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最終更新日:2003年5月21日

 

平成15年5月県議会臨時会における知事議案説明要旨


 ただいま提出いたしました監査委員の選任及び教育委員会委員の選任についての議案に関し、御説明申し上げます。


 最初に、「監査委員の選任について」の議案です。自治体監査とはどうあるべきか。県民が監査委員に期待する役割とは何か。更に、監査委員に欠かせない資質とは。私は今回、監査委員の選任に当たり、さまざまな観点で改めて考えました。
 自治体における監査とは、誰のために行われるのでしょう。監査委員は誰に対して、その責任を負うべき存在なのでしょうか。税金を拠出する、いわば長野県の「株主」たる地域住民のために設けられているのです。それは、住民自治の本旨からも明らかでありましょう。
 行政にとって、市民は顧客であるとともに、納税者として、自身の支払った税金の使われ方をチェックする有り難き監視者でもあります。そもそも行政は、優れた商品を開発し、優れた接客を行い、顧客に御納得いただけて初めて収入を得られる民間とは異なり、その具体的使途を必ずしも詳細には明らかにすることなく、あらかじめ税金を徴収することが許されているのです。それは本来、さまざまな公共の福祉を充実させるための機能を行政は担い続ける、との相互信頼関係の上に成り立っているのだと思います。
 自治体監査のあるべき姿として、行政が情報公開や説明責任を果たしたか否かをチェックし、また、その監査結果を通じて、住民の意思決定にとって有効な情報を提供する、いわば「住民本位の監査」が昨今、強く求められるようになったのも、行政は市民のために存在するとの相互信頼関係を保持し続けねば、民主主義そのものが衰えてしまいかねない、との危機感の現れでありましょう。
 監査委員制度には、納税者たる県民の信頼を得られるよう、公正・透明性が何よりも求められます。そして、「住民本位の監査」とは、身内の理論ではなく、県民の目線に立ったものでなければなりません。すなわち、市民自らのチェックであります。
 このような視点から、監査委員としてどのような方がふさわしいのか、また、どのような方であれば、県民の期待に応える監査を行っていただけるのか、熟慮を重ねた末、内山卓郎さんと松葉謙三さんの2名が監査委員として適任であると判断いたしました。
 内山卓郎さんも松葉謙三さんも、まさに市民の立場から、市民の目線で「税金の使われ方」に関し、行政をチェックしてこられた、実績ある方々であります。
 全国の自治体において、カラ出張、官官接待など、公金の不正支出が相次いだ際、本来、こうした違法・不正行為を正すべき、「自治体の内部事情に精通したプロフェッショナル」とされる監査委員は、その役割を必ずしも市民が期待したほどには果たすことができませんでした。当時、その代わりを担ったのが各地の市民オンブズマン、すなわち「市民の監視力」であったことは、議員の皆様も広く御承知でありましょう。
 内山卓郎さんは、公害・環境ジャーナリズムの先駆者として活躍され、現在は、フリーランスのジャーナリストとして、雑誌「世界」(岩波書店)等で論稿を発表されております。これまで、終始一貫して、市井の、一市民の立場から、長野県政のより良き改善を願って、県行政のありようをチェックしてこられております。また、30年余に及ぶ豊富な企業経営の経験もあり、行政運営の効率化に関しても、監査を通して貴重な御指摘をいただけるものと期待しております。
 松葉謙三さんは、弁護士として活躍される一方、現在、三重北市民オンブズマン代表として、自治体財務に関する地域住民の疑問を解決すべく、市民の先頭に立って自治体行政のチェックに取り組まれてきております。平成8年、三重県における旅費等の不正使用が摘発された際には、「最も不正支出の許されないセクション」であるはずの監査委員事務局自体の不正行為を明らかにし、現行の監査委員制度のあり方に重大な問題提起をされました。また、最近では、談合を排除し、公正・透明な入札制度の構築に向けて積極的に取り組まれるなど、一貫して「税金の使われ方」について、行政に対する忌憚(きたん)無き指摘や提言を発せられています。なお、松葉さんは、年齢や性別、肩書きや経歴、さらには国籍や障害の別を問わず、生きる意欲を有する方々に公正なチャンスを提供することを目標として掲げる長野県に魅力を感じてくださり、近く軽井沢に居を移される予定です。
 以上、住民自治の観点から求められる、これからの自治体監査のあるべき姿、すなわち、「住民本位の監査」を実現する上で、内山卓郎さん、松葉謙三さんこそ、長野県の新しき監査委員に適任であると考えております。
 以上2名の方に加え、議会からの御推薦をお願いしました県議会議員の石坂千穂さんを監査委員として選任いたしたく、議案を提出させていただきました。

 

 次に、「教育委員会委員の選任について」の議案であります。教育委員会委員は、残念ながら都合3回の県議会定例会で御同意いただけず、平成14年10月13日以降、約7か月にもわたって空席となっております。長野県教育が抱える山積する課題を速やかに解決し、教育県としての輝きを取り戻すためには、適任者を一刻も早く教育委員に任命することが、220万県民から選ばれた県知事に課せられた責務であると考えております。
 去る3月18日の県議会本会議での採決以降、私は教育委員の役割やそれにふさわしき人物像について、改めて熟慮を重ねてまいりました。私の教育に対する考え方の基本は、「今日の混迷する教育問題を議論し、解決していくためには、まさに子どもを顧客とし、保護者を株主として捉える視点が何よりも重要だ」というものです。この考えはこれまでも幾度となく述べてまいりましたし、今後も決して変わることのない信念であります。

 この信念に鑑(かんが)みて、教育委員の適任者を考えた場合、学校や教員の都合で教育を考えるのではなく、子どもの教育への権利を第一に考え、子どもやそれを支える親の苦しみや痛み、望み、希望を教育に生かせる人物であることが何よりも重要です。
 これに加え、これからの教育委員は、法律にあるように「人格が高潔で教育、学術及び文化に関し見識を有する」ことだけでは事足りず、「教育現場の様々な課題解決に積極的に主体的に取り組んでいく姿勢」も求められていると考えます。4月2日に提出された「飯田高等学校生徒刺殺事件検証委員会 提言」においても、学校が関係する重大事件が発生した場合、「被害者アドバイザー」として、教育委員が現場で被害者のケアにあたることが提言されているのも、「教育委員の具体的な教育問題への積極的な関与が必要」という考え方からだと理解しています。
 この2つの観点から教育委員会委員としての適任者を、改めて虚心坦懐に考え直しました結果、前島章良さんが相応しいとの結論に達しました。
 皆様には、2月14日に県庁において前島章良さんが講演された講演録「息子に教えられた人生」を改めてお読みいただきますようお願い申し上げます。また、過日、議員の有志の方々が、前島章良さんの講演会を開催され、直接、質疑の場を設けられましたように、是非、多くの皆様が前島さんのお話をお聞きいただけることを願っています。必ずや、前島章良さんの考え方やこれまでの行動が、長野県教育にとってどれだけ貴重なものであるか、実感していただけるものと信じております。

 
 最後に、5月17日付け「長野市民新聞」から少しく引用することをお許しいただければと思います。「NHKテレビの人気番組『プロジェクトX』は、とりわけ中高年層に受けているらしい。(中略)逆境から立ち上がり、困難を克服して画期的な成果を手にするまでのサクセスストーリーが、自信を失いがちな彼らの励みになるのだろう」との一文で始まる「善光寺平」と題した第1面下のコラムは、「17年前、旧ソ連で起きた史上最悪の原発事故で、子供たちに甲状腺がんが多発し」、「医療技術の遅れから痛々しい傷跡や再発という深刻な後遺症が残った。」「実態を聞いた日本人医師が、大学医学部助教授という(中略)ポストを捨てて単身、現地に乗り込み、5年半にわたって最先端の医療技術を地域に根付かせるまでの経緯を追った最近の番組」を紹介しています。
 現在、衛生部長として医療行政の先頭に立っております菅谷昭に触れたこの記事は、「さまざまな困難に身を置いた人ほど、事の本質を見極める眼力が備わる。一見、意表を突くような知事の人事案件も、そういう目線で見れば納得がいくような気がしてくる。」と締めくくっています。
 常に私は、真の県民益を創出するべく、さまざまな判断を行うよう、自身に課してまいりました。今回の人事案もまた、そうした思いの下、選任させていただいております。

 
 以上、今回提出の議案に関する御説明を申し上げました。
 御審議及び議決の程、お願い申し上げます。

(2003年5月21日)

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