Web Site 信州
トップページ戻る目的でさがす分野でさがす組織でさがすサイトマップ使い方ガイド
最終更新日:2004年11月06日

 

知事会見(原産地呼称管理制度「米官能審査会」、30人規模学級、

山口村越県合併についてについて他)

平成16年11月5日(金)
11:35〜12:40

表現センター 

信州知事 田中康夫
 それでは11月5日の知事会見です。最初に、3日の日に下諏訪町長でいらっしゃる高橋文利さんが急死なさるということがございました。昨日、通夜に伺わせていただきました。当日、岡谷市民新聞グループからコメントを求められ述べておりますが、まさに下諏訪町のみならず本県の民主主義の再生ということにおいて大変な損失であるというふうに思っております。ご存じのように、高橋さんは朝日新聞の論説副主幹というお立場から、立命館大学の教授を経て下諏訪町長に、ちょうどくしくも私の出直し知事選と同じ時期に町長選に初出馬されて、まさに政党であったり、補助金交付の団体であったり、労働組合であったり、あるいは職能ギルド的な性格の団体であったりという推薦や支持や支援というものを受けることなく、二万数千人の下諏訪の町民の方々によって選ばれた町長だったと思っております。私も物を書くような世界にいましたので、物を書く世界というのは何か批評や批判をすると。しかしながら、自分に批評や批判が加わると往々にして私の友人を含める物を書く人間や表現する人間は、非常にプライドが高いところもあって、烈火のごとく怒ると。あるいは自らの批判は許さないという体質な表現をする者にとかく現れがちでありますけれども、私は高橋さんという方とお付き合いする中で大変な方だと。というのは、あれほどのそれぞれの表現をする立場で極められた方が、あれほどに市民と同じ目線で接せられ、自らあらゆる場に出掛けられると。そして、また県に比べれば小規模かもしれませんが、人事政策を含め、行財政の改革に大変に前人未踏のことを2年間という短い間でも行われてきたことに、大変に私は敬意を表しております。彼が、まさに表現をすることも行政を行うことも、やっぱりこれは志産業だと。批判のための批判ではなく、あるいは傍観のための傍観ではなく、まさに一歩でもより良い社会をつくるための志を持って、その志のもとで発言し行動していくのだということを下諏訪市民新聞の2万号記念のときにおっしゃっていたのは、つい先日のように思い出します。大変に立派な方で、ある意味では、本当に表現の活動の場にあられた方が最後、まさに下諏訪という面積こそ小さいかもしれませんが、大変にそれぞれの市民が自律的な考えを持って発言し行動する町のあり方を再生するという実践活動をされ、その中で一生を、しかも誕生日の日に遂げられるというのは、ご本人にとってはさぞかしまだ心残りなやりかけのことがあろうかと思いますが、ある意味では、本人の理想を全うされる過程の中でお亡くなりになったということがせめてもの救いかとも思っています。
 昨日、お米に関しまして原産地呼称管理制度というものを行い、9品目、また八つの生産者の方を原産地呼称管理制度として認定させていただいました。この場で会見も行わせていただき、私も玉村豊男会長とともに同席をさせていただきました。多くの米穀の全国的に志のある業者の方、また批評の方々が、県内外を問わずご参加いただいて審査をいただいたことに感謝したいと思っています。この原産地呼称管理制度、今日お手元にもいくつかお配りしたかもしれませんが、例えば下條村の親田辛み大根というものを私たちは、これは今、両国の国技館のそばにあり、多くの方が東京でもっとも今きら星であると呼ばれている「ほそ川」というおそば屋さんで、親田辛み大根がおろしそばに使われております。こうしたかたちで原産地呼称管理というよりも、原産地呼称システムといいますか、原産地呼称を出していく。まさに地域のバイネーム、あるいは生産者のバイネームというかたちであります。お米の場合には、それぞれどのような農薬の基準にするかというようなことまで含めて厳しい基準を設けておりますが、これはある意味で、本県は大変素晴らしいお米があるんでございますけれども、恐らく一般消費者の方からすると、本県のお米というのはいまひとつ馴染みが、とりわけ都市部においてないと思うんですね。けれども、大変な被災をされており本県もお手伝いをしておりますが、魚沼コシヒカリといっても、じゃあ一体魚沼のどこの範囲なのかということは、これは分からないんですね。灘の生一本と、あるいは神戸牛というのと同じあいまいさが残っているわけです。これに対して本県の場合には、米どころという認識は秋田や新潟や宮城、あるいは岩手に比べると、山形に比べると少ないということもあって、逆にその生産者、あるいは農事組合を含めたその地域の顔の見える方のバイネームが出るかたちで原産地呼称管理制度を認定できると。ワインの場合には、桔梗ケ原というようなことをどのように今後定義していくのかと。また、桔梗ケ原の中でどのような等級を設けていくのかということが、恐らく原産地呼称管理制度が進化する中で問われていくと思いますが、お米の場合には、ある意味でいうと、まさに個人の顔の見える生産者から原産地呼称管理が始まっていくというかたちでありまして、この意味では、今までのワイン、日本酒ともひと味違ったものであろうかと思っています。
 もう一点は、昨日、いわゆる市町村長の方々、あるいは市町村教育委員会の方々と私たちの教育委員会、そして私が、30人規模学級という問題に関して話をさせていただきました。これは、前から申し上げているように教育、とりわけ義務教育というのは、天然資源の乏しい日本にとっての「人財」と。材料の「材」じゃなくて財産の「財」というのが、私たちのまさに得難き資源でありまして、こうした子どもたちを育てるためにきめ細かい教育が必要だと。義務教育費の国庫補助負担の廃止ということに私はずっと反対をしてきておりますし、三位一体の改革というものが全国知事会の出したもの自体が迷走を招いているということが言えるかと思います。これは11日の全国知事会の日で、昨日も全国知事会が、何ら決定権や権限のないような組織の会合に基づいて、またぞろ迷走気味であるということを大変憂いておりますし、同様の気持ちを持つ知事は少なくないと思っていますけれども。国がこれはやっぱりこれは義務教育というのはフランスであったり、韓国であったり、あるいはイギリスがそうであるように、きちんと財源を保証していくべきだと思っております。そして、よりきめ細かい30人規模の学級というものを国全体が等しく実現させるべきだと思いますが、こうした危ぐはまだ見えないわけでありまして、そうしたことにエネルギーを使わず、ゆとり教育という言葉だけのものにエネルギーを使って迷走をしているわけですけれども、そうした中で、やはり子どもたちは1日、1カ月、1年、待てないわけですので、本県として30人規模学級を1年生から3年生まで導入したわけです。そして、4年生以上に関しては市町村のご協力を得ていたわけです。今回ご議論をする中で、昨日私の判断として、4年生まで30人規模学級を県の責任で行わせていただくと。5年生、6年生に関しては、市町村立の小学校は県内全域でございますので、市町村のご判断とご責任のもとで30人規模学級を含むご判断をいただくということをお願いし、基本的にこれはご了解いただけたと思っております。ある意味では、日本の中でももっとも今回の4年生まで県が担当をするということによって、もっとも日本の中で進んだ、少なくともきめ細かさの教育というものが実現をするということであります。無論、これは市町村長からもご意見がありましたように、教員、職員の資質の向上ということは、これは急務でありまして、このことは既に教育委員会でも具体的なさらなるプログラムを作っているというふうに聞いております。それに先駆けての午前中の会合では、長野市の鷲澤正一市長からは、長野市としては4年生以上の30人規模等の少人数学級はやらないというような声明があったようでございますので、これは先ほどの部長会議でも、長野市がそのようなご判断であるならば、これは、私どもは基礎自治体のご判断を尊重するということであります。ただ、県としては4年生まで30人規模学級を県の責任と負担で行わせていただくという思いだということは、昨日お伝えしたとおりです。
 ご質問を受けます。

中京テレビ 原哲三氏
 われわれ今、山口村の合併に関する特集番組を作っておりまして、今日もその経緯でこちらにまいったんですけれども、ちょっとさかのぼって質問させていただきますけれども、9月の段階の定例会に議案提出をしなかったというかたちで合併に反対をされたという、その経緯ですね。それまでは数年間にわたって、要するにないがしろにしていたのか、途中で気が変わったのか、その経緯を簡単にちょっとお教えいただきたいんですけれども。

信州知事 田中康夫
 今のご質問の中の最後のお言葉は、少しくご的確な認識のもとでの二者択一のご質問ではないような懸念を持ちますけれども。同一都道府県内の合併と異なり、都道府県境を越えての合併というものに関しては、これは県知事と県議会が総務大臣に申請をするというかたちであります。私は長野県という行政体の長でありますし、県民から選ばれておりますので、この県境を越えての合併ということになりますと、これは県民全体の意向というものも的確に認識しなくてはなりません。無論、最初にそうした機運というものは当該の自治体以外の人が、「おまえは、こっちに来なさい」とか、「あっちに行きなさい」とかいうことを言う筋合いから始まることではないと思うんですね。したがいまして、山口村の村民の方々がさまざまに議論をされるということに関しては、これは尊重することだと思っております。ただ、県の段階として判断をする場合には、これは県民の意向というものを的確に認識しなくてはなりませんし、これは私どもの、私も含めた大いなる反省として、そうした的確な認識をするということを滞ってきたところがあろうかと思っております。その中において、やはりこれは県民の意向を聞くべきであると。そして、これは私も確たるかたちとして県民の意向を把握し切れていないと思いますし、県議会もそうであろうと思います。したがって、1万人規模の県民の意向、それもまさに「賛成」「反対」「どちらかといえば賛成」「どちらかといえば反対」「分からない」という極めて簡略な五択という選択で意向をお聞きをして、そして、そのうえで12月の議会でさらに議会でご議論をいただくというかたちを採ったわけでありまして、これはやはり長野県全体の問題でございますから、そのようなことを行うということを議会でそれを前提条件とさせていただきました。しかしながら、議会ではそうした1万人規模の意向調査を行う必要はないと。予算の流用によるそうした調査も行う必要はないというお話で、しかしながら、その予算の削除の賛成討論の中では、そうしたことは町の寄り合いであったり、職員がそうした場に参加する中で把握できるのではないかということですが、これでは客観性を担保できないというような中で大変苦慮しているわけでございます。

中京テレビ 原哲三氏
 なぜ6月ではなくて9月だったのかということをちょっとお聞きしたいんですが。

信州知事 田中康夫
 何がですか。

中京テレビ 原哲三氏
 定例会の、要するに議案を提出しなかったというのは、6月にもあったわけですけれども、それが9月になったということをお教えいただきたいんですけれど。

信州知事 田中康夫
 これは、もともと総務省の側とお話しをしたときにも、仮に越県をするということが決定された場合も、12月の議会であっても十分に対応できるようにするということはお話ししているわけですから、9月では疑問で6月ならば適切というようなことにはならないと思いますが。

日本放送協会(NHK) 小林宏介氏
 長野県世論調査協会の山口村の合併に関するアンケートの結果が今日新聞にも出ていたと思うんですけれども、その中で1,000人のアンケートですけれども、「どこの判断がもっとも尊重されるべきか」という質問に対して、「山口村と村民の意見を尊重すべき」という答えが78%を占めたという答えがあったんですけれども、これについてどう思われるのかということと、その意向調査の件について、現段階で実施についてどう考えていらっしゃるのかというのを、二点、お願いします。

信州知事 田中康夫
 議会は意向調査の予算を認めないと、流用も認めないと言っているわけですから、大変にその点で…。しかしながら私は、恐らく議会の方が県民の意向を的確に認識しているわけではないと思うんです。というのは、県民の意向を的確に認識するということでいえば、先ほど申し上げたように、私は「賛成」か「反対」か「どちらかといえば賛成」か「どちらかといえば反対」か「分からない」という五択であるべきだと思いますが、今回の長野県世論調査協会ですか、そこの調査はさまざまな調査を行っているようでありますが、こうした聞き方はないわけでございますから、直接一人ひとりの県民がどう思うかということの問い掛けがないわけですので、大変に私たちが考えていた県民のお考えを聞くというかたちとは随分と異なると思っております。あと、私はその中で、確か長野県からほかの県に行く者、中に長野県に来る自治体というようなこともあとに書いてあったかとは思いますが、長野県から他の都道府県に自治体が行くことをどう思うかというのに対して、確か6割以上の方ですか、7割くらいですか、6割以上の方…。

日本放送協会(NHK) 小林宏介氏
 58%です。

信州知事 田中康夫
 6割くらいの方が、それは構わないとおっしゃっているんですね。これは、私はやはり唯我独尊のローカリズムというのとは違う意味で、『信濃の国』という歌を唯一県歌として誰もがそらで歌えると。そしてまた、十のそれぞれの地域の風土が違ってもユナイトしていくと。そしてまた、その信州と信濃と長野県というものが地勢的な面積でいっても、範囲でいっても同じであると。他の都道府県にない歴史を持っているわけでして、そしてまた本県は、軽井沢や上高地や野尻湖や蓼科や、あるいは馬籠や妻籠であったり、あるいは白馬もそうであろうかと思いますし、あるいは栄村のような独自な福祉をやっているところもありますし、県境に大変に私どもの多くのコモンズとしての…、野辺山もそうですし、財産があるわけですけれども、そうしたところが外に出ていってもいいというふうに6割くらいの方がおっしゃるということは、これはアンケートの聞き方なのか、県民のそうしたご認識なのか、大変に戸惑うところだと思うんですね。むしろそのことのほうが、昨日も何人かと話しておりましたが、糸井重里さんに『家族解散』という本がありますけれども、長野県解散などということを望まれているのだろうかと。よもやそんなことはないだろうと私は信じたく思っていますけれども。いずれにしても、私たちが考えていた設問とは違って、県民一人ひとりのご意志を問うというかたちになっていないと思いますから、何とも答えようがございません。

日本放送協会(NHK) 小林宏介氏
 そういう質問はなかったと思うんですけれども、どの判断が尊重すべきかという点で、「県民」というのが15%であったのに対して、「山口村と山口村民」という答えが78%だったんですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。

信州知事 田中康夫
 だから、その設問の中も確か…、皆さんに逆にお聞きしたいんですけれど、仮に県がこのような設問をして、あるいは何か議論や手続きを踏んでですか、議論を重ねてですか、そういう答えが出たというのは、電話の調査の中でそういう用語をご利用になるということは、これまた統計学の観点からご議論はされるべきことじゃないかなという気もしなくはありませんですね。私たちはやはり、これは県民の一人ひとりが自律的に県民が判断し行動しようと。そうした方々を一緒に支援していくというのが私の就任以来の長野県政でありますし、そのことが過日、毎日新聞の最後に川勝平太さんがお話しになっていたような、国の方針や国の下部組織として動くというような組織でないと。あるいは、国の一律の下部組織として動いていく中で、待ったなしのこの危機的状況に財政だけでなくて行政サービスや国の在り方もなってくるということを自律的に判断し行動する人たちとともに、その人たちを支え合うことで変えていこうと言っているわけですから。いずれにしても、今回の設問では私たちの県民の意向というものが認識できるというものではなかろうと思います。

新建新聞 岸豊氏
 県の建設工事の優良工事表彰についてなんですが、平成15年度から今年度についても、まだ表彰をやっていないんですね。2年連続。ご認識はあると思うんですけれども。それで、知事はかつて企業の表彰ではなくて、個人の建設技術者の表彰をする方向へとシフトするようにという指示を出されているということなんですが、来年度も県の入札参加申請の中における新客観点数という中において、表彰の項目も引き続き入れていく予定であるという中にあって、現状は表彰していないということに矛盾というか、やっていないという事実があるんですが、表彰についてどうなされるのかということと、その内容について、企業であるのか、個人の表彰をなさるのかというようなことについてのお考えを教えてください。

信州知事 田中康夫
 この見直しをしていこうということは、やはりご存じのように、発注技術等検討委員会が作られたように、より適切に本当に努力をしてよい成果を収めている企業というものが、国土交通省の経営事項審査をよい意味で乗り越えるかたちで本県で作れればということであります。こうした中で、それぞれよいお仕事をしている方々にも、今までのどうしてもピラミッド型の発想の中での評価というのでは申し訳ないということであります。今の点は、同時に個人のやはり素晴らしい職人の方、あるいは現場監督の方、これによっても工事の資質は変わりますし、同時に、またそうした方々を雇用していらっしゃったり、そうした重機を持っている企業というものも、これは評価の対象だと思っております。その点がちょっと滞っておりますことは大変申し訳ないと思っておりますし、再度、この再検討の速度を速めて、きちんと現場の技術者の方、また監督の方、そしてそうした企業の方をきちんと表彰できるようにしたいと思っております。

新建新聞 岸豊氏
 確認なんですが、平成16年度についてはおやりになるのか、ならないのかという、現時点のお考えで構いませんがどうでしょうか。

信州知事 田中康夫
 16年度末までの段階で、その規模の大小はあるかとは思いますが、今のような現場監督の方も含めたかたちでの表彰というものを行いたいと思います。

フリーランス 相川俊英氏
 今日は、『週刊金曜日』の取材でまいりました。山口村の合併問題でちょっとお伺いしたいんですけれども、先ほど田中さんは、越県合併と県内合併は違うんだと。異なるものだというふうにおっしゃいましたけれども、ちょっと確認したいんですが、市町村合併の場合、一番尊重されるべきは地域住民の意向だと思うんですが、田中さんはそうすると、越県合併の場合はそうではないというようなお考えなんでしょうか。

信州知事 田中康夫
 今申し上げましたように、私たちの述べるコモンズというのは市町村の中の小さな集落や地域ということもありますし、また私たちは市町村合併を経ずとも下伊那に見られるように、あるいは他の地域もごみの問題等は広域であったり、一部事務組合を作ってきています。そして私たちのとらえるコモンズというのは、これはやはり本県、長野県全体というのも一つのコモンズなわけですね。そのコモンズの数奇が非常に左右される問題の一つは、これは越県合併であります。故に県議会と県知事とともに総務大臣に、仮にその場合には申請するというかたちです。これはやはり県民全体の議論があり、県民全体の意向というものが問われることだと思います。

フリーランス 相川俊英氏
 その場合、仮に県民全体の意向と住民の意向が違った場合はどうなるんでしょうか。

信州知事 田中康夫
 それ仮定のお話でして、まず私はその点をきちんと把握すべきだということで予算化も望んだわけです。これに対して議会の方は、職員や議員が地域の集会で意見を聞くだけでも十分に把握できようと言っているんですが、それはちょっと違うと、客観性という点からも違うと思っているわけですね。

フリーランス 相川俊英氏
 地元の住民は意向をきちんとはっきりさせていますよね。合併ということで。

信州知事 田中康夫
 地元においてもいくつかの調査は行われて、ひとたびは今回のご意志とは異なる結果が出ているという段階もありますね。無論それは人間ですから、全員が全員、同じ考えになるというわけではなかろうと思います。

フリーランス 相川俊英氏
 既に手続き的には全部合併ということで済んでいますけれど。

信州知事 田中康夫
 この問題に限らず、手続きという前に、あと私たちの社会、地域の在り方ということですね。それは基本的には、私はこの間もフランスの財務省の次官が来て、1時間意見交換を…私どもの当初は福祉に関してだったんですが…話しをしている中で、私たちの多くの下伊那の町村等が目指している市町村というコモンズがあり、そしてその連携があるというかたちのモデルを、既にフランスではもう長きにわたってやってきていると。フランスも当初、数ありきの合併というかたちを採ったときもあるけれども、多くのコモンズにおいてそれに対しての懸念があり、現在のかたちに推移してきているというお話しでした。だから、恐らく基本的には私はフランス型のそうしたコモンズを目指しているんだと思いますし、昨日も栄村の高橋彦芳村長が、例えば環境省からはほとんどお金が、維持費は全く来なくて、国立公園内の遊歩道というものは小さなこの自治体の責任でやらなければいけない。ただ、それに対しての費用というものはほとんど担保されていないと。これはフランス型とは大きく異なることで、フランスの場合には、そうしたものをきちんと市町村なり都道府県に認めているわけですね。

フリーランス 相川俊英氏
 田中県政の理念の大きなものとしてコモンズがありますよね。それから、地域主権があって、自律というのがあります。山口村は、一応地域住民が合併ということを判断出しましたですよね。それに対して県のほうがストップをかけるようなことというのは、この理念と整合性がないんじゃないかというような気がするんですけれども。

信州知事 田中康夫
 そんなことはございません。だって私たちは、これは一つの長野県という自治体の私、長ですし、そのことでいえば、ネーションステートという概念があって、国家の国境というものもあるわけですね。同じ国家の中とはいえ、それぞれこれは自治体の県境というものがあるわけです。ですから、同一県内での市町村の境が変わるということは当該の地域の方々のご判断になるでしょうけれど、県境が変わるということになれば、これは県全体の問題であります。それは、まさにそのことをご否定なさるということになると、長野県という、あるいは都道府県というものの自治というものは、どのように逆に相川さんはお考えかということになります。

フリーランス 相川俊英氏
 そうすると、その県境の村というのは、県の意向に従わなければならないということになっちゃうんじゃないでしょうか。

信州知事 田中康夫
 県の意向ではなくて、それは少なくともどこの都道府県にあっても、交付税があることも、基本的なシビルミニマムというものに関しては日本というネーションステートの中にあれば、それは例えば沖縄の基地問題というのは著しい偏在があると思いますけれど、その基本的な部分は認めてくるというかたちで来てるわけじゃないですか。ですから、県境の問題によって、そこの方の生活が著しく変わるということではないと思うんですね。つまり、他の都道府県に行くことができないからといって、基本的なシビルミニマムが阻害されるということではないわけですね。

フリーランス 相川俊英氏
 最後に、12月県議会に合併議案というのは提出なさるんでしょうか。

信州知事 田中康夫
 ですから、私は繰り返し9月の議会において、1万人規模の意向調査というものを実施し、それを前提として12月の議会に議案を提出させていただくと申し上げてきているわけです。

高知新聞 浜田成和氏

 ちょっと直接長野県政と関係ない質問で申し訳ないんですけれども、高知県は今、橋本大二郎氏が県議会の辞職勧告を受けて、出直し知事選挙が11日に迫っております。田中知事は橋本氏とかなり親しい間柄で、同じ無党派知事と言われる立場で、橋本氏の政治姿勢とか改革手法についてどう見ておられるのか、評価しておられるのかをお聞きしたいんですけれども。

信州知事 田中康夫
 大変に評価しております。それは、橋本氏は13年前になりますか? 今、日本全体で半分近い知事の方は総務省ご出身ですし、恐らく半分以上の方は霞が関の官僚出身です。無論そうした中にも、もともとの出身というか経歴とは異なる哲学を持った方もいらっしゃるとは思っています。しかしながら、やはり今、言葉では地方分権と言われながら、実は極めて中央集権的な自治というものが行われてきているような気がするんですね。そしてまた逆にいうと、その地方分権的な判断で全国知事会が今本当の三位一体、真の意味での改革を述べているかというと、これも甚だ疑問であります。こうした中で、私はやはり橋本大二郎氏は、特定の政党のいわゆる大きな支援を受けたり、あるいは団体であったり、組合であったり、補助金交付団体であったり、職能団体であったりの大きな支援を受けるというようなかたちで再選を重ねてきているわけではないという数少ない知事の一人だと思っております。
 もう一つ、橋本大二郎氏が行ってきていることは、例えば大きな箱ものを造るか、造らないかということは賛否両論はあれ、目に見える変化が起きるわけです。そしてまた、それは大きな国の補助金の制度という国の体系の中における営みなわけです。それに対して橋本さんや私が言ってきていることは、先ほども川勝平太さんのインタビュー、…そこに多分張ってあるかと思いますので、もしよろしければ、あとで毎日新聞もコピーはきっとお許しいただけると思うんですが…、書いているように、まさに国の中央集権的なピラミッド型の政治というものがもう行き詰まってしまっているという中において、橋本さんは一人ひとりに立脚した目には見えにくい充実というのをしてきたと思うんです。これ実は、下條村の伊藤喜平村長という、皆さんご存じの、私が大変尊敬する村長が、ガソリンスタンドの経営者から村長になられて、すぐに福祉タクシーを始められたときに、多くの方が大変にこんな制度が生まれるんだと言ってお喜びになったそうですが、半年くらいたつと、「いや、村長。もっとこれ増やしてよ」って言い出したと。村長はやっぱりそこで充実させることがやぶさかではないけれども、先ほど申し上げたように、一人ひとり自律的に判断したり行動していくという人と一緒に世の中を変えていくという、恐らく伊藤さんもお考えなので、そのようにやみくもに福祉タクシーを充実させることが充実ではないっておっしゃったと。これは30人規模学級であったり、福祉であったり、こうしたものは、充実がなかなか箱もののように賛否両論の目に見えるかたちで日々完成後も見えるというかたちではありませんので、その意味でいうと、橋本さんがなさってきたことというのは、そうした従来型の発想からすると、少し目に見えにくい分だけ極めて険しい道を登って来られた方だと思っています。私はいずれにしても、橋本氏に関しては大変評価をいたしております。

高知新聞 浜田成和氏
 すみません。それで、一人ひとりに立脚した目に見えにくい充実をしてきたということなんですが、実際、去年の知事選では橋本さんが23万票、相手候補が19万票ということで、民意が分断されている状況もあるんですけれども、それとは別に、議会というもう一つの民意と知事が対立した結果の今回の辞職勧告なんですけれども、田中知事はご自身の議会対応とかも踏まえて、二つの民意が衝突することについて県民益につながるのかとか、そういうことはどうお考えでしょうか。

信州知事 田中康夫
 先般、くしくも橋本さんが辞職勧告決議を議会の側から出された日の朝刊に、中日新聞のインタビューというのが長野県版に載っていまして、これも大変に私は…、決して私をご評価してくださっているからということではなくて、大変に的確なことをおっしゃっていると思いまして。ひとつやっぱり県知事というものは非常に…、彼のやっている福祉施策とかは、箱ものとは違う見え方だと思いますけれども、やはり知事というものはリーダーであり、きちんと目に見えるかたちで行うと。パフォーマンスという言葉は本態、費用対効果ということの高いということであって、その実体の伴ったやはり知事はパフォーマンスをしていくべきだというふうに言っているんですね。と同時に、やはり知事を選ぶと、自分が13年前になったときに比べると非常にさまざまな知事が出てきたと。やはり知事を選ぶということに関しては民意というものは随分と変化してきているかもしれないけれども、議員を選ぶということに関しては、知事を選ぶときの尺度とは随分まだ異なるのではないかということをおっしゃっています。そうしたやはり変換期にあるということじゃないかという気がします。ですから、知事の側が議会という民意に寄り添うべきなのか、議会の側が知事という民意に寄り添うべきなのか。私、こういうことを例を挙げると失礼かもしれませんけれど、神奈川県の松沢成文知事は私とは随分考え方が違ったり、思想が違うと思いますが、彼も恐らく地元のメディアでは、「議会と不毛の抗争、対立」と、「問われる知事の議会への説明責任」というようなことが書かれているかと思うんです。これ千葉県と埼玉県も当初は無党派を標榜されて知事になられて、議会の中に与党というのはほとんどいらっしゃらなかったと。これが半年から1年もたたずして、ほとんどの方が与党になられていると。すると、議会と知事は極めて良好な関係、あるいは知事は議会に自分の理念を理解させ得たというふうに、じゃあこれとらえるのかということだと思うんですね。私は必ずしもそうじゃないと思っています。あるいは、浅野史郎知事というような方も、もう3期になられると思いますけれども、やはり極めて議会との関係というものは必ずしも一般的に言えば良好ではない。議会が浅野知事という非常に新しい福祉策をはじめとする、橋本さんと同じように新しい私は改革派だと思いますけれど、その方が出すことを多く否決をしたり、継続審議にしたりしていると思います。でも、そのときにそれぞれ県民が選んだものでありますけれども。では、浅野知事が県議会が認めてくださることを、つまり県議会も成長する必要があると思いますし、私も自戒を込めて、私も成長する必要があると思うんですね。でも、知事の側が議会に歩み寄らないのがおかしいという方向で、宮城であったり、高知であったり、長野であったりでは、メディアの上で表現されがちかもしれませんけれど、じゃあ議会の側はどうなのかということは、常に浅野さんや橋本さんは問うてきたんだと思います。それを選ばれたのも同じ県民であるということを、県民もまた自覚をされると。いい意味で私は、橋本さんは同時にダイレクトな直接民主主義的だと思うんですね。県民に入っていかれる。私もそうですし、浅野さんもそうだと思います。大きなピラミッドの頂点に乗っているかたちの知事では、浅野さんは厚生労働省出身ではありますが、だいぶ異なると思うんです。個々の面では、それは私や浅野さんや橋本さんが考えが違うところはありますけれども、この3者というのは、比較的ピラミッドを壊そうと、ピラミッドでないフラットな社会をつくろうということで行ってきているんじゃないかと、私は思っていますし。ただ、往々にしてそういうものは地元のメディアにおいては、そのピラミッドという後ろ盾はあるわけではありませんから、批判の対象になりがちだという面もあると思いますね。ですから、議会の側もどうなのかということは常に問われることじゃないんでしょうか。県民の側も、県知事を選ぶときに、橋本さんがおっしゃるように意識が変わってきたと。だけど、議会を選ぶときに、例えば自分と等身大に近い方が議員に出るときに、いやあ、1,500万円ももらう議員に自分と一緒に運動をやってきた人がなっちゃったら何かしっくりこないなと思って、もう少し今までのかたちの中での経験のあるような方をつい選ばれてしまうというようなかたちもあると思うんですけれど、議員もまた、橋本さんや浅野さんが直接対応していくように、議員もまたまさに小さなピラミッドの中に組み込まれたり、その間にいたり、上にいるという人ではない、フラットな自分と等身大の人がより出てくるようになると、それは埼玉や千葉の場合の議会と仲良くなったというのとは全く違うかたちで、高知や宮城や…あるいは神奈川もそうだと思いますけれども…の議会と知事との議論や、あるいはそこで生まれてくる施策と、実効性のある予算というものは変わってくる気はしています。

高知新聞 浜田成和氏
 すみません。最後、今回応援に来られる予定はどうでしょう。

信州知事 田中康夫
 私は遠いこの地にあっても橋本さんを支援いたしておりますし、これは近く出る『月刊現代』の中でも対談をさせていただいて、そのことを表明しております。私自身は11日から21日までブラジルとアルゼンチンに、本県のご出身で大変過酷な歴史の中で地方を固められた方々にお目に掛かるために、古田芙士議長と一緒に渡航いたしますので、その間は物理的には日本にはいません。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 予算編成の関係で、知事と各部局長が毎年重点事業のヒアリングに代えて、今回、施策方針検討会という組織ができあがったというふうに聞いておるんですが、これは一体、何をする組織で、なぜこうしたものが作ったのかというのをまず一点お聞きします。

信州知事 田中康夫
 ここには旧来の財政の経験者であったり、さまざまな職員がいます。これは前から申し上げているように、例えば地産地消の地域食材の日というのも、教育委員会ではなくて農政部が動くことによって短期間のわずか1カ月で全県下の合意を取り付けたわけですし、木製ガードレールというのも、林務部でなく土木部が行うことでより迅速に行えたというのがあります。ですから、やはりそれぞれ皆さんもそうだと思いますけれども、自分の所属している組織のことを信濃毎日新聞の方も人事政策を含めて批評したり批判するというのはなかなかできないと思うんですよね。その意味でいうと、私たちの組織も縦割りだったとするならば、よい意味で縦割りですけれども、いろんな部署を経験していますから、現在財政であったり、あるいは当該部署にいるのではない人間が一緒に議論をすることで、やはり本当に県民に近い、自分が一人の県民として感じているニーズを実現しようと。あるいは、この補助金の制度は考え直そうというようなことが出てくると。こうした中でそのチームができているわけです。クロス・ファンクショナルなですね。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 各部局長が前回の部長会議で、かなりこういうやり方でいいのかという批判…、批判というか何というか、異論ですね…、出てる。これは知事が出席されていなかったんですが、恐らく問題意識としてはあると思うんですが。この点についてはどうでしょう。

信州知事 田中康夫
 これは、恐らくおっしゃっているのは、農政部長の鮎沢光昭であったり…、

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 出納長もいましたね。

信州知事 田中康夫
 林務部長の鷹野治であったりだと思いますけれど、彼らに関しては、この点は十分に理解しています。出納長の青山篤司は、ある意味ではよい意味でのご意見番としてアウフヘーベンをそこに起こすために常に彼は石を投げるということを自らに課しているところがありますし、その点は青山も理解しているところです。ですから、単に私がこういうふうにやってみたらというから黙っているというかたちではなくて、それに対して意見を言うと。しかしながら鮎沢が常に言っているのは、意見があっても方向が決まったら、それを一丸となってよい意味でやることが、この組織により求められていると鮎沢も言っておりますし、私はこの方法という中で、とりわけ今後社会部をはじめとする多くの、例えば今まで知事の段階で主要事業といっても上がって来なかった継続のさまざまな国の補助金制度に基づいての福祉や医療というのが多くあります。これらをこのチームでも議論をしてもらうことによって、私がそれを知り得る。あるいは、当該の部も気付くということがありますから、これは大変に大きな効果を発揮していると思っています。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 分かりました。あとちょっと三点。旅費の問題で、特別職の旅費の制度について、知事、前回の議会で私用の部分についても何らかのかたちで公表するというふうに県議会で答弁されたわけですが、どうなったんでしょうか。

信州知事 田中康夫
 私用の部分、どこまで言うか…、立ち食いそば食べたところまで言うのかというのはありますけれど、これはもう常に、青山がもともとこの問題に関してはきちんと特命としてやっていますから、来週またこの問題に関しては青山と話をすることになっております。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 そうですか。分かりました。あと、環境保全研究所の過酸化ベンゾイルの誤検出の問題についてですが、これは人事のほうで、何というんですか、罰というか、あれとは関係なく人事が出ていますが、処分については、これはどうなっているんでしょうか。検討中と仮におっしゃられたのだとすれば、これは何を検討しているのかというのをお聞きします。

信州知事 田中康夫
 この過酸化ベンゾイルの環境保全研究所、衛生部の問題及び企業局の問題、あるいは土木部のいわゆる無許可採石の問題とかいくつかありますから、これらを合わせて処分は出すことになっています。私と公営企業者に関しては既に議会には出しておりますが、ただこれも、それらの一般職員の処分を勘案する中で、最終的にまだ議会に提案はいたしておりませんので変わる可能性はございます。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 これ、いつ処分…、あまり長引かせるものでもないと思うんです。報告書も既にそれぞれの問題について出ておって、

信州知事 田中康夫
 そうでございますね。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 原因について、

信州知事 田中康夫
 おっしゃるとおりでございます。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 ですね。

信州知事 田中康夫
 ですから、おっしゃるとおりでございます。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 早急にということですか。時期とか、今週中とか…、いやいや、別に…、

信州知事 田中康夫
 申し訳ない。皆さんのさがで、5W1Hの4Wが必要かもしれませんけれど、

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 いやいや、そういう…。長引かせる必要がないだろうと、そういうことを言っているだけです。

信州知事 田中康夫
 私のブラジル渡航前に発表というかたちにはならないと思いますが。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 あともう一点ですが、地労委の委員の選任を巡って、連合長野からこのまま空席にしておくのは労働行政の軽視ではないかという申し入れで回答を求めるというのが、恐らく知事の手元にも届いていると思うんですが、これに対して、どのように…、

信州知事 田中康夫
 これは、皆さんご存じかもしれませんが、委員に対して立候補というかたちを求めまして、複数の方がおり、その中で学校に勤務なさっている方ですが、この方を私ども決定をしたところですが、その方の雇用者側からそのような地方労働委員という活動をすることは認め難いというお話があって、その方は大変な熱意をお持ちでありましたので、しかしながら、ご自身の職ということにもかかわりかねないという中で無念の断念をなさっています。それに対して3月までというかたちの…、3月ですか、4月1日なのかな…、4月15日なのかな、分かりませんが、春までの任期ということの欠員を埋めるというかたちでありましたので、そこはどうするかはもう少し考えております。ただ、労働側の委員というのも、これは複数の方がいらっしゃるわけでありますから、そのことのみをもって労働行政の停滞ということにはつながらないと思いますが。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 任期というか在任任期は1年ぐらいあるんですけれど。1年以上、確かあると思いますけれど。空席にしておいていいものではないと思います。

信州知事 田中康夫
 もちろんそのように思っております。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 というと…。

信州知事 田中康夫
 だから、空席にしておくことが好ましいなどとはもちろん思っておりません。ただ、私たちは大変期待して多くの方がご応募いただく中で…複数ですね…の方がご応募いただき、また今までの従来のおっしゃられるところの連合系の方、あと正式名称は何て言うんでございましたっけ。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 県労連ですか。

信州知事 田中康夫
 県労連の方以外の方からご応募があったということで、それはやはり労働省というのは、今は労働組合に入っている率が2割を切っているか切っていないかというような状況ですからね。あるいは、この建物の中でしたって、臨時任用の職員と労働組合には入っていない人たちが多く雇用されているわけですから、その意味でいうと、大変に小さなそうした労働組織の方が委員になっていただくということは大変ありがたいことだと思ったわけです。私どもも当初、経営者側の方にもお考えを直していただけないかという期待を持っていたんですけれども、それが大変に固い雇用者側の決意だということで、これ自体が大変に今後解決していくべき残念な問題だと思いますけれどね。非常に期待をしていた方が、またその方もそうした強い意思をお持ちでありながら雇用者側からなかなか認めてもらえないという厄介な状況です。無論、空席のままでいいと思っているわけではありません。断じて。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 じゃあ、欠員の補充については、公募は近々にも。あるいは、いつごろまでに、年内とか…。

信州知事 田中康夫
 公募をするのか、どうするのかですね。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 つまり知事が判断しないと、これはどうにもならんのですよ。

信州知事 田中康夫
 もちろん、年内には判断いたします。

信濃毎日新聞 平沢隆志氏
 年内ですか。分かりました。

朝日新聞 園田耕司氏
 山口村の越県合併の確認なんですけれども、先ほど、県世論調査協会の調査に関して、県民の意向が把握できたとは思っていないというおっしゃり方をされたんですけれど、つまり、要するにやり方は別とても、今でも県民の意向を把握する必要があるとは考えていらっしゃるということでしょうか。

信州知事 田中康夫
 ただ、その用はないって議会の方はおっしゃったんだけど、それはやっぱり予算措置というのは議会の側ですし、しかも流用もならんとまで厳しくおっしゃっているわけですから、さりとて、その議会の方がおっしゃっている集落等の集いで職員や議員が個別に聞けば把握できるんじゃないかというのは、これは少しく違うと思いますから。だから、逆に議会の方々はどういうふうに把握なさっているのか。また、先の長野県世論調査協会の調査をもし仮に県が同様のことをしたときに、ここにご参集の方が、それは把握するという内容かというところはちょっと議論があると思います。何とも非常に困惑しています。

朝日新聞 園田耕司氏
 ずっと議会終わってから困惑しているという言葉ばかりを言われている印象を受けるんですけれども、例えば今、市町村議会…、

信州知事 田中康夫
 ただ、議会の方々がどう…、議会の方々も車の両輪であるならば、別に私を助けるとかいうことじゃなくて、議会の方々も休会中とはいえ、さまざまなご認識や重要性をかんがみていらっしゃるのだったら、是非ご助言をいただきたいと私は思いますが。やはり、そうであってこそ、議会の開催期間中に議場の場だけでなくて是非…。それは私の携帯電話を知っている方も何人もいらっしゃいますし、知事室にもお越しいただけるわけですし、議会の方々…。私はこういう方策の前提として意向を調査をして、12月の議会に出したいと申し上げたわけです。それに対して、意向の調査の用はないと。流用も必要ないとおっしゃっているわけです。ですから、その意味でいえば、議会の方々がきちんと代替案をお出しになられるということが車の両輪としての私は望むべき姿じゃないかと思いますけれど。

朝日新聞 園田耕司氏
 となると、その議会側のアクション待ちという状況になるんでしょうか。

信州知事 田中康夫
 いえいえ、待ちではなくて、全く議会の方々は9月議会以降…、無論さまざま、例えば合併に反対だというような議員の方々の活動というのはあられるようです。私、今朝の新聞読んでいませんが、昨日も塩尻の地で多くの方が集われて会合が開かれたと。そうしたことも客観的事実として報じられているのか、報じられてないのか、よく存じ上げないんですけれども。朝、新聞を…あいすみません、読んでいませんので、テレビ等ではあまり報じられなかったんだと思いますけれど。やはり皆さんも是非客観的事実を報じるということには紙幅が多くおありですから、是非とも、せんえつかもしれませんが、ご尽力いただきたいと思っています。
 私どもの県が50名体制で職員を震災発生2日後から5人1組で各被災地でお手伝いをさせていただいているというようなことも、報じてくださったメディアもありますけれども、これを報じてくださってないメディアというのも紙幅が大きいところでも恐らくあるんじゃないかと思います。数日、数週間たってから報じるというかたちでは、これは旧聞であって、新聞ではないわけです。ですから、私の施策を褒めるとか、けなすということは、多いに結構なことです。でもその前に、50人の職員が被災地に震災のお手伝いに行っているというのは、これは客観的な事実です。そして、それが報じられて初めて、その人数じゃ少ないとか、そんなことはする必要がないとかいうことが起きることだと思うんですね。私たちの義援金というものは県独自に、せんえつですが行わせていただいているのは、無論今までの義援金も適切に役立ってきたであろうと信じておりますけれども、やはり、より具体的なかたちで行わせていただくと。私どものオハジョナの車を出すことや、あるいは栄村や中野市のお風呂にご招待をバスで申し上げることや、あるいは白鳥園の場所を近くご高齢の方々に短期滞在していただくショートステイのようなかたちにしていくというようなこと。こうした具体的なことに関してこの義援金を使わせていただくということで、大変に県内のみならず県外からも多くの方々にいただいているのは、やはり私たちの具体的な活動にご期待くださっていると思います。それに応えていかねばならないと思います。在日米国商工会議所も私たちの募金に一元化してご寄贈くださるということをおっしゃっているのも、そうした点にあろうかと思います。
 山口村から少しそれたかもしれませんが、一点は、私どものオハジョナ号というのを被災地に出しております。ご存じのように、これは絵本を500冊積んで、着ぐるみのオハジョナがいてと。そして、この車が行って、同時にメンタルケアをする者が一緒に画用紙やクレヨンや色鉛筆を持っていって、怖かったことや悲しかったことを書いてもらうと。前も申し上げ、この場では申し上げてないのであえて申し上げますが、やはり私は山田太一氏の『岸辺のアルバム』という、多摩川のところの濁流に狛江市の家が飲まれ込んでしまったときに何が一番つらいかといったら、やっぱり家族と撮った写真であったり、今で言えばきっと、家族と運動会で撮ったビデオであったり、こうしたものが流れてしまう。人が亡くなったことは悲しいけれど、戻ってはきません。家はもしかしたら必死の思いで建て直すことはできるかもしれません。でも、一番大事なことは、そうした戻ってはこないきずなだと思うんですね。これは私の何人かの友人が、雲仙のときに画用紙とクレヨンを幼稚園や保育園にお送りすると。直接そこにお送りすると。こういうのは郵送料も無料になりません。でも、ここで悲しかったこと、つらかったこと、そしてちょっとうれしかったことを絵に描くことで、吐き出すことで子どもが怖さを乗り越えていく。そして、そのときに初めてメンタルケアをする私たちもそれを一つのいい意味でのツールとして使ってお世話をできると。これが、オハジョナ号が今行っていることです。同時に、そこで老人の方の、県内に移られるというような方のご相談にも乗っているということです。これは同時に、職員はお手伝いをするというつもりで行っていますけれど、みんな戻ってきた者は、逆に自分が被災地の人から教えられたと。本来、私たちが行政サービスをする者として忘れかけていた大切なきずなやその心を提供するということを教えていただいていることだと思っています。幸いにして、県内の幼稚園、保育園も、もともとオハジョナ号が伺う予定だったことを新潟に振り向けるということに深いご理解をいただけていることを、私は感謝したいと思います。
 私が彼らを最初に玄関前で送り出したときに、幾人かのマスメディアの方が、「知事、こんなことをして、子どもは救われるんでしょうか」と。あるいは「県内の伺うべき幼稚園や保育園の子どもはどういうつもりでいるんでしょうか」っていうことを私に問い掛けた表現者の方がいました。さして深い意味はなかったのかもしれません。でも、私は大変にこのことは悲しいことだと思います。もし県外、私たちは幸いにして3名ほどの方が軽いねんざで済んだ。だからこそ1日目から水やおにぎりだけじゃなくて、まさに川口町や山古志村に乳幼児の離乳食まで一緒にお届けをしたわけです。同時に、多くの企業がお手伝いくださっています。企業のものを運ぶのかと言うかもしれませんが、でも、多くの職員が行って、実際に避難所だけじゃなくて、テントで暮らしていたり、自動車の中や半壊の家の中で暮らしている人に、多くの現場の役場の職員も一生懸命やっているかもしれませんが、そのまま倉庫に入ってしまう。あるいは、避難所の人にだけ配ってしまう。神戸の場合に多くそういうことがありました。でも、もっと自律的な人は、本当にテントや半分壊れた家で努力している人で、そこに私どもの職員が行って、お子さんのサイズにあう靴下もお渡しする。それは小さなことかもしれません。私たちはまた無事であるこの長野県に戻ってくる職員かもしれません。でも、その後ろ髪を引かれる思いが長野県でも県民に何をするかということにつながると私は思いますし、やはり、長野県は地震列島の中にありますから、じゃあなぜ新潟にそんなことまでするんですかとおっしゃる方は、もし何か起きたときには、じゃあ長野県はそうしたものを受け入れないのか。長野県は長野県のことだけやっていればいいのか。だったら、駒ケ根にある青年協力隊の建物も、じゃあなぜ長野県にあるのかということまでになっていくと思うんですね。それほどの深い意味はなく、そのマスメディアの方は私におっしゃったのかもしれません。これは批判ではありません。やはり私たち長野県が、やはり隣県としてできることを行う。そしてそれは行わせていただいているんじゃなくて、学ばせていただいていることだと私は思いますし、そうした思いを一人でも多くの職員が共有できる境遇を迎えられたということは、大変不幸な惨事が起きた中で、一つのありがたいことだと思っています。
 いずれにしても、日曜日の段階で165台だか4台の自衛隊の炊事車が入りながら、43台だか6台しか稼働していないというのが共同通信電で流れていましたけれども、それがなぜなのかということが、その翌日の幹事長の会見でも官房長官の会見でも誰もお聞きにならないし、あるいは、のみならずその翌日に地震の質問が全く幹事長の会見でも官房長官の会見でもない。午前、午後もないっていうのは、私は、皆さんと同じ表現に携わってきた者としてはとても残念な気がしています。

朝日新聞 園田耕司氏
 すみません。ちょっと山口村に戻らせていただきたいんですけれど、最後一点なんですけど。今県内の市町村議会とかを見ると、先ほどコモンズという言葉の質問もありましたけれども、知事がその住民自治の重要性と訴えているということで、それに非常に高く評価する声というのは小規模の市町村というのはあったと思うんですけれども、実際に今、例えば提案の見送りとか意向調査の実施という方針について、市町村議会とかが住民にもっとも身近な市町村自治が反映されてないという決議が相次いでいまして、それで先ほど知事のお話として意向調査の実施の必要性というのは、県民全体がコモンズだというおっしゃり方をされたんですけれども、そういう県民全体がコモンズだというのは、多分ちょっと新しい言い方ではないかなとは思うんですが、そういう言い方で市町村側の今の反発というのを説得できるのかというところをちょっとお聞きしたいなと思います。

信州知事 田中康夫
 コモンズの図というのはピラミッドとみんな円になっている形ですから、それは長野県も一つのコモンズです。極論すれば、地球の中においては日本も一つのコモンズだと思いますけれども。それと、私は木曽の町村会のときに、多くの半数以上の町村長が最初に山口村の問題に関して、それぞれの町村長が、やはり山口村も木曽の一員、長野県の一員であってほしいということを最初におっしゃられる。その苦悩というものは、やはり本県が一人ひとりが自律的に判断し行動していこうと言っているときに、さっきのピラミッドではない形で苦悩していくことだと思うんですね。ですから、私はいつも、違和感ではなくて、もちろん民主主義は多数決なんですけれども、そのような議決をなさるところの首長の多くが、同時に「個人としては」とおっしゃる。それは情念の枠を越えたやはり郷土愛であったり、そうした思いだと思うんですね。それをどうとらえればいいのかっていうことは、きっと皆さんも表現されていくときで、議決というもの…、でもその議決の背後にあるもの、議決の行間にあるものというものが、きっと自律ということとの、自律的な県民ということとの相克なんじゃないかと思います。極めて難しい問題です。

 

<お問い合わせ先>
■このページに関するご質問及びご意見は、 経営戦略局までメールもしくは下記にご連絡ください。
秘書広報チーム Tel 026-235-7054 Fax 026-235-6232
▲このページのトップへ  
Copyright Nagano Prefecture.All Rights Reserved.
各ページに掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。