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最終更新日:2004年09月13日

 

知事会見(寒冷地手当、スペシャルオリンピックス、
  県内企業との意見交換会、山口村越県合併について他)

平成16年9月10日(金)
11:10〜11:55

表現センター 

信州知事 田中康夫
 9月10日の部長会議を経ての知事会見です。ご質問から始めましょう。どうぞ。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 同じ時刻に始まっているんですけれども、住民票の問題で、長野市が長野県の決定の取り消しを求めた訴訟が今日、初口頭弁論になっているんですけれども、県側の訴えと言いますか、県側は長野市の訴えの棄却を求めているとお伺いしていますが、初口頭弁論が始まったことを受けて、一言、今後の県側の訴えの方針も含めてお話をお伺いしたいんですが。

信州知事 田中康夫
 これは県側が武田弁護士を選任させていただいております。武田弁護士と市町村課が窓口となって話し合いを、…本日既にお手元に届いているかと思いますが、作成いたしました文章で今日も裁判所においても、これを私たちの認識としてお話しするという形になっております。裁判でありますから、私が今ここで…、裁判ですからねえ、通常…、皆さんも裁判になりますと、そのように扱われていると思いますが。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 確認ですが、田中康夫氏の住所は泰阜村にあるという、当時の決定に誤りはないといいますか、齟齬はないという訴えを一貫して続けていくということでよろしいでしょうか。

信州知事 田中康夫
 これは民法の上でも住所複数説というものが広く採り入れられているわけでして、先般も日弁連の会長を始めとする3名の委員の意見もこうした点に基づいているわけです。繰り返しますけれども、当時、長野市にも生活の、居住の場所があったと。実体があったと。同時に泰阜村にもあるし、更には東京にも私が所有している家があって、そこに寝泊りすることもある。あるいは軽井沢に親が住んでおり、そこにも私の仕事机等があると。ですから、住所が複数であるという中において、これは憲法が認めるところの居住の自由という観点から生活の実態があり、その地域の行事にも参加している泰阜村であるという形になっているわけです。一審の判決は寝泊りしている回数が、端的に言うと一番多い場所が住所であるという趣旨のご認定であったかと思いますが、そうなると私の問題、個人としての田中康夫の問題ということにとどまらず、単身赴任の方々、あるいは多くの国会議員の方々、多くの方々にも影響が及ぶことであります。つまり、一番寝泊りしている場所を基礎自治体である市町村及びその市町村の選挙管理委員会が常に把握をして、それを是正せよという意味の判決になっているわけですから、その点においても、こうした中でやはり、憲法の解釈の論議にもなることで、例えば民法上では住所複数説が広く認められているわけですから、私は個人として最高裁判所のご判断を仰ぎたいという形をとっております。また、県としては、県のそうした3名の委員会において、住所複数説ということを、長野市にも当時居住の実体があったことを認めた上で、泰阜村ということを憲法のもとで認定しているわけです。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 寒冷地手当について、人事委員会が先日、意見を申入れました(寒冷地手当の改定に関する意見の申出について(PDF形式:69KB/3ページ))が、今後9月県会での扱いは方針は決まっているんでしょうか。

信州知事 田中康夫
 これはとりわけ職員の給与に関わることですので、先日、人事委員会からのペーパーをいただいたあとに、私のほうでも私どもの考えをペーパーにまとめて皆さんにお配りしています(人事委員会の意見の申出を受けての知事コメント)ので、そこに記したとおりであります。これは県のホームページのほうにもアップを、この会見録のところにも同時にするように改めていたします。他方で私どもは寒冷地手当に関しては全額のカットという形を提案させていただいてきているのは、人事委員会の中にも文章でございましたように、一割を切る企業においてしか県内では、それも従業員数の多い企業に限ってでございますが、寒冷地手当というものが出ていなく、また、この点に関しては県民の中でも、寒冷地手当というのが本県全域が寒い場所でありますから、いかががというご意見も根強いという中で議会に条例を出させていただいているわけで、これが継続となっているわけですね。また、人事委員会も人事委員の勧告に準拠してという形であろうかとは思いますが、この問題は私も報告を受けたところ、ペーパーをご提出いただいたあとに人事委員会委員長が、更に長野県の人事委員会として独自に寒冷地手当の部分に関しては検討していく、議論していくというご発言があったというふうに聞いております。こうしたことを全て勘案した上で、10月に寒冷地手当が出るという形でございますので、当初予算の段階までの話でないので、これは9月には何らかの条例を出させていただく予定です。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 最後に先日、古田県会議長のもとにスペシャルオリンピックス(SO)の盛田さんがお見えになりまして、財政支援にご協力をというお願いをされたんですが、古田さんは県議会としては2月県会で議決はしているんですけれども、財政支援についてはこれまで説明がなく来ていると。それでおっしゃっていたのは、世界大会と名がつく大会で、政府と地方、地元の自治体が同じ8億円というような負担割合で県民の理解が得られるのかということで、率直に言って財政支援については慎重な姿勢を示されて、現状では知事の姿勢と異なっておるんですけれども、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。

信州知事 田中康夫
 先日、各会派の代表者がお集まりになった際にも申し上げましたが、国が8億、そして地元の自治体で8億、それから経団連を中心とする中央の経済界で10億というのは、ご存知のように安川英昭さん、セイコーエプソンの会長ですね、そしてまた、富士ゼロックスの会長であられる小林陽太郎さん、また、私どもの出納長である青山篤司、こうした人物が集った場において、こうした按分ということが方向性として確認されているわけでございます。また、今回、盛田氏が私のもと、あるいは古田芙士議長のもとに訪れたのも、長野のスペシャルオリンピックスの保科事務総長、また、大月良則事務局長からの要請で伺ったというふうに聞いておりますので、その点ではある意味では、円卓会議のような場でそうした方向性が出てきたことを受けて、元々は細川佳代子さんが発議され、その後、自民党系の議員諸氏からのお話もあって、盛田英夫氏が途中から参加されたわけでございまして、その盛田氏は伺ったというふうに認識しております。もう一点は、古田議長は国がきちんとやると言うならば、国が逆に、というようなご趣旨のご発言があったかと思いますが、県議会にも石田治一郎さんを代表とする超党派の、…超会派って言うんでしょうか…、推進の方々がいらっしゃいますし、同時に小林実・前議長も私とともにダブリンの地を訪れて、大会旗を一緒にいただいてくるという形でございます。ですので、これは今までの古田議長におかれても、石田・議長経験者や小林・議長経験者から改めてお話しをお聞きになれば、ご理解いただけることなのではないかと思います。
 もう一つは、日本全国の方々からご覧になると、なるほど最初、東京を中心とするところで資金の調達をして、地元は施設があるので、それを一緒に行ってほしいというお話だったかもしれませんが、やはり全国の方々がおそらく、オリンピックとパラリンピック、とりわけパラリンピックが開かれた長野県の地でスペシャルオリンピックスという大変すばらしい、知的障害者の参加、そしてそれを支える地域というものが行われるというときに、なるほど地域の方々が参加されると、だから資金調達は東京だけにお任せしておけばいいんだということも、長野県の中の、あるいは長野市の範囲では成り立ち得る認識かもしれませんが、でも、これはやはり長野県という大変全国から期待されている、そして福祉あるいは地域移行ということを、宮城県よりも先がけて、より具体的に行っている県が、やはりこの問題で、お金はよその方々が全部集めてくださいというようなお話だと、やはり全国の方からすると、いささか奇異に見えるのではないかと思うんですね。現実に県議会にもそういう超党派の会合があり、議長経験者が就任なさっていらっしゃいますし、また、県内選出の国会議員の方々も、小坂憲次さんを始めとして、これはやっぱり、ぜひきちんと成功させようというお話で、最初に戻りますが、8億、8億、10億というような数字、あるいはそれ以上のより一層のお互いの協力でというようなお話も、そういった円卓の場で出たことで、そして大月事務局長が盛田さんに、ぜひ知事と議長のもとにも要請にということで、盛田さんがお越しになられたというふうにもおっしゃっているわけですので、私としては県議会の方々にもきちんとご理解をいただけるようにと思っています。また、10月末、12月末と、…ただこれは先日もお話し申し上げましたが、10月末に10億、12月末にも10億というのも、ある種ボンド、信用保証のような問題として積んでおきたいというようなお話を事務局はおっしゃっていますが、具体的に支払いというのは通常、後にもなっていくものですし、ある意味ではこれは国が河野洋平議長も国としてきちんとこれを行っていこうというご発言というのは、これこそある意味ではもう信用の保証が得られたということだとも思うんですね。そうしますとやはり、その実際にかかった経費、支払いというものが年内も行えるようにということで、きちんと計算を、精査をし直して欲しいということは、障害福祉課を通じてお願いをしております。現時点ではまだ、そうしたものに関して出てきているものが納得ができるものではないというふうに、障害福祉課からも聞いておりますので、最初に10月末に10億ありき、12月末に10億ありきというのは、イベント自体は2月と3月でございますので、この点もやはり事務局のほうはさまざまな準備で大変かと思いますが、むしろそのような数字だけが独り歩きしていくということは、あまり好ましいことじゃないと思っております。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 古田さんの趣旨、会談のときの趣旨をお伺いしますと、一つは、これまで財政支援は求めないというお話で来ていて、突然、…議会側にしてみれば突然、8億円お願いしますというような形で来たという、そこらへんの事態がどう変わったのかという説明がないという点と、これまで東京の盛田さんを中心とする組織が財政的な資金集めにどの程度の努力をして、どんな成果があったのかというのが見えていないという、言ってみれば、一言で言うと説明が足りないんじゃないかというような趣旨が含まれていたんですけれども、知事はその点、どういうふうにお考えになりますでしょうか。

信州知事 田中康夫
 でも、先ほど繰り返し申し上げたように、長野側のNPOの代表を務めてくださる安川さんも、あるいは経団連の側の、資金の調達にご尽力くださる、そして副代表も務めてくださっている小林陽太郎さんが参加した中で、先ほど申し上げたような負担アップということが出てきているわけですからね。やはり、その場に県議会の方が加わっていなかったのではというお話もあるかもしれませんが、他方で、やはり石田さんを中心として、あるいは小林さんを中心として議員の会合もつくられてきているわけですから。そこは同時に、7月14日に契約を結ばれているわけですからね、それ以降のところに関しては、やはりみんなで一緒にということが、先程の円卓会議の場で皆さんの共通認識として数字で出てきたんじゃないかと思います。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 最後に、県の負担なんですけれども、一応、地元で8億というお話ですので、普通、長野市などが入って8億円ということなんですけれども、県としての負担については、話は具体化しているというか、知事のお考えというのは。

信州知事 田中康夫
 この点に関しては、出納長と議論をしているところであります。いずれにしてもこれは全世界的なイベントですし、また、これは障害者の地域参加という、大変に大義名分ではない実体の伴った素晴らしいことですし、また、各市町村も事前の宿泊のご協力、あるいは今回、各市町村立の小中学校もオリンピックに引き続いて、こうした選手を迎え入れるということの啓発の補正も組ませていただくわけですし、やはり多くの方々が、県が主体的にとか、あるいは東京の事務所がとか、経団連がというようなことではなく、皆が、とりわけ経団連の方々もそのような形で踏み出してくださるというときに、私たちは会場を貸しますから、あるいは多くのボランティアも地元の者がおりますからということだけでは中々、県外の方々、国内外の方々からご覧いただくと、少しく奇異に映ると私は思うんですよね。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 先ほどもボンドの話をされましたけれども、県が最終的にどの程度支援をするのかというのは、12月議会でいいというお考えでしょうか。

信州知事 田中康夫
 ですからそれが、長野のSOの事務局が、実際に10月末までに本当に支払わないとまずいものがどれくらいあるのかということに関して、きちんとお示しいただきたいということを述べているところでございます。これに関してはまだ、先ほど申し上げたように、障害福祉課として、きちんと私に報告できるだけの内容にまで詰めきれていないという報告を受けておりますので、先ほど言ったように、せっかくこれだけの世界的な意義のある大会ですから、10月の末10億ありきみたいな、それがないと資金ショートが起きるなどというような風聞に近いような形は避けねばならないわけですし、実際に長野の事務局の方も、お金がいくらか貯金としてあるということが信用につながるという発言をなさってますから、でも逆にそれは河野洋平議長も、きちんとこれは国としても支えていこうというご発言があるということは、これこそが逆に、私は先ほど申し上げたように、一つの、これに携わってくださる、ご協力くださる方々にとっても信用じゃないかと思うんです。同時に、国がそのようにおっしゃっているときに、県も傍観者ではなく、やはりご一緒によい大会になるように支援をさせていただくということは、ごく自然なことでありまして、一部のところで決まったわけではなく、それが冒頭から申し上げている、多くの方が集った会合の場での方向性が出てきたということにつながると思っています。

信濃毎日新聞 宮坂重幸氏
 実際の商取引の場で、政治家の言葉がどこまで信用力につながるというのは、…実際問題としてSOの側が主張しているような事情があるとすれば、例えば…、

信州知事 田中康夫
 ただ、既にね、盛田氏というか東京の側からは2億円という費用が振り込まれているわけですね。そうなりますと、現在、スタッフも県、あるいは各自治体、あるいは東京側からも、あるいは県内の広告代理店からも多くのスタッフが出向というような形で働いているわけですね。ですからその人件費に関して著しい支払いが生じているということではないと思いますし、また、その大会の会場も、その多くは公的な機関でありますし、また、その実際に移動等に携わるのも公共交通機関ですし、また、それは既に2月の末になってからのことなわけですね、実際に事業として発生するのは。そういたしますと、やはり既に2億円が払われていて、更に10月末に10億円がなければ立ち行かなくなるというのは、もし仮に万が一もそうならば、やっぱり県民に対しても、あるいは東京で経団連の方々が中心に10億円集めてくださるという方々に対しても、逆にそこが説明責任になると思うんです。7月14日以前というものは、ある意味では東京の盛田さん等が多くの国会議員からの要請を受けておつくりになられたNPO、あるいはトーチランということを主軸に携わられる細川さんの組織というところが、ある意味では準備をずっと進めてくださったわけで、2月3月の国内の大会というものもやはり、そこが資金等をご提供くださって進めてきたわけですね。その意味ではやはり十分、私どもがまだスタッフの陣容が整わない中で、県外の方々が資金の面も含めて、先般の国内大会も含めて大変なご尽力をくださって今日に至っているということは明らかだと思うんですね。やはり、そこのご努力があって、そして国際大会なので、皆で協力しようということで7月14日に契約が結ばれているわけですから、それ以降のところは一緒に協力していくと。そしてそれ以前のことは、ある意味では逆に、私どもは細川さんや盛田さんや、多くの多くの県外の方々に逆に感謝しなくてはいけないところなんじゃないかというふうに私は思っております。そこのところも冷静に私たちは認識すべきだと思います。

市民タイムス 赤羽洋輔氏
 今、私、サイトウ・キネン・フェスティバルの担当をしているんですけれども、ちょうど13日で1か月のフェスティバルがもうすぐ終るんですけれども、知事もプログラム、大野和士さんの指揮をご覧になって評価されている文章を拝見しましたが、県の補助金が今、5千万円ということで、現段階のお考えでお聞きしたいんですけれども、来年度以降、その5千万円の補助金を上げるか、下げるかというご意向があるかということと、実行委員会に運営の方法とか、プログラムの内容とかで改善を求めたい部分があるのかという二点をお聞かせください。

信州知事 田中康夫
 長野県と松本市が公的な税金を投じてサイトウ・キネン・フェスティバル松本というのが行われてきております。その意味で言うと、やはり公的なお金を入れるという中で、…もちろんサイトウキネンをより根付かせるということで、ヨーロッパのツアーといったようなものも組まれていますけども、これはもちろん文化というものは、よい意味で広告と同じように、投ずるお金や規模が広がることで認知されて根付いていくという面があるんだと思います。そうしたことでメディチ家の時代もパトロネージュ(patronage:後援)したでありましょうし、他の国においてはアメリカもイギリスもフランスも、あるいはかつてのソビエト等は、多くのそうした文化というものには公金を潤沢に投ずる中で文化を育んできたということは確かだと思います。ただ、日本の場合には例えばヨーロッパのツアーというようなもののところにも、どのように公金が使われているのかというようなことは、今後よりサイトウ・キネンの事務局としても、やはりご説明をなさっていくというようなことは必要ではなかろうかという気はいたします。サイトウ・キネン・フェスティバル松本というものが大変なソフトパワーとして、松本市にとどまらず信州長野県というものの文化の高さ、観光の面での充実を図っていくということで寄与してくださったことは、これは感謝してもしきれない点だと思うんですね。より今後は、そうした点をお示しいただけていくといいかなという気はいたしますね。今回の大野和士氏の指揮というものも、大変に多くの方々には高い評価を得られているというのも大変うれしいことだと思いますし、また、そうした方を任命された小澤征爾さんという方の鑑識眼の確かさというものも改めて示されたのではないかと思います。

市民タイムス 赤羽洋輔氏
 補助金については。

信州知事 田中康夫
 今まで逆に言えばサイトウ・キネンに関しては、私どもも名前を生活環境部長も連ねておりまして、私も名誉会長という形でしたが、演目であったり、その規模であったり、例えばヨーロッパのツアーをその年はやるのかやらないのかとか、そういうことも半ば事後報告的でございましたのでね、その意味では県民からすれば、よいイベントとしていく上で、サイトウキネンが10年を迎えて、やはり県の側も公金を支出している以上、それに早い段階からそうした情報をちょうだいすると。そしてそれに関してよりよくするという観点で、私どもの見解も述べさせていただくということは、私どもの、むしろ逆に努めとして今後行っていかねばならないと思っております。

 あと、昨日、ご存知のように、セイコーエプソンの草間三郎社長、木村登志男副社長、そして三協精機製作所の永守重信会長、巽泰造社長とお目にかかりました。三協精機の永守会長はご存知のように日本電産の社長でいらっしゃいます。当初、30分程度の懇談ということが、20分、30分以上でしょうか、倍近く時間を延ばしてくださって、大変に時間に厳しい方だということで、逆に秘書の方はやきもきされたそうですけれども、大変によい談論風発になったかと思っております。三協精機に貼ってあったいろいろな標語とポスターの類も、やはり職員の意識啓発ということで、ちょっと私どもエレベーターホールにどんどん、本県の言っている、的確な認識、迅速な行動、明確な責任とか、やはり県民がお客様だと、私たちはサービスパーソンだというようなことを貼っていかなくてはと改めて思いました。両者とも、県営信州まつもと空港というものに関して、利便性の向上と活性化をぜひお願いしたいということをおっしゃっておられました。永守社長からは名古屋の空港、あるいは中部国際空港とのコミューターというようなものは考えられないかということも含めてお話がございました。これは既にご存知のように、松本市の菅谷市長と塩尻市の小口市長も過日、私のところを訪れて、信州まつもと空港の利便性と活性化ということに関しては一緒に県とともに積極的に行いたいと、地元での説明も行いたいという言葉をちょうだいしておりますので。これは決してセイコーエプソンや三協精機のために信州まつもと空港の利便性や活性化をするということではありません。やはり県民にとって、あるいは本県を訪れる、…信州まつもと空港という名前にしたのも、松本というお城がある文化都市だけでなくて、信州全体の玄関口だということを意識付けるためだったわけでございます。大変にそれぞれありがたい言葉をいただいたと思っています。草間社長からは、…長野日報にも載っておりましたが…、中南信にもっと重きを置いた行政をきちんとお願いしたいという言葉がありまして、もちろんでありますということをお話ししたところであります。
 ご存知のように本県は有効求人倍率が、南信地域はもう既に1.20を超えております。とりわけ岡谷や諏訪というところは、確か1.4に近い数値、1.4を超えているところもあったと思います。岡谷が1.36くらいかと思います(注:7月の岡谷の有効求人倍率は1・44、諏訪の有効求人倍率は1・30)。手元に正確な数字はございませんが、中信地区、東信地区も1.0を超えてきておりまして(注:7月の松本の有効求人倍率は1.10、小諸の有効求人倍率は1.00)、逆に言うと、長野市を含めた北信地区が0.8レベルにとどまっていると。長野市に限っても0.8台でございますので(7月の長野の有効求人倍率は0.86)、やはり私たちの産業というものを考えていくときに、ものづくりが県庁所在地から遠い中南東信への私どもの政策というものと、新幹線があり、県庁があり、国の現地機関が数多くありながら、少し先行きがまだ見えていない北信というものは、北信の方々のご認識というものも含めて、少しきめ細かく分けて考えねばならないんじゃないかなという気はいたしております。本県の基本施策は、…三重県はシャープという一企業に100億円という公金を投入して液晶テレビの向上を亀山に造るということを行ってきておりますが…、むしろ私たちには多くのものづくりがあり、過日も意見交換に伺い、また今度、工場の視察、竣工式にも伺わせていただきますが、オリンパスという企業も新宿に本社がございますが、大町、辰野、伊那と、国内の工場はほとんどその全てが県内にあるわけです。三協精機もこのたび伊那で工場を充実させてくださるという、大変ありがたいことですし、今後更にミネベアでありましたり、県内にありながら、商工部、あるいは歴代の知事というものがあまり接触をしてきていない企業の、実際に各市町村に固定資産税をお支払いいただき、雇用に寄与されてきている企業。三協精機も下諏訪町に本社を新設されるということで、それはやはり今後も引き続き本県の場で業を営んでくださるという固い意思表示でありまして、大変ありがたいと申し上げました。既に本県にあるこうした産業を、より充実できるように共に歩んでいくということが、本県の商工行政の基本ではないかというふうにも思っております。
 あと、もう一点、本県の制度融資は非常にきめ細かく充実しているというお話もありました。しかしながら必ずしも金融機関の窓口でそれが、ご利用になりたいという方々にまできちんと伝わっているかどうかというご指摘もありましたので、やはりこの点は先程の部長会議でも志村勝也商工部長が改めて意思表示しておりましたが、やはり全金融機関の窓口を担当されている方々に、今まで県の制度がペーパーとしてお渡ししていても、やはり実際にお目にかかってお話しをして、こういう形ですよとお話ししないと、やはり窓口の方も膨大な情報でありますから、情報が生きたものになるために商工部の職員もいると思いますし、他の部署もそうだと思います。これを積極的に行うというふうに商工部は既に計画を立てております。

時事通信 小沢一郎氏
 先ほど、村上県議がいらっしゃいましたけれども、知事は結局、山口村をどうしたいんですか。山口村の越県合併の問題をどうしたいのかということなんですけれども。

信州知事 田中康夫
 先日、ご存知のように、同じ県会議員でも、田口哲男議員や永井一雄議員がいらっしゃいましたけれども、確かにあの中でお書きになっていたことで、広範な議論を望むということを彼らもおっしゃっていたと思うんです。昭和33年のときには、山口村と山口村議会から越県合併したいというお話であったけれども、それに対して県議会と県知事は越県合併は認められないという形になって、最後、内閣総理大臣の裁定という形になったわけですね。もちろん、村上県議が穏便に進められればということを文章の中でも確かお書きだったと思います。ただ、別に事を荒立てたいと思って山口村の中に住んでいる、さまざま方も思っていらっしゃるわけでもないと思うんですね。やはりぜひお願いしたいのは、皆様のメディアも含めて、…やはり県内の市町村が合併する場合は市町村民の意思によって合併できるわけです。ですから県議会の議決は必要ではありません。ただ、越県の合併は、やはり県を越えるので県議会の議決が必要なんですね。ということは県議会というのは県民全体の代表ですから、やはり県民全体の広い議論というものが行われるという前提で、そうした取り決めになっているんだと思うんです。その意味では、とりわけ先ほども申し上げましたが、これは決して恩着せがましく言っているんじゃなくて、歴代の県政は山口村には大変な公共投資をしてきております。公共投資だけではない部分も含めて、県境にあるそうした村に、他の平均値からすれば、かなりの部分の投資や支援をしてきているわけです。
 それと、田口県議たちがお書きの中で、私も確かに虚を突かれたんですが、山口県の萩市というものは吉田松蔭の松下村塾で、ある意味では長州の精神的支柱のようなものでございます。県を越えて萩・津和野ということで、古くから観光行政を行い、多くの方々がお越しになってますが、…別個の問題かもしれませんけども…、萩が島根県に行ってしまうとしたら、長州の方々はどう思うかということをお書きでありました。いずれにしても私は、限られた時間であるとは言え、これは私たちの広報不足ということもあるかもしれません。今まで私どもも山口村の方々のご判断というものを見守るという姿勢できましたが、やはり、県会議員も含めてそうしたお話がある中で、やはり次の議会でも全県民的なご議論ということが、やはり必要だと思っております。無論、こうした中で、村からは書類が出てきているわけでございます、手続きを踏んで。ですから、この村からの書類を尊重するということは、他の事例同様だとは思いますが、ただ、やはり私たち県民全体が、これは他人事じゃなくて長野県に関わることだと。と言うのは、私が「信州」と、1月1日に市民タイムスの紙上で出たことに関して、観光面では「長野県」という言葉がほとんど使われず「信州」だからというふうに申し上げた部分もありますが、私は実は非常な危機感をもともと抱いておりまして、「脱ダム」宣言の中で、「日本列島の背骨に位置し」って、日本に中央にありますけども、木曽谷と伊那谷は既にJR東海で、残りの部分がJR東日本かと思いきや、南小谷よりも北側は大阪に本社があるJR西日本です。つまり、まさに日本列島の背骨にあるんですね。ただ、国土交通省という国土を司る省庁は、北陸地方整備局、関東地方整備局、中部地方整備局、もう既に本県は三つに分けられてしまっているんですね。そうすると、先ほども村上県議にお話しをしたんですが、青森、秋田、岩手というのが道州制をやろうと言っているので、基本的に多くの方々は、…あるいは北海道が道で、元々道州制だというんで、今の県境というものを基本にして道州制が敷かれるんじゃないかというのが、全国の方々の漠然とした共通認識だと思うんですね。けれども国の省庁が、省庁再編のときにもあれほど大きな抵抗があったわけでして、そうしますと中部森林管理局は逆に本県に中部森林管理局があって、富山県等も扱ってはいますが、本県が本県を機軸にして他の都道府県がそこに合体して道州制が敷かれるという保障はないということです。むしろ私は、信州、信濃どころか、長野県自体が三分割とかに分割されていってしまう可能性は、道州制の場合、非常に強いということです。そして国がひとたび言い出したことは、…首都機能移転に関してはまだ迷走していますけども…、道州制は少なからぬ未来に、何らかの形で導入されていくと。私がコモンズと申し上げ、あるいは信州と言っているのは、長野県という場所を否定するんじゃなくて、木曽谷だけで香川県、大阪府と同じ大きさ。飯伊も同じ大きさ。それぞれの風土があり、気象があり、特異性がありながら、信濃の国を歌うときには南北対立を超えて、みんなが肩を組むと。この信州自治共和国というものを、より足腰が強いものにしないと、本当に信州が、ライン川のアルザスでドイツ軍が入ってきて、フランス語の授業がもう行われなくなる最後の授業という話がありますけども、同様なことになりはしないかと。そうなったときに、ほぞを噛んだのでは遅いということです。既に「信・州」になっているわけでして。そしてそうした中で私たちが見下すとかそういうことじゃなくて、なだらかな坂で富士見町からつながっている山梨県であったり、あるいは野尻湖から信濃町でなだらかな坂で新井市や上越市に連なって、日本海にまで至るところ。やはり、もし信州を、あるいは長野県や信濃を愛するならば、こういう観点は必要だと思っています。
 山口村に関しては、私は、繰り返しますが、他のそれぞれの手続きというものを尊重していくということではあります。しかしながら、やはりさまざまなご意見が今、このギリギリの段階かもしれませんが出てきているということは、やはり村上県議も穏便に移行すると言うならば尚のこと、やはり議会の場でも、あるいは皆さんのメディアを通じて県民各層の間で広い議論が行われてこそ、しこりが残らないということだと思うんですね。その中でさまざまな皆さんの認識が深まっていくということだと思います。

時事通信 小沢一郎氏
 僕の質問の仕方が悪かったみたいで、そういうことではなくて、…もちろん知事が県民とか県議会に議論を求めているということも、それから道州制に関して危機感があるということも私は分かっているんですけれども、その中でこのギリギリの段階で、知事自身のお考えとして、…もちろんその議論を求めるというのは分かるんですけども…、山口村が長野県の残るべきなのか、岐阜県に移るべきなのか、知事ご自身がどうお考えになっているのかという質問だったんですけども。

信州知事 田中康夫
 知事としての立場でですか?

時事通信 小沢一郎氏
 もし、知事としての立場と、田中康夫個人としての立場が違うということであれば、そのようにお答えいただいても結構なんですけれども。

信州知事 田中康夫
 私たち長野県は、基本的には自律ということを求めていこうというふうに、各市町村に申し上げてきていますですよね。先ほど言ったように、本当に真の市町村民の意見というものを反映しての市町村合併であったり、自律であることが望ましいと思ってますけどもね。それはぜひ松本市民もきっとそういうふうに望まれていることだと思うんです。合併してくださいと言う側じゃなくて、合併してあげるよという側の住民の意見というのは、これは長野市の場合もそうだったと思いますし、やはりそういった方々の意見がきちんと発露の場が与えられるということは大事だと思っています。だからかなり難しいですね、山口村の問題は。元々これ、大元がね、例えば大木曽市構想というものがあったわけですよね。そしてそれが中々うまくいかないと。他方で南木曽町は非常に山口村と観光ということではなくて、ある意味では一体化してますしね。今度、南木曽町と大桑村の合併問題が議論されますが、大桑村は逆に言うと、発電所が多くあるということでのさまざまな財源の、比較的余裕というのもあるんだと思います。南木曽にもあることはありますけども。ですから、南木曽の町民の方々もどのように、観光業の方々だけでなくて、思っていらっしゃるのかなということは、本当は皆さんもぜひ取材いただいて、紙面等でお書きいただいていくということが、県民がやはり…。一番南の端かもしれませんけども、島崎藤村であり、信濃の国の入口の支柱でありますのでね、精神的、歴史的に言えば。

時事通信 小沢一郎氏
 大体分かりましたけども、このギリギリの段階で、知事も何か煮え切らないなという気がしまして…、

信州知事 田中康夫
 だから私としては、それは山口村の村議会の意向というものは最大限尊重せざるを得ないということだと思うんですね、現時点でね。ただ、他方で県議会議員の方々も相次いでお越しですし、また、そうした中で先ほど来申し上げているようなこと、あるいは木曽郡の方が南木曽町を含めてどのようにお考えになるのか。南木曽町長等も含めてですね。他の市町村合併というのは議会の議決を必要とはしませんから、その意味では全然違うということですね。県民全体で考えなきゃいけないということだと。ただ、そういう意識の醸成というのはメディアの力を置いては難しいということも、皆さんが最も認識していらっしゃることだと思うんですよね。端的に言えば、その一つの県の敷地とか陣地ということじゃなくて、一つの県の歴史的にも大変な役割を果たしてきた場所が、その県の一員であり続けるのか、あり続けないのかという大きな問題にも関わらず、県民各層の、本来議論好きである県民が、活発な議論にはまだ至っていないということは、これは皆さんもきっと同じ認識をお持ちだと思うんですね。そういう形であるとすると、やはりこれは逆に山口村で中津川市に行きたいと切望されている方々にとっても、何か他人行儀であり、失礼なことだと思うんですよね。その点を村上議員にも、9月の議会の場で、木曽郡選出の議員としては、きちんと議員としてのお考えを表明なさり、また、そういう議場での議論というものを行われるということがきっと、僭越ですが、望ましかろうと申し上げたわけです。

 

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