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長野県知事 田中康夫
この時間の知事会見は、先ほど長野県議会、県民の代表たる長野県議会の総務委員会におきまして、私が地方自治法第196条「監査委員は普通地方公共団体の長が選任する」と、この条文に基づいて議会に提出をいたしました監査委員2名、即ち内山卓郎氏と松葉謙三氏に関して総務委員会においては、反対の理由は委員長一任という形のもとで否決をされた、このことを踏まえての会見であります。
最初に感じましたのは、未だ私の県知事就任前と何ら変わらぬ、ある意味では長野県の暗部や恥部というものをさらけ出されるかの如き問答無用のですね、ある意味では暴挙、このことがはたして本当にこの4月の選挙で大変に聡明なる県民の方々がお選びになられた県議会の多数の方によって行われたのであろうかと、大変に狐につままれているような思いであります。改めてそうした県議会の方々のご判断と私が地方自治法にのっとって提案をさせていただいた私の判断のどちらがより県民の民意というものに近いのであるかと、より県民の民意に則しているのであるか、何と申しますか、それぞれ直接県民の方々に選び直していただきたいと、そのような気分であります。
いくつか申し上げます。監査委員というものは先ほども…、失礼しました、一任ではないということだそうでございます。「監査委員は地方公共団体の長からの独立性と公平不偏の立場を保持することが求められており、客観的に事象をとらえ監査を行うことが求められている」と、「内山卓郎氏、松葉謙三氏の両氏については、これまでの経歴と行動からかんがみ、これらの求められている点について疑問が残る」というご指摘なのだそうであります。ならば、と私は思うわけでございますが、ご存知のように長野県の従来の監査委員というものに関しては、いわゆる「桜まつり」と呼ばれる海外視察というものに関して市民の方々からこれは監査上問題があるのではないかというご指摘があったわけでございます。で、この際に当時の監査委員の方は問題はないというご判断であったわけですし、また、それ以前の監査においてもこの点は問題とはならないできたわけであります。しかしながら、他方でこの問題に関してはその後司直の場におきましてですね、返還をするという形になってきているわけでございます。このことはまさに当時の監査というものが結果として必ずしも適切ではなかったと、また市民の側からそのような訴えといいますか問い合せがあってもなお、当時監査委員の中においてはそのことは当初問題ではないというご認識であったわけでございまして、私はやはりこれは長野県の監査というものをより改めていかねばならないというふうに強く感じた一点でございます。
今申し上げましたように196条では公選された知事が監査委員を選ぶというふうになっているわけでございます。その知事が選んだ人物が監査委員になると厳しい監査が逆にできず監査が甘くなるというご指摘もあったようでございますが、これはお二人のこれまでの活動やこれまでの経歴をお考えいただければ、お二人がより市民のための市民の目線に立った監査を行おうという気概や正義感をもった方だということは、これは改めて述べるまでもなくお分かりであろうかと思います。日本の中でもより改革というものをリードしてきているといわれました三重県においても、三重県の改革というものがより進みましたのは松葉謙三さんが三重においていわゆるカラ出張を始めとすること、しかもそれが監査委員事務局というところ自らがそうしたことを重ねてきたということを明かし、三重県全体として11億6,600万円という裏金を生ずることとなっていた官官接待やカラ出張というものを全廃しようというふうに北川正恭知事が決断するに至った。その三重県の大きな改革の転機というものをもたらしたのはこの松葉謙三氏であります。既に宮城県においてはオンブズマンの経験者という方が既に2名、監査委員としてご活躍なさっているわけであります。また、内山卓郎氏もこの方は皆様すでにご存知のように、長野県の必ずしも市民の民意というものに基づかないであろう様々な公共事業というものに関して厳しくその問題を言及なさってきた方であります。
昨日、議会のご質問の中で、監査というものがこのような方々によって行われると職員の士気に影響するのではないかというようなご質問がありましたが、私はこれは逆であると思われます。県民がお支払いいただいた税金を私たちが適切に執行しているということを、こうした外部の、しかも市民の目線の方々によって認められるために監査はあるわけでございます。監査というのは何か粗探しをしたり摘発をするために行われるわけではございません。本来市民から信頼される関係にある行政あるいは議会というものが、県民からまさに信頼される税金を用いての執行をしているということを証明していただくために監査があるわけでございまして、それを監査委員という方にこのような方が当たることによって職員の士気が下がるのではないかということは、私はむしろ逆ではなかろうかと思われます。先程の「桜まつり」の件に象徴されますように、逆に市民からのその訴えというものがあってもなお、それに関して結果として必ずしも応えられる形を行ってこなかったと。このようにある意味では司法の場においても判断されるに至った監査というものをこそ改めていくということが、私はとても大切なことではなかろうかとこのように考えております。でありますからして、このお二人を、逆に私はあえて申し上げれば、なぜこのお二人が監査委員に就任されることをそれほど極度に恐れられるのかと、このお二人が監査委員になられることでそれほどまでに議会活動に支障が生ずるのであろうかという深い疑念を抱かざるをえないわけであります。明日また本会議という場において、より多くの県会議員の方々によって、ある意味では採決がなされるものとこのように思いますし、おそらくはより多くの、またより県民の民意というものに即した58人の県議の方々によって採決される場においては、よい意味で委員会における本日の暴挙に近いご判断というものが私は覆されるということを期待をしたいというふうに思っております。
ご質問があればお受けいたします。どうぞ。
信濃毎日新聞社 高森和郎氏
高森和郎、信濃毎日新聞です。
委員会の終了後ですね、いろんな意見が出ていたんですが、県民クラブの宮澤会長がですね、今回反対された理由は知事の人事案の決め方に問題があると。6月には人事委員会の委員の任期満了があるので、また同じようなやり方をされても議会としては賛成しかねるという趣旨のですね、トップダウンのやり方を改めてほしいというような趣旨の説明をされておられましたけれども、そういった受け止めについて知事はどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 田中康夫
県民クラブの宮澤敏文議員あるいは鈴木清議員は…何会とおっしゃるんですか、政信会ですか…、政信会のお二人…、私のもとにご発言のメモというものがあります。メモでありますのでもし必ずしも正確な発言と違うということがあればご指摘を逆にいただきたいと思いますが、チェックされる側の最高責任者が知事であり、その知事の思い入れの深い人を監査委員にするのはいかがかとおっしゃってるんですが、先ほども申し上げたように地方自治法第196条でですね、まさにその公選で選ばれた普通地方公共団体の長が監査委員を選任をするというふうになっているわけでございます。この発言は逆にある意味ではその県知事という職務を果たす私を否定しかねぬご発言でありまして、この点も私は大変にショックを受けております。あるいは地方自治法の根幹というものをも、新しく長野モデルとして長野県議会の方々が創出なさりたいという大変な大きな気概を抱かれてのご発言なのか。いずれにいたしましても私はどうも本当に4月に大変に長野県の改革が進む中で県民の方々が選ばれた県議の方々、その中でもより県政に関して深い知識や経験を有する方々が集われてるというふうに言われております総務委員会の方々が、このような私からすると理由というふうには中々納得しかねるそうしたご発言によってこのようなことをなさるというのは、本当に狐につままれた感じであります。これは法律にのっとって私は行いをしているわけでありまして、先ほど申し上げたように今までの長野県の監査委員という方々は、じゃあ逆にその知事の思い入れの深くない方であったのか。深い方であるか深くない方であるかということは、これは主観の問題でございます。けれども「桜まつり」の一件というものは、これは客観的な私どもの監査委員の制度というものが必ずしも有効に機能していなかったということを明らかにしたことであります。この一件を県民のために、あるいは県職員がより県民のために密やかな誇りを抱いて働ける、そうした長野県の環境にするために私はこの二人の方を選任させていただきたいと思っていたわけであります。
信濃毎日新聞社 高森和郎氏
そうしますと、選任のプロセスを問題にする声があったわけですけれども、プロセスというよりも知事としては出された方…
長野県知事 田中康夫
ですから、では今まではどうであられたのか。プロセスが仮に県議会の方々にとって安心できるプロセスであられたとしても、現実に納税をなさる県民の方々が多く監査委員というものへの信頼が時として揺らぐ形のことが現実に起きていたわけでありますから、そのことをやはり県民の信頼を取り戻せうる監査委員というものにしていく必要が私はあるということです。即ち、県議会の方々はこのようなお二人であっては監査委員への信頼が以前の「桜まつり」の一件のころより更に揺らぐと、薄れるというふうにお考えなのかと、逆にお尋ねをしたいところであります。
信濃毎日新聞社 高森和郎氏
もう一点。今の答えとちょっと重なるかもしれませんが、やりとりの中でオンブズマン的な活動と行政の監査というものは異なると、行政の監査というのは効率性を高めるとかそういった観点も必要であって、オンブズマンのような特定のテーマに沿って掘り下げていくようなものとは異なるというような趣旨の意見も出たわけなんですが、その点についてはいかがでしょうか。
長野県知事 田中康夫
というよりもですね、先日も申し上げたと思いますけども、一般の企業においても社外取締役が過半数を占める監査委員会、あるいは取締役の専任委員会というような多くの委員会が設置されてきているわけです。これはソニーや東芝、オリックス、帝人を始め数多くの会社がございます。これは即ち外部の視点、外部の目というものを導入する、まさにしがらみのない方、今までの県行政であったり県議会であったり、長野県の地方自治体、基礎自治体であったり、こうした部分の様々なしがらみとは無縁の方がですね、外部の客観的な目でよい意味でその市民から信頼されうる金銭の執行をしていると、あるいは事業を行っているということを証明してくださるためにあるわけです。繰り返しますが。何か監査委員というものをそもそも粗探しをするとかですね、煙もたっていないところに煙をたてるというような、何か監査委員というもの、その制度自体あるいはその機能自体を疑ってらっしゃるような、あえて申し上げると私は懸念を抱くわけです。それはやはり議会の場にあられる方々として、あえて申し上げるまでもなく、いかがなのかということであります。ある意味では松葉謙三さんが三重県でなさったことも、当の監査委員事務局がそうした官官接待や裏金出張、カラ出張ということに手を染められていたと、本来ならば監査委員というものが果たすべき役割を必ずしも果たされていなかった部分があり、その中で市民オンブズマンの方々というものが監査委員の本来行うべきことを行ってこられたということがあると思うんですね。で、これを否定なさるということはそもそもその監査委員制度というものをも否定なさることにつながりますし、あるいは私の選任の仕方が私の思い入れが強いなどという主観的なご理由で否決をなさるということは、そもそもが地方自治法第196条、ひいては私が県民のために行うべき判断というものをもですね、無視されかねないことだと思います。
ですから私とは公正とか中立とかですね、そうした言葉の捉え方が違われるのかなと。その意味で考えると私は、繰り返しますが、私が県民のある意味では代表であり、県議会の方々もまた県民の代表であるということに何か言い知れぬ戸惑いを抱くわけです。よろしゅうございますか。
できればぜひ県民の方々に私が大変に至らないのであるか、あるいは今回の総務委員会の否決ということに賛同された県議の方々がいかがであるのか、テレゴング(電話投票システム)のようなものがあればぜひお聴きしてみたいという気持ちにかられるところです。
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