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最終更新日:2003年9月25日

 

平成15年9月県議会定例会における知事議案説明要旨


 今9月県議会に提出いたしました議案の説明に先立ち、県政をとりまく最近の状況などに関し、しばし御説明申し上げたく存じます。

 私は、昨年9月の本会議におきまして、信念と行動力をもって、私が信じ県民が願う社会の実現に向けて全身全霊でお仕えすると申し上げ、以来、日本の改革をリードする長野県が、「こわす」から「創る」ステージへ着実に進むため、日々改革に取り組んでまいりました。しかしながら、その改革が県民の皆様に成果としてもたらすという点において、ともすれば、スピードが緩やかになっているのではないかとの思いから、私自身が600余名の課長級職員全員と面談を行い、また、約1,300名の職員が直接参加し現状の課題や問題点を自由に議論するグループセッションなどを通じ、真の県民益をもたらすための改革に何が必要なのか、何が障壁となっているかを探り、私たちの改革のよい意味での中身を伴ったスピードアップを図っています。職員全員が従来の発想や、意識、感覚を変え主体的に行政改革に取り組み、一人ひとりの力を余すことなく出し合うことで、県民の皆様に御満足いただける長野県行政を実現してまいります。

 

 従来の発想や、意識、感覚を変え主体的に改革に取り組んだ結果、成果を挙げた一例として、ヤミ金融対策がございます。

 長引く不況の中で、超高金利の貸付けを行うヤミ金融による被害が多発し、大きな社会問題となっていることから、昨年12月、ヤミ金融被害者救済緊急対策会議を設置し、「ヤミ金110番」を開設いたしましたが、この「ヤミ金110番」に寄せられる、多くの方々の相談を受ける中で、ヤミ金融を撲滅するためには、ヤミ金融の口座閉鎖等に向けた取組が重要と考え、去る8月7日、ヤミ金融に利用されている疑いのある口座について調査し、必要な場合、閉鎖等の適切な対応を求める依頼文書を、11金融機関あて送付したところであります。これに対し、金融機関から本人確認等の調査を実施し、多くの口座を凍結又は閉鎖したとの状況報告をいただきました。企業市民としての金融機関の対応に感謝を申し上げます。

 本来、金融機関を監督する立場にある国の機関が行うべきものを、権限などなにも持たない県の機関が行った全国に先駆けた取組でございますが、去る9月12日、国においても、長野県の今回の取組を早速に取り入れ、厳正かつ適切な対応をとるよう金融関係団体に対し文書で要請をいたしております。

 当たり前のことを当たり前に考え、前例にとらわれずに、何が県民のためになるかを真剣に考える、今回のヤミ金融に対する取組は、これこそ改革のスピードを上げていく手本になるものと思っております。

 

 次に、住民基本台帳ネットワークシステム、いわゆる住基ネットについて申し上げます。

 「県は当面、ネットワークから離脱すべき」とする長野県本人確認情報保護審議会の第1次報告を受け、県内各地において市町村の方々、あるいは県民の皆様に対し審議会委員による説明会を行い、また総務省側の委員会の委員らとの住基ネットのセキュリティに関する公開討論会などを踏まえて検討してまいりました。

 その結果、インターネットと物理的に接続しているなどの状況から起こり得るセキュリティ上の問題点を踏まえ、長野県の住基ネットに関する今後の方針として、侵入実験の実施を始め、現在、財団法人地方自治情報センターへ委任している事務の再検証等、4点のセキュリティ対策を掲げ、現行の住基ネットに関するさまざまな問題点を市町村と協議しながら早急に検証し、個人情報保護の観点から、県民の皆様の安全を守ることに全力を挙げる所存です。

 

 次に、最近の経済動向について申し上げます。

 国内の経済状況を見ますと、株価の上昇やアメリカ経済の回復動向を受け、景気判断は上方修正されましたが、個人消費はおおむね横ばいで推移しております。

 一方、県内の景気は、設備投資は下げ止りつつあり、製造業の一部には受注や生産に改善が見られますが、個人消費が引き続き弱い動きとなっており、全体として厳しい状況が続いております。また、雇用面を見ますと、7月の有効求人倍率は0.67倍と、日本全体の平均を上回っておりますが、引き続き厳しい状況が続いております。

 このような状況の中で、私たちは、旧来の公共事業依存体質からいち早く脱却し、220万県民一人ひとりが、生きる意欲を持って自律的に判断し、行動していける長野県づくりを目指して、福祉・医療、環境、教育の分野への重点的な投資を進め、箱モノによる景気浮揚ではない、新しい産業構造の構築に取り組んでいます。こうした中においても、とりわけ、厳しい経営環境にある建設業の中でも、意欲と熱意のある方々は、自律的に、新たな道を切り拓こうとしておられます。

 この自律に向けての努力を支援するため、去る6月に、建設産業構造改革支援プログラムを策定し、多数の部局、現地機関を挙げて全面的に、また実質的に機能し得る支援体制を発足させました。現地機関においては、企業の相談を受けて新分野への進出を支援する個別支援チームを順次設置したほか、地域での説明会、企業訪問等を実施しておりますが、こうした取組の中から、福祉産業、農林業への進出を試行するとした建設企業や、地元の農業法人と協力して食料品製造業を開業する建設産業も現れるなど、建設産業支援の成果が芽生えてきております。

 また、入札制度の改革については、意欲ある建設業者の自律という観点に立ち、これまで予定価格を事前公表していた全ての工事及び委託業務に関しまして、9月1日の公告分から12月までの4か月間、公表の中止を試行することといたしました。このことにより、予定価格を基に安易な入札を行う業者、あるいは目先の資金繰りのために低入札を行う業者を排除し、意欲ある建設業者の自律を促す効果が期待できるものと思っております。今後におきましても、公共工事などの入札制度の更なる改善を通じて、談合の廃絶はもとより、意欲ある建設業者をより育成するための見直しに努めてまいりたいと考えます。

 

 次に、治水・利水対策について申し上げます。

 去る6月、駒沢川、角間川を最後に諮問9河川に係る治水・利水ダム等検討委員会からの答申が全て提出され、7月末までに、諮問9河川全てにおいて、ダムによらない治水・利水対策を進めるとの方針を決定いたしました。これを受け、河川改修計画、流域対策計画の原案を順次策定してまいります。先行して策定されております原案も含め、策定されました原案全てにつきましては、流域協議会において、流域に居住される方々、土地や家屋をお持ちの方々、そして通勤・通学される方々といった、それぞれの流域に生活を営まれる県民の皆様と、流域の市町村、そして県が、対等の立場で議論を行い、成案としてまいります。

 こうした過程を経たうえで、今後は、これら9河川の河川整備計画を策定し、国の認可を得て、事業を実施してまいりたいと存じます。なお、今回の補正予算案におきましては、ダムによらない治水対策を進めるために必要な調査等及び市町村が行う新たな水源調査に対する助成のための経費を計上いたしております。

 

 次に、長野県観光の活性について申し上げます。

 長野県は、日本列島の背骨に位置し、年間に1億人近い多くの方々が訪れる観光立県です。しかしながら、この観光立県であるという名声のもとに、ともすれば、長野県を訪れる方々、言わば顧客の皆様が求めるものに必ずしも応えきれていないという私たちの反省があろうかと思います。

 こうした反省に基づき、民間の活力を最大限に活かして、民間主導の観光政策へと転換していかなければならないと思っております。そこで、来年度の観光局設置を視野に入れ、このたび、長野県観光協会の事務局長に恵崎良太郎(えざきりょうたろう)氏を9月1日付けで起用いたしました。また、専務理事には井手隆司(いでたかし)氏を来月1日付けで起用いたします。

 恵崎良太郎氏は、1965年に株式会社日本旅行に入社され、長年の豊富な業務経験と県内外に幅広いネットワークをお持ちになっておられる方であります。また、井手隆司氏は、キャセイパシフィック航空とブリティッシュ・エアウェイズにおいて、大変に素晴らしいマーケティングのみならず組織運営でも手腕を発揮され、スカイマーク エアラインズの社長、副会長を歴任された方であります。よい意味で、長野県の観光の長所と弱点というものを客観的に認識され、認識されるだけでなくより具体的なアクションプランを作成できる、こうした観光振興のプロの方を招聘(しょうへい)することで、長野県の観光を活性させるべく、さらに強化を図ってまいりたいと思います。

 

 次に、市町村自律支援プランについて申し上げます。

 真の地方分権型社会を実現するため、中央依存型の画一的な地方行政から、住民一人ひとりの相貌(かお)が見え、体温が感じられる地域を創造していく行政への転換が求められています。

 私たちが目指すべき地域社会は、住民一人ひとりが人間的尊厳を保ち、自律的に判断し、意欲を持って行動する社会です。

 長野県の地域社会には、固有の歴史や伝統文化等を礎として成り立ってきた温もりある集落や、自律的に実践されている小さな自治活動が存在しています。こうした集落の活力を将来にわたって維持し、住民の絆を深め、新たなる「コモンズ」を創出していくことが市町村の活力となり、ひいては長野県の活力につながるものと考えます。

 長野県は、新たなる「コモンズ」の創出を目指し、合併を選択する・しないにかかわらず、全ての市町村が地方分権時代にふさわしい自律的な市町村自治を確立することが重要であるとの認識に立って、「市町村『自律』支援プラン」を策定し、9月28日、阿智村で開催されるシンポジウムにおいて発表する予定です。

 真の地方分権の確立に向けて、ともに自治を担う対等協力のパートナーとして、市町村とともに一人ひとりの県民が誇りと愛情を持ち続ける長野県を創ってまいりたいと存じます。

 

 さて、今回提出いたしました一般会計補正予算案その他の案件につきまして、その概要を申し上げます。

 

 補正予算案は、一般会計26億1,867万4千円です。

 まず、産業活性化・雇用創出のための経済対策について申し上げます。

 今回の経済対策に関する補正予算案は、産業活性化・雇用創出プランの施策体系を踏まえ、自律的で持続可能な社会・経済の構築を目指し、地域中小企業等のために緊急に行うべき施策を実施するための予算措置を重点的に講じております。

 

 最初に、スリー・バイ・スリーによる新たな産業づくりです。

 地域経済の活性化と雇用創出を推進するため、新たにアウトドア・シンポジウムの開催を行うとともに小中学校における「総合的学習」のための学習旅行の誘致促進を行うこととし、都市圏を対象にした交流型産業の創出・振興を図ってまいります。また、福祉・医療、環境、教育関連施策の充実といたしまして、県営住宅につきましては、本年度当初より、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者の自律支援住宅など福祉目的住宅化を進めてきているところですが、さらに、空室となっております住宅に必要な修繕を施し、グループホームとしての活用を促進することといたします。

 循環型社会を目指し、環境にやさしく、県民の皆様がうるおいのある生活を営めるよう、県産材の利用を促進いたします。県営住宅につきましては、木造3階建ての共同住宅の建設に着手するとともに、現在、建替え工事中の住宅についても木を使った内装仕上げに変更いたします。また、今年度予定しております養護学校の教室増設にあたりましても、良好な学習環境を確保するため、内装の木質化を図ります。さらには、治安基盤の整備となります交番の建設につきましても、県内外にアピールできる県産材活用のモデルハウスとして整備してまいります。

 

 続いて、総合的な創業支援についてです。本年度当初より建設産業の新分野への進出を支援するため、中小企業融資制度資金を拡充するなど、金融面においても手当を講じてきているところであります。今回、さらに経営健全化支援資金、新事業活性化資金などの中小企業者の資金需要が増加しておりますことから、融資目標額を940億円から1,200億円へと大幅に増額し、中小企業者の資金調達の円滑化を図ることといたしました。また、民間活力を発揮させる環境整備といたしまして、長野県の各部局が個別に保有しております地理情報を共有化し、行政事務の高度化・効率化を図るとともに、GIS(地理情報システム)の持つ視覚的効果を活かして、多様な住民ニーズに対応した総合的な行政サービスを実現するため、統合型地理情報システムを新たに構築いたします。

 

 次に、職業能力開発の推進、就職支援の強化についてです。

 産業構造を転換し、自律的で持続可能な長野県の社会・経済を構築するためには、基盤となる産業人材育成の強化は緊急の課題であります。このため、産業人材育成拠点施設としての技術専門校における訓練科目・カリキュラムの見直しに着手するとともに、職業訓練指導員の資質向上対策の一環として、キャリアカウンセリング研修を実施いたします。また、離転職者の早期再就職を支援するため、厳しい雇用情勢を受け、定員に対して応募者が大幅に上回っている訓練事業の追加実施を行うために必要な経費を計上いたしました。就職支援につきましては、専門的技術を持った優秀な人材や意欲ある担い手等を対象に、幅広くIターン支援を行うため、長野県の魅力をアピールする総合的なIターンフェアを来年1月に東京都内で開催することといたしました。

 

 雇用機会の創出につきましては、現在、県、市町村を合わせて延べ24万6千人日の雇用創出を図るべく緊急雇用創出特別基金を活用して各事業を実施しているところであります。しかし、依然として雇用情勢が厳しいことから、今回、さらに基金を活用し、市町村が行う緊急的な事業について所要額を交付することといたしますとともに、県事業といたしましては、国道19号いわゆる「木曽路」におきまして、近年大型車の交通量の増加等により速度超過や居眠り運転が原因の死亡事故が多発し、地域住民が事故の危険や騒音等に悩まされていることから、警戒車両による交通誘導走行や交通監視などを行う警察支援要員の配置を行うなど、雇用の創出に努めることといたしました。以上により、県及び市町村で延べ9,700人日の雇用創出が見込まれ、現計予算と合わせて25万6千人日の雇用創出を図ってまいります。

 

 次に、地元中小建設業に配慮した公共施設等の緊急修繕事業についてです。

 県民生活に密接に関連した県有施設につきましては、主に地元の中小工務店に小規模修繕を発注し、地域の産業の活性化を促進するとともに施設の長寿命化を図ります。また、県営住宅につきましては、赤水対策のための給水管改修工事等緊急に対応が必要な修繕を実施し、居住環境を改善いたします。特に、県立高等学校につきましては、建物の耐久性を維持するとともに、安全で快適な教育環境の整備を図るため、必要な修繕を実施してまいります。さらに、飯田養護学校につきましては、児童生徒の増加に対応し、良好な学習環境を確保するため、教室を増設するとともに、県産材を利用した内装の木質化を図ります。また、上田養護学校につきましても、児童生徒にとって快適で機能的なトイレ環境を整備するため、「トイレの長野モデル指針」に基づき、バリアフリー化等を図るとともに老朽化した施設設備の更新を行います。

 

 治水・利水対策関連事業につきましては、先程申し上げました方針に基づき、諮問9河川について、ダムによらない治水対策を各圏域の河川整備計画に反映させるために必要な調査・設計に要する経費を計上することといたしました。また、利水対策につきましては、新たな水道水源の確保のため、市町村が行う水源調査、取水施設及び導送水施設の整備に要する経費に対して助成する新たな制度を創設し、今回は、岡谷市が行う新たな水源の調査に助成することといたしました。

 

 経済対策、治水・利水対策以外の予算案では、今冬のインフルエンザ流行期に併せSARS(サーズ・重症急性呼吸器症候群)の再発生が懸念されておりますことから、SARSの疑いのある患者に対する適切な医療の提供と二次感染の防止を図るため、初期診療の協力が得られた医療機関が行う感染防護用品・設備の整備に要する経費に対して助成するとともに、SARSの疑いのある患者の早期診断を行うため、長野県衛生公害研究所に陰圧検査室の設備やウイルス分離培養検査機器等を導入し、診断の確定まで一貫して実施可能な検査体制を整備します。

 次に、子ども未来センター(仮称)整備事業の南箕輪村大芝公園における事業中止に伴い、南箕輪村から事業予定地の原状回復の御要望をいただいておりましたが、このたび、南箕輪村との協議が整ったため、原状回復を実施するための設計委託費の予算計上をいたしました。

 また、平成14及び15年度に県営総合射撃場内の土壌調査を行った結果、場内の一部から土壌汚染対策法の基準を上回る鉛が検出されました。現時点では、水質への影響は及んでいないものの、地域の皆様が生活に不安を抱くことのないよう、緊急に鉛を含んだ土壌の回収工事を実施することとし、必要な予算を計上いたしております。

 

 以上、申し上げました一般会計補正予算案の財源といたしましては、地方交付税4億5,797万4千円、分担金及び負担金108万3千円、国庫支出金6,870万5千円、繰入金2億2,634万4千円、繰越金18億5,821万円、諸収入635万8千円を見込み、計上いたしました。

 本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと、9,399億6,266万1千円となります。

 

 次に、条例案は、一部改正条例案6件であります。

 

 事件案は、監査委員の選任についてなど9件であります。

 このうち、常勤監査委員につきましては、私が目指す「住民本位の監査」を実現できる優れた識見及び経験を有する方を広く求めるべく、全国でも初めてと言われる公募を行い、候補者を選考いたしました。公募には、県内外の63名もの方々から応募があり、書類選考、また面接を通じて、数多くの魅力的な人材に巡り会うことができました。私の県政改革がこうした多くの方々に支えられていることを改めて実感したところです。

 

 専決処分の報告は、交通事故に係る損害賠償の専決処分報告など6件であります。

 

 なお、9月9日より県有施設における全面禁煙化を実施しています。これは長野県庁のみならず県教育委員会、県警察本部の深い御理解と御協力も得て、タバコによる害のない社会を実現しようとするものです。既に平成13年12月から、庁舎内の完全分煙化を図ってまいりました。その後、今年5月に健康増進法が施行され、多くの者が利用する施設を管理する者は、受動喫煙防止のための措置を取るよう努めなければならない、と第25条で記されるに至りました。今後、市町村教育委員会にも強く働き掛け、長野県で採用された教職員が働く、県内各地の小中学校においても、全面禁煙化を実現したく思います。県民の代表たる県議会の皆様におかれましても、深い御理解と御協力を心からお願い申し上げます。

 

 以上、今回提出いたしました議案に関する御説明を申し上げました。御審議の程、よろしくお願い申し上げます。 


(2003年9月25日)

 

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