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長野県知事 田中康夫
はい、それでは知事会見を開催いたします。本日1時半までであります。
ご存じのように、本日、午前中に第4回治水・利水対策推進本部会議を開催をいたしました。冒頭、ご取材の方々もいらっしゃったかと思いますが、浅川及び砥川に関しましては、前回決定した河川改修計画の原案に引き続いて、基本高水流量の残りの約2割を受け持ちます流域対策計画の原案というものを決定をいたしました。この詳細に関しまして、またこれに関してのご質問はこの後1時半から、私どものこの治水・利水対策推進本部会議のメンバーであります出納長の青山、企画局長の田山、土木部長の小市、そして本日利水の部分を担当しております衛生部長の菅谷が出張いたしておりますので、課長の佐藤がご一緒にご質問にお答えを申し上げます。説明の上お答えを申し上げます。(注:実際には田山重晴・企画局長、佐藤守俊・食品環境水道課長、小林正登・河川課長が対応)
ご存じのように、流域対策という考え方、これ自体は必ずしも新しい考え方ではなくて、これは東京をはじめとする住宅密集地域、市街地の中で河川というものがまさにコンクリートで覆われ、ぎりぎりの幅に押し込められ、あるいはその上に高速道路が通ったり、暗きょになるというような形、つまり拡張の余地がない地域において既に昭和50年代から構想されてきた考え方なわけであります。すなわち、川沿いに住む方々だけが負担を負い用地をご提供いただく形で治水というものが行われるわけではなく、本来その川に水を送り込んでくるすべての流域の方々が何らかの形で負担を分け合うと、これが従来総合的な治水と呼ばれてきたものであります。
長野県においては中山間地をはじめとする人口が少ない、しかしながら大変に豊かな自然環境というものに恵まれている場所を大きく私たちが、まさに形成外科的に改変をして治水を行うというものでありました従来のダム計画というもの。今週末にちょうど私、「スミス都へ行く」という映画がDVDになったものですから改めて見まして、「Mr.Smith
Goes to Washington」という映画なんですけども、これは突如、自然保護をやっていたレンジャーのような青年がですね、ある地方の州の上院議員が2名いるんですけど、上院議員の1名に選ばれるんですね。これはどうして選ばれるかというとですね、その1人の上院議員が急死をするわけでございます。ちなみに、ある場所に土地を買い占めてですね、急死をした上院議員と地元のまさにベルルスコーニ的な、当時はテレビはないかもしれませんが、新聞やラジオやその他のメディアを牛耳っている一族グループがありましてですね、それがそうしたダム計画を画策していた。当時の県知事にですね、誰か選べと言って、彼らから言われた後任の人を県知事がアポイント(appoint)、任命しようとすると、市民会議の人たちがそんな利権派はけしからんと言いまして、市民会議の人たちが誰がいいですかっていって出してきた人は、メディアの経営者やその人たちがそのような者を選んだのではダム計画ができなくなるという中でですね、その県知事の自分の子どもたちが、「あのボーイスカウトの指導者は大変に立派な人だから彼がいい」って子どもたちが言ってですね、その人を選ぶという映画でございます。選んだ後、上院に行きまして、彼はリンカーンの像とかワシントンで見てですね、大変に感銘を受けて、私も議員提案で条例を、法律を出さなければというふうに言いまして、もう1人いる上院議員という人がですね、ならば君がやってる、そういう自然教育の場を私たちの川の流域に作るっていう計画を出したらどうだというふうに言いましたら、彼がそれを上院で述べるんですけども、その場所が、今、助言をしたもう1人の上院議員を含む人たちが皆ダム計画を画策していた場所に彼は森林整備と自然教育の場を作ると言い出すんですね。これの足を引っ張るために大変なことになるわけです。実はもう1人のその上院議員の人というのは、かつては今回新しく選ばれたパークレンジャーだった少年のお父さんと一緒にですね、巨悪と戦っていたという弁護士だったんですね。巨悪と戦っていた彼のお父さんは地元の小さな、まさに県域紙ではなくて地域紙の、州域紙ではなくてですね、地域紙の新聞社を経営していて殺人に遭ってしまうと。その巨悪を書く中で死んでしまうという人です。当時、一緒に世の巨悪と戦っていた弁護士は、その後変節をしてですね、青くない人になっているという話です。議会で彼が24時間くらい演説をずっと続けるわけですけども、地元の新聞は牛耳られているので1行たりとも伝えられず、彼がとんでもないと。まさに地元の産業活性化の議論をしてくれない議員というふうに書かれるんですけども、パークレンジャーをやってたその彼の子どもたちの、ボーイスカウトの少年たちの新聞が、ボーイスカウトの少年たちが活字を拾ってですね、真実を伝えるということで地元の世論が変わるという形で、最後もう1人のその上院議員がですね、私がうそをついていたという映画でありますけども、非常に象徴的なアメリカの映画です。もう随分昔のです。
話が大変それました。長野県の「『脱ダム』宣言」というのはダムを造る、造らないということを申し上げたわけではありません。私たちの社会のありようと、脱物資主義の社会における税金の使い方、あるいは行政がひとたび決めたことも市民の考え方というものによって行政もUターンをしたり、あるいは方針を転換するということは、そうした方針を転換するに如くはなしということであります。こうした中で長野県では「『脱ダム』宣言」の後、議員提案に基づく条例に基づいて治水・利水ダム等検討委員会というものが作られて、宮地良彦委員長をはじめとする多くの方々のご尽力によって九つの河川に関して答申が出され、これに基づいて私たちはその九つの河川すべてにおいてダムの計画ではない形において治水あるいは利水を実現をするという選択をしたわけであります。これはある意味では、長野県はまさに「ずく」を市民も共に出してですね、こすいことはしないという選択が、ある意味では「『脱ダム』宣言」であります。まっとうなことを私たちは市民が願うことをしていこうということです。これに基づいて今回多くの河川のあり方に関して検討をしてるわけであります。既に、その形の中で浅川と砥川に関しては河川改修計画に続いて本日流域対策計画というものも、その原案が決定したわけであります。既に砥川流域におきましては、地元の方々の深いご理解とご協力と熱意のもと流域協議会が精力的に開催されております。本日、諏訪建設事務所長の北原からも報告がございましたが、既に4回の会合が開かれて、3回目の会合では雨の中、多くの方が諏訪湖の湖畔から川を上ってですね、それぞれ自分たちが今、行政が行う前にもできることは何かというような議論が行われたということで、大変深く感銘を受けております。残りの8河川に関しましても流域協議会が発足していくわけでございます。砥川と並んで具体的に流域対策計画の原案も決定した浅川に関しても、首長をはじめとする多くの関係の方々の深いご理解のもと、早期に流域協議会が発足できることを願うところであります。
私たちが策定いたしました原案は、すべてこの流域協議会のテーブルで長野県、そして流域の市町村、そして多くの流域住民を含めた県民の方々が対等の立場で議論を深めて、その原案が案に、具体的な案になり、そして河川整備計画へと実を結ばせていきたいと、このように思っております。その意味でこの流域協議会ということは、まさに市民の方々に情報公開をし説明責任をすると同時に、市民が参加をするという新しい私たちが行おうとしてきたことが、より具体的に行われる場所であろうというふうに考えております。いずれにしても引き続き、これは全庁的な取り組みとして私たちは行うところでありまして、多くの方々のご協力やご参加を願うところであります。
あと明日開催予定、飯田市で開催予定でありました山梨県及び岐阜県と長野県の3県知事会議でございますが、ご存じのように、昨日岐阜県の副知事が死亡なさるということの中で明日葬儀が行われるということで、岐阜県知事の方からこの会合に関して大変に恐縮だが延期をしたいというお申し出がございました。山梨県もご了解をなさってるということでありまして、大変残念でありますが、これに関しましては、明日も下伊那の多くのですね、農業者や狩猟をなさってる方々のご協力を得てクマの手の料理ですとか、あるいは下伊那の様々なゆべしをはじめとするもの、豚肉等をお食べいただいて、さらに議論を深めると。またその前に飯田の地に、ご存じのように黒田という地域がございますが、黒田人形浄瑠璃と、かつて江戸時代に享楽的であるというふうに地元の殿様から村の人たちが呼ばれた後、戻ってきたら、この文化を絶やしてはいけないということで、殿様の命が出た後にですね、人形浄瑠璃の舞台を地域の人がお金を出して、ヒノキでしたか、作ったと。やはり昔の方が一人ひとりの市民には気概があったなあと。今の長野県民にも大変気概がありますが、そうしたことを県の職員、私を含めた者はそうした心意気と、長野県にかつてあった心意気というものを深く自覚して実行せねばならないと思ってます。この人形浄瑠璃もご覧いただくことになっておりまして、聞けば、先ほど浄瑠璃の保存会の会長にもお電話をいたしましたが、多くの方が繰り返し練習をいただいてたということで、決して何か過度にご練習なさらなくてもということも前から申し上げてたんですが、延期になってしまったので、少し住民の方には申し訳ないなとも思っておりますが。早急に改めての日にちを決定をいたしたいと、このようにも思っております。
以上であります。では時間までご質問をお受けいたします。治水・利水の計画の方に関しましては先ほども申し上げましたように、具体的にこの後皆さまに、もう既に資料はお手元にお渡しいただい…、この後1時半から行いますので、そちらで主としてご質問をいただければというふうに思います。その他のご質問があればお受けいたします。はい、どうぞ。
新建新聞社 村上一成氏
新建新聞の村上一成です。
長野県知事 田中康夫
すいません。村上…。
新建新聞社 村上一成氏
新建新聞の村上一成です。
長野県知事 田中康夫
はい。失礼しました。
新建新聞社 村上一成氏
先週の金曜日の入札適正化委員会でですね、予定価格の事前公表に関してですね、廃止すべきであるということに関して、ちょっと待ったを、情報公開の流れの中でちょっといかがなものかという話がありました。その前に発注技術の検討委員会の方では廃止すべきであるという話になりました。ここらへんに関して、知事としてはどういうご判断をされていくかと、今後の流れも含めて。
長野県知事 田中康夫
委員会の内容に関しましてはですね、当日出席してた者から速報としては主立った発言はもらっておりますが、私としてもその内容をきちんと詳細にまず把握いたしたいというふうに思っておりますし、その上で、必要とあらば公共工事入札等適正化委員会の委員あるいは委員長の方ともお話をさせていただくことになろうかと思っております。私はですね、長野県の入札の改革というものは決して奇をてらったものではなくですね、本当に私たちの税金、あるいは私たちの社会のあり方、そしてその中で公共工事に携わる方々の未来というものをそれぞれ見据えた上で行ってきてることであります。発注技術等検討委員会の方からご提言いただいたことは、ある意味では、現在はトライアル、試行期間に当たるわけでございまして、仮に様々な望むべき改革の方策であるという内容があれば、これを積極的にですね、トライアルをするということは大事なことであろうと思っております。ただ、今回の場合仮にですね、発注技術等検討委員会の方々からのご提言というものを行うというような場合にはですね、これは想定論でありますが、やはり前回の場合とは違って、すべての領域の入札に関して同時に行う必要があろうと思いますし、またこのことによって、しかしながら予定入札価格というものを算出せよということは、これは現在の法律でしょうか、通達でしょうか、そうした中で定まっているわけですので、そういたしますと、具体的に公表はしなくても価格はあるということになりますと、これが業者の方々、あるいは議員の方々、あるいは地元の首長の方々、あるいはその他の県民の方々からのご照会、問い合わせですね、こうしたものに関して私たち公僕である職員はですね、答えてはならないということが強く求められるわけであります。ですから、そのあたりに関してですね、職員の倫理というものをきちんとこの件に関して定める必要があろうと思います。それを行わずしてですね、仮にですね、予定入札価格の公表を行わないという形を採りますと、これは幾つか長野県においても多く県民から指弾を受ける不祥事があったわけでして、このような中に県職員も巻き込まれるという可能性がありますので、このあたりも勘案をした上で、また金曜日の議事録もより詳細に読ませていただいた上でさらに判断をしたいと思っております。
新建新聞社 村上一成氏
一応、じゃあ今の知事の判断の中では、前も一応廃止をしたいという方向性を公言もされていらっしゃったと思いますが。
長野県知事 田中康夫
私は既にそうした方向を試行してみることが望ましいのではないかということは発言をしてきているところであります。発注技術等検討委員会の方々は、そうしたほぼ同様の内容をおっしゃったかと思いますが、先週末の公共工事入札等適正化委員会の方は異なる意見を、全員の委員ではないと、私と同様の意見をおっしゃった方もいらっしゃるというふうに伺っておりますが、ですので、ちょっとそれはもう一度文章をきちんと読まねばならないと思っております。私の考え方はもともと既に述べてきているところであります。
その他のご質問を受けます。はい。
中日新聞社 石川浩氏
中日新聞の石川浩と申します。
県政とちょっと離れて恐縮ですけども、民主党と自由党のですね、合併が発表されて、期待の一方で今後どういうふうになるかまだわかりませんけれども、知事として、この合併についてどういうふうに受け止められてるのかということと、知事は菅氏、小沢両氏との面識もありますし、今後何か知事としてかかわっていくお考えが何かあるのであれば、そこらへんをお聞きしたいと思います。
長野県知事 田中康夫
今回の民主党と自由党の合併ということは、私は大変に素晴らしいことだと思っておりますし、とりわけ小沢一郎氏がですね、まさにこの日本というものの社会をですね、救わねばならないという本当にノーブレス・オブリージュ(noblesse
oblige:高い地位に伴う道徳的・精神的義務)というような考えの中からですね、あのように、これは決して妥協ではないということです。より私たちの社会を望むべきところへ近づけるためにですね、大変な決断をなさったということに深く、私は敬意というよりも大変感動をいたしております。昨年末に「朝日ニュースター」という番組で、私が年末いつも恒例の番組をやらせていただいておりますが、そこに菅直人氏と小沢一郎氏にお越しいただいて、その時小沢氏は熱が40度近くあられましたけども、約束したので来たというふうにおっしゃられてお越しになったんですが、その場でお二方に、私はぜひ日本のまさに実体のない構造改革と称するもの、小泉純一郎氏が行おうとしている実体のない構造改革とパフォーマンスというものでないものを行うために、自由党と民主党というものが大同団結すべきではないかということを申し上げましたけども。もちろんお二方は私よりもより深い歴史観やですね、政治観、あるいは社会観を抱かれている方ですから、私がそういうことを申し上げたというようなこと以前に、やはりこの日本の社会を救うためにお二方がですね、決断をなさったと。そして、それが多くの自由党や民主党の議員の方々もですね、その方向を認めて日本の社会をよりよくするために両党がアウフヘーベン(独Aufheben:止揚)しようという考えに至ったことをですね、大変喜ばしいことだと思っております。何か自民党や公明党の中には野合ではないかというようなご発言をなさってる方がいるそうでございますけども、これこそ盗っ人たけだけしいお話でございまして、自公保政権というものは、まさに自分たちが政権について、今回、自由党や民主党が述べてるのとは違う利権を保持するためのそれこそが野合ではなかろうかと。あえてこの場をお借りすればですね、公明党を支持なさっている本当に日々市民としてですね、まっとうに生きてらっしゃる、とりわけ女性の方々はですね、今回のイラク特措法という国民の半数以上が深い疑念を抱いている法律をですね、自民党や保守党とともに通された公明党というのは、公明党の一体立党の精神というのと、それは軌を一にしているのかそうではないのかということを、大変多くの公明党の支持者の方は疑問を抱かれてるのではないかと思います。これこそがまさに政権に参画しているためという3党の野合なわけでございまして、その意味では、この自由党と民主党の合併ということは、まさに真の構造改革ということと同時に、アメリカ追従型の日本を選択するのか、中国やあるいはフランスやドイツや、さらにはブラジル、あるいは多くの第三世界の国々と一緒に国連中心主義というものの中で日本が番頭役に徹するのかということが問われることであろうと私は思っております。
私自身は何か昨日、私は番組を見ておりませんでしたけれども、私の名前を挙げられたりするというような形が映像も含めてあったようでございますけども、私としてはこの長野県がやはり3年たってもまだなお職員の意識変革も含めて、意識変革だけでなくて職員の仕事ぶりも含めてですね、多く県民の方々に申し開きの立たないようなことがまだ根強く残っていると、大変にじくじたる思いでおります。私は引き続きこの長野県の改革と、長野県をよりよくしていくということが、ひいては同時に民主党や自由党の合併によってですね、日本をよくしていこうという方々にもですね、お手伝いできることにつながろうかというふうに思っております。
その他のご質問があれば受けます。はい。
信濃毎日新聞社 島田誠氏
島田誠といいます。信濃毎日新聞です。
二点あります。一点はですね、今日決められた浅川・砥川のですね、流域対策の原案についてなんですが、詳しい内容はまた後ほど伺うことにしますけれども、内容についてですね、これを踏まえて今後県は河川整備計画、両河川を含めた地域についてとっていくことになりますけれども、今回の、当初から知事はですね、当然その河川整備計画がとれるよう努力をしていくというふうに繰り返し答弁されていましたが、今回、実際上がってきた原案をご覧になってですね、これをもって国に対しては河川整備計画の認可を得られるという自信というか、確信は深まりましたでしょうか。それともどういうふうにご覧になってるでしょうか。
長野県知事 田中康夫
それは判断をするのは国の側かもしれませんが、国土交通省のやはり治水に対しての考え方というものも、ある意味では私たちの「『脱ダム』宣言」の精神というものとある意味では同じベクトルの中にある、方向上にあるというふうに思っております。ただ、そのスピードでありましたり、表現の仕方であったりというものが少しく異なる部分もあろうかと思います。今回の私たちの流域対策を含む河川整備の計画というものは、これは国土交通省はじめとする国の方々も大きな転換点の中でですね、ご理解をいただける範囲にあろうと。またご理解いただける範囲にあるという中で、私たちはきちんとそのことを詳細にご説明をすることによってですね、より国の方々も確信を持ってご了解をいただけることになろうと、こういうふうに信じております。
信濃毎日新聞社 島田誠氏
もう一点ですね、別の話になりますけれども、先日ですね、県の公共事業再評価委員会が開かれまして、その中で他の中止ダムと一緒にですね、治水・利水ダム等検討委員会で凍結すべきであるというふうに基本的には答申されていた駒沢川の駒沢ダム計画について、これは副知事のその後の会見ではですね、治水の方については基本高水の見直しが必要だけれども、利水についてはダムなし利水ですべきであるということをもって県としては多目的ダムは中止するという意向を示されましたけれども、これは部会の決定というか、部会の出した結論とはやはり結果的に相反する形になりますし、このあたりについて県の考え方、なぜここで一時凍結でなく中止を決められた理由について、少し詳しくお話ください。
長野県知事 田中康夫
委員会の方としてはですね、つまり治水に関してはですね、ダムなしでということでございましたっけ。表現がちょっと違いますか。ただ、どういう表現でございましたっけ。利水と治水のところが、駒沢ダムに関しては。ただ、ある意味ではですね、これは委員会の方々のご議論が足らなかったと申し上げてるのではなくて、ある意味では、治水と利水に関してそれぞれ表現されてることが、ある意味では一つの方はダムなしで行っていこうと、もう一つの方はもう一度きちんと検討をし直すというようなお話になってるわけでして、そういたしますと、一つの方はダムなしでも(治水・利水の)可能性を実現しなさいというお話でありますから、私たちはそこにのっとって行っていくということです。その中で利水も治水も実現できるようにしようということですから、必ずしも委員会の方々も何か意図してですね、両方ペンディング(pending:未決定で)とですね、ダムなしでもよいということ等をお書きになったわけではないと思いますけれども。すなわちダムなしでということを追求せねばという考えであります。
信濃毎日新聞社 島田誠氏
確認ですが、そうしますと答申の意図とは県の決定というのは反していないという理解になる。
長野県知事 田中康夫
と、思いますが、もちろん。
その他ございますか。はい、どうぞ。
信濃毎日新聞社 小市昭夫氏
信濃毎日新聞社の小市昭夫です。
先ほどの民主党と自由党の質問で、たぶん後段おっしゃられたことの確認になってしまうと思うんですけれども、菅さんが総選挙に向けてですね、現職知事を閣僚候補にというようなことも打ち出したいと言っていることについて、改めてなんですけれども、そのことへの見解と、もう一点、全然話違うんですけども、危機管理室長の高橋さんが兼任されていた公共事業改革担当参事ですか、この後任についてですね、いつごろまでにどのようなお考えで人材を充てるご予定かお聞かせください。
長野県知事 田中康夫
高橋徹氏に関しては、消防庁からあまり都道府県の単位にですね、出向されるというような形があまりそれほど頻繁ではないという中で、2年間を経てですね、消防大学校でですね、後輩を育成する要である部長にというお話があり、私としては当初、高橋氏の大変な危機管理に対しての高い、深い理念とですね、またその実行力に感謝をしておりましたので、幾たびか総務省に対してはもう少し高橋氏を引き続き登用したいということを申し上げましたが、消防庁としてもですね、そうした全国から来る新しい消防の志のある人たちの場所にというお話で、大変に何ていいますか、惜しい逸材を長野県の場からまた全国規模のところに送り出すというような形であります。ただ、後任の長尾氏に関しても、地震対策をはじめとしてですね、多くのフィーマ(FEMA:米国連邦危機管理庁)での経験というものもあり、大変に期待するところであります。高橋氏の公共事業改革に関しての熱意と大変に素晴らしい達見というものは、この彼のサポートがなければ長野県の公共事業の改革はここまであるいは進まなかったのではないかという思いが深くあります。彼に代わる者というものは、もちろん多く今、公共事業改革のチームをはじめとして大変に高い志を持っておりますし、土木部も小市正英を…、何か私がいつも小市正英の名前を出すと逆に小市正英が何かいじめられているというような話も聞くわけでして、知事が褒めるといじめられて、知事がけなすと逆にみんなから同情されて温かく迎えられてヒーローになるというようなことというのは3年たってもまだまだ、私の前20年とは言いますが、その前の方の20年も含めて禅譲のようなものですから、40年間1人の者に仕えてきた組織というのは、たかだか3年ほどでは変わるのは難しいのかなという気がしておりまして、まだまだ私というよりも県民が望む改革が形として見えるにはですね、まだ随分の年数が掛かるのだろうなという気がしております。
話を戻しますと、今のチームとしても公共事業改革、大変に熱心にやっております。ただ高橋のような立場でものを述べる、やはりよい意味で物事を変える時には新し物好きとですね、よそ者と、それからある意味での変わり者というものがこれは必要でございまして、そうした存在になる者がどこにいるのかということを、もう少しこの県庁舎内においてですね、職員の中から探し出したいと思っております。
前半の方に関しましては、私は菅直人氏も小沢一郎氏も大変に素晴らしい政治家だと思ってます。とりわけ小沢一郎氏はですね、多くの市民の方々がまだ的確に認識なさってないのではないかと思いますが、小沢氏はかねがねやはり本来この日本の憲法9条に書かれているその精神というものは、これはお題目ではなくて、世界が敷延して共有すべき、世界が目指すべき理念だということを繰り返しおっしゃってるわけでございます。このあたりが、恐らくこのような発言が小泉純一郎さんやその取り巻きからは私は聞いたことがない。まさに外務省の人たちと同じように、どうせだから自衛隊だけ出しておけばいいというようなことは、これはもうまさに人間の身分差別であります。職業差別であります。私は寺島実朗氏が述べているように、私たちが社会貢献をする場合に、自衛隊の方々が外務省に転籍をして、その上で医療や保健行為ということ、あるいは教育というようなことに携わるという形があるわけでして、このような議論すら行われない。私はどうも6月の13日の金曜日という日にですね、内閣がイラク特措法を出すと決めたわけでして、その後6月の26日、正確には土曜日ですが、前日の25日金曜日という日の深夜にですね、あのような形で成立をするということは、恐らく今日の毎日新聞に政策大学院大学の飯尾潤さんや、あるいは保坂正康さんが書いていらっしゃいます。京都大学の大嶽さんも書いていらっしゃいますけども、いずれも大変厳しい評価をしていまして、もしかすると後世、小泉内閣というのは日本の戦後の内閣の中で最も理念がなく、最もポピュリズム(populism:人民主義)であった近衛内閣に続くようなものではなかろうかということが言外に込められていましたけれども、私は非常にそういう気がいたします。大変に小沢氏の本来持っている人間としての愛情というものがより多くの市民の方々に伝わるような社会、あるいはそういうお手伝いは私もぜひしたいと思っております。ただ繰り返しますが、それはやはり今回の合併ということが何を目指してるのかということをお二方がきちんと明示なされること。そして、そのことがより多くの市民の方々に理解されるような社会を私は望むところです。
私は長野県の県知事でありまして、先ほど来繰り返してるように、長野県の改革を行うことがひいては、これは小沢さんや菅さんが目指される、あるいは多くの政治家の方が目指される日本の改革につながるというふうに思っております。よくこういうふうにだけ申し上げますと、皆さんが「田中は…」、何かよく早とちりなさってですね、「田中は口では言ったけど、手伝う気はない」とかですね、あるいは逆に手伝うとかいろいろ書きますけど、手伝うとか手伝わないとか、そういう二項対立の問題ではないわけでございまして。先日大変うれしいなと思ったのは、『AERA』の中で福山哲朗さんという民主党の京都選出の参議院議員がいますけども、彼が述べたコメントは、手前みそになりますけど大変うれしくて、石原さんの場合には都議会議員が大挙して応援に駆け付ける改革であると。田中康夫の場合には県議会議員が大挙して引きずり降ろす改革であるというふうに書いておりましたけれども、私はやはり多く長野県民の方々が幸せになれる改革、でも同時にそれは日本の多くの方々が望まれてることだと思いますし、小沢さんや菅さんもそうした純粋な思いのもとで、今、合併を行おうとしてるんだと思ってます。
以上であります。
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