知事会見
(
浅川治水対策、百条委員会について 他 )
|
平成18年(2006年)2月8日(水)
14:30〜15:25
県庁:表現センター
|
信州・長野県知事 田中康夫
それでは、2月の8日の知事会見です。
今日は、浅川の内水対策に関する基本的な考え方というものが今朝ほど議論を致しまして、その内容に関して私から簡単に、そして副本部長の青山篤司の方からご説明します。
また併せて、何人かの方からお問い合わせがあったので、県議会の百条委員会というものが今日開催されたそうで、私に関しての部分の何かご判断が出たそうなので、この点に関しては更に百条委員会は継続されておりますので、この時点においての私の見解だけ読み上げをさせていただこうと思います。この点に関しての質疑は、まだ委員会が継続中でございますから、現時点での私の感懐を述べるという形に致したいと思います。
浅川の内水対策でございます。これは幾人かの方の中には、あるいは浅川の内水対策というのは、千曲川の側のかなりの抜本的なですね、そして浅川とかなり密接な連携をした対策を行わねば解決しないのではないかというご懸念もあったかと思います。また併せて、以前に私どもの土木部長を務めておりました国土交通省から出向しておりました者も、浅川ダムを仮に造っても下流域のいわゆる内水の氾濫というもの、浸水というものは防ぎ得ないというふうに申し上げてきたところでございます。私たちとしては、12月に皆さん既にご存知のように浅川のいわゆる外水の対策に関してその考え方を取りまとめて、そして地域住民をはじめとする方々に広くご説明をしているところであります。他方でこの浅川の内水の対策に関しまして内部で引き続き検討してきておりましたが、過日来、複数回副本部長の青山篤司をはじめとする者から説明を受けまして、この下流域の部分に遊水地、概ね約21ヘクタールのもの、容量にして48万5千立方メートルのものを設ける。またいわゆる輪中堤でありますところの二線堤というものを浅川右岸の一部の場所に設けるということ、それから現在既設として毎秒44立方メートルの浅川排水機場のポンプ能力を毎秒70立方メートルへと増強をするという形、このことによって225棟の床上浸水というものを防ぐと。このことによって浅川の流域において床上浸水が起こり得ないようにするという計画でございます。この点は後程ご説明を致します。
無論浅川も千曲川に流れ込み、またその千曲川も中野市や飯山市、あるいは栄村を通り、新潟県、また日本海へと流れ込んでいる訳でありまして、こうした中においてこの内水の対策というものを立てております。一点後程またご説明を致しますが、こうした遊水地といものは既に国内において北海道、岩手県、宮城県、茨城県、もう1県、山形県において行われております。このうち宮城県で行われておりますものは県が行っているものであり、残りの4県に関しましては北海道開発局も含めまして国土交通省、国が行っているものであります。これらはいずれも、今回私たちは遊水地は面積に関して21ヘクタールでありますが、これよりも1桁多い数百ヘクタールの遊水地というものを地権者の方から「地役権」という、地面の「地」に役場の「役」に権利の「権」であります。これを設けて既に行っているところでありまして、これらも勘案をした上で今回の計画になっております。
あと百条委員会の方に関してでございます。この点は私の認識としてはすべては、去る10月9日の午前9時28分に私が岡部英則氏にメールを打ち、小生が指示したればこそ岡部氏は動き出したというふうに岡部氏が主張なさっている「事実」から、地元の新聞の報道も、総務警察委員会の開催も、更には百条委員会の設置も始まっている訳でございます。にも拘らずですね、しかしながらこの原点の「事実」が、あるいは「虚偽」ではないか、と問われていた訳でございまして、この点は正に百条委員会の沽券に関わる問題でありまして、であれば何よりも先ず、百条委員会がこの点に関して、それが事実か虚偽かを認定されるべきであると、いうことだったと思っております。この点は議会も県民も十二分に、私も含めて認識すべき点であったと思いますが、先程、午後にこの点に関しては虚偽ではないという判断が多数決によって出たということでございますので、そのすべてが、今回百条委員会が設置されるに至った問題は、10月9日のそのメールの発信から始まっているという岡部氏の主張が認められたという形かと思います。しかしながらこの点は恐らく私のみならず、多くのこの問題に関して少なからずと言うよりも少し、幾ばくかでも関心をお持ちの方からすれば、少しく首を傾げざるを得ない点ではなかろうかとも思います。ただこれは県民がお選びになった議会の方々が法律に基づいて設置された百条委員会でのご判断でございます。私としては先般「議会は小説よりも奇なり」ということを申し上げましたが、縦しんばその機能が機能しているとして、ある意味では「議会は事実よりも奇なり」という状況に至っているのではないかというふうに思っております。これは冷静に申し上げてですね、ある意味では「長野裁判」という名の下に「東京裁判」よりも明らかに一方的で、半ば狂信的とも言える魔女狩りの歴史がこの信州の地で刻まれていく、という場に立ち会える数奇な運命をですね、私は県民と共に深く感謝を申し上げたいと思っております。以上であります。
(青山貞一(本県政策アドヴァイザー)のサイト(リンク))
では、あの浅川流域協議会を開催するという内容も含めて、では青山篤司の方からご説明致します。その後この問題に関しては質疑を簡単にお受け致します。
出納長 青山篤司
それではお手元に「浅川の内水対策に関する基本的な考え方」という資料が行っておりますので、その資料に基づきましてご説明を申し上げていきたいと思います。
まず整備の目標でございますけれども、今回の内水対策の目標としまして、下流部における既往最大内水被害となりました昭和58年9月洪水と同規模の出水に対しまして床上浸水被害を防止すると。この床上浸水被害の内容では、注に書いてございますように、宅地部における最大湛水深を30センチ以下に抑制すると、こういうことでございます。これを実現するということで、今後20年間に実施する具体的な内容として、浅川の外水対策と共にこの内水対策を長野圏域河川整備計画に位置付けていきたいと思います。
それではその目標の内容につきまして、もう少し説明したいと思います。すみませんが図面の4ページを見ていただきたいと思います。これが今申し上げました昭和58年9月、台風10号による内水被害の状況でございます。赤の線で囲ってございますが、その中のちょっと黄色い色を塗ってありますけれども、その部分が内水被害を受けた地域でございまして、その際の被害としましては床上浸水が331棟、それから床下浸水が188棟と、こういう状況でございました。それでは具体的に58年9月の台風10号というのはどういう雨の降り方だったかということを簡単に申し上げますが、9月27日から降り始めた雨が28日になりまして、時間雨量が多くなりまして、まあ29日はほとんど降ってません。それでその間に降った雨の総量が131ミリです。それで28日のこの一番降った時の24時間雨量が116ミリです。この時に出た最大の流量は160トンです。これが台風10号の時の、昭和58年の時のまず雨の降り方だということでまず認識していただきたいと思います。
それで、しからばその時にどういう対応をしたかっていうのですが、この図面のですね一番右のちょっと下がったところに、この浅川の千曲川に出るところがございますよね、番号が12でふってありますけども、ここにですね千曲川に排出する浅川に樋門がございます。この樋門を通じてまあ普通の場合は浅川の水っていうのは千曲川に流れ込んでいると。それでただしですね問題は何で内水対策ってのは必要かっていうふうになりますと、この千曲川の水位が上がってきまして、浅川の水位より千曲川の水位が上がった場合についてはもう排水できない訳ですよね。逆にその場合どういうことが起こってくるかというと、千曲川の水が浅川の方へ流れてくる訳ですよね、これはご存知の通りだと思います。その場合につきましては、そうやって千曲川の水位の方が上がった場合について、これ樋門を閉じる訳ですよ。じゃあこの58年の時に樋門を閉じたのがどうかといいますと、28日17時から29日の午前5時まで樋門を閉じております。閉じました。これは事実です。閉じました。それでその時に当時ここに14トンのポンプが設置されてまして、14トンのポンプで排水してたんです、千曲川の方へ。だから千曲川への逆流を防いで樋門を閉じて千曲川へ排水した、14トンのポンプです。更にその後、29日のですね、今度は5時から11時の間はですねハイウォーターレベルってことで千曲川の水がこれ以上もう排水しちゃいけませんよって言った時にはポンプを止める訳です。その時間帯が5時半の時には、午前5時から午前11時まではもうポンプが止まっちゃった訳です。そうしますと、ポンプ能力が14トン、最大の流量が160トン、それはピーク時でございますけれども、いずれにしろポンプ能力と浅川の流量の差っていうのはどこに来るかっていうと、樋門が閉じてますから今ご覧の所へずっと水が内水として現れたと、これが昭和58年9月の状況です。
この状況を先程、知事が申し上げましたように、現在、その時は床上浸水が331棟ですが、今回の対策でこの331棟をゼロにするってことを目標にして内水対策を講じていこうと、こういうことでございます。それでですね、しからばその一番のその宅地の部分、要するに床上浸水を防止するって目標はどこにあるかという、その根拠でございますが、少なくともこの内水対策を講じる時に一番考えなくちゃいけないのは、要するに千曲川の水とこの浅川の水、あるいはその上流から入ってくる自然の水がどういう関係にあるか、要するに今ここに溜まった水を全部じゃ千曲のほうに出せばいいじゃないかといえばその分だけ千曲の水位が下流になって上がる訳ですよね。それで実際にですね昭和59年9月の時の千曲へのですね流入河川、主な流入河川、例えば沢山川とか蛭川、浅川、八木沢川こういう川で内水被害ってことで約1000戸、床上浸水の被害に遭ってます。床下浸水も500戸遭ってます。従って少なくとも私たちの目標とすればお互いにですね、千曲の水へ全部出すことも一方では考えられますが、リスクの負担をお互いに分け合いましょうということで、床上浸水までは対応しますけど床下浸水は受忍限度として我慢していただきたいと。しからばそんなとこなんにもないかというと先程申し上げました、14トンポンプというのは農地防災として昭和45年に設置されたものです。それは14トンが設置されていました。それは農地防災ってことで設置されております。従って、農地防災でやる部分と今回ですね、床上浸水を防止するまでという二つの切り口の中で、今回の対策部分というのは、床上をなくそうというところに最大限の目標をおいて対応していきたいと、このように思っております。
で、しからばどういう対策かってことにつきましては、先程知事のほうで骨子を申し上げました。1つはポンプ能力を今の能力よりアップして70トンにするということでございますが、今申し上げました昭和45年のポンプは14トンでございますが、実はその後ご存知のとおり58年のこの水害を基にして、農地防災ですね、農地防災をさらに充実しなくちゃいけないってことで平成2年に30トンのポンプを付け加えております。従って現状では44トンのポンプ能力があります。44トンのあるポンプ能力を今回70トンにしようっていうのが第1点の目標です。それで、資料の3ページを見ていただきたいと思いますけれども、先程は昭和58年のポンプが14トンの被害の状況です。そして今見ていただいているのが、現在ある44トンのポンプ能力の場合についての被害状況を表したものです。だいぶ44トンと上げてきただけでも、先程の図面と4ページの図面と比べてみれば、この色の部分が少なくなっていることがお分かりだと思います。それで、これはシミュレーションです。で、現在の能力であってもここに書いてありますように、床上浸水家屋ってことで225棟がどうしても出ちゃう。先程331棟床上と申しましたけども、今具体的にはこの225棟の床上浸水の家屋をゼロにしていくという、こういう現実的にはこれを目標にしております。で、ポンプ能力につきましては今申し上げた形で70トンにする。
それから二線堤のお話でございますが、これはですね2ページの図面を見ていただきたいと思いますけれども、真ん中辺に二線堤、輪中堤と書いてありますけれども、ここのですねの赤い部分がその二線堤の部分でございます。それで、具体的には約1.29キロぐらいこの赤線の部分がなりますけれども、この浅川に接するところは河川の部分ですから、用地買収等はやらなくてかさ上げすれば良い訳です。それで縦の部分ありますね、縦の線、赤い線で国道までつながる。この部分につきましては横に市道が走っておりますので、その市道の横にですね堤防を造りまして、ここの住宅地に内水が入らないような形で対応をしてこうという、こういう考え方がこの二線堤です。この二線堤っていうのは出た水を減らすっていう意味じゃなくて、貯めるって意味じゃなくて、ここのですね住宅地が非常に多いもんですから、効率良くこの住宅地を保護するという、そういう政策だっていうことでご理解をいただきたいと思います。
それから三点目の遊水地でございますけれども、48万5千トン、それから面積21ヘクタールということでございまして、これにつきましては少なくとも、一番初めの目標のときに申し上げましたけども「ポンプだけでもいいじゃないか」という一方でご意見があると思います。それでポンプだけでこの対応をするんでしたら、120トンにポンプ能力アップすればできちゃうんですよ。ただし私どもとすれば先程申し上げましたように、こういう時にはそれぞれの地域が雨として被害を蒙っている訳ですよね。従って、その千曲川に全部その排水をしてですね、後はもう下流だよっていうのは、ちょっとそれはお互いに水害の時には、先程申し上げましたように危険負担をお互いに伴うべきじゃないかという考え方に基づきまして、少なくともポンプだけじゃなくて、ここへ一時溜めて、この48万5000トン、溜めなかったらそのまんま、例えば排水規制かかればみんな千曲川へ出てですねその分だけ下流に負荷がかかる訳ですよね。
従ってそうでなくて一部はやっぱ遊水地ってとこに溜めてですね、それで千曲川の水位が下がった時に排出してやればいいじゃないかという、そういう考え方です。これは全国的にも、先程知事が申し上げましたけれども全国の例がありまして、私どもの48万5000トンの21ヘクタールというのも本当に狭いものでございまして、現在までに行われているものを見てもですね、この規模じゃなくて1000ヘクタールを超えるものもございますし、むしろ非常にこれにつきましては、そういう例からしますとですね、小さい遊水地じゃないかとこう思います。それでここにつきましては用地を買収するってことじゃなくて、要するに地役権の設定をして、そしてその地役権の設定っていうのは、いざ内水になった場合については遊水地として利用させていただきますよという、そういう地役権の設定です。
そういうことからしまして、現状のまんま、その赤い線のところは堤防を築きますけれども、そうでなくてですね、このグレーのところはそのまんま現在の農用地として利用していただいて、いざっていった場合については遊水機能の使用をさせていただきたいと。それで地目的にはですね、ここは田んぼと畑がほとんどでございまして、住宅地はございません。
そういうことから今の所有権の上に地役権を設定して、今申し上げましたような利用をですね、是非地権者の皆さんに理解をいただいて、いざとなった場合につきましては遊水地として活用していただくような形をとっていきたいと、こんなように思ってます。
それでこの組み合わせをした理由ですけども、今の目標を達成するためにどういう、この3つを組み合わせたけど、どういうその容量、70トンのポンプあるいは48万5000トン、どうやってこれを編み出してきたかといいますと、それぞれ例えばポンプがですね40トンの場合は遊水地が広くなりますよね、当然。で、50、60、70、80、90って形でポンプ能力を10トンずつ刻んでいって、その分だけ今度遊水地が面積が容量なりが大きいところからもう小さいところへ移っていきますよね。その組み合わせをしましてですね、その中で一番効率的と申しますか経済的にもですね、事業的な効果が上がるという組み合わせを考えたのが、この結果でございます。それでこの3つの組み合わせで、事業費、概算でございますが約63億という概算が出ております。
それで今申し上げましたような3つの組み合わせで、先程申し上げましたとおり現在の能力では225棟が床上浸水となる恐れがありますので、これをゼロに抑制をしてこうとこのように考えております。
それから3点目でございますけれども、当面の対策ってことで、先般おととしの10月にですね若干内水被害出ました。その時の経験として地元の土地改良区、あるいは地元の皆さん等からその時のですね排水機場の釜と申しますか、まあ水を一辺溜める所がございますがそこにですね非常にそのゴミが堆積してそのポンプ能力がですね、本来のポンプ能力が発揮できないような状態が生じたと、これをまあ何とか対応できないかという現実的なですね要望がございました。これをですね私どもやはり実際にあるポンプ能力というのをやっぱ発揮できるような形に持っていかなくちゃいけないということで、私どもとすればそういう当面の対策と申しますか、緊急対策と申しますか、その対策ってことでゴミ処理をですねちゃんと関係する土地改良区の皆さん、あるいは関係する行政機関の皆さんも一緒になって早急にですね対応していきたいと思います。まあそのために例えば重機が必要だということに当然なってまいりますので、その点も含めてですね県として連携して一緒にしていきたいとこう思っております。
以上、概要を申し上げましたけれども、それでですね、後、あの流域協議会ということで予定しておりまして、来週の15日水曜日6時半から9時まで豊野老人福祉センター大集会室でやりたいとこのように思っております。以上です。
信州・長野県知事 田中康夫
ただ今、青山からご説明しました。もう少しちょっとだけ私が補足しますと、4枚目の写真をですねもう一回見ていただくと、このように大変にまあ昭和58年の時に水がつかった訳ですね。このような床上浸水になる状況を防ごうというのが私たちの基本的な考え方、志であります、目標であります。と申しますのは、これは土木部の職員のですねその後非常にまあ県産材を活用してもなお一方で新しい新建材が出てきている訳で、断熱材等のご利用の家が増えています。断熱材等はある意味では脱脂綿のようなものでございますので、床上に仮になると床上になった所までの浸水じゃなくて、それがある意味では断熱材を通じて、その建物全体に回ってしまう訳ですね。ここは非常に甚大な被害になります。ですので床上浸水が起きないようにしようということが今回の計画であります。
それに対してむろん床下浸水というものあるいは道路が少し水が浸るということも防げないかというご意見があるかもしれませんが、それが冒頭申し上げましたように川が川単体で成り立っている訳ではありませんで、内水に関しても千曲川の問題がありまして、千曲川は日本海まで流れ込んでおります。するとその浅川の地域の問題をですね、究極に解決をしていくということになると、これは下流域のみならず同じ長野市内の篠ノ井等の場所においてもですね、浸水の被害が拡大していくと一方では、ということになります。つまり、一つの河川単体で、あるいはその流域の方々のみで問題が解決しないのが、こうした非常に多く雨が降った場合の問題であるということです。その中で私たちは床上浸水が起きないようにしようということであります。
そしてそれは先程青山が申し上げましたように、遊水地の部分は人家等は一切ございません。そしてまた、この2の図でご覧いただく浅川排水機場周辺の部分に関しましても水色で概ね塗られている部分に関しても人家はございません。こうした形であります。
で、もう一点はあの後でまた御説明しますが、長野市と小布施町に関しましてこうした計画のご説明をしたいということを申し上げております。小布施町に関しましては、日時を設定して説明をお聞きいただけるという形になっております。長野市に関しましてはこの計画では説明を聞くに及ばないというお話をいただいているということであります。長野市の側のそれに関してのご説明は、全てはポンプによって内水被害を防ぐべきであるというご指摘であります。しかしながら全てをポンプによって内水被害を防ぐということは、とりもなおさず下流域のみならず、同じ長野市内である上流域にも雨の際に浸水の被害を拡大させるということになろうかと思います。こうした中で私たちは専門的な職員の英知を結集してですね、今回ご説明をした内容になっております。
なお、先程のでございますけれども、ちょっと私の「てにをは」がおかしかったところもあったので一応念のため申し上げますと、いわゆる「長野裁判」の名の下に嘗てのいわゆる「東京裁判」以上に明らかに一方的で、半ば狂信的とも言える魔女狩りの歴史が信州の地で刻まれていく、その現場に立ち会える数奇な運命を、私は県民と共に静かに感謝したい、という気持ちでありますし、「議会は小説よりも奇なり」と前回に申し上げましたが、その活動が縦しんば機能しているとして、最早、残念ながら「議会は事実よりも奇なり」と言わざるを得ないことに深い哀しみを覚えるところであります。
では内水対策に関しましてご質問があれば、副本部長の青山篤司、また土木部長の原悟志を始めとするものからお答えします。よろしくお願いいたします。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
一つ事業費、先程全部で63億というお話だったんですが、それぞれ内訳をお伺いできないでしょうか。
出納長 青山篤司
内訳を申しあげます。まずポンプの70トンにアップの問題ですが、事業費45億7千万円。それから二線堤ですね、二線堤が2億8千万円。それから遊水地14億6千万円。これはまだ概算だということでご理解下さい。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
それから組み合わせ、70トンとこの遊水地の大きさの組み合わせを先程、一番効率的なものを、事業効果上がるものを、というお話だったんですが、もう少し詳しく、どういう意味で事業効果が上がるとしている意味だったのか、もう少し詳しく伺えますでしょうか。
出納長 青山篤司
なかなか、言葉じゃあ・・・グラフが出てましてね。要するに、それぞれポンプがこの場合について、要するに事業費と結果ですね、効果ですね、それをずっとこう組み合わせてやって今の組み合わせが一番効率的な形で、シミュレーションとして出ているんですよ。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
それは、後ほどご担当の方で頂くことできますでしょうか。
出納長 青山篤司
いいやね、それは。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
お願いします。
内水対策、これも河川整備計画に位置付けるということで以前にも伺っていますが、外水対策も含めてた計画のはずですので、その計画が認可されなければこれは出来ないということになりますよね。その見通しと言いますか、外水の方も含めた今の計画の策定に向けた見通しといいますか、以前にタイムスケジュールも示して頂きましたけれども、その通り行っているかどうか、あるいは今の進捗状況、見通し、その辺伺えますでしょうか。
出納長 青山篤司
それに向かって今、努力している最中です。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
長野市ですとか、あるいは小布施の町長も以前、長野市はまだ市長も説明を受けないと言ってます。今回も先程の話ですと聞くに及ばないという表現だったということですが、そうしますと計画の認可というのか、なかなかまだ進みにくいんじゃないかと思うんですが。
出納長 青山篤司
私どもとすればで、外水もですね、例えば檀田の遊水地につきましてはですね、この前の住民説明会の際でも、もう少し遊水地を造った場合についてのね、状況を具体的に説明してほしいという声もございますので。今その説明する資料を作成しております。従ってですね、外水については、まだ私どもの認識では説明会は全部終わってはいない状況なんですよ。だからこの間やったのはどっちかというと総論的な説明で、これから少し遊水地につきまして、色んな心配の声もございますので、その各論の説明を十分してこれからの対応を考えていきたいとこう考えています。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
そうしますと前回、一応スケジュールでは3月に県としての案をまとめて、その後に公聴会とかいうのがありましたけれども、あれはもうちょっとずれ込むという感じでしょうか。
出納長 青山篤司
いや。私どもとすれば、そのスケジュールに従って事務を進めておりまして、檀田等のその遊水地の説明につきましては、3月には、早い時期にやっていきたいなあと思っております。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
この遊水地なんですけれど、他県の例と比べれば小さいとはおっしゃいますが、そうは言っても、やっぱりそれなりの広さ、大きさがございますので。これ一つはこのすぐ南側にあるかと思うんですが、田子川の合流点にある外水のための遊水地あると思いますが。その遊水地の使い分けといいますか、どういう状況になったらこっちを使ってというようなその辺の使い分けみたいのは何か、どういうふうにイメージしたらいいのかちょっと分からないので伺いたいのですが。
出納長 青山篤司
少なくとも、外水の遊水地というのはですね流量のですね、早い話ですがカットする、一時的にカットするために遊水地を利用して、その分だけ貯めて流量を少なくするということですよね。内水の被害というのは先程申し上げましたように、一番の原因というのは千曲川との水位との関係なんですよ。水位が下がっていてね、普通に下がっていて要するにこの雨が降ったとすれば内水なんて起こらなかったんですよ。だって160トン出てて、そのまんまですから。ですから。従ってこちらのほうの遊水地の管理というのは、これは非常に、あれなんですよね。私が素人なんですけれど、かなりタイミングというものを計りながら、要するに樋門を閉鎖した、どうするんだ、その時点を考慮しながら、じゃ、ここに水を入れるということになっていくんじゃないかと、違いますか?ちょっと技術的に話してください。
土木部長 原悟志
やっぱり檀田、田子というのは、従来の通り1/100対応に対して、外水に対してなんですね。外水がいくらあっても千曲川の水位が低ければそれは田子と檀田だけで機能して、遊水地の中に水は入らない。今回の場合はそれよりも低い流量、160トンですけども、その時に千曲川の水位が上がった時に、バックで増えてくる。それをポンプで呑みきれない部分を遊水地で貯めるという。ですので、その際に、160トンという流量はそれほど大きくはないんですよね。その時に田子に入るかどうかは、自然の横越流方式ですので、状況によって入ったり入らなかったりします。人為的に操作することはできない訳です。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
内水対策を、前の議会なんかでも知事も進めたいというようなお話されてましたけど、河川事業と切り離して、例えば今あるやつは農業のやつですけれども、河川事業ではない別のやり方であくまでも内水を進めるというようなそういったことはありえますか。それとも、あくまでも計画外水対策も含めた計画の中の一つとしてやっていくというお考えでしょうか。
出納長 青山篤司
それはこの前からも何回も言ってますけども、内水対策として実施する場合については河川整備計画の中にちゃんと位置付けてくださいよと、位置付けが必要ですよと、こういうお話ですから、少なくとも私どもとしては位置付けないで単独でやるということは考えていません。農地防災とは違いますからね。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
それと今日は本来8時45分で、9時に会見というお話だったんですが、つまり15分くらいで会議が終わるというつもりで、私もそのつもりでしたし、おそらく皆様もそうだったかと思うんですが、今日長引いたのは何かあれですか、中でこの中身についてあらためて御議論、新しく何か入れてきたとか、議論を受けて中身を多少替えているとかそういった部分はあるんでしょうか。
出納長 青山篤司
いや、そういう事ではなくてですね、いろんな角度からこういう問題が起こったときにどういう答えをしようとか、こういう問題が起こったときにどういうデータがあるだろうと、そういう議論であってですね、この内容そのものについて変更とか何かはございませんでした。
朝日新聞 鈴木逸弘 氏
3枚目の資料で、現況施設における内水氾濫解析と、予定通り内水対策が進めば、出納長おっしゃってたように225棟の床上浸水が防げるということでした。床下浸水はどのくらいになるんですかね。床下ゼロということで良いんですか。
出納長 青山篤司
床下はね、床上をゼロにしますから床下は残っている。
朝日新聞 鈴木逸弘 氏
それは受忍範囲とおっしゃったけれど、それは要するにシミュレーションとしては何軒くらいあるのかと。
出納長 青山篤司
そのまま残るんでしょ?ちょっと答えて。
土木技監 北原正義
床上浸水を防止するという事だけで、床下がどのくらい残るのかという事は、今、シミュレーションの中ではカウントしてません。
朝日新聞 鈴木逸弘 氏
そうすると、じゃ受忍してくださいと言うけども、それが何軒くらいかっていうのがわからない中で受忍ってのはちょっと無理があるかなと、今思ってたんですけどね。今後カウントするということはないんですか。
土木技監 北原正義
あのですね、58年規模の雨ということに対して床上浸水を防止するということですので、同じというふうな定義であれば、今後、その残る水からコンターを追いかけていくことによってですね、床下浸水が概ね何戸になるかは数えることができます。そういうことです。
朝日新聞 鈴木逸弘 氏
すいません、遊水地なんですけれども、地役権ですか、この問題というのは、その地役権でやるということなんでしょうけども、地権者がどのくらいになって、その合意というのは事前に必要となってくるものなんですか。ちょっと聞き慣れない言葉だったんで。
出納長 青山篤司
もちろんそれはそうですよ。合意が取れない限り、地役権は設定しませんから。従って地役権設定のための契約事項になると思います。それで地権者はですね、100人前後と私ども見込んでおります。いいよね?102名。だから地役権設定契約というのを結ぶようになると思うんですよ。それは皆さんご存じの民法上に地役権設定というのがありますよね。
朝日新聞 鈴木逸弘 氏
わかりました。どうも。
信濃毎日新聞 島田隆一 氏
聞き逃してしまいました。堤防のそれぞれ遊水地の方と、それからこっちの二線堤と。堤防の高さはどれくらいになるかわかりますか。
出納長 青山篤司
堤防の高さね、堤防の高さは、まず二線堤の方なんですが、最大で今私どもの方の積算では2.3メートルぐらいが最大になります。その土地のでこぼこによって若干差が出ておりますけれども、だいたい2.3メートルくらいの堤防を予定しております。それは最大で。それから遊水地の方なんですが、これはどう見たらいいんかな・・・今の浅川の堤防と同じくらいですね、そうしますとですね、3メートルか3メートル50センチくらいってことになると思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
こちらの二線堤のところをちょっと教えて欲しいのですが、こちらの南北方向に走っている方はともかくとして、川に沿って、先程、その通常の二線堤ではなくて、いわゆる二線堤ではなくて、嵩上げをするというふうにおっしゃいましたけれど、そこをちょっと確認したいんですけど。平行してもう一本堤防造る訳ではなくて、そういう二線堤ではなくて、今ある既存のものを嵩上げするっていうことですか。
出納長 青山篤司
具体的にはですね、技術的にはパラペット方式と言うんですか?違うのかい?二線堤その河川敷のパラペットって、浅川のところへ行ってみればわかりますけれども、コンクリートがこう、堤防の上へ更にこう、あれは嵩上げとは言わないんですかね、何と言えばいいんですかね、わからないんですけれども、高さをかせいで・・・わかりますね、島田さん。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
パラペットだったらパラペットでいいですけれども。そうすると、この図を見ると標高とかちょっとよく分からないので、細かいことが分かりませんけれども、左岸側には全くつくらないような絵になっていますよね。そうすると、水の出方だとか、また外水だとかからの影響を考えたりすると、片方だけ高いこういうふうにねパラペットがあると、どうしても左岸側って弱くなりますから、そちらへぶつかったりだとか、そちらの方で溢れる可能性もあるかと思うんですが、そちら側の土地利用の状況とかってどうなんですか。被害が出にくい状況だから右岸側だけなんですかね。その右岸側だけの設定の理由をちょっと教えてもらえませんか。
出納長 青山篤司
左岸側につきましては、地形的には高くなっているんですよ。それで、この二線堤をつくる場合なんですが、一番大事なところは、ポンプの能力を先に上げてくださいよという提案なんですよ。ポンプ能力をはじめに高めてやれば、左岸側の方はシミュレーションの結果、今申し上げましたように床上までは出ないという結果が出ているんです。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
もう一つ先程の遊水地の方は、出納長は、田子の横越流だとかのようにではなくて、ゲート操作のようなお話しをされたかに記憶していますが、そちらの構造ってどういうふうなものを予定しているんですか。
土木部長 原悟志
田子と同じ横越流方式で、H.W.L.から上はカットしておきます。それで内水が上がってきてH.W.Lより上になった段階で貯留が始まってきて、最終的に千曲川が水位が下がった段階で一番下流側のゲート、門扉がありますので、それを開いて放流するというとそういうことです。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
最後に一点。先程ポンプの増強の話しがありましたけれども、そちらの方はおそらく本川の方の河川管理者との協議が必要になるんだと思いますけれども、それはどういう段階で必要になるんですかね。もう今の段階から国の方と協議することが必要になるのか、それとも整備計画をとったあとに協議すればいい話なのか、そのあたりはどうなるんでしょうかね。先程、浅川の現状の機場もそうですけれども、当然その機場設置であるとか増強に関しては本川に水を流すわけですから、本川の河川管理者との協議が必要となるはずだと思うんでよ。そこのところの協議っていうのは、どういう段階でされるような手続きになるんでしょうか。
出納長 青山篤司
それはもう、同時にやっていきます。住民に説明すると同時にそういう関係する機関についてお話しして、順次協議というかお話しをしていきたいと思いますよ。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
整備計画の申請をする前の段階からある程度協議をしないといけないのでしょうか。
出納長 青山篤司
それはします。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
そうしなきゃいけないんですか。
出納長 青山篤司
少なくても今までのやり方とすれば、事前に調整できるところは調整していかなくちゃいけないと思っていますから。
よろしいですね。あとはまた土木の方へ技術的なことをお聞きになってください。
以上です。
|