Web Site 信州
トップページ戻る目的でさがす分野でさがす組織でさがすサイトマップ使い方ガイド
知事コーナーのトップへ  知事発言のトップへ
最終更新日:2002年1月15日


部課長級辞令交付訓示(2003年4月1日)


 正直こんなに時間がかかってしまうというのは、時間を守らない県知事として2年間やってきた中でも一番時間を守らなかった事例ではないかという気がいたします。しかしながら、昨年辞令交付をする時にお一人ずつ簡単ながらも言葉を掛けさせていただきました。私としてはそれぞれ、もちろんその中にはまだ昨年の段階では直接お目に掛かってお話しをする機会はほとんどなかった方もいらっしゃいます。けれどもそれぞれの職責に関して私が昨年1年4カ月程度の経験の中でその職責に対して期待をすることをお話しをさせていただきました。今年は、あるいはけれども皆さまのように多くの知識や経験というものがまだ会得できている立場ではありませんが、私がそれぞれの場所においてこれからの期間、皆さんが県民の新たな、さらなる奉仕者としてご尽力いただきたいと願うことを簡単ながらお話をさせていただきました。簡単ながらと思っていたのですが、だんだん時計を見ていますとだいぶたってまいりまして、大変にある意味では最後の方に辞令を渡した方には申し訳なかったなという気もいたします。ただ、これはもう今日、様々本来お話ししようと思っていたことがありますが、改めて申し上げるまでもないことばかりであろうと思います。もう繰り返し私が就任以来申し上げてきているように、私たちの仕事というものは県民へのサービスの仕事であります。そしてそれは通常、他の職種におきましてはよい商品をつくって、よい営業をして、よい接客をしてはじめて後からお代がちょうだいできるという仕事であります。そしてまた、そこにはコンペティター(competitor:競争者)と呼ばれる様々な競争相手がいるのが通常の私たちの営みであります。行政機関というものは、とりわけ長野県のように四方を山で区切られた位置においては、そこにお住まいの方々は私たちの行政サービスが著しく劣っていれば、あるいはそうお考えの方もいるかもしれませんが、関東地域であったり、あるい関西地域のように、単身者であっても住居を頻繁に移り替えるというようなことは少ないわけであります。その意味においては、行政サービスを行う私たちは極めて守られた場所にあります。けれども、私たちが先に税金という形でお代をちょうだいしたり、あるいはその税金の執行の先を詳細には申し上げることもなく人々が税をお支払いいただいているのは、それは私たちの行うことが優れて、まさに民間においてはなかなか実現ができない、けれども人々にとって極めて必要であるサービスに従事しているからであろうと、そのように思います。そしてそのことに私たちは改めて誇りを持つべきでありますし、誇りを持つと同時にそのことに努めて謙虚で市民と日々接しなくてはならないと思っております。
 今回、多くこの講堂にお集いの方のみならず、多くの職員に、より県民・市民のサービスの現場に近い場所で働いていただくという挑戦をお願いをしております。それはやはり私たちが福祉・医療・教育・環境と、あるいは産業・雇用というものによって新しい長野県の活力をつくると申しておりますが、まさに人が人のお世話をすることによって初めて成り立つという場所にこそ行政のサービスはふさわしいからであります。どんなにかコンピューターが発達しようとも、そのコンピューターの発達によってより迅速なサービスはできるかもしれませんが、行政に人々が期待するのは、やはり人間の体温が通った私たちが人を見つめ、人と同じ目線でその人の悲しみや、あるいは憤りというものを共有し、のみならず憤りや悲しみで留めることなく、いつの日かお互いが微笑むことができるような喜びを勝ち取るために奉仕者として力を尽くすということであろうと思っております。
 今日は皆さまは、新しい辞令を交付させていただいたので、通常胸にお付けの名札をお付けではありませんが、なぜ私がこの札を皆さんに付けるようにお願いするようになったかといえば、それは身分証明書とかあるいは皆さんを管理しようということなのではけっしてありません。そこに写真があり大きな字で名前が入っているということは、私たちが奉仕をする対象である県民の方に名前で呼んでいただき、そして親しみを込めて信頼を皆さんに県民から与えていただくというためであります。私が繰り返し皆さんに対外的な会合の場で名字だけでなくフルネームで名前を言って自己紹介をしてくださいと申し上げているのもその点にあります。すなわち、私は田中であります、小林でありますという時には、実はそれは匿名性に隠されているわけであります。バイネーム(by name:名前によって)で仕事をしようということを繰り返し申し上げてきておりますが、それは自分の氏名をきちんと名乗ることによって、まさに自分という自立をした個人が自分のためや周囲のためだけでなく、220万のこの長野県に一人ひとりの顔を持って集っている人のために尽くす責任ある立場にある、それはその職責に就いている職階というものが主査であったり主事であったり、そのことに関係なく年齢にも経験にも関係なく県民から税金をちょうだいして仕事をし、その中で私たちの生活費もいただく。その私たちは県民に対して個人として責任を持ち、そしてその個人が帰属する県という組織が、最終的には皆さまがなさる仕事のすべては私が逃げることなく共に責任を取るということを示すということです。ぜひ、これからも新しい職場においてもフルネームで自分の名前を言う。名前を言うということは、ある意味ではとても匿名性ではなくさらされることでもあります。けれども私たちはよい意味で市民から見られるということによって、なにか丸いつつがないことをしようという襟の正し方ではなく、市民の願いというものを前例に固執することなく、市民の願いを実現するための個人の集合体がこの長野県庁という3万人に及ぶ組織なのだということを自覚していく営みであろうと思っております。ぜひ、従来にも増して皆さんがそれぞれの現場において日々感じられたことを、県知事の私やあるいは副知事の阿部のもとへとご遠慮なさることなくお伝えをいただきたいと思います。そしてその時に報告をいただくだけでなく、皆さんも一人の個人としてその感じたことをどう解決していけばよいのかということを常にお考えいただき、またもし私が迅速な対応を皆さんから報告を受けても行うことができず、あるいはまたそれに対して画期的な解決の方法を私が見いだすことができなかったならば、私をも皆さんは同じ同士として県民のための奉仕者として適切な助言をいただきたいと思います。そしてその適切な助言は、より皆さんが私以上にも増して日々県民に近い場所でサービスを行うことによってこそはじめて届く、あるいは説得力のある言葉として助言をし、また実行へと移すことができる立場にあるということであろうかと思います。多くは語りません。日々の仕事の中において、皆さんもまた私からの連絡を待つだけでなく、皆さんからも感じたことをお伝えいただく。そのことによって私と皆さんだけでなくて、あるいは皆さんの職場の中においても、あるいは職場を超えて他の部署との間においても、まさにミューチュアル(mutual:相互の)に相互に連絡を取り合い、より誇らしい、より確かな長野県をつくる、着実で迅速な一歩一歩を進んでいく。そうした志のもとに集い続けるという喜びを感じることになろうと思っております。
 ぜひ、今日のこの瞬間も多く県民のために働いている私たちの職員がいます。皆さんもまた県民のために奉仕し、そしてそれは数字に換算できない県民からの、あるいは直接言葉をかけられることはないかもしれませんが、その県民の少しくはにかみながらもうれしそうな表情というものがなにものにも増して私たちの明日のさらなる奉仕者として働く確かな喜びへとつながっていくと。そのことをお互いにこの場で誓い合うことによって、今日このさらなる瞬間から長野県のさらなる着実な進歩のために共に歩んでまいりたいと思っております。そうした気持ちを持って皆さんに辞令を本日渡すことができたことを私もまた謙虚に喜びとして感謝をしたいと思いますし、ぜひ皆さんのさらなる奮励、努力をお願いを申し上げたいと思います。
 大変長い時間にわたってありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

<お問い合わせ先>
■ このページに関するご質問及びご意見は、経営戦略局までメールもしくは下記にご連絡ください。

秘書広報チーム
Tel 026-232-2002
/ Fax 026-235-6232

トップページ | 県からのお知らせ | くらしの情報 | 産業・経済の情報 | 県行政の情報  | 県内各地の情報 | リンク集
▲ このページのトップへ