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最終更新日:2003年10月01日

 

知事会見 (長野労働局への職員派遣、懲戒処分等の指針、

下水道のあり方検討委員会中間とりまとめ、他)

平成15年9月26日(金)
11:45〜12:30

表現センター

長野県知事 田中康夫
 はい、では会見を行います。
 発表することが…、長野労働局、上田の公共職業安定所には、とりわけ新津(利通)さんという大変に素晴らしい所長がいらっしゃるということで、私たちの産業活性化・雇用創出推進局長の丸山康幸もいたく感銘を受けて私淑をしております。今まではこうした長野労働局、あるいは上田のハローワークですね、公共職業安定所、こうしたところの生の実情というものを私たちが必ずしも的確には把握していなかったと思いますので、私どもの産業活性化・雇用創出推進局の若き職員をですね、1名派遣をいたします。来年の3月の末までの間ですね、とりわけこの上田のハローワークを中心として仕事をさせていただき、長野県の雇用の実情、あるいは新しく職を求められる方の実情というものを把握するだけでなく、それをブレークスルー(breakthrough:突破する、打開する)する方法をですね、局長の丸山と一緒にですね、考えてまいりたいと思っております。
 もう一点はですね、懲戒処分等の指針を明確に策定をいたしまして、10月1日から施行をするものであります。お手元の資料をご覧いただければわかるかと思いますが、まさにパブリックサーバントとして働く私たちが、とりわけ交通事故をはじめとしてですね、県民にご迷惑をお掛けするというような形があった場合に、きちんとその処分というものを、責任と処分を明確にするという形であります。この点に関しましては、今日、人事活性化チームリーダーの柳沢直樹も同席いたしております。本日、小布施町でのお花のイベントに出掛けます都合上、12時15分には終わりにしたいと思いますので、この件に関しまして詳細な点のご質問がありましたら、私の会見が終わりました後、柳沢の方で対応をさせていただきます。
 あとは、先ほど「ようこそ知事室」の方に長野マラソン、…これは長野県もオリンピック基金の方からお金を出させていただいていますが…、ここに車いすの方々がお越しになられまして、長野マラソンに出場をしたいのだが、なかなか長野市の方でも検討をするというお話であるし、ましてや一番のスポンサーであられる信濃毎日新聞においてはほとんどお話をお聞きいただけなかったというのがございまして、私も大変に認識が不足しておりまして、通常あのマラソンは確か5時間で切る形。5時間を上回るような時間が掛かりそうな方は、順次一番後続からバスを走らせてですね、それにお乗りいただくという形だと思います。私は、車いすは通常のご自分の足で走る方よりも大変時間が掛かるのかと思っておりましたがそうではなくて、早い方は1時間台と。通常こうしたマラソンにお出になる車いすの方はですね、レース用の車いすで3時間台であるというお話でございます。ですので、公道を占拠する時間がですね、県警の方にはいつもご迷惑を掛けていますが、長時間にわたってしまうという形にはならないということであります。また、全国でもこのような形はフルマラソンの形でも単独で行われておりますし、一般のご自分の体で走られる方と並んでの混合の形もですね、ハーフマラソンをはじめとして数多く行われていると。既に、白馬村と大町市においてもこのようなマラソンは混合で行われているということを知ったわけでございます。ですので、私は当初、一般の方が走られた後に、5分後とか10分後に車いすの方がお出になるのかと思いましたがそうではなくて、先に車いすの方が5分前とかに出ると。(車いすで)3時間掛かる方がいますから、2時間台で走る方は最後の段階で車いすの方を追い抜くというようなケースは見られるようですが、今まで全国で行われてですね、そうしたことでの事故であったり、そのことで双方の記録がですね、追い抜く際に支障が生じて、記録が必ずしもベストが出せないというような形は起きていないというお話でありまして、これを聞いて、大変私も想像力の欠如ということを思い知りました。これは障害福祉課の者が同席しておりましたので、これらの点に関して私どもの障害福祉課もですね、こうした点の認識が非常に欠落していたかと思いますので、私の反省も含めて、この点はぜひ実現に向けてですね…、もちろん全国のすべてのマラソンが車いすの方と混合になるということはないと思います。ただ、多くの長野県民、とりわけ長野市にお住まいであったり、長野のそうした名だたる協賛をなさってるような諸団体の方からすれば、オリンピック記念のマラソンということはおそらく思いもひとしおのものであられようと思いますから、そうしたマラソンがパラリンピックも行った県都を自認なさる長野市としてですね、そうした開かれた形になることはですね、おそらくは多くの中南信にお住まいの方にもご賛同いただけるのではないかと思っております。これは検討ではなく、ぜひ来年の次回はですね、実現できるように私はしたいというふうにも思っております。
 それからでございますね、昨日、下水道のあり方検討委員会の大森委員長の方から中間取りまとめ(長野県の下水道のあり方−中間取りまとめ−)というものがございました。これはあの際にも私が申し上げた点でございますが、これは過去において、長野県は県内…、現在は118でありますが、市町村の指導的立場でありながら、下水道の計画や執行に至るまで十分な指導監督を行ってきたとは言えないという大変反省すべき点があろうかと思います。とりわけ、ご存じのように下水道というものは国土交通省が所管する下水道と農林水産省が所管する農業集落排水と環境省が所管をする合併処理浄化槽がございますが、とりわけこの下水道に関しては、日本下水道事業団という国土交通省の外郭団体にですね、そのすべてを委託してきたわけでございます。このことが、下條村の伊藤喜平村長がおっしゃるようにですね、まさに国が机上で(考え)、霞が関で一律に指定した太いパイプをですね、集落が点在しているような場所にも通すと。造ることには国からお金が来るが、その維持は市町村であると。このことがおそらく日本の市町村の破たん、財政破たんへつながると。それを先送りするために、またぞろ合併特例債を出して合併をしようと言っているという、この本末転倒の霞が関の理論に長野県も従ってきたわけであります。農業集落排水に関しては、土地改良事業団体連合会というものにこのすべてをお任せをしてきたわけであります。こうしたことは、まさに民間参入ではないわけでして、小泉さんが言うような、民間に任せられることは任せようというのは、これは体のいいコストカットや丸投げになってるのが現状で、アメリカ型のまさに市場原理主義とも言える市場主義に組み伏せられてしまっていますけど、それとは違う意味で、やはり私たちの中に競争原理が働かなかったと思っております。こういたしますと、大きな施設を造って余計な建設費を掛けても、他方で計画がずさんであったために汚水の量が増えないと。まさに水利権のですね、水が必要であるという量がいまだにバブル以前から変わってないのと同様な形と。このことによって下水道料金収入では下水道会計が賄えず、一般会計から多額に繰り出さざるを得ないと。そして建設費が国一律で国の団体にお任せでしたので、非常に巨額であった、返済と繰り出し金のために財政を圧迫しているということであります。ですから、これを私たちは大変な長野県のコモンズの危機として、下水道のあり方検討委員会を作ったわけであります。委員会が今回中間取りまとめをくださった内容というものは、もうお手元におそらくお持ちであろうと思いますし、お持ちでない方は下水道課、もしくは経営戦略局の方でお渡しいたします。あそこに記されたことは、すべて私たちがもっと以前から行うべきことだったと思ってますし、進めていくところであります。やはりこの水洗化ということは、水洗化率という数値で言われなくてはいけないわけです。これが三つの省庁にまたがってると。林道と農道と国道と県道と市町村道という具合になってるのと同じでして、これは長野県ではですね、早急に一本化をすると。年度途中であっても、これを担当する職員をですね、一本化をするということを昨日もお約束をいたしました。下水道というのは未来永ごう続くわけでありますから、これから行っていく部分というのは早急に対応しなくてはいけないと思っております。流域下水道整備のように10年20年という年数が掛かるというものを、これは国からの予算が決まってるからといってですね、動き出したものを止めないという形では、これはダム事業と同じになってしまいます。この見直すべき点はですね、早急に見直すと。つまり投資した金額に見合わない、そしてまた巨大な施設でありまして、その維持をするためにまた巨大な新たな設備を設けるような形が国から一律来ております。ただ、その設備を設けたとしてもですね、そこで生まれるメリットが数百万、…十年も何十年も掛けですね…、それを造った方が数百万の単位(のメリット)であったりすれば、これは返済の利息を考えればですね、その(利息の)方が上回るわけでして、これらの点をですね、「下水道等整備構想エリアマップ2000」というのがあるわけなんでございますけど、この全面見直しというものを行わないといけないと思ってますし、その点においては下水道、つまり水洗化ということは私たちが目指すべきであるという観点に立った上でですね、費用対効果というものを考えねばならないと思います。今後、とりわけこの処理施設や下水道管がですね、老朽化してくるわけでして、この時に日本全体でどのように行うのかと。いずれにしても、必要な費用を先送りしたり他の予算で充当するというようなことなく、下水道会計の明確化をすると。長野県も行うことによって市町村も同様に行うということであろうと思っております。これは、下條村が既に先駆的でありますように、下條村は下水道化が0%でございます。農業集落排水化が0%でございます。しかしながら合併処理浄化槽化はおそらくは9割を超えてる(91.6%)わけでございまして、この点がやはり自律ということであろうと思います。浄化槽というものは自治体にとって負担が軽いだけではなくて、これは税金を払う多くの方にとっても結果としてそうなわけでして、やはり今回の提言を受けてですね、改めてそのことを感じたところでございます。
 もう二点ほどございますが、先日、イヴ・デュテイユさんという方がフランスからお越しになられました。朝日新聞と確か中日新聞の方は取材に入られたかと思いますが。1949年のパリ生まれの方なんですが、この方は現在パリからですね、少し離れました村にお住まいでございます。この村は人口500人くらいのプレシー・シュル・マルヌという村でございます。申し上げているように、フランスでは人口5000人以下の町村が全体の9割を占めるわけです。もともとこの彼の村での一つの市民運動に彼が参加をすることで村長になられて、もう10年になられますけども、大変に感銘を受けました。一つは…、(この村は)パリの近郊30キロくらいのところにあります。シャルル・ド・ゴールとユーロディズニーランドの間ということですからパリの北東部にあたるかと思います。多くの方はシャルル・ド・ゴールの整備工場やユーロディズニーで勤務をされていると。パリのそうした郊外なので、いわゆる市民農園のような形でですね、農園を設けられて、それが比較的湿地帯というか川のところ。そしてそこに小さな小屋を作って荷物置き場を置いてた方が、そこで少しハンモックにぶら下がったり、ベッドを置くようになって、いつしかそうしたところに住む方も出てきたと。ただ、ここは非常に洪水が多く起きる場所であると。これに対してまさにコンクリートのですね、工法を用いるのではなく、そこの方たちを説得をしてですね、その他の場所にお移りいただくというような形をしてきているところです。これは、マリアンヌ・ドール賞というフランスの最優秀市町村長に贈られる賞を受け取っております。こういうふうに彼は言っておりますけども、「この地域には何年も前から許可なしに家が建てられていました」と。「そして毎年のように洪水の被害に遭っていました。私たちはこの地域のためにデリケートな自然空間というプランをつくりました。マルヌ川岸を自然な適性に戻すことを目的として洪水対策、つまり洪水被害者の連帯と、その定期的な避けられない洪水の危険にさらされる人々の数を少なくするのが我々にかかった責任という人間的な面をよく考えた」と。「時間を掛けて家を売ることにより、少しずつ回復をさせていった」というふうに言ってます。
 もう一点驚きましたのはですね、この村は1989年に村の人口が420人で、そのうち子どもが90人であったと。現在人口が500人で子どもが120人であると。「土地計画というものをしっかり作成して、建築許可は厳しく守ってる」と。「村の広場を作るにあたり、その周りにいろいろな大きさの家を統一感を持った上で美しく並べて建築した」と。私が申し上げてる個性化を認めた上での高品質な統一感であろうと思います。そして、「そこに入った新しい住民はフランス国籍人もポルトガル人もアラブ人も黒人もいます」と。「いろいろな国の人が住むようにしたかった」と。「村民の職業は農業が2軒だけで、あとは近くのエールフランスの機体整備工場やユーロディズニーで働く人が多い」と。村にはレストラン1軒を除いて商店はないんだそうでございます。パン屋さんとか肉屋さん、魚屋さん、八百屋さんも週に2回くらい車で売りに来るんだそうですけど、その1軒のレストランというのは、そこで週末や夜にはダンスができて、古いフランス映画にあったように、村のおじさん、おばさんがダンスを踊るという形なんだそうでございます。そして彼はですね、こういったことを言うんです。ここの小学校に給食設備がなかったんですね。ただ彼は、「子どもたちがこの村で暮らした幸せな子どもの時間を持てば、それはすなわち、みんな自分で摘んで食べたスグリの実やイチゴの味(の思い出)を持っていて、こうした思い出が小学校の中庭にもあるようにしたい」と。「子どものそうした時間を持てば、大きくなっても村に住み続ける、あるいはまた一度他へ出て行ってもここへ帰ってくる可能性が高いと考えた」と。「ところが、現実に小学校に給食施設がなければ、働く親たちは子どもたちを設備のある通勤途中の近隣の町の小学校に入れてしまう」と。すると子どもたちはこの村での思い出がなくなると思って、けれども小さな村なので、近くの5キロくらいの距離の二つの村と共同して三つの村で、給食センターではなくて給食堂を建設したんですね。給食堂を建設して三つの村で1台の共通のバスを持って、そのバスが昼食時に子どもたちを送り迎えしていると。小学校の低学年にはA村、中学年はB村、そして高学年はプレシーの小学校で学ぶという共同運営をしているっていうんですね。これは私は大変なことだと思うんです。私たちはコストカットや経営効率を高めるということのために給食センターを作って、そこから車で給食を子どもたちのところまで運んでいくわけですね。そうすると、どのおばさんが給食作ってくれたかとか、3時間目の時に給食のにおいがしてきて、「ああ、おなかが空いたな」とか、「今日のこのにおいは僕の好きじゃない食べ物だ」とかわからなくなっちゃうわけですね。そうではなくて、まさに今までの私たちの地方分権というのは、中央集権の人が一律合併しなさいとか何とかっていって、総務省なり霞が関が中央集権の発想で分権だけ言ってお金を下ろしたりしていったということだと思うんです。彼らはそうじゃなくて、個人がいて、そのコモンズがあって、そのコモンズの人たちが給食堂まで行くと。それは昼休みの時間が日本のような45分ではなくて2時間だからだろうとか、食事が好きな国民性だからだろうとか、そんなことやったら教員の人が疲弊しちゃうとか、いくらでも日本の行政だったら理由は付けられると思うんです。でも、実際に食べるご飯のところまで、いろんな子どもが景色を見ながら車の中で会話をして行くと。もう一つ彼が言ってたのはですね、「村にもし給食センターを作るとそこで雇用した人たちを、とりわけそれを運営するよう委託された会社の料理を子どもや父母が認めなくてもなかなかしがらみがあって変更できない」と。その給食堂は毎年親が投票をするということです。子どもに聞いて。そして、よければ継続するし、そうでなければ業者の人も替わると。これはやはり私が手前みそですけど、長野県のいろんな委員をですね、小倉昌男さんをはじめとして多くの同じ志を持って社会を変えたいと思っているしがらみのない方々が県外からお手伝いしてくださるということに似通っている気がしました。
 もう一個彼が言ってましたのは、私が宅幼老所ということを言いましたら、それは私たちのところではですね、学校の設備を充実させたと。まさに食堂を作ったけども、同時に自習ができるようにしたと。学校が終わったらそこで教員が残って教員の労働時間を増やして子どもの世話をしろと言うんではないと。同じ学校の空間に違う町のスタッフや、若いそうしたスタッフが来て子どもたちの学童クラブをやってるんだと。そして、500人しか人口がいないからかもしれないけど、60を過ぎて元気なおばあちゃんが家で共稼ぎの子どもを、小さい3歳までの子を預かったりしていると。そうすると、おばあさんのぬくもりや、おばあさんの作ったおやつであったり、そういうものを食べてるって言うんですね。それは、500人だからできる信頼関係かもしれないけど、私はやっぱりこれが自治だなと。日本がやってきていることは全部逆のことをやってきてるんじゃないかなと思いました。これは大変な人物だと思って、私はぜひこのプレシー・シュル・マルヌを見に行きたいなというふうにも思っています。
 そういうことを今お話ししましたが、私は今日はこの後、小布施町でガーデニングのサミットがあってごあいさつしますが、その後私用で、本日泰阜村の方へ行きます。私は泰阜村に本日付けでですね、長野市から転入をするということを決めております。これは先日も9月18日の朝日新聞に松島村長が『私の視点』に書いておりました。私は以前からですね、住民税というものは一体どこに納めるのかと。仮に自分が居住してる部分に半分だったりしたら、あとの残りの部分は交付税の額を変えるとかいっても、結局これは行政が決めることです。補助金の額を変えるというのも国が決めることです。やはり一人ひとりの市民が、この町は私が好きな町だから、ひいじいさんの墓があるから、私の好きな海があるから、あるいは昔付き合っていたガールフレンドが嫁いだところで、それはとても素晴らしい文化の町だからそこにお金を払いたいということが必要だと思っております。税金を払っても、とりわけ大きな町だとですね、どこに使われてるかわからないわけですね。ですから私は以前から、例えば住民税の4割は、あるいは所得税でもいいんですが、それは最大3カ所まで、…住基ネットという大変素晴らしいシステムがあることですから…、3カ所まで自分が選択でき、その4割を全額他の町に出してもいいですし、2割をA村、2割をB市でもいいわけですが、3年ごとに払うべき場所を変えていけるというようなシステムが必要じゃないかと申し上げてきました。これはすなわち、例えば皆さんも仮に、…これはマネックス証券の松本大氏が言ってることですが…、1口100万円の株が1000株からしか持てなければ、これは非常にクローズドなマーケットなんですね。でも、1株1万円の株を1株から持てるようになれば、10万円手元にある人は最大10社に投資をすることができます。投資というのはお金もうけじゃありません。皆さんがパソコンや自動車の広告を見るのは、パソコンや自動車を買った後、その車がどういうふうにバージョンアップしたか、どういうふうに市場で評価されてるか、どんなアプリケーションが新しくついたのかということを確認するために広告を見てるんです。すると、その1万円で株を買った人は、その会社のアイアール([IR] investors relations:上場企業が行う投資家向けの広報活動)というものをきちんと見ていくようになるということです。それは、多くの市民によってチェックされることによって、その会社が企業市民たり得るということです。行政もそうではないかと。とりわけ(税金を)前払いをされているわけです。そして、どこに使うかも明らかにしないで年度末に使い切ってしまうわけです、私たちは。すると、私はとりわけ泰阜村は、SBCでこの間放送いたしましたが、まさに非常に限られた金額の中でですね、福祉をきちんとやってると。今まで小さな町村というものはですね、経営効率が悪いと言ってきたわけです。泰阜村は人口2200人で、65歳以上が占める高齢化率は38%であります。長野県はご存知のように、一人あたりの老人医療費は全国で最も低い県ですが、その県内118の自治体の中でも、泰阜村の老人医療費は低い方から5番以内を維持しております。国民健康保険税額も県下で最下位なわけですね。これはたまたまではなくて、松島貞治さんがおっしゃってるように、在宅医療・福祉を徹底して、終末期の医療費を抑えてるわけです。高齢者の窓口負担を軽くしたり、勤労者向けに夜間診療日を設けて村の診療所をできるだけ利用してもらうと。小規模市町村は国に迷惑を掛けてると言うけれども、果たしてそうであろうかと、彼は言っております。彼は助役を置かない条例というものを制定して、議員定数を2人、役場の職員を15人減らしたわけであります。この助役を置かないことと議員定数を2名減らしたことを霞が関の規模で判断をすれば、霞が関の課長級の職員を3万5000人削減することであります。そしてその浮いたものを、彼はまさに訪問介護であったり、こうした老人が最後泰阜村で尊厳を持って生涯を終えるということのために使ってるわけであります。彼は朝日新聞のところでこう言っております。「行政コストではむしろ国にこそ改革するべき点が山積してる」と。「国会議員の数は削減を求める世論とは裏腹にその方向は見えず、公益法人、特殊法人の改革も停滞している」と。「スリム化を目指した省庁再編から4年目を迎えても、官僚の数はなかなか減らない。にもかかわらず、国民に密着したサービスを提供する基礎的自治体を減らすことに、なぜこうまで執着するのだろうか。理解に苦しむ」と。「政権与党として国民の生命・財産を守るというのなら、自民党はいま一度地方自治の現場を見つめ直すべきだ。そうすれば、合併に突き進む姿勢はおのずと変わると信じている」と言っております。私の両親はあのSBCの特番を見てですね、泰阜村の福祉を見て、両親はこうした長野市というようなところ、あるいは軽井沢というようなところを主たる居住地にしてきましたけれども、去年までは大学の教師をやっておりましたので非常にもったいないことをしたと。泰阜村に自分の住民票があれば、自分の払う納税額というのが、コストダウンではなく、あるいは言葉だけのスリム化ではなくて、より目に見える形で、…自分たちはまだ介護保険をもらうような体でもないが…、その自分たちが納めている税金がそのような村で目に見える形で同じ長野県で誠意を持って生きている市民のために使われるならばと、…今年から大学を退職しましたので収入はほとんど年金だけになってしまったので…、大変父親が悔やんでおりまして、そうした両親の会話を聞いて、私も、…明日も阿智村で「小さくても輝く自治体フォーラム」で講演をいたしますが…、泰阜村の松島村長の自宅に居候をする形で住民票を移させていただこうと思います。そしてまた、できれば泰阜村のですね、道直しのようなことを週末に手伝うというようなこともできればと思っております。一人のやはり納税をする人間としてですね、私たちのこの(国と地方合わせて)700兆円も借金を抱え、187兆円もですね、地方自治体が借金を抱え、その借金は1990年というバブルの最後から逆に霞が関の指導によって2.6倍だか2.8倍(1990年度の地方自治体長期債務残高67兆円と比較すると2.8倍)にも増えてしまったと、そのことを私たちが考える一つの大事なテーマがあるわけでして、そうした中で移ります。泰阜村にはたぶん4時半くらいには到着をするのではないかというふうには思います。
 以上であります。ご質問があればお受けいたします。はい、どうぞ。

信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
 信濃毎日新聞の宮坂重幸と申します。
 先ほどの住民票のお話なんですが、ちょっと確認をさせてもらいたいんですけれども、住民票を移す…、泰阜村で転入届が済むということがイコール住民税をですね、納めることにつながるということ…、という理解でよろしいんでしょうか。

長野県知事 田中康夫
 私は泰阜村においても生活をする…、長野市においてもホテルに泊まることもありますし、皆さまから言われてるように、私は週のうち極論すれば半分は東京のホテルに泊まる時もあるわけですから、生活の場は様々な場所ではあります。必ずしもこれだけの情報化社会や多くの人が移動する社会、あるいは極論すればですね、東京に住民票があられても、夏の期間、軽井沢のご自宅からですね、もう一つの家から通勤されてる方もいるわけでして、主たる居住の場というのは、これは非常にあいまいになってきております。極論すれば、長野県内に住民票を置きながらですね、東京の学校に通われて、東京のワンルームマンションでごみを出されていて、そこでは住民税をお支払いになっていないというような方もいらっしゃいます。単身赴任の方もそうでしょう。あるいは、長野県選出の国会議員の方々も、長野県に住民票は便宜上置かれているかもしれませんが、主たる居住地はですね、東京であると。そのご家族も東京に居を構えて、東京の学校に通いながら、住民票だけは有権者として長野県にお持ちというような国会議員のご家族も私は少なくなかろうと思っております。常に住民基本台帳において住民の場所を捕捉していると言ってきておりますが、これは形がい化してきているということです。そうした中で住基ネットだけは作られていくと。住基ネットの問題と今回の問題はまったくリンクを私の中ではしておりませんが、つまり、その住民税を払う場所は主たる居住の場所であるというふうに仮に今まで文言で言ってきてるならば、それをどれだけの人数を捕捉しきれてるのかと。もしそうでないならば、それはですね、やはり捕捉をなさるということが本来の総務省であったり様々なところの仕事になるわけですね。でも、現実にはそうでない形があると。国会議員の方とて順守なさってない方がいらっしゃると。
 ただ、私の思いはもう少し純粋なところにありまして、長野県でですね、歯を食いしばって、まさにおねだりをするわけでもなく地方自治というものを、住民自治というものを行ってる小さな自治体があると。その自治体に私は学びたいと思いますし、私はその自治体にですね、大きな財政的に余裕のあられる町…、ちなみに長野市はご存じかもしれませんが、長野市は30人規模学級を導入することに関して、地元負担があるということに関して少し鷲澤正一市長はご懸念を示されましたが、仮に長野市がですね、1年生から4学年のみならず、6学年まで全学年に30人規模学級を拡大した場合の所要教員給与費は約1億3600万円。これは市の側が推定したものであります。これに対して教育費の総額は133億6400万円。15年度の予算額でございます。すなわち、その30人規模学級を増大した場合の長野市の負担増というのは、教育予算の中のわずか1%なわけでございます。そして、長野市は様々な市内の小学校を人数が少なくなったということで統廃合をしております。おそらく、一つの学校分くらい、…10何クラスとかですね…、30人規模学級によって校舎を造らねばならないというようなこともおっしゃられております。けれども、これはまさに地元に密着をしたですね、公共投資になるわけでございまして、炭平コーポレーションの資材というものも用いてですね、これは経済効果もあるわけでございます。そして繰り返しますが、教員の給与額はですね、市の予算ではなくて、市の教育予算の1%の増額なわけであります。でも、私はこの1%の増額の部分をですね、あるいは逆に1%削減しても老人福祉に用いているのが…、1%どころではないことを行ってるのが泰阜村に見られる多くの長野県の小規模な町村であると思います。私はそうした町村を、やはり同じ長野県を愛するものとしてですね、何か支援と言ったらおこがましいですが、お手伝いしたいと思ってるわけです。

信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
 住所地として認定されるためにはですね、法律上とか判例では客観的な事実としてどこが生活の根拠になるかと…、

長野県知事 田中康夫
 いずれにしても、私は移すということであります。ですから、すなわち先ほど申し上げたように、それを管理をなさることを仕事となさってる方々がどのような見解をお持ちなのかということによって、それは信濃毎日新聞の紙幅をもお邪魔をする形でこれは一つの問題提起になるわけでございます。
 他の方のご質問を受けます。時間がありません。どうぞ。そちらの女性の方。

南信州新聞社 高島陽子氏
 南信州新聞長野通信部の高島陽子です。
 今のお話に関連してなんですが、住民票を便宜的に移すということで、そこを主たる居住の場とするかどうかということはまだはっきりしないというのが今のお話からわかったんですが、これは要するに納税者としてそこの村民になるというふうに理解してよろしいのかということと…、

長野県知事 田中康夫
 ですから、私としてはですね、やはり泰阜村に住民票を移すということは泰阜村の村民になるということです、私は。そして、長野県知事である私が長野市でなくてもですね、千曲市に住んでいてもですね、あるいは信濃町に住んでいても、県の職員もそうしたところに住民票があるものもおります。私は泰阜村の村民になるということによって、まさにそうした小規模な町村の方々と同じ目線でですね、合併問題等の議論をさらに深められると思いますし、またその中で、…私はそれは週末もウィークデーも東京や大阪にも行くこともありますが…、泰阜村の住民としての責務というものも果たしていける一人でありたいと思っております。

南信州新聞社 高島陽子氏
 わかりました。よく知事はコモンズの創成というようなことをお話しされてるんですが、そういった納税をすることによってそういうことに寄与すると。ひとまずそういうお気持ちで村民になられたということなんですかね。

長野県知事 田中康夫
 いやいや、私は泰阜村だけでなくて、いくつか大変に立派な素晴らしいと思う町村があるということです。そうした町にあこがれてる、軽井沢にもあこがれるから軽井沢にお家を建てられる方、蓼科にお家を建てられる方もいるわけですね。そこに住民票を置かれて、でも夏の一時期以外は東京で居住してる方もいらっしゃるわけですし、つまり行政の側が今まで言ってきた主たる居住の場所というものを捕捉しきれてきているのかということです。住基ネットも作る国という管理機構、あるいは地方自治体という管理機構は。ただ、これは今後私もまた学んでいくことですし、いずれにしても、私は今日、泰阜村の住民になるということであります。

南信州新聞社 高島陽子氏
 もう一ついいですか。すいません。

長野県知事 田中康夫
 以上にしてください。はい、どうぞ。一番手前の方。

産経新聞社 頼永博朗氏
 産経新聞長野支局の頼永博朗です。
 今の住民票の話ですが、便宜的に要するに1カ所にしか住民票を移せないので、本来はもっといくつか分けて納税できるところがあればしたいということですか。

長野県知事 田中康夫
 それは私が昔私案としてですね、テレビ等で言っていたことであります。ただ、今回は私は泰阜村の住民になりたいということであります。
 毎日放送の方もいらっしゃってるのかしら? 来てませんか? 質問なさいますか? 何かご質問なさりたいということでしたが、どうぞ。

大阪毎日放送 大西亜雅紗氏
 後ほど…。

長野県知事 田中康夫
 いや、今で結構ですよ。どうぞ。

大阪毎日放送 大西亜雅紗氏
 大阪毎日放送の大西と申します。

長野県知事 田中康夫
 下のお名前もお願いいたします。

大阪毎日放送 大西亜雅紗氏
 大西亜雅紗です。
 私はお聞きしたいのは、大阪のラジオ番組で知事が大阪知事選について触れておられたのをお聞きしまして…、

長野県知事 田中康夫
 市長選ですか。

大阪毎日放送 大西亜雅紗氏
 ごめんなさい、市長選について。それで大阪市長選で今、4年前と同じ与党3会派が推す候補と、それから共産系が推す候補の2人しか選択肢がないというような状況になってるんですが、その点について、大阪に魅力がないのか、もっと町(市)外から、もしくは府外からですね、いろんな方が出てこられてもいいのにというふうに思ったものですから、知事のご見解をお聞きしようと思ってまいりました。

長野県知事 田中康夫
 そうですね、大阪はずっと助役出身の方がもう何十年ですか、市長を歴代務めて、今回も主たる候補者の一人という方は、助役を先日まで務めてた方を共産党以外のオール与党で推薦されるという話は報道で伺っています。
 おととい私を…、というよりも、長野県の改革を支援してくれている「しなやかな長野県をはぐくむ会」の役員の方々と懇談をいたしましたが、現在八十二銀行の顧問である茅野實氏が、…私を選挙に出ないかと言った時は八十二銀行の頭取でしたが…、彼が先般大阪の経済同友会から講演をしてほしいと。長野県の改革について講演をしてほしいと言われて行ったら、「おまえはどうやってあの田中康夫というのを見つけたんだ」と。「どうして長野県はああいうことをいろんな抵抗勢力が県庁内外にいてもやろうとし続けられてるのか」という質問を受けたので、いろいろと私との付き合いの中での思いを語ったと言っておりました。大阪の経済同友会も今のような役人出身の者が市政をやっていては、府政をやっていては大変だというご認識を強く持っていると、危機感を持っているというお話をお聞きいたしました。茅野さんは、「それは、やはり私に見る目があったからだ」と。「あっはっは」って言っていましたけれども、大阪の方も安藤忠雄氏を…、私の友人でもある安藤忠雄氏が立候補するようにJR西日本の井出さん等はお考えだったわけでしょうけども、彼も仕事が忙しいのでなかなか難しいですね。ただ、やはり役人出身者が首長になりますと、議員と職員と首長にとって心地よい行政をしがちですから、やはりそれは外からお越しになる方がいいと思います。ただ、屈しない方でないとですね、一つのことに屈してしまうと、あとはドミノ倒しになってしまいます。役人というものの性(さが)は、今日までに決めないと国に怒られてしまいますって言ってきますけど、私はそういう時いつも、「いやあ、疲れたから、来週決めよう」「今日はもう家に帰って寝よう」って言って、来週になってもちっとも今日までに決めなきゃって言った案件を、朝待ち伏せしていて、「いつ決めてくれるんですか」って言われたためしはないわけでして、私が数日たってから、「あれはどうなの? いいの?」って言ったら、「いやあ、今週中に決めてください」って言うんで、どうもそれは明日までに決めなきゃ国の手続きが時間切れですっていうのはうそだったっていう話でしてね、そのようにして自分がいったん敷いたレールをUターンしないためにはいろんな口実を作るのが、…一人ひとりの職員がいけないんじゃなくて…、この役人という組織の大変悪しき性(さが)でありまして、その時に屈してしまって一つそれを認めてしまうと、後はドミノ倒しのように、「あの時、あなたはこう言ったから、もう後戻りできませんよ」というふうに勝ち誇られちゃうわけですね。そうした時に、よい意味で自分のためじゃなくて、県民のためにどういう見直しをすればいいのかということを、屈しない強さを持った方でしたらですね、それは大阪市政や大阪府政もですね、長野県を上回る巨額の借金を抱える状況を変えられる方が現れるかもしれませんね。
 時間ですので、以上です。

 

 

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