書素案に対する県民からの意見を踏まえ、年内にも最終報告書をとりまとめ、行政機構審議会の審議を経て、答申される予定となっております。これらを受け、私は改革基本方針及び具体的なスケジュールを迅速に決定し、実施可能な改革は、平成16年度当初予算に盛り込んでまいります。

 

 次に、中華人民共和国への訪問について申し上げます。
 本年は、長野県と河北省が友好提携を締結して20周年に当たり、これを記念し、10月21日から24日まで、中国を訪問してまいりました。

 本県と河北省は様々な面で共通点を持っております。すなわち、北京、天津という中国をリードする大都市に近接し、その消費に十分な農産物を供給する河北省と、同じように東京、名古屋という世界をリードする大都市に近接し、すばらしい食材やきれいな水、空気を供給する長野県。また、共に勤勉で質実剛健の気風を持った市民、人民が暮らしております。こうした共通点を踏まえ、過去の歴史を正しく見つめ、将来を見据えて、長野県と河北省の緊密な協力関係を築いてまいりたいと考えております。

 この度の訪問で、発展する中国、河北省の様子を目の当たりにし、また河北省や中央政府の皆様と意見交換をしてまいりました。新世紀を迎えて、中国は政治経済の改革を進め、大きな成果をあげてきました。一方、明治維新以来変化発展を遂げてきた日本は未(いま)だ、前途を見出せず、苦悩しています。この違いは一人ひとりに立脚した政治・文化があるかにかかっていると思われます。

 中国の指導者は現場から発想し行動しています。それに対して、日本の指導者は、頭の中で考えるケースが多いのではありますまいか。私は、勤勉な220万県民とともに、的確な認識、迅速な行動、明確な責任をもって、現場から、さらには地方から、日本の制度や仕組みを変える革命を進めてまいらねば、と決意を新たにしました。

 

 次に、最近の経済動向について申し上げます。

 国内の経済状況は、政府の景気判断によると、個人消費はおおむね横ばいで推移しているものの、設備投資が増加するなど、企業部門を中心に回復に向けた動きが継続し、景気は持ち直しております。

 県内経済においても、個人消費は引き続き弱い動きとなっているものの、輸出が持ち直し、設備投資は、低水準ながらも上向きに転じつつあります。県内基幹産業の一つであります製造業におきましては、携帯電話やデジタルカメラ、DVDプレーヤー等の国内外の需要が旺盛(おうせい)であり、電子関連部品等が好調なことから、県内鉱工業生産指数が3か月連続で上昇するなど、生産面からも景気の改善に向けた動きがうかがわれます。

 一方、雇用所得面をみると、県内の有効求人倍率は、3か月連続で前月水準を上回るなど改善に向けた動きが見られますが、全体としては引き続き厳しい状況であります。

 従来から申し上げておりますように、私たち長野県は、旧来の景気浮揚策ではない新しい産業構造の構築に取り組んでいます。産業構造の転換には、新たな創業や厳しい経営環境から自律的に、新たな道を切り拓(ひら)くための経営革新が不可欠であります。

 長野県では、こうした自律に向けた努力を支援してまいりました。その一例として、かつて商店であった空き店舗を活用し、創業に向けた女性専用のチャレンジショップを開設したところ、10軒余りの事業者が創業に至りました。また、地域の企業経営者が、創業を目指す方や新事業分野への展開に取り組む中小企業者を支援する地域ファンドを設立する動きもみられます。引き続き、各種施策を着実に実施し、地域の意欲と熱意のある方々の取組を支援してまいります。

 

 さて、今回提出いたしました一般会計補正予算案その他の案件につきまして、その概要を申し上げます。

 

 補正予算案は、一般会計では2億1,789万4千円、企業特別会計では病院事業会計で1億611万1千円の債務負担行為の設定でございます。

 一般会計補正予算案について申し上げます。

 今12月定例会でご審議をお願いする一般会計補正予算案に関しては、先駆的なまちづくりを実施する市町村や合併への支援、利水関係、あるいは、新分野への進出を希望する建設企業の皆様や、農業を営もうとする皆様への支援など、現下の行政需要に必要不可欠な案件を計上いたしました。

 市町村への支援に関しては、環境と調和した総合的まちづくりを進めるためのマスタープランの作成など、先駆的な取組を進める市町村に対し、支援いたします。また、本年9月1日に合併した千曲市に対し、合併に伴い懸念される事項を解消し、新しいまちづくりを支援するべく、合併により直接生じた行政需要に対応するソフト施策に合併特例交付金を交付いたします。

 利水関係においては、治水・利水対策推進本部の方針に基づき、豊丘村の地下水汚染についてその原因を特定するため、既存井戸の状況などについて調査することとし、所要の経費を計上いたしました。

 また、新分野に進出を希望する建設企業の皆様への支援として、当初予算におきまして、どの分野への展開が可能かなどを探る調査や、それを実践する試みなどの経費等に助成する制度を設けたところ、助成希望が多いため、これを増額し一層の支援に努めます。また、新たに農業を営もうとする皆様には、平成14年度から農業大学校小諸キャンパスにおいて新規就農プロジェクト研修を実施し支援をしておりますが、農業大学校の旧研修館を改修し、研修期間中の住居を提供することでさらに支援を図ってまいります。

 平成18年4月の開校を目指し改築事業を進めている稲荷山養護学校に関してです。県産材の振興を図るとともに、早期の木材調達により適正な工期を確保するため、改築に必要な県産材の一部を県が事前調達することとし、債務負担行為を設定いたします。

 この他に、行政情報ネットワークのセキュリティを強化するため、パソコン管理用ソフトウェア、サーバ等を導入するため必要な経費を計上するほか、米からそば等への転換に対する助成などそれぞれ所要の経費を計上いたしました。

 

 以上申し上げました一般会計補正予算案の財源として、地方交付税9,984万6千円、諸収入6,139万3千円、国庫支出金4,438万3千円、財産収入1,227万2千円を見込み、計上いたしました。

 本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと、9,416億9,080万円となります。

 企業特別会計補正予算案は、取得してから10年が経過し老朽化したこども病院の臨床検査システムを早期に更新するため、債務負担行為を設定するものです。

 

 次に、条例案は、一部改正条例案4件であります。

 

 事件案は、監査委員の選任についてなど8件であります。

 

 専決処分の報告は、平成15年度長野県一般会計補正予算(第4号)の専決処分報告など9件であります。

 

 最後になりましたが、先般、県発注事業に関して、県内の測量・設計業務を営む45社が、公正取引委員会から独占禁止法違反により排除勧告を受けました。

 県発注事業で多くの業者による談合が認定されたことは、極めて遺憾であり残念であります。全ての職員が、公共事業の真の発注者は納税者たる県民であるということを深く心に刻み、県民の皆様の信頼を回復すべく厳正な入札業務の執行に努めるよう改めて、私をはじめとして職員への指導、意識改革を徹底するとともに、引き続き、入札制度改革に鋭意取り組んでまいります。

 

 以上、今回提出いたしました議案に関する御説明を申し上げました。御審議の程、よろしくお願い申し上げます。


(2003年12月4日)

 

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