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御遺族並びに御来賓各位の御参列の下、長野県戦没者追悼式を本日挙行するにあたり、県民を代表して式辞を申し述べます。
幾多の尊き命が失われた先の大戦から、早59年の歳月が過ぎ去りました。
筆舌に尽くし難き状況の下で、ふるさとを思い、家族を案じつつ亡くなられた5万5千名をも越える長野県関係戦没者の方々の御冥福を、心からお祈り申し上げます。
併せて、最愛の配偶者や御家族を突如、異郷の地で失われたにもかかわらず、今日まで社会の一員として御尽力下さった御遺族の皆様方に、改めて敬意と感謝を表します。
さて、戦後、半世紀を超える時が経過し、戦争を知らない世代が、県民の大半を占めるまでになり、戦争の記憶が薄れつつあると言われております。
しかしながら、今日の平和と繁栄が、戦争によって尊い命を落とされた方々の犠牲の上に築かれていることを、私たちは、ひとときも忘れてはなりません。
私たちは戦争という過ちを二度と繰り返してはならないのです。のみならず平時においても、行政に携わる私たちは、真っ当に営み、学び、はぐくむ市井の人々を突如奈落の底に突き落とすような、人間としての体温が感じられぬ施策や決定を断じて行ってはならないのです。
未だ地球上では、覇権主義的争いが絶えず、物質的繁栄は遂げたれども、恒久平和への道程は遙か遠いと、残念ながら言わざるを得ません。
再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう、恒久平和の実現に向けて最善を尽くすことこそが、人類の未来に対する私たちの責務であると確信しております。
無念の最後を遂げた、帰らざる人々の平和への願いを無にすることなく、長野県に暮らす私たちは、戦争の世紀と呼ばれた20世紀の歴史に目を見開き、ありのままに現実を見つめ、一人ひとりの市民が人として尽くし、人として遇される地球社会の実現へと向けて、全力を尽くして参りますことを、ここにお誓い申し上げます。
終わりに、戦没者の御霊の安らかなることを御祈念申し上げますとともに、御遺族の皆様方の御多幸と御健勝を心からお祈り申し上げまして、式辞といたします。
平成16年10月22日
長野県知事 田中康夫 |