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最終更新日:2003年03月20日


平成13年2月長野県議会 知事議案説明要旨


1 所信表明

2 最近の経済動向

3 県財政の状況

4 平成13年度予算案の特色

5 平成13年度予算案の内容

   未来をはぐくむ資産

   新しい価値の創造

   安心のネットワーク

   安全で快適な生活空間

   世界と歩む共生社会 

6 おわりに

知事写真13

 本日ここに、県会議員の皆様にお集まりをいただき、平成13年度当初予算案を始め、長野県政の重要案件に関する御審議の機会を得ました点、誠に嬉(うれ)しく、まずは心より感謝申し上げます。
 さて、提出議案の説明に先立ちまして、県政運営に臨む県知事としての私の所信、最近の経済動向及び県財政の状況等に関し、お話申し上げたく存じます。

 昨年10月26日の就任以来、4ヶ月近くに亘って(わたって)私 田中康夫は、県民の皆様と県政のあり方に関し、極めて具体的に言葉を交わす、数多くの機会に恵まれました。長野県知事として誠に充実した日々を過ごさせていただける自身の運命に、改めて悦(よろこ)びを噛(か)み締めております。
 県庁1階に設けました硝子(ガラス)張りの知事室で、あらかじめ御予約いただいた皆様をお迎えする「ようこそ知事室へ」にはたくさんの御応募をいただいています。精神障害者の社会参加を地道に支援し続ける主婦が彼らとともに、護岸改修の再検討を訴える釣り好きの高校生が伊那谷から、更には建設会社の若き二代目が公共事業における入札制度の透明性を求めて。この他の訪問者も、長野県の現在と未来を真剣に考えておられ、むしろ私の方が数多くを学ばされます。
 そうした思いを抱くのは、県内各地で順次開催中の車座集会へ赴(おもむ)いた際にもです。今月出掛けた人口2千数百人の鬼無里村と栄村でも、4、5百名もの方々がお集まり下さり、いずれも3時間近く、御質問や御意見、御提言を活発にお寄せ下さいました。
 古希(こき)を疾(と)うに過ぎた御高齢の一人の医師が暮らす鬼無里村は、実質的には無医村状態だったにも拘(かかわ)らず、結果的に我々は行政として執るべき手立てを怠っていたのだと知ったのも、その場でした。制度を弾力的に運用し、こうした地区にも週に何日かの出張診療を行える態勢作りに着手するべく、今回の予算案にも早速、費用を計上いたしました。現場に出掛け、市民の声に耳を傾けねばならぬ、と改めて痛感した一例です。
 原則として毎週木曜日に開催の、県職員との車座集会も、既に県庁のみならず松本、上田、大町、木曽の各合同庁舎でも実施し、パブリック・サーヴァントとしての理念の共有化に努めています。加えて新年度からは、各地域に点在する庁舎の一画に机を借り、1ヶ月に連続3日乃至(ないし)は4日間、県庁を離れて執務を行い、今までにも増して数多くの現場を視察し、数多くの職員や県民と論議を深める県知事でありたいと考えています。
 私にとっては初めての経験でありました、先の12月県議会定例会における、知事議案説明要旨に付け加えての演説の最後で、パブリック・サーヴァントとして全身全霊を220万県民の幸せの為に投じる覚悟を改めて表明し、次の一文を申し述べました。「日本の背骨に位置し、数々の水源をも擁(よう)する、この長野県から、新しい民主主義のスタンダードとしての『長野モデル』を、向上心に溢(あふ)れる県民の皆様と共に構築してまいります」と。
 森林整備を大きな柱の一つに据えましたのも、こうした基本理念に基づく施策の一環です。営林という概念に留まらず、COを削減し、涵養林(かんようりん)としての保水機能を高める上でも、小まめな間伐を含む造林事業への傾注投資が、新世紀の長野県に課せられているのです。
 それは、林業と同じく労働集約型産業として知られる土木・建設業に携わる人々が依拠(いきょ)し続けたパラダイム、すなわち構造的枠組みを21世紀型へと変換していく第一歩でもあります。無論(むろん)、初年度から直ちに造林への雇用転換が円滑に進むとは限りますまい。数多(あまた)の困難も伴うでしょう。ですが、我々が暮らす日本という社会は今、130余年前の明治維新期にも似た大きな岐路に差し掛かっているのです。
 近い将来日本の建設市場は半減する、と全国的規模の建設業団体の会長が公言する時代です。長野県のみが例外であるはずもなく、とするならば座して手を拱(こまね)く事態を回避し、土木・建設業に現場で従事する県民の生活を手立てする選択こそは、"サーヴァント・リーダー"たる県知事の責務です。従来、取り分け中山間地域で公共事業に携わってこられた方々が、部分的、段階的にせよ森林整備で労働の対価を得られる方策を、平成13年度から押し進めてまいります。
 同時に、一昨日の「脱ダム宣言」でも申し上げましたが、数百億円を投じて建設されるコンクリートのダムは、看過(かんか)し得ぬ負荷を地球環境へと与えます。さらにはいずれ造り替えねばならず、その間にダム湖に堆積した夥(おびただ)しい分量の堆砂(たいさ)を、此又(これまた)数十億円を投じて処理せねばならぬ事態も生じます。よしんば、河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を、我々は重視すべきなのです。別(わ)けても日本の背骨に位置し、数多(あまた)の水源を擁(よう)する長野県には、県境を越えた下流域に暮らす市民に対する、真の意味での治水と利水の責任も存在すると考えます。
 真新しき理念と発想に基づく森林整備も河川改修も、まずは隗(かい)より始めねば詮方(せんかた)ないのです。自ら歩み出したならば、真っ当に暮らす個々人と企業市民から物心両面にわたる全国的規模での幅広い御支援と御参加を得て、必ずや「長野モデル」として確立するでありましょう。
 長野県には地質構造線が走り、複数の活火山も存在します。1月末の大雪などで無念の死を遂げられた方々に、哀悼(あいとう)の意を改めて表するとともに、天災・人災を問わず不測の事態に対処するべく、災害危機管理指令室なる仮称で想定する組織の早期立ち上げと充実を目指します。併せて、地震等の大災害に遭遇した県内外の市民の、生きた智恵としての具体的対処法を編纂(へんさん)したハンドブックを作成します。
 また、長野県政策評価制度を4月からスタートさせます。ステップ1との位置付けの下、皆様の御意見を伺いながら、引き続き改善を図ります。入札制度に関しても抜本的見直しを行い、公明正大なるシステム化を目指します。
 碩学(せきがく)として評価高き知の最高峰を招いての「トークセッション21」。この御時世に於いても活気に満ち溢(あふ)れる全国各地の商店街から経営者を招いてミニ車座形式で刺激し合う「賑(にぎ)わい創出研究会」。年来の私の友人に当たる世界的ソムリエ田崎真也、東部町在住の玉村豊男の両氏と共に、意欲ある農業者と食品産業・観光業等の関係者が侃々諤々(かんかんがくがく)と議論し合う「あぐりビジネス侃諤(かんがく)プラザ」。松本市を流れる女鳥羽川の護岸・河床改修のあり方に関して検討し合う「女鳥羽川水辺のあり方検討会」。そのいずれもに、県民は自由に参加し、自由に発言出来るのです。
 先の12月県議会定例会の場でも、願わくば創造的議論−クリエイティヴ・コンフリクトが活発に交わされんことを、と申し上げました。思考停止状態に市民を陥らせるリーダーは、ポピュリスト即ち大衆扇動家に他なりません。他方、サーヴァント・リーダー、つまりは公僕としてのリーダーを少なからず自任する私は、一人一人の長野県民が自分の言葉で自分の考えを語り得る思考覚醒状態を環境設定すべく、就任以来、県民参加型の行政システムの構築を自らに課してきました。
 今後も終始一貫、私利私欲とは無縁の決断を行う県知事としての矜持(きょうじ)を抱き続ける、と県民の皆様にお誓い申し上げ、最近の経済動向及び県財政の状況説明へと移らせていただきます。

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 既に多くの皆様方におかれましても御認識のように、雇用情勢はなおも厳しく、個人消費も横這い(よこばい)、家計部門の改善が遅れる日本経済の先行きは、いまだ不透明ではあります。もっとも、企業部門を中心に設備投資等、自律的な回復に向けた動きが継続し、全般としての景気は、テンポが緩やかになっているものの改善を続けております。この点は、IT関連産業が牽引役を果たしている県内においても、おおむね同様の状況です。
 今後の見通しとして、緩やかな雇用・所得環境の改善や、企業の増益基調の継続を背景に、個人消費や設備投資等の民需を中心として、自律的回復軌道をたどると政府は捉えており、平成13年度の実質経済成長率は1.7%になるものとしております。
 とはいえ、国外に目を向けますと、アメリカ経済の減速、原油価格や為替の動向、そして国内においては株価や地価の下落、高水準の企業倒産など、いくつかの懸念材料もあり、今後も経済動向には引き続き、十分なる注意を払っていかなければならないものと考えております。

 かくなる状況の下、平成13年度の国家予算案は、厳しい財政状況に配慮して公債発行額の縮減に努めながらも、IT革命の推進、環境や高齢化への対応等、21世紀の発展基盤の構築、景気を自律的な回復軌道へと確実に乗せるための施策を盛り込み、一般歳出では対前年比1.2%増の約48兆6,000億円となっております。また、本年1月から、省庁再編成が実施され、1府12省庁体制へと改められました。明治維新にも喩(たと)え得る、大きな時代の転換点を迎えつつある今、本県の行政組織に関しても、望ましき組織と職員のあり方を鋭意、検討してまいります。
 地方財政対策では、地方税で若干の増を見込んでおりますが、歳出面での公債費等の増大、社会福祉施策の充実や情報化への対応などにより、昨年度に引き続き大幅な財源不足への対応が重要課題となっております。この点に関しましては、地方交付税や赤字地方債であります臨時財政対策債の発行などの措置を行い、必要な財源の確保をすることとしております。

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 平成13年度の県財政に関して、申し上げます。景気の緩やかな回復基調を反映して、県税はほぼ前年並みの税収が見込まれますが、他方、原資となる国税収入の伸び悩みなどから、地方交付税は相当のマイナスとなることが予想され、一般財源の確保は引き続き、容易ならざる状況にあります。一方、歳出面では、生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りに至るまで、県民一人当たり70万円以上もの借金額に当たる1兆6千億円を超える県債残高を返済するための公債費に加えて、介護保険など社会福祉関係費の増大なども見込まれ、基金や県債に頼らざるを得ない厳しい財政運営を強いられることは必至であります。県民益を損ねるであろう新たな事業を、県民に対して説明し得る言葉も持たぬまま、旧来型の政治的判断で執り行う安逸(あんいつ)はもはや、許されません。より少ない金額でより多くの効果をもたらす公共投資のあり方を今後、更に追求してまいります。その上で初めて、危機的状況下の財政再建に対する、県民の皆様からの御理解と御協力を賜れると考えます。当初予算案の策定に当たっては、中期的な健全財政の維持にも配慮しながら、基金はもとより、県債の効果的な活用や未利用県有地の処分、県民の皆様に御負担いただく使用料や手数料の見直しなど、多様な財源の確保に努め、また、行政改革大綱に沿って組織・定数と事務事業の徹底した見直しを行いながら、これからの県民生活にとって真に必要な事業を計画的・重点的に推進することとし、編成いたしました。

 さて、今定例会に提出いたしました平成13年度の予算案、その他の案件に関して、御説明申し上げます。
 当初予算案の総額は、一般会計1兆303億8,250万1千円、特別会計354億551万5千円、企業特別会計572億7,687万1千円であります。
 特別会計は、公債費特別会計など11会計、企業特別会計は、病院事業会計など5会計であります。

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 平成13年度予算案は、長野県長期構想や第二次長野県中期総合計画など県政の連続性をも踏まえながら、県政が直面している重要な課題に積極対応いたしました。まずは、その特色について御説明申し上げます。 

 第一は、IT化の推進であります。IT、すなわち情報通信技術は、行政や産業の分野にとどまらず、今後の私たちの日常生活においても、利便性と新たな価値を創出する記号として、大いに期待されております。このため、昨年12月に設置いたしました情報通信技術活用推進本部を中心に、医療・福祉や教育、防災など様々な分野に積極的な導入を図ってまいります。現在実施しておりますIT講習につきましては、講師に地域の人材を活用しながら、子育て中の女性や身体障害者などあらゆる県民が利用しやすい環境の整備を図るほか、盲・ろう・養護学校や高校などでのパソコンの整備、図書館や生涯学習におけるネットワーク化などを促進してまいります。

 第二は、福祉のまちづくりの推進であります。高齢者や障害者が安心して暮らせ、そして気軽に街の中に出ていけるよう、福祉のまちづくりを一層促進してまいります。県庁などを訪れる障害者や高齢者、子ども連れの方々など、様々な利用者の形態に目配りしたトイレの設置・改修を計画的に進めていくほか、社会福祉・医療関係施設や公共交通施設にも、エレベーター、車いす用スロープを整備するなど、高齢者や障害者に配慮した施設の一層の充実に努めて、バリアフリーを促進してまいります。さらに、新年度からは、バリアフリーの面的な整備を図るため、県内にモデル地区を指定し、必要な施設整備や融資などの支援を行ってまいります。

 第三は、障害者が利用する施設の充実であります。西駒郷と稲荷山養護学校につきましては老朽化が進み、改築が必要となっているところですが、まずは稲荷山養護学校に関し、長野市南部地区などの知的障害児も受け入れることが可能な全面的な改築に向けて、測量や地質調査、基本設計を行ってまいります。また、西駒郷につきましては、隣接する県立駒ヶ根病院とともにそのあり方も含め、今後の改築に向けての具体的検討を始めてまいります。
 さらに、環境整備が特に必要な養護学校や社会福祉関係施設などについても、教職員体制の充実や施設・設備の改修、通学手段の確保など、利用者の立場に立った環境の改善を促進してまいります。

 第四は、教育問題であります。現在学校教育において取り組むべき課題は学力の向上をはじめ多岐にわたっており、不登校や中途退学などの問題は多様で複雑化してきております。このような中で県民の関心も極めて高い教育問題につきましては、高校通学区の見直しをはじめ今後の長野県教育のあり方全般について、様々な方の意見を頂戴(ちょうだい)しながら、いま一度足元から検討を行ってまいります。

 第五は、森林整備の促進であります。繰り返し申し上げるが如(ごと)く、本県は日本の背骨に位置し、水源となる森林が県土の約八割を占めております。また、森林は、災害の防止など国土の保全はもとより、大気の浄化など環境の保全、資源の持続的供給、心身の癒(いや)しなど多くの機能を持っておりますし、森林整備を促進することには新たな雇用創出効果とそれに伴う土木・建設業など他産業の参入も期待できるところであります。このような森林を保全・育成すべく、百年の計とも言うべき息の長い事業ではありますが、長野県から始まる一つの運動として企業やNPO、地域社会とも連携を強めながら、積極的に間伐などの森林づくりに力を注いでまいります。

 第六は、公共投資のあり方の見直しであります。旧来のいわゆる三公共を中心とした公共投資から、福祉・教育・環境など県民生活を重視した公共投資へと、予算の重点化を図ってまいります。こうした中、公共事業の抜本的な見直しを行ってまいります。
 ダム行政につきましては、「脱ダム宣言」に基づき、下諏訪ダムは現行のダム計画は中止することとし、用地買収を予定していた地権者に十分配慮しながら、ダムによらない治水、利水への対応について検討してまいります。既に大仏ダムも建設中止を決め、森林の持つ水土保全の機能をも勘案し、各部局の連携の下でダムに替わる多角的な治水対策を調査・検討・実行してまいります。また、浅川ダムにつきましては、当初予算においては必要な調査費等を計上することとし、ダムを含めた治水対策について検討委員会を設け、多角的な検討を進めてまいります。
 松本糸魚川連絡道路につきましては、今後、私自身が現地に足を運び、住民の皆さんと平場での話し合いを重ねる中で、一定の方向を見いだしてまいりたいと考えております。新年度予算では、そのために必要な調査・検討の費用を計上いたしました。
 子ども未来センターにつきましては、ディレクターを中心とする検討委員会において、南箕輪村での設置を前提に、そのあり方を含めて検討することとしておりますので、それらの状況を見ながら、今後必要な手だてを講じてまいりたいと存じます。
 なお、木曽地域におきましては、幹線道路である国道19号において、大型自動車の通行や不時の通行止めなどにより沿線住民の生活に支障が生じていることから、その改善を国に働きかけていくとともに、中信地域の物流・経済にも効果が期待できる木曽川右岸道路の整備につきまして、今年度重点的に投資を行い工事の進捗(しんちょく)を図り、新規着工を促進するため必要な調査も行ってまいります。
 いずれにいたしましても、公共事業につきましては、本県においては今なお社会資本の整備が必要であることや、景気の下支えとして一定の役割を果たしてきたことに鑑(かんが)み、引き続き実施していくことが必要ではありますが、その内容については、抜本的に見直すこととし、限られた財源の中で、重点化と効率化を徹底することといたしました。具体的には、災害関係など県民の生命や安全に係わる事業や、今年度に実施することで早期完成が図られる事業、県民生活を質的に増進する事業などについて、重点的に推進することといたしました。また、従来は公共事業や県単独事業などにつきましては、当初予算のほか9月補正においても追加し、対応してまいりましたが、今年度は、県民の皆様に一年間を通じた事業内容を明らかにし、計画的に実施するべく、原則として当初予算において年間の必要額を一括して計上いたしました。

 なお、新年度予算につきましては、予算を編成する時だけでなく、その具体的な執行の段階におきましてもきめ細かく目配りを行い、限られた予算でより大きな県民益が上げられますよう、常に努めてまいりたいと存じます。

 県政の運営につきましては、いささか硬直化し、疲弊気味な現在の民主主義におけるプロセスの見直しを行い、県民と同じ目線に立って、県政を運営してまいります。今後も現場主義の徹底や車座集会、知事室での懇談などを通じて、県政への県民参加を促進するとともに、本年4月から実施となります新たな情報公開制度の適切な運用などを通じて、開かれた県政の一層の推進に努めてまいります。
 また、縦割り行政の弊害から脱却して、多様な県民ニーズに的確に対応し、総合的な視点に立って一体的な政策を遂行するべく、新たに政策秘書室を設けます。農産物のマーケティング戦略や木曽川右岸道路の整備などいくつかの主要な課題についてプロジェクトチームを発足させて検討を進めてまいります。また、県内外の有識者を特別顧問として任命し、当面する重要課題や今後の長野県のあり方などについて助言を得ながら議論を深めてまいります。さらに、県の施策が県民生活に確かな効果をもたらしているかという点を見据えて県政を推進しながら、施策の課題や対応方向について県民に説明責任を果たし、パートナーシップを築いていくため、政策評価制度ステップ1をまずは実施してまいります。これらの取組を通じまして、新たな県民参加型の行政システムづくりと、真の県民益の実現に力を注いでまいります。

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 それでは、具体的な予算案の内容について、以下、主な施策を順次、御説明申し上げます。
 第一に、「未来をはぐくむ資産」です。
 最初に、豊かな環境の保全について申し上げます。
 「かけがえのない地球」という言葉は、今から30年近く前に、初めてストックホルムで国連人間環境会議が開催されたときの標語ですが、いかなる時代にあっても、環境は、我々人類のみならずすべての生物が生存する根元的な基盤です。行政においても、本年2月に取得いたしましたISO14001のシステムに則(のっと)り、地球温暖化の防止やダイオキシン類問題への対応など、新たな、そして困難な課題に取り組まなければなりませんし、また、県民一人一人が、あらゆる資源は決して無限ではないことを再度認識し、足元の小さな日々の心掛けから、循環型社会の形成に向けて実践を積み重ねていかなければなりません。
 地球の温暖化対策につきましては、新しく改定いたしました長野県環境基本計画の重点項目に掲げ、今後積極的に取り組んでまいります。新年度においては、温室効果ガスの排出量の実態調査を実施するとともに、長野県環境保全協会を「地球温暖化防止活動推進センター」として指定し、NPOへの支援を行うなど、行政と県民、事業者が一体となって温暖化の防止に努めてまいります。
 工場や事業所などで使用される化学物質による健康や生態系への影響を未然に防止するため、本年4月から、いわゆるPRTR法が全面的に施行となります。県民の健康への影響の防止と不安の解消に向け、法の適正な執行を図り、事業者による化学物質の適正管理の促進に努めてまいります。また、ダイオキシン類対策につきましては、引き続き汚染状況の実態把握や、住民、事業者などへの情報提供などに努めてまいります。
 循環型社会の形成につきましては、循環型社会形成推進協議会を設置し、廃棄物の減量化とリサイクルの推進、適正処理などを一層促進するため、県内の各界各層による幅広い運動を目指して取り組んでまいります。また、昨年は、循環型社会形成推進基本法をはじめとして、循環型社会の形成に向けて様々な法制度が整いました。これらの法の適正な執行とともに、廃棄物の減量化やリサイクルの目標、一般廃棄物の広域的な処理、産業廃棄物処理施設の確保など、今後の廃棄物処理の指針となる新たな計画を策定し、必要な施策を総合的に推進してまいりたいと存じます。 
 廃棄物処理事業団による処理施設の整備につきましては、阿智村における施設が建設着手となりますので、これに対して支援をしてまいります。豊科町に予定しておりました施設につきましては新たな委員会を設置し、いままでの経過及び取組の反省点を踏まえ、立地選定の妥当性や施設の安全性などについて、鋭意検討を進めてまいります。
 廃棄物の不法投棄等につきましては、新たに24時間フリーダイヤルによる不法投棄110番を開設するほか、昨年配置いたしました不法投棄監視連絡員を50人から100人に増員するなど、監視体制の強化と早期・適切な対応を図ってまいります。
 このほか、山岳における山小屋のし尿処理施設の整備に対する助成や、従来の自然保護指導員をボランティアによる自然保護レンジャーとして増員するなど自然環境の保全に力を注ぎます。このほかにも、障害者のための自然探勝(たんしょう)会の充実や、日本百名山に数えられている霧ケ峰をはじめとした登山道の整備への助成、ボランティアによる高山植生の復元への支援などを通じて、人々が安全で快適に自然とふれあえるよう努めてまいります。

 次に、個性が生きる人づくりについて申し上げます。
 学校教育のみならず、学校、家庭、地域がともに手を組みながら、福祉や保健・医療、スポーツなどあらゆる面から、今、子どもたちのために何が必要かについて真剣に考え、真摯(しんし)に取り組んでいかなければなりません。そこで新しい長野県の教育のあり方について議論し、今後のあるべき姿について提言するべく、新たに知事直轄の検討部門となる会議を発足させてまいりたいと存じます。
 新年度の事業につきましては、義務教育においては、基礎学力の向上を図り、学校でのきめ細かな指導を実現するため、少人数による学習集団を編成して基本的教科について授業を行い、多様な集団の中で児童・生徒の学力と個性を育んでいく上でも、必要な教員の配置を行ってまいります。 
 高校教育については、現在12に分かれている高校の通学区について、中等教育の一層の充実を図り、また、生徒の選択の幅を広げる観点から、有識者や県民など広く意見を聞きながら、見直しに着手してまいります。また、高校の各教室へのパソコン設置やインターネットへの接続など校内LANの構築を計画的に進め、情報化に対応した学習環境を整備します。個性ある高校づくりにつきましては、上田染谷丘高校に国際教養科を設け、また、夜間のみならず昼間も開講する多部制の単位制による新たな定時制高校の開設に向けて、学校のあり方などについて有識者や地域住民との対話を重ねながら、検討を始めてまいります。更に、農業科や林業科などを有する高校にアジアからの留学生を受け入れ、生徒の国際感覚や幅広い視野を育み、併せて本県の文化や特色を発信できるよう検討してまいります。
 また、不登校児童・生徒につきましては、引き続き心の相談員や中間教室による対応のほか、複雑で難しい問題に対しては臨床心理士等の専門家によりカウンセリングを行うなど、相談・指導体制を充実してまいります。
 障害のある子どもたちへの教育につきましては、先ほど申しましたように、児童・生徒の処遇と教育の向上のため、教職員体制を充実するほか、通学の利便性を高めるため、スクールバスの配置を増やしてまいります。施設面では、老朽化した校舎やプールの改修を促進しながら、車いす対応のトイレへの改修、冷房設備の充実など、子どもたちが安心して快適な学校生活を送れるよう教育環境の改善に努めてまいります。 
 私立学校の振興につきましては、父母負担の軽減を図るため運営費などに対して引き続き助成してまいります。さらに、平成14年4月を目標に、東京理科大学諏訪短期大学が4年制へと移行し、学校法人松商学園が松本大学を設置することに伴い、その整備に必要な経費に対して、引き続き助成します。評価高き学園たらんことを切に願います。
 青少年の健全育成につきましては、学校・地域・家庭が一体となって、青少年を取り巻く社会環境の浄化活動と非行防止を進め、次代を担う青少年が社会の一員としての自覚を持ち、健全に育つ環境づくりに努めてまいります。

 次に、可能性が広がる地域づくりにつきましては、広域行政圏が実施いたします広域的なイベントや河川の上下流の県境を越えた交流などを引き続き支援し、地域間の活発な交流による新たな活力の創出に努めてまいります。また、過疎対策につきましては、新たに、地域の自立促進と美しく風格のある国土の形成などを目的とした、過疎地域自立促進特別措置法が制定されましたので、新法の趣旨を踏まえ、過疎地域の振興と自立を促進するための様々な支援を行ってまいりたいと存じます。
 市町村合併につきましては、先般、住民が合併について議論するために必要な情報や合併に際しての支援策などを内容とする市町村合併推進要綱を策定いたしました。この要綱を踏まえて、合併に向けた気運の醸成を図りながら、具体的な検討を行う市町村に対して必要な支援を行い、地域の実情に応じた自主的な市町村合併の促進を図ってまいります。

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 第二に、「新しい価値の創造」について申し上げます。
 まず、時代のニーズにこたえる産業づくりについて申し上げます。
 情報化の急激な進展と相まって、企業の経済活動は、情報、金融、人材、投資などあらゆる面において、地球規模で緊密に関連し合うようになり、経済のグローバル化は急速に進んでおります。このような中、国際的な水平分業化が進むに従い東アジア諸国などの役割が拡大するとともに、一層の市場開放が求められており、本県企業にとりましても今後の厳しい国際競争を見据えた産業構造の再構築が喫緊(きっきん)の課題となっております。
 このように経済社会のダイナミックな動きの中で、県内景気は回復基調にあるとはいえ、足元の経営環境にはまだ厳しいものがあります。円滑な資金融資や技術支援などを通じて、経営体質の強化を支援するとともに、企業が自発的に取り組もうとする経営革新や新分野への進出などに対しても積極的に支援をしてまいります。同時に、新たな産業の創出など消費者の多種・多様なニーズに的確に応えるための取組を支援する体制の整備にも、一層の努力を注いでまいります。
 工業試験場に整備を進めてまいりました長野創業支援センターが完成の運びになりました。今後、岡谷創業支援センターとも密接な連携を取りながら、経営・技術指導などを通じて創業希望者等の事業化を積極的に支援してまいります。
 創業や経営上の課題を抱える小規模企業の身近な相談窓口であるチャレンジ起業相談室は、相談・開業実績ともに好調でありますので、県下6か所の商工会議所等に設置していたものを、10か所へと拡充してまいります。また、中小企業支援センターにつきましては、中小企業総合指導所を統合して相談窓口を一元化するとともに、福祉・医療や情報通信など今後成長が期待される分野におけるビジネスの創出をはじめ、新製品の事業化や新技術の開発に積極的に取り組むベンチャー企業への支援施策の充実を図ってまいります。
 制度資金につきましては、ダイオキシン排出基準に適合した産業廃棄物の焼却施設の設置・改修や、商店街の空店舗への出店、大型店の撤退等による影響などに貸付対象を拡充するとともに、資金需要が高まってきた企業立地資金など新産業開発資金の貸付枠を拡大するなど、中小企業者の資金調達の円滑化を支援してまいります。
 商業、サービス業につきましては、従来の指導や補助金にとどまらず、県自らのコーディネイトで、全国各地の活気に満ち溢(あふ)れた商店街の経営者を招き、ミニ車座集会を県内一円で開催する、賑(にぎ)わい創出研究会を設置します。
 観光につきましては、自然環境をはじめとして数々のコンテンツに恵まれた地の利を存分に活かし、真っ当なサービスを提供する勘性に富んだ人材を育んでいくためのホスピタリティ研究会を設けます。また、国内消費が低迷し、観光地間の競争が激化する中で、新たな観光ビジョンをもとに、地域のトータル産業とも呼び得る県内観光の一層の振興を図ってまいります。今後の需要が期待される台湾、韓国などのアジア地域にも目を向け、誘客宣伝活動を展開するとともに、観光ボランティアやインストラクターの活用、関係諸団体と協力して実施するキャンペーンなど、本県の人的あるいは物的な観光資源や高速交通網をも十二分に活用しながら、幅広く観光客の誘致を促進してまいります。

 農業につきましては、就農者の減少や高齢化など大変厳しい状況にありますが、幸いにして自力本願的な意欲と志を有する農家の皆様や関係諸団体とも手を携え、本県の特色ある農産物や農産加工品のPRにも努めながら、引き続き積極的に諸施策を展開し、個性と魅力ある農業の振興を図ってまいります。
 このためにも、本県の優れた農産物の高付加価値化を進めながら、信州農産物のブランドイメージ確立を目指し、新たにプロジェクトチームを設置してマーケティング戦略を推進してまいります。私の個人的ネットワークを活かし、世界的ソムリエの田崎真也氏、東部町在住の玉村豊男氏の2名があぐり指南役に就任し、花き・きのこ・乳製品・食肉・ワインの5項目のブランドイメージを高めます。
 また、生産・加工などの基盤整備を促進するとともに、関係機関との連携の下で、本県農業の基幹である園芸作物について、新たな品種の産地化や地域の特産物の生産と流通の一層の振興を図りながら園芸王国づくりに努めてまいります。更に、就農者の確保・定着を図る新規就農対策や農業の担い手の育成、意欲的な経営体と兼業農家や高齢農家が地域において相互に支え合う、地域営農システムを促進してまいります。
 本県の特産物である、りんごの生産農家の経営の安定と担い手の確保を図るため、新たに長野県果実生産出荷安定基金協会に対し資金的助成を行い、りんごの価格が下落した際の補てんを行ってまいります。
 また、新たな食肉衛生基準に対応して安心で安全な食肉を供給するため、食肉処理施設の改修に対する必要な助成も行ってまいります。
 林業につきましては、先ほど申し上げました造林事業の積極的な推進とともに、松くい虫被害の抑止など、健全な森林の整備を通じて森林の持つ多様な公益的機能を維持しつつ、林業労働者や後継者の育成・確保を図りながら、持続可能な林業の確立を図ってまいります。また、インターネットの活用等による県内外に向けた県産材についての情報発信など積極的なPRに努めるほか、県産材を利用した公共施設の整備に助成するなど県産材の需要の拡大に努めてまいります。

 次に、文化につきましては、文化会館や東山魁夷館などの県立文化施設において、優れた音楽や芸術の鑑賞機会等を設け、県民の芸術文化活動を奨励してまいります。
 スポーツにつきましては、松本平広域公園内に平成10年度から工事を進めてまいりました総合球技場「アルウィン」が5月末にオープンの運びとなります。サッカー・ラグビーをはじめとして、多くの県民の皆様の御利用を期待いたします。このほか、来年3月に長野市で開催されます2002世界フィギュア選手権大会への助成や、長野オリンピック記念基金の活用による各種の国際大会や全国大会への支援などを通じて、選手の育成と競技力の向上を図ってまいります。
 情報化につきましては、先に述べたIT化の促進のほか、行政の情報化と地域社会の情報化を一体的に進めるべく「信州コミュニケーションネットワーク」の構築を予定より1年前倒しして推進してまいります。このため、庁内LANの整備の完成を図り、国や都道府県との間の総合行政ネットワークにも参加し、昨年度整備いたしました県と県内市町村等との間のネットワークを更に拡げてまいります。あわせて県のホームページにおいて申請や届出の書式を提供し、ホームページ自体も、より一層親しめるものとなるようにリニューアルするなど、県民生活の利便性の向上と行政事務の効率化・高度化を一層図ってまいります。

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 第三に、「安心のネットワーク」について申し上げます。
 少子・高齢化が進行し、社会の活力の低下が懸念されるなど、とかく高齢化社会がマイナスの印象で捉えられがちな中、全国よりも早い速度での高齢化が進んでいるにもかかわらず、本県では高齢者の就業率が高く、また、いわゆる健康余命が長いなど、高齢者の皆さんが職場、あるいは地域において元気に活躍されており、この点は、誠に心強い限りであります。県政におきましても保健・福祉・医療の連携を一層密接にとりながら、子どもから高齢者まで安心して生き生きと暮らせる社会を目指してまいります。
 最初に、健康に暮らせる社会づくりについて申し上げます。
 最近の保健・医療を取り巻く環境は、介護保険制度の発足や県民の健康に対する関心の高まりなど、大きく変化しております。呼応する形で今後、必要な病床数や保健・医療施策のあり方などを内容とする、新たな保健医療計画の策定に着手してまいります。
 医療供給体制の整備については、上伊那地域の救急医療や災害時の医療の確保を図るため、伊那中央病院の移転新築に助成し、県立病院については、須坂病院の脳神経外科の新設に伴う新棟の工事を年度内の完成を目指して進め、あわせて結核及び感染症の患者を受け入れる態勢を整えます。また、こども病院につきましては、周産期医療施設が完成し、昨年9月に総合周産期母子医療センターに指定いたしました。県内医療機関との連携の下、拠点病院として周産期医療の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。県立病院の経営は依然として厳しい状況にありますが、経営健全化計画に沿って、一層の改善を図ってまいりたいと存じます。
 看護大学におきましては、準備を進めてまいりました大学院博士課程を、本年4月から開設してまいります。

 次に、みんなで支えあう福祉社会づくりについて申し上げます。
 介護保険につきましては、昨年4月の制度発足以来1年を経過しようとしておりますが、この間大きな混乱もなくおおむね順調に実施することができました。引き続き市町村とも協力しながら、制度の適正かつ円滑な運営に努めてまいります。
 介護サービスにつきましては、研修や指導などを通じて、利用者本位のサービスの選択と適正な提供がなされるよう、環境整備を進め、制度の運営に必要な体制の一層の充実を目指します。また、ホームヘルプサービスをはじめ低所得者の利用料の負担軽減を図り、介護用品の支給や介護者交流会の開催などを通じて、それぞれの現場で心身ともに労苦の大きい家族を支援してまいります。
 介護予防・生活支援については、生活習慣病の予防などを通じて寝たきり防止のための施策を進めてまいります。また、介護を必要としない高齢者についても、デイサービスやホームヘルプサービスなど生活を支える保健・福祉サービスを提供するとともに、地域や個人の実情に応じてきめ細かなサービスが行えるよう事業のメニューを追加するなど施策の充実を図ってまいります。
 介護サービスの基盤となる施設の整備につきましては、特別養護老人ホームやデイサービスセンター、痴ほう性老人グループホームなど必要な施設の整備を一層促進するとともに、木曽病院の療養型病棟の工事に着工してまいります。
 次に、子育て環境の整備につきましては、少子化時代に対応し、安心して子どもを生み育てられるようにするため、新たに策定いたしました「長野県子育て応援プラン」に基づき、子どもの成長段階に応じた支援体制を整備し、子育てを地域のみんなで支える社会づくりを目指してまいります。
 このため、保健所や市町村における各種相談をはじめとする母子保健サービスの提供など、子どもたちの健やかな成長のために必要な施策を実施します。保育サービスについては、ライフスタイルの多様化に伴う様々な保育需要に応えるべく、休日・延長保育や低年齢児保育、障害児保育などの特別保育を一層拡充するほか、子育てについての相談・指導等、総合的な育児支援を行う子育て支援センターなどの整備を促進してまいります。
 現代社会が生んだ病とも言うべき児童虐待という痛ましき事態は、長野県においても例外ではありません。県下各地域の虐待防止ネットワークを中心に、県民の御理解と御協力を得ながら、2,800人を超える地域連絡員など関係機関等との連携を一層強化するほか、深刻化する問題の解決のために一層力を注いでまいります。
 障害者施策につきましては、現在の第二次長期行動計画は平成13年度で終了することから、平成23年度までの10年間の施策方針や前半5年間の数値目標などを内容とする第三次長期行動計画の策定に着手します。併せて、障害者自身の生活を自らの意志により選択でき、障害者の目線に立った福祉サービスを更に提供すべく、施策の計画的・総合的な実施に努めてまいります。 
 地域における障害者の生活を支えるため、ショートステイ、デイサービスなど在宅福祉サービスを一層充実するほか、重症心身障害児のための通園施設や地域療育支援施設、身体障害者自立生活支援センターを増設してまいります。また、先ほど申しましたように福祉のまちづくりを推進しながら、障害者のための総合的な施設「サンアップル」の機能を充実して利用促進を図るとともに、地方事務所等の手話通訳者を増員し、全広域に配置するなど、障害者の社会参加と福祉の増進に努めてまいります。更に、聴覚障害者の生活を支援するため、新たに聴導犬の給付を行ってまいります。
 障害者関係の施設整備につきましては、知的障害者の更生・授産施設や身体障害者のデイサービスセンター等の整備に助成してまいります。
 精神障害者につきましては、生活訓練施設や地域生活支援センターなどの整備に助成し、安心した自立生活と社会復帰を促進してまいります。さらには年々、通院治療を必要とする患者が増加する中で、休日・夜間において緊急に医療を必要とする精神障害者に対して医療体制を確保するため、中信地区に輪番制による精神科救急体制を追加することとし、これにより目標としておりました県下4ブロックに整備されることとなりました。

 次に、活力を生む労働環境づくりについて申し上げます。
 雇用対策につきましては、厳しい求職状況にある高校卒業者のための就職相談会をはじめ、各種就職相談活動や緊急雇用特別基金の活用などを通じて、公共職業安定所等とも連携をとりながら、引き続き雇用の創出・確保に努めてまいります。
 職業能力の開発につきましては、松本と飯田の両技術専門校の改築あるいは増築が完了いたしました。今年度新たにIT対応の職業訓練を導入するなど、各地域の技術専門校を中心に、時代の要請に応え、高度・専門的な技能・知識を備えた技術者の養成に努めてまいります。

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 第四に、「安全で快適な生活空間」について申し上げます。
 北陸新幹線につきましては、先般、政府において「概ね12年強後」と完成目途が示され、更に前進を見ることができました。長野・上越間においては、主要な三つのトンネル工事を中心に昨年来、足早に進展いたしておりますが、平成13年度には、橋梁に続いて明かり区間の工事にも着手してまいりますほか、組織面でも中野新幹線事務所を設置するなど体制を充実しながら、用地取得事務を始めてまいります。
 リニア中央新幹線につきましては、引き続き早期建設を求めて国等に働きかけてまいります。また、松本空港につきましては、空港の利便性の向上や利用促進への積極的な取組に努めてまいります。
 中部横断、中部縦貫、三遠南信の高規格幹線道路につきましては、それぞれ建設促進あるいは整備計画区間への格上げに向けた調査等を、また、その他の地域道路網につきましては、県民からの要望の強い生活関連道路の整備を計画的に進めてまいります。
 しなの鉄道につきましては、利用者の減少など非常に厳しい経営環境にあるため、経営改革検討委員会を設置し、経営再建に向けての検討を行いながら、経営上必要な財政支援をしてまいります。また、利用者の確保と利便性の向上を図るため、新駅を上田市に設置することに対して助成いたします。
 マイホームづくり資金につきましては、新たに二世帯住宅や、住宅性能表示制度において耐震等級など一定の基準を満たす住宅を融資対象に加えてまいります。県営住宅につきましては、既存住宅の建て替えを計画的に進めながら、高齢者や障害者にも配慮して住宅の質の向上を図ってまいります。
 防災対策につきましては、防災センターを中心に、災害や非常時に即応し、適切な対策が講じられるよう、インターネットを利用した防災情報の提供など、災害に備えた体制の整備に努めてまいります。また、自然災害を防止するため、引き続き治山・治水事業などを進めながら、土砂災害等の防止対策に必要な調査や地震対策のための調査・検討を進めてまいります。
 交通安全対策につきましては、昨年は一年間の死者の数が目標の200人を下回ったものの、依然として多くの方が交通事故により命をなくされ、また、事故件数と負傷者数は過去最高となっております。このため、高齢者による事故や夜間の事故の防止、シートベルトの着用などを中心に啓発や指導を進めるとともに、交通安全施設の整備を促進して交通事故の抑止に努めてまいります。 

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 第五に、「世界と歩む共生社会」について申し上げます。
国際化の進展は、県民の国際交流や国際協力への気運を一層高めております。国際交流員による交流機会の充実や海外技術研修員の受入れなど様々な施策を実施しながら、世界とつながり、世界と共に生きる長野県づくりを推進してまいります。
 男女共同参画の推進につきましては、新たな長野県男女共同参画計画「パートナーシップながの21」に基づき、人材育成、意識改革を図るためのシンポジウム等普及啓発など、施策を総合的、計画的に展開して男女共同参画社会の形成を促進してまいります。と同時に、引き続きファミリー・サポート・センターなど仕事と育児を両立できる環境の整備に努めてまいります。地域と行政のパイプ役を果たしておりますコミュニケーターにつきましては、新たに男性を含めて100人増員してまいります。
 ボランティア・NPO活動につきましては、社会的な役割と期待に鑑み、ボランティア交流センターや情報提供、研修などを通じて引き続きその活動を支援してまいります。
 昨年12月に更埴市に人権啓発センターが完成いたしました。人権問題に関する資料の展示や啓発資料の作成などセンターの機能を十分発揮させ、県民一人一人の人権尊重意識の高揚を図るとともに、同和問題をはじめあらゆる人権問題の解決を目指して所要の施策を推進し、人権が尊重される差別のない社会づくりに努めてまいります。

 以上、施策の概要について申し上げました。

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 条例案は、新設条例案1件、一部改正条例案23件の合わせて24件であります。新設する「警察署協議会条例案」は、警察法の一部改正に伴い、警察署協議会の設置その他必要な事項を定めるものであります。また、一部改正条例案のうち、福祉大学校、技術専門校、看護専門学校、公衆衛生専門学校、農業大学校及び林業大学校に係る条例の一部改正につきましては、従来、これらにおいては、入学料や授業料などをいただいておりませんでしたが、県民の皆様に公平で適正な負担をお願いするため、法により無料とされている技術専門校の短期課程を除き、新たに平成14年度の入学生から県立高校並みの入学料や授業料等を頂戴(ちょうだい)したく、これら関係条例について所要の改正をするものであります。

 事件案は、北陸新幹線建設事業の県負担金に対する市の負担についてなど、21件であります。

 専決処分の報告は、交通事故に係る損害賠償の専決処分報告など5件であります。

 なお、本日上程させていただきました平成13年度予算案の編成に当たりましては、県民及び県議会議員の皆様方から、数多くの具体的助言、建設的提言を賜りました。深く感謝を申し上げます。
 また、昨年の晩秋に私が就任以来、時間的制約をはじめとする様々な困難を物ともせず、それらの御助言や御提言を県民益として具体化するべく、予算編成に向けて奮闘し続けてくれた私の同志たるすべての県職員にも、謝意を表したく思います。

 以上、今回提出いたしました議案に関する御説明を申し上げました。御審議の程、どうかよろしくお願い申し上げます。

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(2001年2月22日)

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Tel 026-232-2002
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