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最終更新日:2006年01月23日

 

知事会見

( 豪雪対策について 他 

平成18年(2006年)1月13日(金)

11:00〜11:45

県庁:表現センター

信州・長野県知事 田中康夫
 それでは1月13日の知事会見です。
 既に皆さんもご存じだと思いますが、昨日、新潟県の泉田裕彦知事、あと山形県の齋藤弘知事といくつかの省庁等へ伺いました。豪雪に対する緊急要望というのは現場でもお配りしたので、あるいは今も皆様のお手元の方に届いているのかな?この中でやはり今回ですね、私たち長野県豪雪対策本部を設けて、それぞれの市町村が非常に住民のために尽力いただいていることを感謝してますし、あるいは県内外からボランティアの方々も多くいらっしゃるということに大変心強く思っています。私たちの職員も除雪と雪下ろしと、それから道踏み隊という形を栄村のみならず各地域に出ています。職員もそうした中で実体験をして、雪を下ろしておばあちゃんから「ありがとう」と言われる言葉というのは、やはり総合愛情産業の原点だと思いますし、私どもの秘書広報チームリーダーの成沢弘治が今日部長会議でも言いましたけれど、中越地震のときにも単に除湿器を持って行くという物質、これ除雪、雪下ろしをしてさしあげるというもの物質かもしれませんが、それだけでなく、その後しばしお茶をいただいて一緒にお話しをする、あるいは手伝いに行った者がお茶を上がり込んで、終わった後とはいえ飲むのはいかがかというような意見をおっしゃる方もいるかもしれませんけれど、そうではなくて、これこそが正に表層的に捉えられがちな心のケアなどという言葉を超えたですね、そこで私たちが本当に総合愛情産業の一員だということを確認させていただく、あるいはそうしたおばあちゃんも雪下ろしを一緒にするだけでなく、そこで話をすることが、これは私の原点でもありますけども、阪神淡路大震災の後、週末ボランティアというのをですね、東條健司という彼は神戸製鋼所に勤めていた者なのですけれども、毎週土曜日にその前の週にそこの仮設住宅に伺いますよってチラシを入れておいて、そしてみな行ってですね、見知らぬ方ですけど「こんにちは」と言ってお話しをするのですね。最初はドアを開けてくれなかったりするんですけれど、それぞれ独居の方がいると近くに息子さんも住んでるんだけど仮設に一人で住んでいたりして、話をしているうちに問わず語りのようにたくさんいろんなことを言葉で吐き出してくれて、その中で仮設のお風呂の具合が悪いと言えば直したり、それでも直せない場合に市に言ったりというようなことを週末ボランティアと言って、今でも彼は復興公営住宅に毎週みんなで行っているんですけれども、一度だけでも参加できるということで全国から一度だけでも参加する人たちがいたんですけど、これは私の結構原点で、ある意味では今回同じもちろん県内で当然のことなんですけど、成沢弘治さんが中越地震のときのそういう話を言ってくれたのは大変うれしかったと思います。
 その中で今回国に対してのいくつかの提言といいますか要望の中で私ども書きましたのは、今までのような垂直補完の中央政府と地方政府という形だとですね、垂直指示が出たり、それに対して垂直依存という形、無論各市町村や県も大変な除雪費用がかかってますから、特別交付税という物質をですね、きちんと手立てするということは当然でありますが、それだけでなく、やはり今回栄村を見ていて、先ほど会計局長の牧野内も言っていましたけれど、15人の特別公務員がいると。で、夏場は農業や林業をやっている方ですね、この方が特別公務員になって朝3時から除雪を、雪道を掻くので大体6時過ぎには栄村全部雪が掻けてしまう。その後この人たちが個々の家、174の独居所帯やご高齢のご夫妻のところの雪下ろしをするという形なので、高橋彦芳村長という大変立派な方が、やはり今回の場合に具体的にその頻度が高まっているので何人くらいの人的な支援があればなぁとおっしゃったり、あるいはその下ろした雪が地元の業者の方がダンプカーに積んで持って行くだけでは滞ってしまうので、そうしたことを上田や佐久の方の建設業者の方も一緒にお手伝いしていただけたらなぁというようなお話しで、非常にやはり自主自律の栄村、絆のコモンズがあるというのを見て、やはり今回そうした形だと、栄村と私どもの県が水平補完がきちんとできると、垂直補完じゃなくて水平補完ができるということが、冒頭新年に話しましたけれども、地方という言葉じゃなくて、地域、リージョンということだなと、非常に改めて実感しました。その中で、言葉としては地方政府と中央政府というのが定着してますので、これが対等の目線で構築していく水平的な災害支援の取組ということが必要で、これは昨日自衛隊に伺ってですね、森勉陸上幕僚長にお目にかかったときに、幕僚長もおっしゃって非常になるほどと思ったのは、他の国から自衛隊の災害救援等に非常に視察が来ると。これは泉田さんもおっしゃったんですが、都道府県知事が依頼をするとそれぞれの駐屯地の師団長がですね、そこで判断できて水平補完なんだと。他の軍隊ですと、どうしても大統領や首相が言うまで各州とか県が要請をする形で、ハリケーンのときでもできる訳じゃないと。で、これがしかもその現場に責任者が行って陣頭指揮するので、的確に迅速にきめ細かく、そして無駄を生じないで行えると。それはやはり飯山に入られた今回の松本の自衛隊の方も、即座に富倉の地区だったり岡山の地区のですね、そうした独居の方の所等へ入ろうということで、初日の午前中からすぐにお入りいただけると、道路の除雪に留まらないということは、やはりその現場に司令官がいるってことだと思うんですね。
 本県も南北に220キロですので、もし仮に平谷村でものすごい大雪だというときと、長野市で大雪だというときとでは、私たちも多分状況判断認識能力の温度差が努力をしても少しずれると思うんですね。皆さんもそうかも知れない。で、やはりその意味で言うと、こうした豪雪だけでなくて、列車事故のような人災の場合にも、現場にきちんと対策本部が中央政府も設けて、それが地方政府と本当に横の連携でできるということがとても大事なことじゃないかなということから今回の提言をしています。ですから物質的な支援に留まらない形で、こうしたセキュリティーポリシーというものをきちんと早期に構築をしていくということが大事だと思っています。本部長の澤田も今回私どもが様々なことをさせていただいています。
 無論人間がやることですから至らないところがあればより改善したいと思いますけども、これをきちんとした形で非常によい意味でオーケストラのようにですね、それぞれ職員が自発的に自律的にハーモナイズして動いてくれていることに大変感謝してますし、それは県民も同様であろうと思います。このことをきちんと同時進行形でホームページに留まらないで記録として作っていくことが、生きたある意味ではマニュアルを超えた私たちの次の参考資料になるのかなと思ってます。自衛隊の森幕僚長あるいは木村副長官には、大変に感謝をしているということを申し上げました。時事通信の方で共同インタビューを受けたときの記事が昨日の夕方午後3時27分に出てますけども、正にそのときご質問があって、日本経団連の奥田碵会長が、10日雪に対する支援で自衛隊の災害救助体制に不満を漏らしたことをどうかという話がありました。これは朝日ニューススターのインタビューの活字で私も拝見してましたけども、「私、奥田さんがどういう根拠でお話になったのかわからないが、豪雪地域の長野県の人々は自衛隊の活動に感謝している。」と述べたと時事通信が報じてくれてますけど、非常にその気持ちであります。今日も先ほどの部長会議もお手元の方にも皆さんに資料をお届けしているように、この問題を最初に話をしました。昨日は各関係市町村の方にも集まっていただいて、会議をやっております。
 それから今日の部長会議で電子メールの適正な取り扱いについて、それから個人情報を含む文書等の管理についてということもありました。これはご覧いただいて、情報公開課長の小林良文が同席をいたしておりますので、もしあればあるいは会見の後でももちろん結構ですし、ご質問があればそれに対してお答えをいたします。
 それではご質問を受けます。

朝日新聞 五十嵐大介 氏
 自衛隊の災害派遣、飯山市へのことで聞きたいんですけれども、6日の日にですね、11時過ぎに夜、派遣を要請されたっていう事なんですけれども、我々表現者を集めてその夜7時半頃から会見やられて、そのあと数時間で方針が変わったってことなんですけども、各報道機関の取材には知事は総合的に判断をされたというようなことをおっしゃってたんですけれども、その辺の説明が判然としないんですけれども。飯山市さんの方には、夜8時位の段階では了承していただいたというふうに副知事はおっしゃていたんですけれども、そういったこと考えると県の判断だったと思うんですけれども、具体的にどのようなことを考慮してやられたのかというのを知りたいんですけれども。天候については、最初の副知事の会見の段階では、雪が降るということはわかってたことだと思うんで、どういったファクターを考えて判断したのか教えてください。

信州・長野県知事 田中康夫
 五十嵐さんは逆に、飯山市の自衛隊の災害派遣の現場っていうのは、行かれてらっしゃいますでしょうか。

朝日新聞 五十嵐大介 氏
 私は栄村とか津南の方に入っていたんで、飯山の方は見ていないんですけれども。

信州・長野県知事 田中康夫
 自衛隊が7日の朝、飯山市に最初に入った除雪の現場っていうのも、ではご覧になってらっしゃらないということですね。長野県は今回の豪雪に関しては全国で最初に自衛隊の災害派遣を依頼をした訳です。この点に関しては、県のホームページの方にこれはまだアップには、玉井さんなってない?致しますけども、自衛隊の災害派遣の要請依頼書というのが6日の15時30分に飯山市の側からいただきましたが、この際の派遣希望区域は市内全域というふうに書いてあった訳です。私たちは無論豪雪であることを十分認識してますから、本部も設けている訳です。この内容で派遣要請を行ってもですね、自衛隊の人命救助や人家の倒壊防止の目的というもの、つまり無論災害が起きてから自衛隊が出るということではなく、災害の危機が迫っている場所に、先ほど申し上げたように適切に迅速にきめ細かくですね、そしてよい意味で無駄のない形で派遣をしなくてはいけない訳です。ですから豪雪対策本部長はですね、具体的な派遣要請の内容をさらにお聞きするようにお願いをした訳です。
 それに対しましてですね、16時の段階では市道の西回り線という、市役所の前等から通る道であろうと思いますが、これの除雪をお願いしたいと、それから弱者世帯で緊急性があるというようなお話だった訳です。これに関しまして、私たちは堀切光彦第三普通科連隊長とも16時43分にですね、ご相談をしている訳です。その前にですね、飯山市に既に派遣されている陸上自衛隊の連絡員の方からですね、私たちの危機管理室の方にもですね、道路に関して一車線が確保はできていると、学校等公共施設の除雪は不十分な部分もあると。ただ差し迫った個人の、そうしたご高齢の方であったり弱者の世帯の把握というところに関しては、飯山市の側からの連絡は取り立ててないという形で、この中で私どもの副知事、本部長と連隊長が16時43分に話をしてですね、その連隊長の側からもですね、連隊長は大変に私は優れた方だと思ってますが、飯山市の自衛隊派遣、災害派遣要請依頼書の要請内容は、派遣希望区域を市内全域としているが、こうした形の要請では対応が難しいのではないかと。
 やはりもっと本当に必要な場所、正にトリアージュが必要な訳ですから、その点のですね、人命救助や人家の倒壊防止のために緊急に派遣が必要な地域をピンポイントでですね、きちんと示して欲しいというご指摘があった訳です。この間逆に飯山市の方は、表現者の方々に自衛隊派遣要請をしたということを全員協議会の場でお話になっています。こうした中でですね、私たちはより豪雪でもある栄村や野沢温泉村に関してもですね、直接本部長から自衛隊派遣要請の意思の有無を確認を致しまして、両村長共その時点においては必要性を慎重に検討をするというお話な訳です。その後飯山市の方から17時45分になってですね、126世帯が雪下ろしの急を要するというお話がありました。ただこのときも、郊外の富倉は2戸、岡山は2戸、柳原1戸、木島1戸、秋津3戸の9戸で、117戸に関しては市街地に関してのお話でありました。基本的に私たちは、やはり市道に関しては市の建設局というんでしょうか、道路局というんでしょうか、が対応していただき、無論それが足りないときに県の飯山建設事務所も県道、国道をやるだけでなくですね、それは水平補完で行っていくということだと思うんですね。ただ道路の除雪、それも市役所から近い市街地の除雪というものに関しては、やはり地元の行政体が行い、そこで足りない場合に県も水平補完だと思うんですね。ですから、自衛隊に対して市街地の道路の除雪ができないのでというのは、それはまず自助努力で行い一緒に県が協力するところではないかということです。
 それと今申し上げた緊急を要するというお家に関しても、このときも緊急に援助を必要とする対象者が具体的に個人情報を保護した上でですね、栄村に見られるように、どこどこに住んでいるいくつのどういう方で、どういう状況だとか、障害をお持ちなのかとか、こういう詳細ですね、独居のご老人なのか障害者なのか、家の倒壊の危機というのがどれ位なのかということは、把握はされていないというお話だった訳です。で、もう一回お話ししますと、18時7分の段階でも飯山市の助役の方に井出澄夫さんに副知事の方から改めて市としての派遣要請の状況を確認を致しました。この道路除雪に関する要請内容を確認しましたが、今申し上げましたようにですね、市道のですね市街地の除排雪というのは、これは一義的には市の責務ですから、市の職員や広域消防や消防団の方の活動状況、つまり、ここまで努力しているが手に負えないというようなことを具体的にお示しいただかないと難しいのでは、難しいというのは自衛隊に対しても、自衛隊の側もですね、どの様に対応するか、この段階でその他のより豪雪の秋田県や新潟県もですね、自衛隊の出動の要請というものはしてない訳です。またその時にですね、仮に自衛隊が派遣された場合の市職員の用務は案内業務であるというお話があったということもあり、この形ですとやはり自衛隊を派遣してですね市道の除排雪をお願いする時に、いかがかというお話は致しました。
 こうした中で県はですね、あるいは自衛隊は人命救助や人家の倒壊防止のため、緊急性の高いところに自衛隊を派遣、また自衛隊に依頼すべきであるという考えを述べました。それに対して飯山市の側からは、春に向けて今後の降雪にも備えて今のうちに除排雪をしておきたいので派遣を要請したいというお言葉がありました。こうした中で自衛隊からもですね具体的に飯山市に連絡員が行っている訳ですので、自衛隊のその連絡員ともですね、もう一度よく相談をして欲しいというお話をしています。この中で私たちの本部長が会見を行ったところであります。この点は私からも聞きましてですね、同時にですね国の側が災害救助法の適用やですね、自衛隊の災害派遣について現地から要請があれば柔軟に対応するという方針を時事通信の配信では19時10分に出ております。こうした中で私たちはですね、深夜に改めて副知事とも協議を致しましてですね、すなわち県の側にはあるいは直接には、これも具体的などこの場所のどの家ですという形ではありませんが、独居の方を含めた飯山市の方にですね、非常に雪かきやそういう支援のためにも自衛隊を派遣していただけないかというような形は県民からの直接のものがいくつかあった訳です。ただ飯山市の側としては派遣をというお話ですが、先程申し上げたような形でしたので。この中で現実に飯山市の雪が深いということを勘案してですね、23時9分に第13普通科連隊長の方へ派遣を要請を致しました。
 これは当日お越しになられた方は十分御存知であると思いますが、現場の第3科長の伊藤正弘を始めとする方は、市役所からほど近い道路の除排雪の現場に一旦行かれましたが、すぐにその富倉をはじめとする地区、市が必ずしも把握、具体的にポイントとしてお示しいただかなくても、やはり複数のそういう市民からの情報として、富倉や岡山という地区に自衛隊が入って個別の家というもののですね、支援をしようというお話があり、私もそれはぜひお願いしたいということで、当日の午前の段階からですね、そうしたとりわけ雪深い孤立をしている所帯へと入っている訳です。ですから今ご説明しましたのがですね、私たちが飯山市とですね話をしてきたあるいは自衛隊とも話をしてきた経緯であります。その意味において私たちは、飯山市の除雪道路というものに関しては、これはやはり先程申し上げたように市で、あるいは地域で、そしてそこでまだ足らないことがあれば県の側もお手伝いをするということを申し上げですね、行ってきたところであります。その他の御質問ございますか、よろしいですか。

信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
 木曽郡王滝村の、財政危機に瀕している王滝村のことについてなんですけれども、昨年3月にですね、村長と当時の議員のかたが県の方に来て、借金が大変なのでまあ債務の借り換え等で協力してもらえないかという質問で、知事は確か村の方で最大限の自助努力をしてからの話であるというようなお答えをされたというふうに聞いているんですけれども、それからまあ1年近くが今過ぎようとしている中で、県からは県職員も派遣してですね、更に様々なアドバイスもされていると思うんですけれども、今の時点でこれからも含めて県があの村に対して何か人的支援やアドバイス以上に何かできることがあると考えているのかどうかという、またその去年の段階では自助努力はできてないという判断をされたと思うんですけれども、その後、知事がいろいろ情報を把握されている範囲でどれぐらい自助努力はできてきていると見ておられるのかというのを、まあその自助努力ができるということはどういうことを指して知事はイメージされておっしゃっているのかっていうのをお聞きしたいんですけれども。

信州・長野県知事 田中康夫
 無論その自助努力というのは、数字の上でですね、すぐに回復とかいうことが見えるかというと、わずか半年、1年でですね、その数値もまだ出てこない部分もあるかと思います。ですからまさに、職員とともに言っているアティテュードですね、意識やその行動、構え、ということだとは思います。小林村長が先日、辞職の意志を表明されていますので、ただ、小林村長まだ、村長としての任期があられますから、村長と早急にお目にかかってですね忌憚のない村長のお考えをお聞きしようということで、現在、時間を詰めております。ですから、やはりこの問題のようなアナウンス効果の逆の形になるのは好ましくないと思いますから村長からお話をお伺いした上でですね、県としての考えというものは皆さんに速やかに伝えられるようにしたいと思いますが。
 それとあの失礼しました先程の豪雪関係でございますけれども、専決処分をですね、予算として致しましてですね、豪雪災害対策をより実施できるようにしたいと思ってます。予算概要でございますが、お手元にこれから、お届けしているのかな。1億4474万7千円という形で、既に既決として571万7千円ございますので、合計で現時点で1億5046万4千円でございます。この内容に関しては災害救助法の適用に伴うもの、むろん災害救助法というものもですね、昨日新潟の泉田知事と、余談のように聞こえるかもしれませんが、長岡のような大きく合併をしたところは、従来の旧市町村の範囲であるとですねその要件に適合するのが、非常に広範囲になると雪の降り方が均等ではありませんので、その点を合併したところでも旧市町村単位で認定ができるようにして欲しいということ、泉田知事が関係機関で言っておりましたけれども、今後その災害救助法というものが具体的に申請をして査定が国の側からあるわけですから、具体的な決定金額というものは変わってくるとは思いますが、現時点で除雪の経費に関して災害救助法の適用に伴うものとして予算額1億2019万8千円というものを専決をするという形です。
 それから雪害救助員派遣事業補助金を専決として707万9千円、既決として571万7千円、計1279万6千円という形です。災害弔慰金として、お亡くなりになられた方が、計5名でいらっしゃいます。これがまぁ、こうした災害救助法が適用になる場合にはですね、お一人当たり数百万円という弔慰金が出るという形で、これに対して専決として、まずは1125万円という形でございます。この点、今日も打ち合わせの中で、無論お亡くなりになられた方は大変むごいことなんですが、それぞれ多くの方は除雪をなさって、雪かきをなさっていたりして、バランスを崩されたりして転落されたという方ですが、こうした災害救助法が適用にならない場合に一般的に皆さんも長野市内でも雪かきをなさったりしてですね、不幸にしてお亡くなりになられても、これに対してはこうした国家からの手立てというのは無い訳でして、県として「御見舞金」という形のわずかな額をお届けするという形をしてきてますが、このあたりも本県の場合雪が降る場所は多かれ少なかれ除雪をなさるわけで、今後の、本県だけでいかんともし難いことだと思いますが、災害救助法の適用地域ですと全く異なる桁数の金額を弔慰金としてお渡しするという形にはなってます。あと災害援護資金貸付金も専決で400万円、災害見舞金を専決で222万円であります。
 現時点では1月7日に既にご存知のように飯山市、白馬村、小谷村、信濃町、木島平村、野沢温泉村、栄村、そして12日の日に山ノ内町が災害救助法の適用になってます。これは是非地域の方々にもご理解いただきたいのは、適用になってもそれらの市町村全域が全戸に関してということでは決してございませんので、これは各市町村からもここの地域のこの家と。そしてまたこれが県及び国の側の、あまりこういうことされている時に「査定」という言葉は変かもしれませんが、それに対してですね、税金を執行することが適当かどうかという形になります。
 なお、道路の除雪予算というものが、県に関しては特別交付税の形がございますが、市町村に関してもですね、前向きにこの点を考えてくださるという形になっているわけです。
 昨日天候不良で運行ができませんでした秋山郷へのヘリコプターでございますけれども、10時30分に秋山小学校に防災ヘリが到着をいたしました。こちら2便目でございます。本日医師を1便目で運び、そしてその後北信地方事務所のヘリポートにまで一旦戻りまして、そこから子供たちへの物資あるいは地域の方々へのお届け物、「まごころ宅配便」と申し上げておりますが、あるいは本等をお届けをしました。10時30分にその2便目の方が同じヘリコプターでございますが到着して、10時36分に秋山小学校を既に離陸致しまして、11時に消防学校のグラウンドに到着をしております。この後さらに医師等が、看護師等が診療しておりますので、これらの者が戻る便が夕刻運航する予定です。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 先程朝日新聞の五十嵐さんの質問に関連でちょっとお伺いしたいんですけれども、県の災害、飯山市からの要求を受けて派遣要請をしないという判断をされたのが7時半からの会見で明らかになった訳ですが、その前に先程知事の説明を聞きますと、19時10分に時事通信ですか、国が柔軟に対応するという、それは要するにそのご承知をしていない段階だったということですか。

信州・長野県知事 田中康夫
 そうです。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 いいんですね。

信州・長野県知事 田中康夫
 はい。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 そうするとその、7時半からの会見を行ってその後23時9分にですね、派遣要請をしたという間、まぁ数時間あるわけですが、そこでもその判断を全くの180度変えるという根拠というのは、これは一つは国が柔軟に対応するという話が一点。それから知事おっしゃったその、支援をしてくれないかと県民からもあったと。これの2点ということでいいんでしょうかね。

信州・長野県知事 田中康夫
 私たちは自衛隊と水平補完の形でですね、より差し迫った危機に関して自衛隊の力をお借りするということは当然やぶさかではなく、そのために澤田も堀切師団長とですね、繰り返しお話をしていた訳です。ただ先程申し上げたようにその時点においてですね、全国で自衛隊の派遣要請というものもない訳ですし、派遣をされていた場所もない訳です。やはりこれは決して、私は本当に感謝してますけれども、自衛隊の方々、何か内向きな形でですね、全国で最初にきちんとした根拠が無くて出動して、後で組織的にいかがかというようなことだったわけではない訳で、現実問題として自衛隊の方々も栄村というところのことは報道等を通じて大変に大変だというので、第一陣としておそらく派遣するとしたら栄村かなという心づもりはあられてスタンバイの準備はされていたというふうに後からお聞きしてます。ただ飯山市の側の、無論飯山市の個人の市民の方々として多く、非常に雪かきにもお疲れになったり、あるいは非常に家屋の危険を感じられた方はいると思いますし、飯山市もそのことを把握はなさってたんでしょうけど、具体的に先程ご説明したようにですね、やはり自衛隊の方にお願いしたときに消防車が例えば、あるいは救急車が行く場合も、そうした物はある程度のところを把握して皆さんも電話する訳ですね。
 その点において、とりわけ道路ということをまず一番目に繰り返しおっしゃるという中で私たちもどのようにしようかということを自衛隊とお話しして、先程申し上げた堀切師団長もそういうご発言、見解であったと。ただそれが私たちとしても飯山市が栄村や野沢温泉村同様に大変な状況にあろうということは深くは認識していいましたし、その中である意味では逆にこれもまた、平澤さんから「じゃあ見切り発車か」と言われるかも知れませんが、そうではなくて、やはり現実に困っている方は確実にいるであろうと。ただその客観的データとして必ずしも飯山市の方から詳細にはいただけていない。けれども今後雪も多く降ると言われていると。あるいは国もその点に関して柔軟に対応していこうという方針もあられると。その中で会見が終了した後、改めて協議をしまして、やはりこの点に関して自衛隊の側にお願いをしようという形になった訳です。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 でも会見が終了した後というか、その組織としてですね、派遣要請、まあこれは地元の自治体から上がってきている要求を、その要するに受けずに、本日中の派遣要請を見送るという判断をされて、それを何か派遣要請をするという形に変えるにはですね、これは根拠がある訳ですよね。その根拠をちょっとお伺いしたいんですけれど。要するに具体性がないということで派遣要請されなかったということであれば、飯山市から改めて具体的な要請が来たとかですね、いうことはなかったんでしょうかね。

信州・長野県知事 田中康夫
 飯山市とはかなりの間お話をずっとしている訳ですよね、先程申し上げたように。これは程なくホームページの方にもアップを致します。で、自衛隊と県の間の話しにおいてですね、これは県の側が働きかけたということではなく、師団長と私どもの副知事が双方話す中でですね、そんなような要請の内容という形だとですね、難しいなということは、夕刻の段階で話している訳ですね。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 ただ、その段階でそういう理由で派遣要請しないというふうに僕らもお聞きしたんですけれども、結果的に出てきたその内容は、大雪の可能性があるからというふうな説明を23時9分過ぎですかね、我々伺っておるんですけれども。それはその、さっき朝日の五十嵐さんも言いましたけれども、要するにニュアンスがその、今晩も大雪降るんだと、大雪警報なりが出てるんだというその上で質問しているのに対して澤田副知事は答えていらっしゃるんですよね。理由になってなかったんですよね、当時。

信州・長野県知事 田中康夫
 あのね、あなた方は社説として、どうしてようやっと出動したのかというような趣旨をお書きですよね。僕、繰り返し申し上げているのは、無論分業社会であられようと思います。ただ五十嵐さんも平澤さんもですね、最初に飯山市が自衛隊に出動要請された道路の箇所というものは、必ずしもそのときご覧になってないと思うんですよ、リアルタイムでね。そしてなぜ自衛隊のその現場の方がですね、その後午前中の段階からその指示を受けた除雪道路の除排雪の所も行うが、同時並行というかあるいはそれにもましてですね、そうした富倉を始めとする地域に入ろうというふうにお決めいただけたのかということは、やはり皆様冷静にお考えいただきたいと思います。で、こうした中で私は現段階では、飯山市の方からもご理解いただけていると思いますし、私たちは決して当たり前のことをやるということで、無論決して他の都道府県よりも自衛隊の出動が早かったから、それをもって良しとするとかそういうことではありませんが、やはり自衛隊が出動する場合に、先程言ったようにお考えいただきたいですが、救急車や消防車だって、どこの場所でどういう火事やどういう事故があって、どういう状況かということがなければ、すぐには出動できないということは一般的にあると思うんです。ただそれは申し上げたように、今までのこの一連の私たちもですね、地域の方のために最善を尽くせるように努力したいという中で総合的に判断をしたということです。ですから、逆に言えばその23時9分の段階で予想したということが、あるいは早すぎたというふうには少なくとも信濃毎日新聞も朝日新聞もお考えにはならないと思うんですね。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 あのだから、我々に対して説明されるというのは、これまあ一般にというか、世間一般にといいますか、要するに長野県としては派遣要請はしませんという意思表明というか、ですよね?

信州・長野県知事 田中康夫
 じゃあ、もう一回言いますね。つまり、ではね、その飯山市からのご要請の内容が少なくとも自衛隊も私たちも先程言ったように具体的な形ではないという認識を持ってても、その段階で出動した場合にもそれはその場で迅速であったという御意見もあるでしょうし・・

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 それは自衛隊法ではありえない…

信州・長野県知事 田中康夫
 あるいはその根拠というものはいかがかということもあると思います。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 災害の派遣要請の…

信州・長野県知事 田中康夫
 でも、いずれにしてもただ、信濃毎日新聞は社説では11時9分の段階で私たちが自衛隊に要請をして自衛隊もお受けくださったことをもってしても、ようやくとかというご趣旨をお書きですから、そうなるとその平澤さんのご質問自体が少しく自己撞着に陥りはしませんでしょうか。いずれにしても私たちはですね、本県としてはですね、無論人間がやることでありますがですね、職員が本当に心を一つに合わせて県民の方と一緒にですね、この問題に全力で対処したいとこのように思っております。以上です。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 あの、出たことをいい、悪いという話をここでしているのではなく…

信州・長野県知事 田中康夫
 ではどういうことを平澤さんがお聞きになりたいのかが私はずっと大分の時間をかけてお話しをお聞きしましたが・・・

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 今聞いている限りは、要するに判断がひっくり返った理由というのは二点あってですね、国が柔軟に対応するという判断を出している、それから、支援のために県民の方から声があった、知事が説明したのはその二点だけなんです。

信州・長野県知事 田中康夫
 どういう選択をすれば、よりベターだったんですか?

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 だからこの二点でよろしいんですかという確認を聞いています。

信州・長野県知事 田中康夫
 総合的に判断します。正にこれは出納長の青山篤司が言いましたが、暗黙知の問題だと。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 暗黙知ではないと思いますよ。要するに飯山市からの派遣要請のその中身が非常に抽象的でそのピンポイントの危険だとか緊急性みたいなものに欠けるということで、その派遣要請をしなかったという説明を受けた我々としてはですね、じゃあ具体的になったんですかとかいろいろ聞きたいことあるんですけれども、その辺をちょっとお聞きしてるんですよ。知事の説明だと国が柔軟な対応を…

信州・長野県知事 田中康夫
 要請があったということは事実としてある訳ですね、エビデンスとして。それに対して私たちと自衛隊としてはですね、その要請の、敢えて申し上げれば具体化がしてない部分が多いものではいかがかということはあったということです。正にこれは、県民の人命ということを考えて私どもは出動をお願いした訳です。それは私の名前で要請をした訳ですから。そしてそのことが現実に翌日の自衛隊の方々がですね、その市役所から程近いですね、歩いて5分10分のところの道路の除排雪にもまして、それぞれ雪深い地域へお入りになろうということを私にもお話くださった訳です。私はですね、ですからあの、それはやはり具体的な状況というものが飯山市の側からはご提示はいただけませんでしたが、正にこれは県民の視点に立っての総合的判断だと思います。この判断というものがいかがかということでありましたら、逆に言えば信濃毎日新聞のどうして今になってようやくと派遣かという社説との整合性はどのようにお考えになるかは、また機会があればお聞かせいただきたいところだと思います。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 いや、判断の内容が何だったのかという質問なんですよ。

信州・長野県知事 田中康夫
 判断の内容というのはそれは総合的な判断でしょ。自然現象でありますし、その正にそれは、その他警察や、例えばデモ行進の時に警察が事前に届出があるものにしても、隊員を増強するか減少するかということも、それぞれの指揮官の判断じゃありませんか。そうすると私は総合的に判断して自衛隊の派遣要請をし、それが結果としては全国で新潟県や秋田県よりも先に最初に自衛隊にご協力をいただけたということですし、そのことを私は昨日も森幕僚長に感謝を申し上げた訳ですし。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 だから、その一つの判断で要請しないという判断があって、要請するという判断があって、その間に具体的なファクターっていうか何かがあった訳ですよね。そうしないと、前の判断が総合的な判断をしてないっていうことになっちゃいますよね、そうすると。

信州・長野県知事 田中康夫
 いえいえ、何でですか。そんなことはありません。

信濃毎日新聞 平澤隆志 氏
 数時間後に、全く逆の派遣するっていう判断にしたっていう説明がなければ、7時半の会見のときの要請しないという判断は何だったのかっていう話になりませんか。

信州・長野県知事 田中康夫
 ですからそれはまぁ、百科全書派や訓詁学派の方ならばそういう議論もあるいはあるのかも知れませんが、私たちは県民の目線に立って判断をしたということです。ですから、少なくても23時09分に要請をしたということに関して、それは根拠が薄弱だとか、いうふうにおっしゃるならばそれは皆さんの報道機関が大いになさることだと思いますが、しかしながら一点客観的に申し上げれば、道路の除排雪というもの、それも市街地のもの、それは基本的には私たちを含めた自治体が行うことじゃありませんでしょうか。そしてそのことを深く自衛隊の方々も認識なさっていたから、限られた皆さんからの報道ではあったかもしれませんが、最初に出動要請は栄村であろうというふうに思っていらっしゃったということは、これは非公式にはですね、私にもおっしゃってくださっていることです。あるいは飯山市の市役所からわずか5分、10分の場所のところの除排雪に第1陣が到着して、同時にやはり雪深いところへ個別、それはもう困っている方がいるであろうということで、具体的に飯山市からこことここの家屋というご指定は受けなくても、やはりそこに人を救うためにですね、自衛隊が入ろうというふうにお考えいただいたと、ご決断いただいたということは、私はこれはですね、根拠があるとかないとかですね、そういう次元のことではないと思います。正に阪神淡路大震災のときに自衛隊は国民とともにあると。先程の水平補完という話を森幕僚長から改めてお聞きして、私も心を打たれたように、そのことをやはり現場の段階の方も現場の責任でご判断をいただいたということだと思います。私は今回の自衛隊の活動に関して大変に感謝してますし、今のご質問はですね、そうした様々な手続きや根拠のお話をなさいますが、でもある意味では災害の派遣のときというのはですね、皆さんがよくおっしゃるような結果オーライなどというような言葉ではなくて、やはりそれぞれの担当者がそのとき総合的に判断するということだと思います。それが出納長の青山が言っているこういう問題は暗黙知の問題だと、究極的にはということにつながると思います。以上です。

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