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最終更新日:2003年11月19日

 

知事会見 (衆議院議員総選挙を経て)

平成15年11月10日(月)
10:30〜11:10

表現センター

長野県知事 田中康夫
 11月10日の会見を行います。
 昨日、いわゆる総選挙と呼ばれるものがあったわけですけれども…、マスメディアの事前の世論調査とか出口調査というのがかくも当たらないものであるというのは、世論調査という学問の領域もなかなか新たな方策でも考えないとですね、新しい時代の変化についていけないということで、鹿島建設や北野建設もご出資なさっている長野県世論調査協会もですね、やはり長野県から日本を変えていくということが長野県民のまさに矜持(きょうじ)でございますので、ぜひ長野県世論調査協会からですね、まさに当たる世論調査というものをぜひお考えいただけるようにですね、ご尽力いただきたいなということを思っております。夜の9時、10時になっても自民が230割れて、民主が200以上と、各報道機関は伝えていたわけでございまして、この10時を過ぎて、10時半くらいになってから突如これが変わってきたわけでございまして。あるいはなかなか有権者の方が大変に上手になって、出口調査の段階でも自分の意を、思いを吐露しないという具合になってきたのか、そもそもマスメディアというようなものに関して、一般の市民がさしては信頼をおかなくなってきたのか、このあたりも考察に値するところだと思いますが…。
 1点は、昨日のテレビの中でも申し上げましたが、恐らくこれはさらに私よりもはるかに豊富なデータをお持ちの表現者の方々にお願いしたいところでありますが、私は昨日の投票率がさして高くない、低投票率だったと言われているわけでございますが、ご高齢の方がですね、意識して投票所には足を運ばれなかったのではないかということを夕方ごろから思っておりました。韓国で盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が誕生いたしました時に伝えられたことはですね、いわゆる、…私も中年の領域でございましょうが、47歳ですが…、私よりも若い世代、40代、30代、20代という者が意図して投票に行き、そして逆に60代、70代、80代もでしょうか、そういう方々が意図して投票所に足を向けなかったということが言われてるわけですね。いわゆる金権腐敗の韓国の旧来の政党というものにはまっぴらであると。しかしながら、盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏というものに関してはまだ未知数だと。自分としては判断しかねると。自分の家の息子や娘は盧武鉉氏だと言っていると。そうした中で、意識して投票所には足を向けなかったという方々が韓国で盧武鉉氏を結果として誕生させたということが言われております。恐らく、これは農協というものにいまだ立脚しているような方々も、農林水産省が行ってきた土地改良事業をはじめとする、あるいはウルグアイラウンドの対策と呼ばれるようなものがですね、結局は諫早湾の干拓とさしては変わらないような無駄を生み出して、農業というものをむしろ弱体化させてはいないかということは大変認識なさってると思うんですね。こうした基本認識があるから、私が二たび長野県の県知事として、中山間地においても少なからぬ得票を得てきたということであろうと思いますし、あるいはそうした農政部の、…いまだ農政部の改革というものは"道遠し"の部分があるかもしれませんが…、そうした状況を生み出していると思うんですね。ですから、今までの自由民主党、あるいは農林水産省の農業政策というものは違うのではないかと思い、他方でですね、小泉純一郎氏が言う、まさにグローバル経済になってることを十分認識している農村部の方々が、さりとて強いものだけが農業で残ればよいということにはくみせないと。そして、他方で菅直人さんと岡田克也さんという方のマスメディア等で散見する語る内容のわかりやすさの度合いであったり、その表情の度合いであったりというものから、ある種、盧武鉉氏の時と同じような投票行動を高年齢の方々がおとりになったのではないかというふうには私は思っております。他方で、出口調査の様子では男性の投票率の方が確か高かったというお話しを聞いておりますが、これはもちろん女性の方も、より消費者としての実体経済というものに日々接しておりますけれども、男性の給与所得者をはじめとするいわゆるビジネスという世界にいらっしゃる方々が、小泉純一郎氏の構造改革というものには何ら実体がない、実効性もない、あるいは理念とか、ビジョンというものがないということを感じられですね、そしてまた小泉氏の言う、民間でできることは民間でという言葉も聞こえはよいが、これは実質的な丸投げであって、中曽根康弘民活の再来のようなですね、誤ったバブルというものをもたらして、逆に後に負(の財産)を残すのでないかということを感じられたのだろうというふうに私は思っております。
 今回の選挙においてですね、真の勝者というものは一体どこにいたのかというと、あまりいないようにも思うわけであります。先ほどNHKとテレビ信州の方にはですね、個別のぶら下がり(取材)を受けた時に、ある意味では辛うじて勝者と呼べるのはですね、民主党の議席数、自民党の議席数があの形にそれぞれとどまったということにおいて、小沢一郎氏ではないかということも申し上げましたが、もう少し卑近な例を挙げれば、逆にとりあえずの政局的な意味での勝者というものは公明党であられるのかなという気もいたします。すなわち、自由民主党というものは今後公明党という党、あるいは公明党を支持なさる、あるいは公明党に強い影響を与える集団であられたり個人であられるという方々の意向というものを無視できない。つまり自由民主党にかつて「闇将軍」と呼ばれるような者がいたりですね…、「闇将軍」は田中角栄氏でございますか…、その他の方々はどういうふうに言われてたんでございましたっけ? ちょっと今フィクサー(fixer:紛争の調停者)という言葉ではなくて、ちょっと思い浮かびませんが…。竹下さんとかそういうのは、引退なさった後どういうふうに言われてたんでございましたっけ? どなたかご存じの方がいればあれですが…。ある意味では公明党というものはですね、連立与党と言っておりますが、実質的に自由民主党、あるいは今後続くでありましょう小泉純一郎内閣というものをディレクション(direction:指揮、指導)していくという存在になってきているのであろうと思います。そのことをもですね、日本の善良なる有権者は投票率という形でですね、結果としては、公明党による日本の政策決定ということを認める投票行動をとられたのではなかろうかという気がしないわけでもございません。
 私、60近い選挙区を、告示前も含めれば訪れておりますが、それらの地域においては、福岡、札幌、仙台といったような大都市だけでなくてですね、大分や高松、郡山といった都市においてもですね、大変に多くの方々が新しい民主党に期待していらっしゃる…、というよりも、現状の自由民主党による政治というもの、あるいは官僚統制による日本の政治というものに非常に飽き飽きしているということも感じました。お若い方々が写メールで私を撮ることは、…これは中高年の方も今写メールで私を撮るということがありましたが…、最終日に渋谷をですね、今回当選いたしました長妻昭という者と一緒にセンター街を歩きました時にですね、多くの方が駆け寄ってくるんですね、若い方が。とりわけ渋谷にいる感じの20代の男の子がですね、力強く握手をするわけであります。単に有り体な言葉で言うと、ミーハーであったり、私に遭遇して思わず握手をするというのではなくて、非常に力強く握手をしてですね、日本を変えてほしいと、変えねばならないと、あるいは明日投票に行くと、あるいは民主党に入れますということをですね、多くの者が言うんですね。男の子は非常に言うわけです。女の子でもそういう子がおりました。これはまたそうした、先ほど申しました大分やそうした場所でですね、長野県の2回目の出直し選挙の最終盤のころにですね、多く、長野県の中山間地のお年を召した方々がですね、まさに野良作業の田んぼや畑から転げ落ちるようにして私に握手を求めてくるのと同じことがですね、その町中において起きると。私の演説はとかく長いものですから、20分くらい掛かるわけでございますけども、最初はまばらであった方が最終盤にはその10倍に膨れ上がり、20分間立ち去らない。雨の中でもどなたも立ち去らないということにですね、やっぱり多くの方が今の日本では沈没してしまうと思っていらっしゃる。それを微妙なスイッチがそこに入ればですね、多くの方々が投票に行かれるということだと思うんですね。その微妙なスイッチを、新しい民主党の菅直人さんと岡田克也というコンビのもとではなかなか入れにくかったのではないかなという気はいたしております。マニフェストというもので多くの方々が民主党を評価したわけではこれは私は断じてないと思っております。小沢一郎氏が言いましたように、小沢一郎氏とともにですね、最終盤、菅直人氏と10月の2日の夜、4時間あまりにわたって話し合った中でまとまりました「『脱官僚』宣言」、「5つの約束」「2つの宣言」という、わかりやすくコンパクトでインパクトもあるものに、多くの方々は少なくとも多くの期待を抱いていただけたのではないかなというふうには思います。
 30人学級の導入ということを、当初マニフェストでは低学年と書いてあったわけでありますが、これを全学年を意味する形で記しました。これに関して小泉純一郎氏はですね、新しい民主党の30人学級などというものはですね、これは教員や有権者におべっかを使ってるだけだというようなご発言をなさった。やはりこれは多くの子育て世代のみならず、納税をしている方々がですね、何と悲しい総理大臣を我々は擁(いだ)いているのかというふうにお感じになったのではないかというふうに思います。霞が関のひも付き補助金を全廃するというのも、補助金を全廃するというのではなくて、霞が関のひも付き補助金という言葉によって、多くのそう明なる有権者はですね、やはり官僚統制の日本と、そして族議員がひも付きにぶら下がっているということを感じられたのではないかなという気はいたします。
 埼玉県等で自由民主党の掲示板に、「比例区は公明党へ」と書かれたポスターが多く張り出されておりましたのには、正直、私は遊説しながらのけぞったわけでございまして、すなわち政党政治でございまして、政党は政策によって信を問うわけでございます。連立する相手というのはですね、結果が出た後を踏まえて考えることでございまして、既にその自公保という連立与党を選ぶのかどうかというところが、そもそも自民党は単独の過半数には難しいというふうにお考えになってたのかということですし、仮にそうお考えになりながら、他の政党支持のお方に自分の政党に入れてくださいという街頭演説をするのは、それは当然あることだと思いますが、ご自分の掲示板に他の政党に入れましょうという掲示をなさるというのは、これはもう政党政治の否定でございまして、他党に入れましょうというポスターを張り出すというのは何という心の広いボランティア活動であろうかと、何と心の広い隣人愛であろうかというふうに、私のやはりまだボランティア意識の偏狭さというものに関して、自由民主党の方から何か教えをいただいたというような気もいたします。
 先般から申し上げてはいませんでしたが、私が地方主権担当大臣というのを兼務するのはいかがかというような話がございましたが、現在フランスの大統領のジャック・シラク氏はパリ市長を77年から95年までお務めでございまして、同時に首相をですね、86年から88年まで務めているわけでございますね。まさに新しい民主党は制度や仕組みを根底から変えると言っているわけでございまして、フランスにはそういう制度があると。しかしながら、ジャック・シラク氏はですね、市長という現場にいてこそ首相としての改革ができるということを当時おっしゃっているわけでございまして、その意味で言いますと、台湾も李登輝(リ・トウキ)氏や陳水扁(チン・スイヘン)氏は台北市長から総統になられています。かつては東京府知事が警視総監を兼任してですね、閣議にも定例出席していたというような時代も日本にもございます。地方主権担当者ということに関してですね、そのようなことが兼務できるはずがないとおっしゃった自由民主党の方々は、あるいは竹中平蔵氏も2つの大臣を経済に関して務めていらっしゃったわけでして、竹中平蔵氏では2つ務めるのがなかなか難しかったという、こういう負の学習効果からおっしゃっていたのかなということも思ったところであります。
 あと1点、投票日の2日前くらいからですね、「私は公明党の支持者である」、あるいは「創価学会の信者である」と称する方から膨大なメールがですね、私のところに届いたわけでございまして、これが全くの事実無根…、すなわち私が街頭演説でですね、民主党政権になったならば、池田大作氏を証人喚問すると言ったが、そのようなことを言うとは何と失礼千万なという文章でございます。ただ、これは人から聞いたのでというのが多くございまして、長野で言った、千葉で言った、神奈川で言った、大阪で言ったという、いろんな錯綜(さくそう)がございます。ただ中には1つ、私の演説を聞いて、あなたはそういうふうに言ったという文章があったり、海外からも信者であるという方からそのような話を聞いて、大変に民主主義のもとで選ばれた県知事とは思えないという文書が多くまいりました。公明党、あるいは支持者、あるいは創価学会の信者、仮にその文面すべてのものが本当にそうした方から送られてきたと仮定するならば、私ごときの発言に…、しかもそのような発言はいたしていないわけでございまして、私は恐らくは100回近くにのぼる街頭演説の場においてですね、公明党・創価学会・池田大作氏という固有の名詞というものは、…私の記憶に間違えがなければ…、ひとたびとも述べてはおりません。唯一申し上げたことは、集団的自衛権、あるいは核兵器を日本は持つべき国であるということを安倍晋三さんのアイスクリームが溶けた後の信念として露呈したり、小泉純一郎さんがアメリカのジョージ・W・ブッシュ氏と同じように、なし崩し的な集団的自衛権というものを望まれているとするならば、本当に平和を愛する、あるいは平和ということを掲げてこられた方々がこのようなお考えをどのように思われるのかということは申し上げましたが、いずれにしても、ただ一方で多くの文面は大変冷静な文面でございまして、これは逆に冷静な文面でそのようなことをおっしゃる方が多いというのは、なにがしか2.26事件の前夜のようなですね、結果としての言論封殺の恐ろしさというようなものを、あるいは他の方ならばお感じになるのかなという気もいたしました。
 1つは、昨日、野中広務氏がインタビューにテレビで答えている中でですね、大変に日本がきな臭いなどという言葉を超えてですね、第二次世界大戦前のようなそら恐ろしい状況になっていると。これは小沢一郎氏も共通の現在の認識を持っております。こうしたことをきちんと伝えないマスメディアの人たちはきちんとしてほしいということを何度もおっしゃっております。ポーランド兵が殺害をされているわけでありますが、これも多くのマスメディアの方々はさして報じられなかった。伝え聞くところによると、政治部と称される方々はテレビも新聞もですね、総選挙に影響を与えることはなるべく報じないということを、これは、私は主たる新聞社やテレビの幹部クラスと呼ばれる方からも、非公式でありますが、そうした認識であるということをお聞きしております。しかしながらですね、例えば大きな地震が起きればですね、あるいは大きな列車事故が起きれば、これは報じるわけでして、これも危機管理が担当者はできていたか、できていなかったかということであれば、政権与党であったところの選挙の投票行動に大きな影響を与えるわけでございまして、ましてや岡本行夫首相補佐官がですね、実質的に日本は、反米的な考えのイラクの人たちからすれば、その一員としてとらえられる場所であると。実質的に、非常に戦争状態に近い場所に日本の自衛隊は行くことになる、論理的には…、というふうにおっしゃったわけでありまして、これを福田康夫氏が「理屈としては」というふうに言い換えられたというようなこと等はですね、やはりもっと本来大きく扱われるべきことでなかろうかと私は思います。新聞の本来1面で扱われるべきことがですね、統合版の上において3面というようなところで扱われているということは、私は、…皆さまは異なると思いますが…、表現者と呼ばれるマスメディアの方々が大変に役人と同じような事なかれ主義のサラリーマン化しているという危機感を非常に私は持ちました。野中広務氏の発言というのは大変なものがあろうと思います。
 あと、県内に関しましてはですね、少なくとも2区で当選なさった下条みつ氏とですね、そしてまた1区で出馬をし大変に肉薄をした、1カ月前までほとんど無名であられたであろうという篠原孝氏でありまして、大変生意気を言うと、私が出馬した時とはですね、知名度ということ、認識度ということにおいては、これは全くかけ離れた状況でありまして、この方がですね、数千票の差に小坂憲次氏を追い上げたということは、これは実質的にはですね、小坂王国というものはですね、もう多くの方々から見切られたということだということだと思っております。下条みつ氏とですね、篠原孝氏の選挙本部というものにも、恐らくは多く連合であったりですね、長野県の古い民主党の方々というものが選対を兼ねられていたと思いますが、このおふたりがですね、今後やはり新しい民主党として、それぞれウルトラ無党派の方々によって支持されたということに自信を持たれてですね、やはり古い長野県の民主党をもですね、ロケットの噴射装置から切り離すという矜持を恐らくこのおふたりは十分お持ちであられようと思います。松本の有賀正市長はですね、何か村井仁候補とですね、下条みつ候補の両方の陣営にごあいさつに行かれたということでありますが、私はこれこそはリーダーとしていかがかと思います。同時に、その選挙区に立候補なさっていた共産党系の候補の方には行かれていないわけでございまして、つまり人はいずれかを選択しなくてはなりません。不毛な二項対立ということとは別に、選挙というものは1人を選ぶわけでございます。もし仮に選びきれない立場で、あるいは表明するだけの勇気を持ち得ないならば、いずれの陣営にも足を運ばないということがですね、本来のそうしたいささか意気地のないリーダーの持つべき辛うじての矜持なわけでございまして、いずれの候補にもあいさつに行き、いずれの候補も応援すると言いですね、そしていずれの候補かが当選するとそこにごあいさつに行かれると。このような護送船団のような保険をかけてきたのが日本の自治の混迷でございまして、経済の混迷でございまして、大変に驚いた次第であります。
 加藤隆氏が残念ながら比例で復活できなかったということはひとつ残念ではありますが、その他私の応援申し上げた50数名の候補者は、比例も含めればほとんどの方が今回当選できたというのは、大変うれしいことだと思っております。
 あとは、昨日届いていたメールの中には、信越放送が出口調査の結果を発表していたのに、なぜか長野1区だけは出口調査の結果を発表していなかったのは、…私は直接見ておりませんが…、なぜだろうかというメールが届いていたのも大変印象深かったところでございます。180台後半とか、そういう数字ではなかった民主党ということは、やはり今後、菅直人さんと岡田克也さんがですね、概論から入る形のメッセージでは市民にはなかなか届きにくいということを恐らくは、…仮におふたりが聡明であるならばですね…、深くご認識なさるようになると思いますし、仮にそうしたご認識を持たないとするとですね、新しい民主党というのもなかなか苦しかろうと思います。「つよい日本をつくる」というものは、結果としてですね、菅さんの大変にすてきなカラーの写真の下もですね、「日本の選択」という言葉になったわけであります。決してこれは小沢一郎さんと私の功績なのでは何でもなくてですね、やはり「つよい日本をつくる」という言葉では選挙は戦えないということを、すなわち、数億円の単位をフライシュマンヒラードという外資系の広告代理店に払ったことはですね、大変に高い聡明な勉強代であったということを途中で旧民主党の、それも現在仙谷由人さんや鳩山由紀夫さんとは異なる場所でリーダーシップを発揮しているというふうに思われていた方々も遅まきながら感じたということであろうとは思います。
 やはり今回、自民党はですね、医師会やあるいは特定郵便局や、その他建設業界であったり、こうした団体を基盤としていた方々がですね、その団体の集票マシンというものがほとんど機能しなくなって落選の憂き目にあわれているということはあります。それに代わる、まさに個人に立脚した自由民主党の方々、…渡辺喜美氏のような大変私が尊敬する幾人かの例外はありますが…、そうした方がなかなかまだ多くには出てきてないというところが今回の自民党の議席になっていると思いますし、逆に言えば、新しい民主党もですね、労働組合、連合というものに立脚した選挙を行っていてはですね、決して明るい未来は開けないということだと思います。50数区のですね、60近い選挙区を回って、やはり連合系の方々、あるいは旧来型の市民運動の方々が選対を行っているところは、大変に役人と同じで、ひとたび決めたことは修正しないと。あるいはタクシーの運転手さんにはチラシを配りに行こうともしないという状況を見ましてですね、やはり現在の組織化率2割に満たないにもかかわらず、自分たちという…、とりわけ自治労がそうでございます。60歳まで首になるということを考えたこともない人たちというのは、同じ労働者と言いながらですね、自分たちとは異なる契約・雇用にある方々を同じ労働者として見なしていないのだなということに大変な悲しみを覚えました。ですので、新しい民主党というものもそうしたことをですね、労組に立脚する形を変えていかないと、私は未来は開けないと思っております。
 この非常に絶妙な自民党と民主党の議席数というのは、恐らく来年になって参議院選挙が近づくにつれてですね、小泉氏では戦いにくいということが自民党の側に出てくるでしょうし、民主党もまたどのようなリーダーのもとで戦っていくかということが、あるいは自民党の動きが化学反応として連鎖的に起きてくる可能性があるかもしれませんし、結果として来年の衆参同日選挙という最も公明党の方々、あるいは公明党や創価学会の方々が望まないであろう形が起こり得る可能性というのはですね、これは無しとは言えないという気がいたしております。
 あともう1個、昨日テレビの場に堂本暁子千葉県知事と埼玉県知事の上田清司氏が来ておりましたけども、あのような時間帯に選挙の番組に出るのが公務であるという…。皆、公用車に乗って来ておりましてですね、秘書を連れてきていると。以前に『サンデープロジェクト』に出た時も、なぜか…、突如いかなる理由からか県知事をお辞めになられた北川正恭氏が、日曜日に3人も秘書をお連れになってらっしゃったのを私は大変奇異に感じましたけども、堂本女史も上田氏もですね、いずれも秘書を、県職員を連れてですね、県の車で来てるというのは、なかなか長野県では想像を絶する姿であるなあというふうに思いました。それだけ、あるいはまだ財政的に余裕があられて、鷹揚(おうよう)であられるのか、なかなか理解しにくい話であります。
 以上です。今日は選挙を経てのお話ということでありますので、いずれにしても、新しい下条みつ氏とそして篠原孝氏のおふたりにはですね、まさにこのおふたりの名前に多くの心ある県民は投票なさったわけでありますから、その候補者がどんなにか魅力的でなくては投票いたせないわけですし、篠原氏も比例とはいえですね、大変に肉薄する票を集められたということは、その候補者に多くの方々が期待をなさったということですから、このおふたりの候補者がですね、やはり長野県の新しい民主党をつくっていく旗手であっていただきたいということを願っております。
 なお12日から私は休暇を取りますが、先般も申し上げましたようにですね、フランスのプレシー・シュル・マルヌ村の視察、それからスペインのビルバオ、サンセバスチャンという新しい都市計画を行っているところ等を訪れます。長野県においてもですね、私の公務以外のスケジュールというのは通常ホームページには載せておりません。これは海外に出掛けますのでこのように申し上げますが、私との連絡はですね、経営戦略局で取ることができますので、その期間中、皆さまが何らかの私に対してのご照会がある場合には経営戦略局の方にお申し出をいただければというふうに思っております。
 以上であります。では、以上で会見を終了します。

信濃毎日新聞社 小市昭夫氏
(録音状態不良のため発言内容不明)

長野県知事 田中康夫
 いや、今日はですね、選挙を経て私がお話しをするという形であります。

信濃毎日新聞社 小市昭夫氏
 知事のですね、応援した効果については…、今後の民主党とのかかわり方はどうするかについて、ちょっとお聞きしたいんですけども。

長野県知事 田中康夫
 何ですか? 民主党とのかかわり方って。私はあくまでも応援団長だったわけでございます。

信濃毎日新聞社 小市昭夫氏
 ネクストキャビネットには参加されるんですか。

長野県知事 田中康夫
 ですから、私はあくまでも民主党の応援をしていたわけですし、それはすなわち小沢一郎さんという、大変に今や新しい日本のハト派であります小沢一郎さんという方を私は大変尊敬申し上げておりますし、故に彼とともに街頭にも立ったわけでございます。
 効果のほどというのは、それはそれこそ皆さまが本来評論なさるべきことであろうかと思います。まあ、私としては、「つよい日本をつくる」という、お金を掛けたポスター類、ちらし類がですね、結果としてはやはり「日本の選択、はじまる。」という形で…、最後開票センターでございますか、民主党が設けたところにもですね、小沢一郎さんと菅直人さんの白黒の写真を使って、私がコピーと全体のデザインを及ばずながらさせていただいたポスターとですね、そして菅直人さんのカラー写真の下が「つよい日本をつくる」ではなくて「日本の選択」という字に置き換えられたポスターとがですね、交互に張られていたということは、民主党の、旧民主党の方々にも少しは私たちが今回国民、有権者に届けるべき、伝えるべきことというのが何であったかをお分かりいただけたのは少しくうれしいなとは思っております。ただ私は、「3党であれば絶対安定多数だから、何らいささかの責任は生じない」とおっしゃっている小泉さんや安倍さんほどには、なかなかナルシシズム(narcissism:自己陶酔)は最近持ち合わせていないところでありますから、今のご質問は今の私の表現でご加味をいただきたいと思いますが。あくまでも、私は榊原英資さんや山崎養世さんとともにですね、新しい内閣が民主党主導によって作られた場合に、私は地方主権担当の大臣として入閣させていただくということを皆さまに発表していたわけでございますから、現実的には今回、民主党の新しい内閣が組閣されるという可能性は、今後公明党の方がどのような後出しじゃんけんをするかにもよるかもしれませんが、けれども、公明党の方と組むということはあまり小沢一郎さんも菅直人さんもお考えではなかろうとは思いますから、現実的に私が地方主権担当の大臣に就任をすると、…今回ですね…、ということは、これは可能性としてはですね、極めて自民党の政権ができる限りにおいては薄いということだと思いますね。
 では以上です。どうもありがとうございました。

朝日新聞社 飯竹恒一氏
 ネクストキャビネットにはやっぱり入らないということですか。

長野県知事 田中康夫
 いつもあなたは、なかなか私の答えではご理解いただけないんでございましょうか。

朝日新聞社 飯竹恒一氏
 答えになってない…。

長野県知事 田中康夫
 なかなか立派な言い切りをいただいて…。私は今ので私の答えになってると認識してるわけでございます。

 

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