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最終更新日:2003年04月25日

 

知事会見 部長会議について他

平成15年4月24日(木)
13:35〜14:20 
県庁5F「表現センター」

長野県知事 田中康夫
 はい、では会見を行います。約2時くらいまでの予定であります。
 今日の部長会議におきまして、平成14年度に続いて15年度の協約というものを締結して、本日付けでホームページ上にアップしてあります。これを半年後また1年後にこの達成状況に関してお伝えすることとなっております。
 それから「建設相談110番」というものを設置いたします。これは近く「下請け110番」というような形も設置をしていくわけでありますが、建設事務所の総務課に置きます。で、これは建設事務所の次長とですね、並びに事務所長が任命といいますか選びます1名、こうした建設業界に関しての知識や経験のみならずですね、こうした構造転換を図ろうと考える方々に対してのきちんとした目線や熱意というものを持ったものを事務所長の責任において任命するというかたちになります。この相談員は、現在農政部は地産地消の給食の推進を担当する者に近く子どもが描きました絵を入れた丸いバッチを付けてこの庁内も歩くと、給食の担当者だと、ある意味ではこの建設相談110番の担当者もそうしたバッジを付けてですね、私たちの他の職員からも良い意味で注目をされる存在であってほしいということを伝えてあります。
 知事分室を開設いたします。このことは別紙でお渡ししてあるとおりであります。
 観光地の利用統計調査というものが行われて、平成14年に関してはご存知のように平成13年よりも245万人の観光客の増加と2.6%増というかたちになっております。また観光消費額も3,693億円でして、平成13年よりも8億円、0.2%の増加となっております。日帰りの方が多くなったり、あるいは一連のデフレのなかで客単価というものが様々な飲食、お土産等も価格自体が漸減をしているなかにおいては健闘しているほうであろうかと思います。地域別に見ますと、ご覧いただきますように北信濃、長野地方と北信というものが少しく低迷をしておりまして、これはやはり、ホスピタリティーというものに関して、よりこうした観光地の方が従前からご努力をいただいていると思いますが、こうしたことをさらに詰めていくところです。
 そのほか、いわゆる重症急性呼吸器症候群、SARSと呼ばれますこれに関してでございます。私たちは、このSARSはご存知のようにトロント等でも、要注意地域になってきております。4月4日に既にこのSARS連絡会議を設置して関係部局が担当してきております。また、これも既にご存知のように伝播が確認されているところから帰国した児童、生徒も転入学を希望する者は、長野県内の学校は全ての方を分け隔てなく受け入れると、これはもう当然のことであります。こうしたこと、また医療機関との連携をしてきておりますが、長野県においては現在も10の保健所の公用車、あるいは消防の救急車というものにおいて防護マスク等の配備も行ってきておりますが、この5月26日にいわゆるこうしたSARSに対応できる移送用のカプセルというものを4カプセル予約をいたし、26日には納入が予定されております。この移送カプセルを用いますことによって、通常の救急車に医師も同乗して、さらに設備の整った医療機関へと搬送をするということになります。今までこうしたものに関して国の側は、こうした減圧装置の付いたかたちの移送というようなものに関して手だてをしてきておりませんので、これも知事会見でただ今配布をしたかと思いますが、本日付けで東京事務所長が内閣総理大臣と厚生労働大臣に対して、別紙のようなものを提案として渡しております。いずれにしてもこの4カプセルを県内で準備をすることによって、最寄りの医療機関において、こうした重症急性呼吸器症候群が疑われる方をより設備の整った医療機関へと移送する場合に活用をしていくということであります。この費用に関しては専決処分で対応するというかたちになっております。4カプセルでありますので4県域のなかに配備してまいりたいとこのように考えております。
 私のほうからの発表は以上であります。ご質問があればお受けいたします。はい、一番うしろの方。

信濃毎日新聞 島田誠氏
 島田誠と申します。信濃毎日新聞です。
 午前中にですね、知事が本部長を務めていらっしゃる県の治水・利水対策推進本部が開かれまして、そちらのほうで浅川・砥川の河川改修案について論議がされまして、5月中に市町村長や住民に説明するという方向になったようですけれども、これについて県としての原案、これから提示する原案について今の段階で公表されない理由について、どういった理由で公表されないのか、まず伺えればと思いますが。

長野県知事 田中康夫
 これは治水利水に関しましては、流域の市民、とりわけ当該の市町村長とも協力をして行うということになっております。本日は内部の会議であります。ここで土木部長、また企画局長等がこれらの治水や利水、流域整備ですね、あと衛生部長もですが、これらの者から私たち内部のまとめた原案というものが発表され意見を交わしております。これに基づいてですね、いわゆる連休をはさんで当該の市町村長にご説明にあがるわけでございまして、これらの方々にご説明をする前に公表するということは、皆さまがそれに関して責任をお持ちいただけるのならば大変に幸せなことではありますが、これは市町村長との協力関係において、とりわけ流域住民にもご理解をいただいて進めねばならないことですから、本日申し上げられるのは、こうした会合が開かれたという内容であります。

信濃毎日新聞 島田誠氏
 おっしゃりたい内容はよく分かりました。ただ、進め方として、そういったものを全部公開していくのはおそらく田中県政での基本方針だと思いますし、市町村長にまず説明してからというのはこれまでのですね、田中県政の前における県政でもあってきたことですし、それに対して知事はたしか批判されていたことだと思いますが、その点はいかがでしょうか。実際ですね、これからの協議をしていく上で一番ウエイトを占めるは市町村長であり流域住民だと思いますが、当然、県費を投入していくわけですし、そういう意味では我々県民全員、皆さん税金は支払っているわけですし、事前に公表することで、その流域住民にとっても、それから市町村長にとっても、それに対してどういうふうに自分達の意見をまとめていくかということもですね、議論が内部でしやすくなるかと思いますし、そういう面でもあんまりデメリットはあってもメリットはないような気がするんですがいかがでしょうか。

長野県知事 田中康夫
 県紙を自負される信濃毎日新聞が、全部の私どもが今日議論した内容を活字、図表のうえで公開いただけるというならばあるいは考慮に値するのかもしれませんが、まあ、しかしながら中南信地区においては市民タイムスや中日新聞というものをおとりになっている方も多いわけでございまして、また、ホームページ上で公開するというかたちもあるいはあるのかもしれませんが、しかしながら、これはやはり信義則として私たちの治水計画、利水計画というものを見守るということを温かく当該市町村長からお話をいただいたうえでこれを進めてきているわけでございます。その意味においては、何か県知事が脱ダム宣言をし、そして不信任のあと再選をされたから、そのことをもってダムによらない、まあ、審議会の検討委員会、条例設置の委員会があったとはいえ、そのことは一方的に流域の市町村長を拘束するというかたちの法律的手立てになっているわけではございませんから、そういたしますと、やはりお話を申し上げたうえでの、皆様へのより細かい内容のお伝えになると思いますし、ぜひその際には大変紙幅のあられる信濃毎日新聞においてはぜひ特集をお組みになってですね、あますところなくお伝えいただいて、広い県民の議論を期待するところであります。

新建新聞社 岸豊氏
 新建新聞社、岸豊と申します。
 建設業界について2点あるんですけれども、一つは昨日県内の大手ゼネコンである長野建設が民事再生法を東京地裁に申請してですね、その会社に代表されるように、非常に県内建設業界ですね、地元業者の倒産や廃業が相次いでいるんですけれども、このきびしい県内の建設業界についてどう認識されているのかというのが一つとですね、同時に受注希望型の入札を導入されたことによってですね、県外の営業所、支店等を設けている県外の会社さんがかなり長野県から撤退しているという現状が見受けられるんですけれども、その辺についてどう思われるのかという2点をお願いいたします。

長野県知事 田中康夫
 併せてお答えするかたちになるかと思います。明日、いわゆる長野県の公共工事入札等適正化委員会からの中間の答申というものを頂戴することになっております。すでに大変に熱意のある議論だけでなく実効性のある入札改革を、ご提言に基づいて私たちが行ってきております。明日も新たにさらに中間の答申をいただくことになると思いますし、またこれらの委員会の方々、ご理解をいただいたうえで、よりその発注技術の検討の委員会というものも委員を選任をし、近く立ち上げていくかたちであります。この2つの委員会においてですね、より納税者が納得するだけではなく、まさにそうした事業にたずさわる方々にも深くご理解いただける入札制度のさらなる改革、改善というものが行われていくわけであります。
 で、併せて先ほど建設110番をお伝えいたしましたが、産業活性化・雇用創出推進局長の丸山康幸を全体の統括責任者として、土木部の監理課長の牛越を担当者としてですね、各部局が連携をした新しい土木建設業の方々の産業構造転換のプロジェクトというものが行われております。これは先に3所長会議、皆さんお忙しくてほとんどの方、その発言の段階でお残りであった方わずか数名であられたかと思いますけれども、大きく分ければその会社がより土木建設業としてよい意味で県民から理解されるかたちでの体力をつけていく、あるいは他の土木建設業者と合従連衡(がっしょうれんこう)することによって県民に理解される公共事業にたずさわっていくと。3番目にその他のジャンル、これは林業であったり福祉であったり、その他の部分に対して参加をしていく方々、さらには、いわゆる店じまいといいますか、今の企業というものを従業員の理解を得た上で店じまいをしてその経営者も含めて、他の産業へと転身をなさる、あるいは他の土木建設業の社員としてお働きになられるというような方、この4つのパターンに合致をする方々を対象とした私たちの支援というものの在り方を具体的に、このプロジェクトで検討をいたしております。併せて、とりわけこれは土木建設業からすぐには構造転換できない方々に、私たちが林業というものを「信州きこり講座」で提言をしておりますように、「創る」ということからまさに「育む」ということでありまして、メンテナンス、維持補修と、これは道路の舗装だけでなく、さまざまな建造物に関してもメンテナンスという、それらの今までつくられていた方々のある意味では仕事の延長にあるわけでございます。ご存知のように前田建設工業が「なおしや又兵衛」でございましたっけ、会長の前田又兵衛氏の名前を取って、従来のリフォームであったり店の内装の変更であったりですね、あるいはどこか錠前の修繕であったり、こうした一つ一万円、数千円という仕事から含めて、つなぎを着た前田建設工業の社員の方々が「なおしや又兵衛」だと思いますが、そういうかたちで働いていると。これは社員の意識変革と同時にやはり一円から商売をすると。私たちの公共事業の予算案というものは、100万円を1円の位で今まで予算書を書いてきたわけでございまして、そうした時代ではもはやないということをご理解いただくうえでも、メンテナンスということに関してですね、従事していただけるような方策をもここの部署で考えていくことになっております。こうしたなかで、長野県は従来から申し上げている3×3(スリーバイスリー)と、そして産業構造の転換を図るわけでございまして、それは同時にまさにお題目としての意欲や熱意のある土木建設業の方ということではなく、それはより実態に即したかたちでそうした行動をなさっている方々を長野県は支えていくということです。こうしたなかにおいて産業構造の転換のみならず、まさに県民から理解される体力のある土木建設業の育成ということが行われると思います。先ほどの2つの質問に関してはこれでお答えになっていると私は考えております。
 はい、うしろの列の方。

信濃毎日新聞 畑谷史代氏
 信濃毎日新聞 畑谷史代と申します。
 浅川ダムの代替案について2点ほどお伺いしたいことがあります。今日の治水・利水対策本部で、河川改修の案が出たということなんですけれども、1点目は知事が今後地元住民あるいは市町村長に直接説明に行くご予定はあるでしょうか。特に市町村長とはすぐに説明に入られると思うんですが、ご本人が行かれるのかどうかお聞きしたいです。もう1点はダム建設を前提に県と、市も入っていますけれども、地元住民との間で数々の協定を結んでいると思うんですが、その協定の取扱いについてはどういう場で協議なさるんでしょうか。この2点をお願いします。

長野県知事 田中康夫
 その点に関しましては私が本部長であり、また出納長の青山がこの件に関しては特命事項として引き続き行っております。青山と相談のうえ誰がどのようなかたちでご説明にあがるのかと、また後段でお話になりましたようなそれぞれの地域住民の方々のそうした団体や組織への対応ということも、彼と相談をしたうえでですね判断をしてまいります。

信濃毎日新聞 畑谷史代氏
 あの、非常に大事な問題だと思うんですが、知事本人が行かれるというご予定はないんでしょうか

長野県知事 田中康夫
 もちろん大事な問題でございます。大事な問題でありますが、これは双方のスケジュールの問題ということもあります。なるべく早期にお伝えをすることが大事であると思っております。

信濃毎日新聞 畑谷史代氏
 1月31日に浅川の河川の治水対策連絡協議会の総会がありまして、その席でも知事宛にいろいろな質問が出てまして、それを県の河川課の方たちがお答えになっているんですが、私も取材をさせていただいたんですけれども、「検討を進める」とか「検討する」という、ある意味抽象的な答えしかなかなかありませんで、会場の方からも…

長野県知事 田中康夫
 まあ、その段階においてはですね、検討しているわけですから。

信濃毎日新聞 畑谷史代氏
 はい、で、ちょっとこの話が当たるかどうか分かりませんが、こども未来センターの凍結したときはですね、知事は直接説明に出向かれたと思うんですが、浅川ダムの中止以降ですね、地元に行ってご説明をなさったりということがないと思うんですが、地元からはですね、自分たちの話を聞いてほしいとか知事に説明に来てほしいというお話があって、そういう機会をやっぱり得られるかどうかということをお聞きしたいんですが。

長野県知事 田中康夫
 今のお話がありました協議会には、その協議会の中になかなか参加できないということでおっしゃってらっしゃる、まあ代議制のもとでの議員の方であったり住民の方々もいらっしゃるわけでございますのでね、私たちとしてはその協議会の方ということだけでなく、流域の協議会と、流域の住民の協議会というような形は今後検討するということは既に申し上げてきているわけでございまして、これはどなたでも参加できるというかたちをめざすことが極めて望ましいわけでございます。首長である市町村長にお伝えをするということを踏まえてですね、検討することになろうかと思います。

信濃毎日新聞 畑谷史代氏
 地元から要請があれば説明会には出ていただけるんでしょうか。

長野県知事 田中康夫
 ですから地元からの要請ということは、これは一義的には首長の方がいらっしゃいますし、また、そうした要請がなくても私たちが必要と考えれば行っていくということであろうと思いますが。いずれにいたしましても広く住民の方がどなたでもご参加いただけるということが大前提になろうかと思います。

信濃毎日新聞 畑谷史代氏
 その流域協議会の位置付けというのは昨年の秋に鷲澤市長とのお話し合いのなかで、市長が協議会みたいなものを設置してその場で話し合おうということについては否定的な見解を示しておられたと思うんですが、今回のその流域協議会と位置づけが違うんでしょうか。

長野県知事 田中康夫
 鷲澤市長がおそらくおっしゃられていたのは、あの段階においては私たちはダムによらない治水・利水ということを申し上げたわけですね。それに対して鷲澤市長は、それは極めて非現実的、まあ難しいということをおっしゃられるなかの文脈においてですね、そうした場を設けたいというお話であられたかと思います。私たちは今日議論いたしました内容を、さらにいくつか内部での検討のなかでの指摘もありましたから、そこは良い意味で修正したうえでですね、市町村長にまずお話しすることから始めるわけです。

信濃毎日新聞 畑谷史代氏
 分かりました。

長野県知事 田中康夫
 その他のご質問があれば。はい、どうぞ。

毎日新聞 西田進一郎氏
 毎日新聞の西田進一郎です。
 2点伺います。1つは岐阜県中津川との県境越えの合併を巡って、それを争点に村長選が行われている山口村があるんですが、現地の記者によるとですね、知事が合併に慎重な新人の応援に入るんではないかといううわさですけれども、それが村内に流れているということがありまして、山口村を含めて27日の投開票の首長選で候補の応援、どちらかに入られる予定があるかどうか伺います。
 もう1点がですね、同じ合併にからんでなんですが、先週の17日に美麻村のほうで住民と意見交換会を開かれたと思います。合併に関するスタンスについては、出直し選後に明確にされてきてはおられるんですが、今回新たに住民と直接意見交換をされるに至ったその思いとですね、今後同じような意見交換会を開いていく予定があるのかどうか、その2点お願いします。

長野県知事 田中康夫
 美麻村での会合は、住民の方々からのお招きによって私がお話をさせていただき意見交換を行いました。そうしたかたちの住民からのお招きによっての意見交換があればですね、できる限り私が、また副知事の阿部も私と同じ考えを共有しておりますので、伺いたいというふうに思っております。現在市町村課のまちづくり支援室のほうで用意いたしました「市町村合併に関する素朴な疑問Q&A」というものがございます。もしご所望でしたら、こちらは差し上げますが、この中でも私たち長野県が述べておりますけれども、地方交付税の制度というものが、「合併しないと地方交付税が減るって本当ですか」という設問に対してですね、「地方交付税制度の将来的な見通しは現時点では明らかになっていません」というふうに記させていただいております。で、これは現在の地方交付税制度というものを前提といたしましても、合併しなかったからとしても、今後どのように変更するかがわからないわけでございますけれども、現在の地方交付税制度を前提としても合併をしないからという理由で配分を減らされるということはないわけでございます。そして、ご存知のように合併をいたしました場合においてもですね、合併後10か年は普通交付税の増加割合の10割を保障いたしまして、5年間は激変緩和措置は行われますが、これ以降、つまり11年めからは段階的に縮減していくわけでございます。栄村、泰阜村、小布施町、坂城町のシミュレーションというのは概ね20年後までの財政状況をシミュレーションしております。多くの場合、合併をするシミュレーションでは10年後までは出ているわけでございます。で、10年後から15年後までは漸減していくわけでございまして、ましてや15年後から20年後まではその措置はなくなるわけでございますけれども、これはそこまで明らかにしているところはあまりない。むしろ加茂市の小池清彦市長、再選されましたが…、のように合併に関して懐疑的というよりも、あちらの市長の場合には合併する方が自分達の地域への交付税も減ると、で、これは補助金ではなくてですね、ニーズとしての交付税も減るので、合併には利点がないということを主張されている首長でありますけども、合併特例債というものも、これは国や県が全て負担をしてくれるというふうに流布されている向きもあるようですが、ご存知のように事業対象費の33.5パーセントつまり3分1は合併特例債においても市町村の負担なわけでございます。ですから、財政が苦しいので合併をすると合併特例債がきて楽になるとはいうことは、これは必ずしも当たらないということになりますし、合併前に発行した地方債というものもその新しい合併をした新市町村に引き継がれるわけでございますから、いずれにしても合併をしたから今までの借金から免罪されるということではないわけでございます。で、その意味においては、合併をしていくと逆にその場合のスケールメリットということを言われますので、逆に合併することによって、交付税の額は逆に減少していくということも現実に起きてくるわけであります。ですから、そのような点に関してやさしくまとめた資料があります。
 いずれにしても長野県がですね、2月16日に「誇り高き『自治』の現場から」というシンポジウムを、先程の泰阜村、坂城町、小布施町、栄村の4町村と共同で行いました、「市町村自律研究報告」と。これは自律的に現在の市町村というものが持続していく上での税財政のシミュレーションでございます。このシミュレーションを、私たちは4町村に関して提示をいたしましたが、現在長野県120の市町村のうちの93団体がこれに基づいてのシミュレーションですね、研究を行っていただいていると伺っております。これは大変に、私はありがたいことだというふうに思っております。
  前から申し上げているように、私たちは、「かたちありき」というようなことではなく、国の審議会は、ご存じのように行政制度や税財源の在り方、さらには地方自治の姿がどのようになっていくのかと、国と地方の関係、県と市町村の在り方といったことについて議論が行われてはいるわけですが、残念ながら、現在の合併推進の意見というのは、こうした自治本来の姿を今まだ議論されていると。先程申し上げたように、交付税が今後どのようになるかということを国は示していないわけでございます。どのようになるかということを示していないときには、通常、行政のその他のサービスというのは、例えば治水行政においても、道路行政においても、福祉行政においても、次に新しくこのようにするということを示していなければ、通常その現在のサービスを行っていくというのが前提なわけでして、次の新しい変化を示さないまま、「今の制度がどうなるかわかりません」というようなことは、従来そのほかでは行っていないわけですから。そういたしますと、この姿を示さぬ前に、合併特例債といった、いわゆる優遇措置や、あるいは西尾私案と呼ばれております、有無を言わさぬ強制策というようなこうしたものは、そのあるべき、あるいはめざすべき姿を、ビジョンを示す前のある意味での「誘導」になっていまして、そのようなかたちで、この私たちの日本という社会の在り方が見い出しうるかという疑問をお持ちになられてる方が、少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
 合併特例法の期限というのは、ご存じのように平成17年の3月でございます。2年を切っておりますので、「2年を切っている」というようなアナウンス効果によって、何か小選挙区のときと同じように、「バスに乗り遅れるな論」というようなものがかまびすしいようにも見えますが、あるいは国自体が、「アメとムチ」というように言っているわけですが、これは逆に言えば、基礎自治体というものを「アメとムチ」という言い方は、これは対等ではないわけですし、あるいは信頼関係でもない言葉でございます。「アメとムチ」というのは、ある種、何と言いますか、アメリカが、イラクを、アメリカが望む平和的民主的、かぎかっこですけれど、「領邦的」にするためのアメとムチというようなときに用いる用法でございますので、やはりこうした「期限が迫っているから」とかいう短期的な発想、でありながらその中期的な意味での交付税がどのように変化していくかは明らかでない、むしろ合併する方が交付税が明らかに減っていくわけでございますし、15年後以降の財政状況のシミュレーションというものを行ってきているところはほとんどないわけでございます、今までは。ですからこうしたなかで、長野県は4町村と一緒に協力をしてきたわけでございます。
 市町村合併を考える場合においてはですね、三つの点が、大事な観点としてあろうかと思っております。市町村は民主主義の基礎単位でございまして、まさに住民に最も身近な基礎的自治体であります。もちろん私たちはこうした基礎的自治体の中にコモンズ(Commons:共有地)と呼ばれる、より人の相貌(かお)が見えるかたちというものを長野県において育もうとしているわけですが、やはり規模拡大から見た行政効率という面、逆にそれだけ住民から基礎自治体と、行政というものが遠くなるという二面性があるわけでございます。この二面性を、きちんとプラスマイナスをご議論いただき、それぞれ住民の方がご理解なさるということが、とても大事な前提であります。
 二つ目は、国は合併推進の理由として、行政の効率化や財政基盤の強化ということを挙げておりますが、今申し上げましたように、行政の効率化ということは、住民サイドから見た効率、つまりサービスの効率はどうかということ、あるいは財政基盤に関しては、先程から繰り返し申し上げてきている特例債も3分の1強は地元の市町村が負担するわけですから、こうした行政の効率化や財政基盤の強化は、合併のみではなしえないということを、まず前提として改めて認識する必要があろうかと思います。これは実際に1人当たりの行政経費、よく従来からある大きな三つの市が政令市になった場合に、職員と議員の給料が三つの中で最も高い水準であり、福祉や教育のサービスが三つの中で総体的には最も発展途上であるところにまとめられたというケースがあるというようなことをお話申し上げておりますけれども、人口10万人の都市よりも人口1万人程度の町村の方が、少ない経費で行政運営がなされているという例は、これは諸外国だけではなく日本でもいくつもの例があるわけです。ですからその効率性ということが、人口規模のみでは論じることには、いささか乱暴があると。また合併すると合併と同時に自然にサービスが向上したり負担が減少したりするというものでは必ずしもないと。まさに長野県がコモンズと言っているのも、それぞれの地域の方々がたまさかそこにいるのではなく、やはりその地域を愛し、愛すだけではなく、まさに参加し行動をすると、また発言するということ、またそうしたかたちができるような自助努力の在り方が大事だと思っております。
 三つ目としてですね、市町村合併の目的というのははたして何なのかということです。仮に合併をするとしても、これは地域の自治を確立していく上での選択肢の一つに過ぎないとも言えるわけです。で、各市町村において、最大限の自助努力を前提に独自の地域づくりを進めていった場合に、あるいは広域連合というようなかたちがございます。あるいは町村連合というものもございます。こうした「協働体制」、協力関係の「協」に「働」でありますが、協働体制を推進した場合に、あるいはまた県との協働関係を進めた場合に、その中においては、従来とは異なる多様な自治の在り方というものが可能となってくるわけです。こうした点に関しても、十分に研究をして、あるいは住民に対して説明すると。そして住民が理解をした上での将来の選択であることが、極めて望ましいと思っております。
 ご存じのように長野県は、現在、特例事務受託制度と助成制度というものの検討をいたしております。小規模の町村に対する特例事務受託制度の創設や、集落創成のための助成制度の創設。で、これは平成16年の3月にはですね、4月スタートというかたちでこうした特例事務受託制度と助成制度を創設いたしたいと考えております。また市町村とのパートナーシップ確立というなかにおいてですね、「県と市町村の在り方研究会」を設立し、月1回程度開催をしていくというかたちになっているわけであります。先程、税財政シミュレーションの策定を支援ということで、こうしたシミュレーションは現在93団体が行っておりますし、従来からの出前講座というようなかたちもございます。いずれにしてもですね、長野県は、今後冒頭で申し上げた四つの町村だけでなく、それぞれの、例えば朝日村、山形村というような所は町村長が合併をしない生き方というものを選択していくと。あるいは軽井沢町のようなところもそのようにおっしゃっているわけでありますし、また地域住民の中にもそうした考えを述べられている地域というものも幾つもございます。私としては、今後町村長の皆さんとですね、とりわけこうしたお気持ちを抱かれている方に関して、4町村のみならず個別に話し合う機会を設けてまいりたいと思っております。
 従来から申し上げているように、フランスは5千人以下の町村が全体の9割以上を占めております。「あの」という言い方をあえていたしますが、あのアメリカでさえ、5千人以下の町村は全体の8割を超えているわけでございます。つまり基礎的自治体というものがどのようなかたちであるべきか、国が述べているように合併をした場合に、国が示したかたちのなかに自治権を与えるというのが、これは町村民から出てくる意見ではないわけでありまして。やはり私は制度が違うからということだけで片づける、これですと問題調整型になるわけでございます。問題解決型として、長野県という場所、それぞれ地域に愛着を持たれているだけではなくて、極めてここ数年自発的に地域に関しても発言をし、行動し、参加されているという方々の町村に関して今申し上げましたような素朴なQ&Aを設けております。
 過日フランスに行きましたときに、これは栄村での「小さくても輝く自治体フォーラム」のときの基調講演でも申し上げたのですが、フランスに『ギド・ミシュラン』という料理のガイドブックがあります。三つ星になりますと、全世界から人が来るわけですけれども、三つ星のレストランが今年度も三十数個ありますけれども、このうちパリという大きな街にあるのはわずか6軒、7軒であります。その残りはリヨンのような街にもありますが、多くは小さな町村にありまして、先般ストラスブルグ、ストラスブルグにも三つ星のレストランが1軒ございますが、それからドイツに寄りましたところに、昨年から三つ星になったレストランがありますが、この村は人口700人の村であります。これは基礎自治体でありますけれども、そのいわゆる私たちが想定するような大きな庁舎があるわけではなく、観光センターと一緒に役場がありますけれども、こうした場所に、やはりその地域の出身の料理人が、修行をした後再び戻ってきて料理店を開き、ワインのそろえも良くするかたちのなかでサービスの人間も核となる者を置き、一つ星から始まって三つ星にもなり、多くの方々がお越しになられると。その大きな町にしたからまとまった観光のお金、宣伝ができたり、何か活力が出るというかたちではないものがヨーロッパには歴然とあるわけですね。こうした小さな人口千人程度の町村に多くフランスの三つ星のレストランというのがございます。これはイタリアとて同様ですし、アメリカのような場所でもニューヨークの郊外の町というのは、ほぼ5、6千人の町であるというようなことはお伝えしたと思います。もし仮に長野県の中でも、朝日村、山形村にとどまらずですね、そうしたお考えの町村長、あるいはそうした考えの住民がいらっしゃる地域に関しては、私たちはきちんとサポートをしていくと。その前の段階として2年という国が期限を切ったかたちのなかではなく、認識を深めていただくためのQ&Aを設けております。
 山口村に関しましては、お二人の候補者が出ていると。お一人が現職の加藤村長であり、もう一人が元村会議員の可知さんという方であるということは十分存じ上げております。具体的に県内の市町村長の選挙に関して、今回応援に行くという予定は、私は現時点では持ってはおりませんが、やはり山口村に関しては、山口村の方々が今、先程来ずっと申し上げてきておりますような深い認識を、情報を共有してお持ちになった上で議論をなさり、ご判断を更になさっていく必要があるのではあろうとそのように思っております。
 その他のご質問、よろしいでしょうか。
 あと、今度の29、30日にインフィオラータinNAGANOというのがございます。これは商工会議所とあと長野市、あるいは地元の商店街の方々が主体的に行ってくださるということでご期待を申し上げております。そうしたなかにおいて、私たちが昨年は音頭をとって始めましたので、事務の一端をお手伝いをさせていただくというかたちのなかで、私が実施本部長という名前がついておりまして、実質的にはこれは今後、資金面も含めてですね、より長野商工会議所や長野市の方々が主体的に行われるイベントとなっていくことを、私は切に願っているところであります。そうした思いでお手伝いをさせていただいております。

 

 

 

<お問い合わせ先>

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秘書広報チーム
Tel 026-232-2002
/ Fax 026-235-6232


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