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長野県知事 田中康夫
それでは知事会見を行います。本日の知事会見は8月25日に第二次稼働が予定されております、いわゆる住基ネットに関する会見であります。
まず冒頭に申し上げておくべきことといたしまして、長野県本人確認情報保護審議会の第1次報告を受けてさまざまな地域において市町村の方々、あるいは一般県民の方への説明会を行い、また総務省側の、名称が住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会の3名の委員の方及び総務省市町村課長の井上源三氏と長野県本人確認情報保護審議会の委員4名による公開討論(住基ネットのセキュリティに関する公開討論会)、これらを踏まえて私たちが検討する中で今回判明いたしましたことは、まさに従来の概念での離脱、住基ネットからの離脱ということはでき得ないということが判明したわけでございます。この点をまず皆さまにいま一度ご認識をいただきたいと思います。従来の概念における住基ネットからの離脱ということはでき得ないということが判明したわけでございます。お手元に資料を今お配りを申し上げます。(長野県の住基ネットに関する今後の方針) こうした中で長野県は、現行の住基ネットに関するさまざまな問題点というものを市町村と早急にさらに検証をして、県民の安全ということを守ることに全力を挙げる所存であります。お手元にお配りいただけたかと思います。従来皆さまもご認識なさっていたように、このように住基ネットと呼ばれるものは国そして都道府県、市町村と、このようないわゆるピラミッド型…、ここに国というところは指定情報処理機関としてのLASDEC(ラスデック)と呼ばれる機関がございますが、ピラミッド状に情報が上がっていき、これらの情報通信は専用回線網を用いて行われていると、このように説明をされてまいりました。しかしながら、これは総務省の資料でもわずか一部に記されてはいたことではありますが、実は住基ネットと呼ばれるのはこのような形であったということであります。県も市町村も並列的にぶら下がっているネットワーク体系であるということです。先ほど申し上げましたように、市町村から県を通過をして、国に情報が一元的に集められるというのが住基ネットであるというふうに理解をされてきた方が大半であろうかと思いますが、これは異なるということです。つまり、ここでご覧いただけますように、それぞれの市町村というものはダイレクトに皆国につながっている。県もまたダイレクトにつながっているということです。そして、例えば同一県内の市町村で移転を、住民移動をなさる方の住民票等は、国に上がってではなくて市町村間で双方向通信されているということです。そしてこれは都道府県が異なっても、異なる都道府県における市町村がそれぞれダイレクトに情報交換をしているという形であるわけであります。つまり、ピラミッド型ではなくて、長野県において言えば、県や120市町村が横一線にぶら下がっている、いわゆるリンケージ型と呼ばれる構造であるということです。
もう一点、ご存じのように住基ネットと呼ばれるものは専用回線網ではなく、これは民間の通信会社の回線を共用している形であるということです。むろんここには何らかの暗号処理というものはもたらされておりますが、従来一般に認識されておりましたように、住基ネットの専用回線網ではないということです。民間と同じ通信の中において行われている部分であるということです。ご存じのように、住基ネットに関しては今まで大変な投資が行われてきております。日本全体では今までに804億9,400万円の投資が行われてきております。長野県においても21億4,300万円の投資であります。また、今後1年あたりに維持費用として想定されている金額も、これは日本全体では190億3,600万円。長野県内においても5億3,300万円という金額が想定されております。
先ほど申し上げましたように、先の公開討論会におきましても国と県の部分、国及びこの県の部分に関してはLASDECが常時監視をし、安全を確認するようにしているという発言でありました。これに対して、各市町村のファイアウォールよりも下の市町村の部分。これは住基ネットというものは全国の各市各村が国に対してこのような住基ネットのシステムを構築してほしいという要請を受けて行われたものであり、これは市町村の自治事務であるという観点から、国はこのファイアウォールよりも中の部分というものは、市町村の責任において情報漏えいがないように安全性を確保せよというふうに言ってきたわけであります。
今、申し上げましたように、それはピラミッド型の構造であるというふうに一般には思われてまいりましたので、市町村からの情報というものがいったん国に上がって他の市町村にいくという形ならば、ここでLASDECが市町村から国側、あるいは県の側に入った段階で安全確認をしているというふうに言われていたわけであります。けれども今申し上げましたように、住基ネットのシステムは横一線でありますので、いわば国が、例えばそうですね、東京の真ん中の霞が関、あるいは皇居の周辺に位置しているとすると、次に県というものも山手線の沿線状のような場所にあると。逆に市町村は環八あるいは環七状に丸いリンクをしているという形でありますから、市町村間で情報がやりとりされるわけです。それはLASDECが監視をしている国と県の範囲、つまり山手線の中をLASDECが監視をしているとすると、山手線よりも外の部分に円形状に市町村のネットワークというものが全国3千幾つあるということです。その3千幾つのうち長野県は、ご存じのように22の自治体がインターネットに接続をいたしております。また全国では、これも総務省が述べているように、800近い自治体がインターネットに接続をしているという形であります。そういたしますと、LASDECが安全を確認する山手線よりも外の場所に市町村があって、その市町村間で情報がやりとりされているということになります。ですから、ここで全国の首長の方々に十分にご認識をいただきたいのは、今後仮に市町村の部分での侵入があり、あるいは情報漏えいがあった場合には、これは自治事務でありますので、市町村の、また市町村長の責任においてプライバシーの侵害というものを弁償しなくてはいけないと。弁済しなくてはいけないということになります。そして今申し上げたように、市町村同士でリンクを自由にしておりますし、そこに800とも言われるインターネット接続自治体があるわけですから、これは極めて由々しい問題であるということであります。
今までのご説明でおわかりいただけるかと思いますが、つまりは、ここにありますようにLASDECの監視外の市町村間での情報漏えいというものが発生した場合には、これは国あるいは県ではなく、市町村が損害賠償を行うべき対象となるということであります。これはもちろん自治事務という地方分権の中での市町村の自律的な責任を求めているとも言えますが、しかしながら、住基ネットというものを積極的に構築してきたのは総務省及び国であるということが一般的な通念でございます。したがいまして、この地方分権の形というものは国が結果としては責任を必ずしも取らない、ある意味ではあまり好ましくない地方分権の形ではないかということです。この問題に関しましては、お手元の資料の方にもお配りをいたしました。片山虎之助総務大臣は、『過剰とも思える心配が世の中で起きているが、問題が起こる確率はほとんどない』と言っているわけでございます。そして、『万全の対応を取っているので、ゆめゆめお疑いのないように』と言ってるわけでございます。しかしながら、先日の公開討論でも明らかになったように、市町村のファイアウォール内の部分は市町村の責任において安全を担保せよと言われてるわけでして、しかしながら、それらの市町村が800近くインターネットに接続されており、また公開討論の席上でもそれらの安全を担保するだけの力量というものは全国の3千幾つの市町村には必ずしもあるとは言えないというご発言があったわけであります。したがいまして、この万全の対応を取っているというのは国の、LASDECの管轄している部分に関してという意味合いであろうと思います。市町村の部分に関しては万全な対応が取れているとは言い難い状況だろうと思います。
昨日の新聞にも『1万円の中身を100万円の財布で守っているようなものである』というようなご発言がございました。それだけ安全のために税金を投じているという発言にも聞こえますが、これはその1万円の4情報、あるいは6情報は1万円程度の価値であると。それに対して100万円を掛けてきていると言いますが、その基礎自治体の部分に関しては繰り返し申し上げますが、安全策というものは国が指導・監督してきたわけではないということになります。その点から勘案しますと、昨年、国の一元管理ではなく地方自治体が共同でやるシステムであるというご発言が国会においてなされておりますが、仮にそうであるならば、地方自治体が共同でやるシステムということならば、地方自治体が自律的に話し合ってそうした仕組みを作るということを行うように指導・監督すると、対等の立場で指導・監督するということが真の地方分権でございまして、これはLASDECを設けるということだけで終わってきているわけでございますから、この発言も大変に疑わしいものとなります。
総務省側の委員をお務めの方々は、これは公開討論の場でもありましたように、安田浩委員からはペネトレーションテスト、つまり侵入テストというものが必要な状況だということは正しいというご発言がございました。発言をもう一度繰り返しますと、『監査は必要であり、ペネトレーションテストも必要な状況というのは正しい』というご発言になっております。これに対して、ペネトレーションテストは第三者の監査法人、公認会計士をはじめとする監査法人によって監査を既に受けているという言い方がされておりますが、これは極めて技術的なテストなわけでございまして、この第三者の監査法人というものがいかなる知識や経験、資格をお持ちの方によってどのように行われたかというところは不透明な状況であります。その他、この小川和久委員という防衛問題あるいは情報保護問題の第一人者の方自身が、『日本の行政が安全、大丈夫と言って安全だった試しはない』、『ファイアウォールがあるから安心などと大臣が言うのは困る』、『末端が筒抜けならインターネット経由でオープンになってしまう』というご発言があり、いまだこの発言に関して訂正が行われているわけではございません。
そこで長野県といたしましては、県内の数市町村を選定し侵入実験を行うということを今日発表をいたすところであります。これは今申し上げましたように、大変に安全性というものが懸念される市町村、とりわけインターネットに接続されているような市町村も22あるという中において、これはプライバシーをきちんと保護した上で、私も先日傍聴した後の会見でも申し上げたところでありますが、第三者の方が立ち会うと。そしてそれは同時進行で表現者の方への公開という形を取りますと、個人情報のその場での漏えいという懸念がありますので、客観的な第三者を立てた上でこの試験を行い、そしてその場で判明したことを包み隠さず、ただし個人の情報に関係する部分があるとすれば、それに関して慎重な配慮を加えた上で皆さまに報告をする必要があろうということであります。と同時に、現在インターネットに接続しております22の自治体に対しては早急に分離の対策を実行するよう、また分離が完了するまでは住基ネットへの接続をいわゆる媒体交換方式、フロッピーやCDに落とした形で行うよう求めるところであります。また各都道府県に対して、県内外に800とも言われるインターネット接続の基礎自治体がございますので、早急に分離がなされるよう依頼をするところであります。またこのような、ある意味では無責任ともいうべきシステムが構築された大きな理由は、やはり住民自治という部分を無視するような形でシステムを設計するということが先に動いてきた点にあろうかと思います。そうした中において、今お手元にお渡しを申し上げましたように、長野県においては現在LASDECに委任している事務というものをいま一度再検証をし、市町村と話し合いを行い、検討を加えていくということであります。
以上が本日皆さまにお伝えすべきことでありますが、再度繰り返しますが、住基ネットの実際の形というのはこのような形になってるということです。そしてこれは専用の回線ではなく、NTTと思われる回線の中に一般の通信会社と混乗する形でやりとりが行われているという形であります。そういたしますと、800億円もの金額を投じて独自の専用回線とはいえない形でこのように行うということであります。したがいまして、私たちのこの新たな方針というものは市町村への自治権の侵害ではないわけでございます。すなわち、各市町村と国は従来どおりダイレクトにつながっているという形でございます。しかしながら、私たちはこの市町村間で行われることが安全が担保されていない中で行われることを、県民益という観点から看過し得ないと考えるわけであります。よって、とりわけインターネットに接続している市町村に関しては早期の分離をお願いし、またそれまでの間媒体交換方式を行い、また侵入テストというものをプライバシーに十分な配慮を行った上で幾つかの複数の市町村で行い、その結果をお伝えをするということであります。ある意味では、繰り返しますが、今日お伝えしていることは、現行の問題点を市町村と検証し県民の安全を守ることに全力をかけるという、新たな県民益の観点にのっとっての意思表示でございますし、その意味においては、よい意味での指導・監督ということを対等の立場で怠ってきたのはどなたであろうかということにもなるわけであります。
以上であります。ご質問があればお受けをいたします。また、本日技術的な点に関しては、私たちの長野県本人確認情報保護審議会の委員であります佐藤委員、また不破委員長にもご同席をいただいております。また、私の会見終了後にもそうした技術的な点に関してはご質問をお受けすることが可能かと思います。従来と同じくご質問がある方はご挙手願います。どうぞ。
中日新聞社 中沢稔之氏
中日新聞、中沢稔之といいます。
最後の、県の今後の方針の中の4番目にありますLASDECに委任している事務を再検証ということなんですが、それを具体的に教えてください。
長野県知事 田中康夫
LASDECに委任している事務というものは数々ございますので、これらを再検証するということであります。
中日新聞社 中沢稔之氏
委任を取りやめるということでしょうか。
長野県知事 田中康夫
再検証をすると申し上げております。
はい、どうぞ。
産経新聞社 小田祐輔氏
産経新聞社の小田祐輔です。
一点、ちょっと確認したいんですが、まずインターネットに接続している自治体に侵入実験を行うということなんですけれども、この実験によって危険性が現実化しているということになった場合に、その媒体交換方式にするのか、それともこの22自治体の中にはいまだにインターネットと分離するつもりはないと言ってる自治体がございますけれども、そういった自治体に、そういった自治体はもう自分たちでこれで大丈夫だと言ってるわけですよね。そういった自治体に対しても実験を行わずに媒体交換方式にするように求めるのか、そのあたりがちょっとわかりにくいんですけれども。
長野県知事 田中康夫
媒体交換方式に関してはですね、これは従来から審議会からもですね、インターネットに接続している自治体に関しての懸念というものが強く第1次報告でも、ある意味ではこの中でもたらされたものでありますから、媒体交換方式とするということはこの点に関してはもう私たちの規定事項であります。またこの点は市町村課長の西泉、あるいは副知事の阿部とも十分に話し合った上で既に私たちが方針として決定している点であります。はい。
また同様のことをですね、長野県が行うだけでなくて、全国の都道府県に対してですね、800もあると言われておりますので、強く求めるということであります。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
信濃毎日新聞の宮坂重幸と申します。
幾つかあるんですが、まず一点は侵入実験についてなんですが、具体的にどこへの侵入を行う、実験するのかという点と、いわゆる住基ネットワークへの侵入は違法だというふうに国は再三言っておるんですが、その見解との兼ね合いをまずお伺いしたいんですが。
長野県知事 田中康夫
もう一度繰り返しますが、国の説明の中にも1カ所だけは、このようなですね、いわゆるピラミッド型ではなくリンケージ型のネットワークとおぼしき図表は提示はされております。しかしながら、恐らく今日ここにいらっしゃる方々も含めて、多くの一般の人々は国、県、市町村とつながっていて、国及びLASDECが安全を担保してくれているという認識であったと思います。それが今回改めて、あまり広報されていなかったというふうに私たちは深刻に受け止めておりますけども、再三繰り返しているようなこのような状況が現実のネットワークシステムであるということが改めて判明したわけであります。でありますからして、今のご質問に関してでありますが、私どもは委員会の提言、また審議会も公開討論の場で公開実験の必要性ということを訴えられ、またこの点に関しては安田委員という国の側の委員の方からもその公開実験、侵入テストを行うという必要はあるというご発言がなされているわけであります。そして今回改めて、必ずしも多くの市民が認識はしていなかった、表現者の方々も含めて、このようなネットワークというものが明らかに確認されるようになったわけでございますから、この点に関して侵入テストを行うということであります。そういうことですね。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
確認ですが、それは要するに市町村のCS(コミュニケーション・サーバ)の…、ちょっと言い方は変ですが、上流側にLASDECが監視しているファイアウォールがあるんですが、そこの突破というか侵入を試みると、そういう理解でよろしいんですか。
長野県知事 田中康夫
これは審議会のご提言というものもあったわけですから、今後専門的な技術者も委員として参加している審議会の方と相談して具体的に行う方法を考えるということであります。いずれにいたしましても、ちょっとこれは今お手元にお配りはしておりませんが、これは公開討論の場でも出たことでございますが、このブルーの側、県のサーバ、あるいはLASDECと呼ばれる全国センターの部分。ここはLASDECが常時監視してるところでございます。それに対して市町村の部分、ここにファイアウォールはございますが、ここよりも中の部分というものはLASDECは安全性を担保していないということであります。そして、そこでインターネットにもつながってるということなわけでございます。(資料15ページ参照)ここに関しては各市町村が行いなさいと言ってきたわけです。ただ、他方で委員は必ずしも各市町村が単独で行えるだけの力量があるとは限らないということを言っているわけであります。つまり、長野県としては、ある意味では長野県内の120の市町村の安全、市町村民の安全、あるいは市町村長が予期しない訴えを受けるというようなことを未然に防ぐということが県民益でありまして、その点から、まずこの検証をしなくてはならないということです。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
それから、すいません。実験に関してはですね、22市町村の中で例えば応じてもいいというような内諾を得ているようなところはあるんでしょうか。
長野県知事 田中康夫
具体的に複数の市町村から、これは長野市長の鷲澤市長もインターネットに接続はしておりませんが侵入実験というものはうちでも行う用意があるという、ありがたいご発言を既に会見の場でいただいており、報じられているところでありますが、具体的にインターネットに接続をしている県内の市町村においてもですね、私たちの担当者が首長に伺い、その実験にご協力いただけるという表明を複数いただいております。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
それから、すいません、幾つもあって申し訳ないんですが、先ほど知事の説明では市町村間のですね、通信については山手線の外だという部分の例えが…、
長野県知事 田中康夫
まあ、私の形容が必ずしも専門技術者の方からすれば的確かどうかということはございましょうが。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
まさにそこなんですが、自治体間の相互通信についてはですね、いわゆるLASDECが24時間監視しているいわゆる住基ネットの部分を通って行われているというふうに認識しておるんですが、そうではないんでしょうか。
長野県知事 田中康夫
違うということです。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
そこは通っていないということでしょうか。
長野県知事 田中康夫
情報政策課長の松林…、通って…、
企画局情報政策課長 松林憲治
LASDECにはこれ入ってません、はい。
長野県知事 田中康夫
もしあれでしたら、後でこの図表(資料15ページ参照)をお見せいたしますが、ちょっとおわかりいただけるか…。ここに基礎自治体の市町村がございます。そして都道府県のネットワークもございますが、例えば他の都道府県へ行く場合も、こういうふうに通るんでございますが、ここにLASDECの機関がありまして、LASDECとこの間にファイアウォールがあるわけです。LASDECへ入るファイアウォールの外側を通ってこう回ってるってことでございます。つまり先ほどの図はこのように書いておりますが、正確に申し上げれば、こう通ってるんですが、ここにファイアウォールがあるということです。この間でこう回っておりますから、ここに関して監視ができていないまま通信がされるということであります。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
要するに、自治体間の相互通信については、LASDECの監視は一切受けていないという理解でよろしいですか。
長野県知事 田中康夫
佐藤委員、そこご説明できますか。
長野県本人確認情報保護審議会委員 佐藤千明氏
審議会委員の佐藤でございます。
基本的には各市町村のCSの住基ネット側のところにファイアウォールがございます。このファイアウォールはLASDECが設置をして、そしてLASDECの管理下にございます。したがいまして、よその市町村から、他県から自分のところに入ってくるものに関してはそのファイアウォールを通っていきますから、そういう意味においてのファイアウォールの監視対象にはなっております。これが不正なものなのか、あるいはいわゆる一見正常だけれども実はそこのところが不正アクセスとして入ってくるものなのか、そこの部分に関してのファイアウォールでの監視というものがちゃんとできるかどうかについては実はまだ検証ができておりません。その、いわゆる住基ネット本体、LASDECが監視をしているファイアウォールの全体の監視システムが100%きれいに働いているのかどうかも含めて、われわれはそこの、いわゆる試験をやるべきであるというふうに依頼をしてるわけですが、現時点においてはそこの侵入試験は国はやらせてくれないわけであります。やらせてくれないということは、そこにいわゆる完全性ということは言えないというふうにわれわれ判断しますから、したがってファイアウォールがあったとしても、よそからそのファイアウォールを通って自分の市町村に入ってくるということがですね、必ずしも100%検知できない状態でのよそからの侵入は可能性としてはあるということがまだ残っていると、その危険性はあるんだということだと思います。よろしいですか。
長野県知事 田中康夫
はい。いずれにいたしましてもですね、先ほど申し上げたように800億円を掛けて、私のような一知事でもありますが同時に市民でもあるものからすれば、800億円を掛けて専用回線ではないと。つまり通信会社の回線の中に民間の情報通信と同様に、もちろん暗号はかけられているというような処理はあろうと思いますが、住基専用回線でもない回線であるということも大変な驚きでございまして、これはすなわち、800億円も投じて一部の通信会社やあるいは電機メーカーのための市民不在の新たな公共事業であったのではないかということであります。膨大な血税を用いて、しかしながら今申し上げましたように、基本的な責任というものは基礎自治体の市町村が取りなさいということでありますし、国の一元管理でなく地方自治体が共同でやるシステムであるという国会発言を大臣が行いながら、それを必ずしも的確には認識していなかったであろう長野県のような都道府県を含む市町村、都道府県の各地方自治体が自律的に共同でやるシステムを提唱されたというようなことも、これは必ずしもなかったというふうに言えるわけでございます。
万全の対応を取っているというふうにおっしゃりながら、他方で国の一元管理ではなく地方自治体が共同でやるシステムだとおっしゃり、しかしながら、そのことを十分には認識していたとは言い難い地方自治体に対して、地方自治体がきちんと共同でそうした安全システムを構築せよというような通達というもの、指導・監督というものは、これは必ずしもなされてこなかったということであります。そういたしますと、これは私どもが本日申し上げましたことは、繰り返しますが、市町村への自治の侵害ではなくむしろ市町村の自治権を守るための侵入テストであり、今日の会見であります、指導・監督を怠ってきたのはむしろ国、総務省の側ではなかろうかと。この膨大な800億円もの血税を通じて住基専用回線をも構築しないまま第二次稼働を迎えていくということは、これは国民益を損ねる大変に由々しきことではなかろうかというふうに思うわけです。
本日はくしくも8月15日という日でありますが、8月15日というのは、ある意味では国民に正しい情報が、あるいはこれは報道機関という表現者の方々にすら正しい情報が与えられないまま、私たちの日本という社会が、大きなその悲しみの過ちを国内のみならず国外においてももたらしたことを悔い改めるという新しい約束をした日が8月15日でありまして、このような日に私どもが新たな市町村の自治権というものを確保するために市町村と話し合いながら長野県が進むということを発表することは、大変に、偶然とはいえ大変に深い思いを抱くところであります。いずれにしても、現行の問題点を市町村と検証し、県民の安全を守るということに関して全力を挙げることでありますし、これは同時に各市町村、また市町村長をも守るということにつながろうと思います。
最後に、はい、どうぞ。
日本経済新聞社 多部田俊輔氏
ちょっと確認なんですが、市町村が望んでいる場合は現状どおり接続することを妨げるものではないんですよね。
長野県知事 田中康夫
既にこれは市町村と国はつながっているわけでございます。今までの認識とは違うわけでございます。ただし今申し上げましたように、市町村間の情報の伝達というところ、またそうした市町村にインターネットがつながっているところから生起しうるであろう問題というものを私どもは看過し得ないという点から本日の発表に至ってるわけです。
日本経済新聞社 多部田俊輔氏
あと、今後の方針の四番目のところにあるところなんですが、県が直接行うべきものと委任も可能な事務を選別し、県の主体性を確立する方向へ政策転換を図っていくっていうことは、独自に情報管理をする方向でLASDECの長野県版みたいなものを作っていくことをも視野に入れていくということなんでしょうか。
長野県知事 田中康夫
今の資料は、今お渡ししてるのはその資料ではないと思いますが、お手元をご確認いただけますか。政策秘書の方…。そのような文章ではない。
日本経済新聞社 多部田俊輔氏
再検証をしていくということですね。
長野県知事 田中康夫
検証するということであります。
先ほど申し上げたように、お手元の文書をじゃあ今一度読まさせていただきます。ちょっと、私の手元に今ないので。『このような無責任なシステムが構築された大きな理由は、住民自治を無視した国中心のシステム設計にある』と。『このため現在LASDECに委任している事務を再検証をし、市町村の意見を聞きながら県の対応を検討する』というのが今後の方針となっているわけであります。よろしゅうございますか。はい。
はい、どうぞ。
毎日新聞社 西田進一郎氏
すいません。毎日新聞の西田進一郎です。
今のとこなんですけども、現在はLASDECさんに県民の情報を直接全部上げてですね、それで事務を委任している状況なんですが、これを再検証するということは、その事務のうち当然自分でできるものもあれば、まだ委任し続ける必要があるものもあるかもしれないけども、現状のどおり全部情報を上げて、すべての事務を委任する形は見直す方向だということですよね。
長野県知事 田中康夫
ここに記してあるとおりであります。まず私たちはこの1番、2番、3番ということを行うわけでありますし、同時に、繰り返し述べているように、LASDECが市町村の部分にまで至るすべての安全を常時監視し担保してくれているわけではない状況が厳然とあるわけでございます。こうした中で、その事務の内容というものも大変膨大にわたるわけでして、これらをまず再検証するということであります。以上であります。どうぞ。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
すいません、二つあるんですが、今後の方針というのは審議会の第1次報告でしたですかね、それを受けての方針だと理解しますけれども、この順番の問題なんですが、現状で審議会とすればインターネットに接続している自治体がある以上危険だという指摘ですので、まず媒体交換方式をですね、実験の前に導入するように市町村に働きかけるということは…、
長野県知事 田中康夫
それは既にもう申し上げたところでございますが、先ほど。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
これはもう既に市町村に…、
長野県知事 田中康夫
これは先ほど申し上げたように、市町村課長の西泉、あるいは副知事の阿部ともですね、既に数日前からこうした方向を行うということで話し合いをしております。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
じゃあ、実験と並行して市町村に働きかけていくと。
長野県知事 田中康夫
今あなたは並行というか実験よりも前にというお話でありましたが、今日、このように私が会見をしておりますので、媒体交換方式で行わせていただくということは、これは即座に関係市町村には申し入れをするということであります。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
もう一点ちょっと別の話なんですが、東京都の世田谷区がコンピュータウイルスのブラスターと言われる新種のものに、まさに危険性が現実化しているという認識で住基ネットシステムを停止したという報道があるんですが、長野県はこれについてどういう認識でいらっしゃるんでしょうか。
長野県知事 田中康夫
この少なくとも当該のウイルスに関しては、長野県は…、まあ私も個人のパソコンをいち早くこれに関してはプロテクト(protect:保護する)するようにいたしましたが、(長野県も)しておりますので、現時点において、それらに関して何らの障害は末端機械も含めて発生いたしておりません。が、報じられておりますように世田谷区の事例というものは、大変に…、何でございましたっけ、『ゆめゆめお疑いのないように』、『万全の対応を取っている』というふうに(総務大臣が)おっしゃっているわけですが、これが区を含む市町村において国の一元管理ではないので、区市町村に任されていた部分に関して現実に対応しきれていないという証左だとは思いますが。
信濃毎日新聞社 宮坂重幸氏
現時点で長野県の機関に関しては被害を受ける恐れはないということでしょうか。
長野県知事 田中康夫
長野県に関してはございません。120の市町村からそのような報告は受けておりませんが、世田谷区のように、世田谷区内においても区長への報告が二日間滞っていたというふうに報じられておりますから、その意味でもやはり、とりわけインターネットにつながっているものに関しては媒体交換方式を即座にですね、行なわねばならないというふうに思っております。
一番後ろの方。
共同通信社 伊藤豪氏
共同通信の伊藤豪です。
LASDECに委任している事務というのはですね、12項目ありまして、そのうちいわゆるネットワークの管理に関するものとですね、あと本人確認の情報提供、いわゆる市町村とか他県とかですね、国とか、そういう項目があるんですけれども、それを全般的に見直すのか、いわゆる情報提供の部分を見直すのか、そこらへんちょっとお伺いしたいんですが。
長野県知事 田中康夫
12項目ございますので、今お話がありましたように、12項目に関して再検証するということであります。
はい、じゃあとその2名の方、そちらの方とそちらの方、先にどうぞ。
朝日新聞社 佐藤徳仁氏
朝日新聞の佐藤徳仁です。
知事が冒頭におっしゃいました従来の概念における離脱はでき得ないことが判明したというのはですね、県の審議会が求めた当面の離脱というのは県としてはでき得ないという意味に受け取ってよろしいのでしょうか。
長野県知事 田中康夫
そういう意味合いにはならないと思うんですね。本日、ご存じのように一部の報道機関、毎日新聞において報じられたことを受けて本日の会見が開かれた側面もあるわけでございます。ただ、私たちは先ほど申し上げましたように、媒体交換方式とするという点を既に決め、またこの侵入実験という点についても話し合ってきたわけであります。ですから、従来一般の市民の方あるいは表現者の方々が想定しているような離脱、つまり、今申し上げたのは長野県が離脱することによって長野県内の120の市町村に何らかの国との情報伝達において不利益が、あるいは不便が生じるというようなことはないということでありますから、その意味でいいますと、皆さまが従来想定していた真ん中、国と市町村の真ん中にある都道府県が離脱をするとその当該の市町村が国との直接のやりとりができず不利益を被ると、こうした意味合いでの離脱ということは起こり得ないということです。そうした意味で一時離脱という表現の内容にはならないとも言えます。ただ、佐藤さんがご質問になられましたようなまた広い意味での離脱…、離脱という言葉が非常にまだ定義付けがなされていませんから、不利益を被るような離脱はないということです…、を起こしうるということは、これは善意にせよ悪意にせよ無理であるということですね。ただ来週、本人確認情報保護審議会が開かれるわけでありますし、本日私がこのような会見を行っておりますので、またこの後佐藤委員、不破委員長からも皆さまに対してのご質問を受ける時間がございますし、来週の審議会においても本日の発表を受けてですね、何らかの審議会からのまた報告やご提案というものがなされるであろうというふうに期待はしておりますが。
NHK長野放送局 大山吉弘氏
NHK長野放送局で大山吉弘と申します。
二点あるんですが、一つは侵入実験は、これはいつごろ行うというふうな予定なのかというところが一点。
長野県知事 田中康夫
可及的速やかに行うということであります。
NHK長野放送局 大山吉弘氏
具体的に何月とか時期はまだ…。
長野県知事 田中康夫
ただ、私ども長野県も国という巨大な組織のもとではか弱き存在でありますが、120の市町村も県とは対等の関係でありますが、国との関係においてはまさにか弱き存在でありますので、これらの点に関しては、しかしながらそうした中で複数の市町村の首長が侵入実験を行うべきである、あるいは自分たちの当該市町村において侵入実験を行うことにご同意いただいております。ただそうした方々、またこれは多く皆さまをはじめ望まれるところであると思いますので、侵入実験を可及的速やかに行うということ、また行えうるような環境設定を私どもが保全し続けるということも県民の安全を守ると、また安全の真実を実証するという点からも全力を投ずるべき部分であります。
NHK長野放送局 大山吉弘氏
あともう一点なんですが、今日のこの長野県の今後の方針についてですね、国、総務省に対してどのように今後伝えていくのか。何らかの要請といった形を行うのかどうか、そのあたりを聞かせてください。
長野県知事 田中康夫
いいえ。あるいは私たちの認識がより的確ではなかったというおしかりを一般市民の方から受ける部分がゼロとは言えないかもしれませんが、ただ、今日ここの場にご出席なさった方々も、先ほど二つの図表をお見せいたしましたが、このようなピラミット型ではない形の住基ネットシステム、とりわけ市町村部分がそうなっているということは必ずしも過半以上の方がご認識なさってたとは思えないわけでございます。ですから、私たちは今日このように知事会見という形でパブリックにお伝えをしているわけでございまして、そして私たちが行うべきことは、ここに記してありますように、県内の侵入実験、また県内のインターネットに接続している22自治体への分離の強い要請及び媒体交換方式とさせていただくということのご連絡、さらに各都道府県にも同様なインターネット接続団体に関しての分離を行うように強く要請するという点であります。総務省は総務省の方が総務省の対応をお考えになるべきことでございまして、私どもから特段総務省に対して何らかのご照会やご報告やご相談をするべき筋合いの内容ではなかろうと思っております。なぜならば、私たちが的確にこの住基ネットのシステムというものを本日ここで発表することによって、少なくとも長野県内の市町村長、市町村、県民また表現者の方々とは共有し得たわけでありまして、この方針のもとに長野県の行うべきことがここに記されているわけであります。
では、以上です。
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