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最終更新日:2004年03月11日
 

知事会見 9月補正予算案・県政改革ビジョン他

平成13年9月17日(月)
13:10〜14:10 
県庁5F「仮設 表現道場」

長野県知事 田中康夫
 お待たせいたしました。部長会議を経ての知事会見を行います。
 まず最初に9月の補正予算案および条例案について、本日部長会議で話し合い、これからお手元にお配りしてある形で補正予算を組み、また条例をご審議いただくこととなっております。
 2時までの会見でございますが、これを縷々(るる)説明しておりますと、またあれでございますので、数字等に関してはご覧いただければと思います。
 5ページのところに主要事業の一覧がございます。ご覧いただきまして、これに関してのご質問を受ける形でお答え申し上げたいと思います。11ページからの緊急雇用中小企業支援対策関連に関しても同じであります。
 そして条例案に関してでございますが、条例案の方は既にこれもまたお手元に配ってある内容であります。これもご質問がありますものに関してお答えをする形にさせていただきたいと思います。
 先に県政改革ビジョンに関して、これは私どもの企画局長の阿部の方から簡単にご説明を差し上げたいと思います。この件に関してましては会見終了後に関しましても、企画局の方で課長の和田をはじめとして個別のご質問に対応させていただく予定でございます。

企画局長 阿部守一
 それでは、私の方からお手元に資料はお配りしてあるかと思いますけれども、「県政改革ビジョン」、そこに書いてございます通り、「意見募集のための検討案」ということでまだ最終版ということではございませんけれども、これにつきまして簡単にご説明したいと思います。
 お手元に概要版と本体と2種類あるかと思いますけれども、基本的なお話について本体の厚い方でご説明したいと思います。
 大きな字で「県政改革ビジョン意見募集のための検討案」というふうに書いてあるものでございますけれども、2枚おめくりいただきますと、「1.策定の目的」というのが書いてあると思います。前段は状況認識でございますけれども、真ん中へんからでございますが、様々な意味で長野県、今大きな変革に直面しているという認識のもと、「県自らが新しい価値を創造するべく県政運営に新たな息吹を与えると共にそれぞれの政策分野においても、将来を見通した新たな施策に取り組むなど県政の改革を着実かつ果敢に進めていくことが不可欠だ」という認識のもと、その次でございますが、「本県においては実践問題を一つひとつ解くという形で直面する課題に対応してきましたが、県政改革ビジョンはそこから見えてきた県政改革の基本理念及び改革の方向性と当面行う取り組みを明らかにし、県職員の間で共有化を図ると共に県民の皆様にも広く理解と参画をいただくことにより、県政の改革を確実に実現することを目的として策定する」というのが今回の策定の趣旨、目的でございます。
 順番が前後して恐縮ですが、1枚前にお戻りいただきますと、「意見募集のための検討案について」ということで、今回お出ししております検討案の趣旨等につきまして、ご説明してございます。今回公表いたしました検討案は、あくまでも意見募集のためのものということで、今後県民の方、あるいは県議会、市町村、様々な方々から広くご意見ご提案をいただきたいというふうに思っております。その上で必要な追加・修正を行って、県政改革ビジョン、最終的には11月頃を目途と考えておりますけれども、取りまとめていきたいというふうに考えております。
 確定版、11月に取りまとめるものにおきましては、今お出ししているものよりもさらに具体化を進めて、改革の内容、手順、実施時期等につきまして記述していきたいというふうに考えております。この改革ビジョン、まとまりました後につきましては、知事を本部長として県政改革推進本部をつくってございます。その場におきまして適切な進行管理を行いますと同時に、進捗状況について県民の方に公表をしながら改革を進めていくという考えでございます。
 次の3つめのポツ(・)でございますが、後でご説明しますが、改革ビジョン、大きく分けて3つの章と言うか、節と言うか、に分かれております。「県政改革の基本理念」、それから「県庁の自己改革」「県民益創出プログラム」と。これは後でご説明します。それから「県民益創出プログラム」につきましては、一応4つの切り口でまとめています。これも後でお話申し上げたいと思います。
 なお、ここに書いてございますとおり、「県民益創出プログラム」の方につきましては、各政策分野のいろいろな施策を書いているわけでございますけれども、従来の施策の拡充でありますとか、あるいは国の制度の枠内で全国一律で行っていくようなもの等につきましては、あえて入れておりません。長野県としての新たな視点、新たな手法で取り組んでいくものについて書いているということでございます。
 それから、5つ目のポツ(・)ですが、「職員が県政改革の理念を自らのものとするとともに、県庁の自己改革を進めることにより、『県政改革ビジョン』策定後も、県民益を生み出す施策の立案を引き続き行っていく」ということで、これ県政改革ビジョン、作ったらそれで県政の進歩がないということではなくて、11月に取りまとめた後もですね、当然のことながら必要な施策については、これから考えていかなければならない政策決定のあり方等にのせながら、さらに県民益を生み出す施策等については引き続き作り出していくということでございます。
 スケジュール、そこに書いてございますように、今のところ概ね1カ月間を目途に県民の方からご意見をいただきたいというふうに思っております。いただいた意見につきましては、市町村等からの意見も合わせまして、ワーキンググループをつくってございます。関係の課長がグループリーダーに基本的になっているわけでございますけれども、でき得る限り部局横断的に現地機関の職員も入れてワーキンググループをつくっておりますので、そうしたワーキンググループにおいて、さらに具体的な検討をして、11月の取りまとめに向けてさらに作業を進めていきたいということでございます。
 前置きが長くて恐縮でございますが、本文の2ページから内容に入るわけでございますけれども、ここに「県政改革の基本理念」ということで書いてございます。今回、いろいろな考えがありましたけれども、4つの基本理念で提示をさせていただいております。「県職員はパブリック・サーヴァントとしての気概を持ち、次の基本理念に基づき県政改革に積極的に取り組みます」、ということでございます。
 1番目が「成果を重視し『顧客』満足度を向上させる県政」ということで、事業自体を目的としませんと。これは当たり前と言えば当たり前の部分かもしれませんけれども、とかく行政は成果よりも事務事業の遂行自体に着目しがち。例えばよく言われるのは、「計画をつくって実行するけど、その後の検証がなかなかないじゃないか」といったようなことも一般的にはよく言われるわけでありますけれども、長野県としてはそういうことのないように、成果重視で顧客である、顧客というのは多くの場合県民ということになってきますが、顧客満足度が上がるというようなことを目指してサービスの提供、県政の推進に努めていくというのが1番目でございます。
 2番目として「現場を重視しディテールから変革する県政へ」ということで、これも言わずもがなでありますが、県政は県民と同じ目線で具体的な実情を踏まえて進められる必要があるわけであります。こうした認識のもと、現場を重視して地域の実情を見て県民の声を聞くことから、政策をスタートさせる。あるいは県民に身近なところでサービスを提供しております県の現地機関でありますとか、あるいは基礎的自治体である市町村、こういったものの役割を重視し、あるいは尊重するということであります。また「ディテールからの変革」ということで、身近なところに宿る些細(ささい)な問題といったようなものが、実は大きな問題を宿しているという部分がございますので、身近な課題の細部に宿る事実から他の事例を類推し、より大きな視点から改めて課題の解決に取り組むことで、社会への変革につなげていきたいということでございます。
 それから大きな3番目でございますけれども、「県民の意欲を生かし多様な公的活動を支える県政へ」ということで、すべての公的活動を抱え込みませんと。これは長野県に限らず全国的に国民、県民のニーズ、要望というのは極めて多様化しているわけであります。そうした中でどちらかというと画一的なサービス提供を得意とする行政がですね、すべての公的なものを自ら企画実施するということで、あまりにも抱え込んでしまうということは、その効果、効率といったような観点から見て限界があるのじゃないかと、そういう認識のもとで自立した県民一人ひとりの自己決定、あるいは自己責任というものを基本といたしまして、県民、NPO,企業などとの適切な役割分担とパートナーシップの下で、長野県を共に築いていくということが重要だろうと。そのために県としては県民の意欲が十分に発揮できるような環境の整備、あるいは県民、NPO、企業等の行う公的な活動を支えていくということでございます。
 それから4点目でございますが、「スピーディーに行動し日本の変革をリードする県政へ」と。既存の制度や慣例にとらわれませんというふうに書いてございます。これは中央分権の大きな流れの中で地方自治体の果たすべき役割というものは、かつてないほど大きくなってきているわけであります。そうした中で都道府県が率先して日本の社会構造を変革していくという意欲、あるいは具体的な取り組みといったものを行っていく必要があるのではないかという認識のもとでプロセスのためのプロセスを踏むことなく、様々な課題に迅速に対応していくと。また国の制度あるいはこれまでの慣例、そういったものにとらわれない。また他県との横並び意識といったものにとらわれずに、時代の変化を先取りしつつ大局的な視点で自ら考えて新しい施策へ挑戦して長野県を変え、ひいてはそれが日本を変えていくということにつながるのではないかと。
 という以上4つの「県政改革の基本理念」を提示させていただいているところでございます。
 冒頭申し上げたように、県職員は今申し上げたような、まだ最終版ではないわけで、これについてもご意見があれば承りたいと思いますけれども、こういった基本理念に基づいて県政改革に取り組んでいきたいということでございます。
それから次の柱として、「県庁の自己改革」ということを書いてございます。ここから後、本編はかなり細かくなりますので、2枚ものの概要をお配りしてるかと思いますので、そちらでお話をしたいと思います。
 「県政改革ビジョン」、県政を変えるということで、「県庁の自己改革」、職員改革等をはじめとするこの部分にかなり重点をおいているわけであります。やはりそこにも書いてございますが、常に県民益を追求し新しい価値を創造していくためには、やはり県庁自らが自らを変えて、あるいは律していくということが極めて重要であります。それを抜きにですね、新しい社会に県行政が対応していくということはなかなか難しいのではないかというふうに思ってます。そうした認識のもとで「県庁の自己改革」ということで、次の2ページ、3ページにわたりますけれども、1の「職員の意識改革」から、最後「市町村との連携」まで、大きく7つの柱立てでこの県庁の自己改革を掲げているわけであります。
 まず「職員の意識改革」ということでございます。これは何はなくとも一番重要なことではないかというふうに思っておりますけれども、県政に携わる職員がその意識を新たにし、時代の要請に応え県民の皆さんの目線に立った発想や行動、こういったもの、日々心がけていくということが重要だろうということでございます。その枠の中には具体的な取り組みとして考えているものを例示として挙げてございますけれども、「パブリック・サーヴァント意識の徹底」でありますとか、「外部人材、女性の登用」「福祉施設等の体験研修」「人事評価制度の見直し」といったようなことで、県職員の意識をですね、ただ単にかけ声で「変わりましょう、変わってくださいと」いうことだけではなくて、具体的な取り組みを通じて変えていくということを進めていかなければならないということでございます。
 それから2番目として「県民への説明責任と対話の徹底」ということで、県民と共に県づくりを進めていくという上では、私ども県が持っている情報を包み隠しなく県民に公表をし、提供をし、県民とのコミュニケーションを図っていくことが必要だろうという認識のもとで、そこにありますように「政策評価制度」、これは今ステップ1をやっているところでありますけれども、さらなるステップアップを目指すと。あるいは「車座集会」、「『県民のこえ』ホットライン」、これらは既に実施しておりますが、新しくは職員の「出前講座」であるとか、インターネットによっても申請、届け出を受け付けるといったような方策を考えていこうという考えでございます。
 3番目でございますが、「県民との共同による政策形成の実現」ということで、県民の方々から今現在もいろんなチャネルを通じてご意見、ご提言をいただいているわけであります。そういったものを施策に具体的に結びつける、あるいは政策決定に至るプロセスを県民にわかりやすく、透明化、明確化を図るといったようなことが求められているわけであります。そういう中で「県民意見のデータベース化」でありますとか、「政策プレゼンテーション制度」の創設、あるいは「政策決定プロセスの明確化」「パブリック・コメント制度」の創設。さらには「国への積極的な政策提言」といったようなことをやっていってはどうかということでございます。
 それから4番目「県政推進体制の再構築」であります。まだどこの組織でも同じだと思いますが、やはり職員の意識だけ変われといっても、なかなか変わらないわけであります。まず明確な理念を示して、それに適合した組織のあり方、人員配置のあり方というものを考えていくということが重要であるわけであります。そうした中で「県民本意の組織再編」、あるいは人員配置でありますとか、「電子県庁の実現」、「外郭団体の改革促進」、「民間活力の積極導入」といったようなことを進めていってはどうかといういうことでございます。
 それから5番目として「財政の健全化」でございます。全国的な状況もありますが、長野県におきましても財政、非常に厳しい状況にあるわけであります。そうした中で県民の皆様に安心感を与えることができる財政について、きちんとした健全化を図っていく必要があるのではないかということで「県債発行の抑制」「県債残高の縮減」であるとか、「人件費の抑制」「大胆な事務事業の見直し」「財政状況の積極的公表」といったようなことを進めることによって、財政の健全化への一歩を踏み出していってはどうかということでございます。
 それから次の3ページ6番でございますが、「財政システムの見直し」ということで、これは行政は良かれ悪しかれ、いろんな意味で財政の統制のもとにある部分が多いわけでございます。県政を変えていくというために、やはり財政のシステムも見直しをしていく必要があるということで、限られた財源をより効率的に配分できるよう財政システムを見直すということで、「予算編成過程の透明化」でありますとか、「予算の特別要求枠の設定」、「現地機関重視の予算システムの見直し」といったようなことを具体的な方向性として掲げております。
 県庁の自己改革の最後7番目「市町村との連携」でございます。これは地方自治を担っている対等なパートナーということで、「市町村と真に対等な協力関係の確立」ということが非常に重要な課題だろうと思います。そうした中で「権限委譲の推進」でありますとか、「協議プロセスの明確化」、「自主的な市町村合併の支援」、「人材育成、政策研究の連携」、「政策形成の協働」といったようなことを通じて市町村との連携、協力といったようなものを、これまで以上に図っていきたいという考えでございます。
 それから大きな柱の3つめでございますが、「県民益創出プログラム」でございます。ここは先ほども申し上げましたように、新たな視点、新たな手法で県が重点的に取り組もうとする主要な施策を、取りまとめたものということですべての分野の施策を必ずしも網羅しているわけではございませんけれども、将来を見通し、より大きな県民益を生むための先導的かつ具体的な取り組みということで、取りまとめていきたいというふうに考えております。
 視点としてはそのページから次のページにかけて書いてございますように、県民を中心において4つの切り口で整理してございます。
 1つは「県民の意欲を生かします」、2つ目が「県民の生命と財産を守ります」、3番目が「県民が支え合います」、4番目が「県民の信頼を高めます」ということでございます。
 個々の内容につきましてはお手元にお配りしております具体的な詳細が書かれている本体をご覧いただければというふうに思いますけれども、例えば「県民の意欲を生かします」というところでは、「NPOの支援など市民活動との協働の推進」でありますとか、1つとんで「融資制度の再編などをチャレンジする企業等の支援」でありますとか、あるいは「マイスター制度の創設など技術や技能の積極的な評価」、あるいは「障害者の働く機会の創出などによる障害者と共生する県づくり」といった個人の意欲をですね、最大限引き出す、あるいは県として支えるといったような施策を中心に取りまとめてあります。
 それから次のページでございますけれども、「県民の生命と財産を守ります」ということで、これは行政の仕事としては極めて基本的な部分であるわけでございますけれども、例えば「『脱ダム』宣言からはじめる総合的な治水・利水対策の推進」でありますとか、「多様な森林の育成など豊かで安全な県民生活を約束する森林づくり」でありますとか、さらには「バス事業者に対する支援などによる地球環境にやさしい社会づくり」等々、広い意味で環境問題等も県民の生命に関わりを持ってくるものでございますので、そうした広い括(くく)りの中で施策を整理しております。
 3番目「県民が支え合います」ということでございますが、これは県があまり出しゃばることなく、県民が相互に支え合う社会づくりというのが重要だろうという認識で、例えば「地域通貨の導入などによる心の通うコミュニティづくりへの支援」でありますとか、「宅幼老所の設置など地域での支え合いの支援」といったような施策を書いてございます。
 それから4番目が「県民の信頼を高めます」ということで、「入札情報の公表など公共事業の透明性の向上」でありますとか、「事前評価制度等の創設による公共事業の厳選」と。あるいは「医療・福祉施設における第三者評価などの情報提供」といったような施策を書いてございます。
 以上早口で、かつ大分端折った(はしょった)説明で恐縮でございますけれども、「県政改革ビジョン」の全体の内容的な部分でございます。最後概要の後ろに「今後の進め方」ということで、非常に簡単に書いてございます。今後、本日付けで県民の方に広く公表いたしたいというふうに思っております。そうした中で県民、あるいは市町村などからご意見をお聞きいたしまして、県政改革推進本部にワーキンググループ、先ほど申し上げたように、関係の課長が基本的にグループリーダーになっておりますけれども、そこでより具体的な検討をさらに行いまして、今お示ししております、意見募集のための検討案に必要な修正、追加等行ったうえで、11月を目途に取りまとめるということでございます。
 ぜひ今日お集まりの表現者の皆様方におかれましても、県がこういうものを作ったということで、県民からの意見も募集しているということについて広く周知いただければ、大変有り難いというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上雑駁(ざっぱく)なご説明で恐縮ですが、「県政改革ビジョン」の説明について終わらせていただきたいと思います。

長野県知事 田中康夫
 今、企画局長の阿部からご説明を申し上げました。
 本日の部長会議での議論の件に関してご質問があればまず最初にお受けいたし、またその他の点に関しても時間までお受けいたします。
 どうぞ。マイクをお持ちいたします。

信濃毎日新聞 野沢哲也氏
 信濃毎日新聞の野沢哲也と申します。
 改革ビジョンの全体的なことなんですが、これは住民の意見を聞いて確定版にする途中の段階であるというご説明ですが、知事の評価ではですね、この検討案は何パーセントぐらいの仕上がり具合と言いますか、というふうにご覧になられているでしょうか。

長野県知事 田中康夫
 先週の会見でも、「95%犯人はとある人物だ」というような言い回しの、アメリカの大統領の発言に数字で割りきれるものだろうかと申し上げましたし、私は以前からそのような何パーセントというような言い方はいたしておりませんから、いずれにしても先ほど企画局長から説明がありましたように、この10カ月余りの長野県政の歩み、県民と共に意識覚せいをしてきたそのことを単にまとめるのではなく、さらにそこから私たちが掘り下げていく内容を記してあるわけでございます。

信濃毎日新聞 野沢哲也氏
 すみません。もう1点。この半年間のですね、企画局を中心とした素案というか、検討案の策定作業というもの自体はですね、基本的に公にされない状態で推移をしてきたかと思うのですが、例えば知事なり企画局が描いた部分と、部局から上がってきたものとがですね、どういうキャッチボールの中で、どう変わっていったのかというような、検討案の策定段階そのものをいずれ明らかにされていくというようなご予定はありませんですか。

長野県知事 田中康夫
 議論をしてきていることは申し上げているわけでございますし、また個別にその中で議論をしたペーパー等をお求めならば情報公開請求によって私たちはすべて公開をいたしておりますし、今野沢さんがおっしゃられたことを私たちがあえてはすべて行わなかったからとして、それがいわゆる閉ざされた議論であったということには必ずしもならないというふうに私は思っておりますから、むしろ今日皆様に公開いたしました内容を広く議論をしていただいていくことの方が大事であると思っております。
 その他にいかがですか。どうぞ。

信濃毎日新聞 小松哲郎氏
 信濃毎日新聞の小松哲郎といいます。
 今日の件とはちょっと関係ないんですが、土木部の職員がですね、伊那建設事務所に勤務していた昨年当時ですね、業務委託に際して業者にパソコンを購入させていたと、その問題についてお聞きしますが、人事課の調査ではですね、業者を臨時雇用した際に支払う賃金にですね、パソコン代を上乗せしてそこで県費から支出させていたということで、言ってみれば賃金の流用にあたる問題なんですが、これに関して人事課からはですね、どのような説明を受けていらっしゃるのかということと、職員の処分ですとかあるいはチェック体制のあり方含めて、今後の対策についてどのように考えていらっしゃるのか、それについてお聞かせください。

長野県知事 田中康夫
 今朝ほども人事課長の鈴木と話しをいたしております。私は基本的にはこれが2名の職員を何らかの処分をするというようなことで、事足りる問題ではないのではないかという憂慮をいたしております。と申しますのは空(カラ)雇用であったというふうに信濃毎日新聞等で報じられておりますが、恐らく仮に空雇用であったとしても、その出勤表というようなものを策定したうえで、総務課でその空雇用であったかどうかにしても、支払うわけでございまして、その場合その出勤表の人物が実在か否かというようなことは、とりわけこの伊那の建設事務所という限られた人員の中でありますから、総務部長、課長ですか、失礼、課長レベル等が何ら把握していなかったということは、これは一般的に考えて少し考えにくいことじゃないかというふうに私はとらえております。

 ですので、また仮に流用であったとしても会計法規上の様々な手続きを経て決裁をされているわけでございますから、一番の問題は、県備品とはなっていないわけでございます。つまり目的外の使用、当初の予算とは違う…、雇用をしていたものがパソコンという形になっていたとしても、これが県備品として登録されていないのでありましょうから、ということは仮にそのパソコンが県庁舎内に置かれていたとしても、これは県の財産ではございませんので、広く考えればこれは私用の物で、私物であるというふうにとらえられるわけでございます。

 ですから、財政上では一度は正当…、それが正当というふうに呼べるかどうかわかりませんけど、業者への賃金という形で形を換えてはおりますが、でも最終的にはそのパソコンは県の財産に登録されていない私物の状態としてパソコンにその予算がある意味で言えば化けているというか、結果的にパソコンになっているわけですから、この問題が単にその当該2名のみの処分によって事足りるとは私は考えておりません。ですのでこの問題は管財課であったり、会計局であったり、人事課に止まることではない問題がありますが、これは究極的にはある意味では私どもには外部監査人という制度がございますし、そうした第三者に意見を伺わねばならないような事案ではなかろうかというふうにも憂慮しております。その旨は人事課長に伝え、当該2名の処分という形を急ぐことは私は良しとしないと、私の見解を伝えております。
 その他のご質問、受け付けます。どうぞ。

朝日新聞 西本秀氏
 すみません、朝日新聞の西本秀と申します。
 元へ戻って改革ビジョンなんですけれど、これを全体的にですね、主にいかにするかということに主に重点を割いていて、何をするかという部分はあまりページは割いていないと思うんですが、いかにするかという部分に力点をおいた知事の理由というか、そういったことを聞かせていただけますか。

長野県知事 田中康夫
 いかに…、ごめんなさい。

朝日新聞 西本秀氏
 つまり姿勢、県庁のあり方というか姿勢の方にまず力点をおいて、今回これがまとまっていると思うんです。その点に何をするかという具体的政策ではなくて、まず姿勢の方をまず掲げた理由というのはどういうところにあるかと。

長野県知事 田中康夫
 本文の中にもあると思いますが、「5W1H」というふうにございますが、いわゆるとかく「4W」だけの列挙という形が、これは長野県に限ったことではありません。また行政に限ったことではなく、これはもう企業においても、教育の現場においても、「4W」が問われる形が多かったと思いますが、やはり今までの私たちの営みのwhyや、あるいはこれからhowという、だからought to beと、should to be、should beという部分ですか。だからwhat to doじゃないということですね。

これがとても大事な共通の理念の部分だと思っております。

 中期5カ年計画というものが他方で私たちの県にはあるわけでございまして、この上に立ってさらにこの県政改革ビジョンがですね、県民に理解されご一緒に参加していただける県政の改革になるわけですから、とりわけこれは企画局長等あるいはこの策定に携わったものともブレインストーミングの中で繰り返し話をしておりますが、ここからさらに今までの従来のような落とし込むとかですね、そういう言葉とは違った意味で具体的なことというのは付け加わってくると思っております。

 ただその具体的なことは、これからまさに県民から広くこの案に関してですね、原案に関して意見をいただく中で、より具体化してくるものだと私は思っておりますので、より具体的な私たちの目指す具体案というものを議論する前に、やはりこの過程は必要だと思っております。

朝日新聞 西本秀氏
 もっと軽い質問で申し訳ないんですが、今度副知事を選任される予定ではあるんですが、その場合ですね、今知事は(昔の3階にあった)知事室(現:知事応接室)からガラス張りの知事室と移っているですが、旧来の副知事室をご使用になる予定と考えていいんでしょうか。

長野県知事 田中康夫
 これは、これから議会でまず人事案件もご議論いただくわけでございますから、その前に、つまり入学試験を受け合格発表がある前に居住する場所を決めたり、ブレザーを買うような話になりますので、この点に関してはまだ具体的に皆様にお話できるような段階ではないと思います。

朝日新聞 西本秀氏
 つまり、どこに行くという意味でなくて、どういう運用の形になるのかという意味で、県民にも知っておいた方がいいと思うんですが、例えば阿部さんがですね、市町村長と会ったりするときは、知事と同様に公開されるのかということですとか、同様に阿部さんの日程をですね、同様に事前に公表していただけるのかとそういうことをちょっと教えていただければと思うんですが。

長野県知事 田中康夫
 市町村長の方々の中には、まさに頭取りどころかガラス張りの部屋などで外から表現者の方には確認いただけるので、入室せずに、差しないしはスタッフを交えた形でゆっくり話したいというご要望も少なからずいただいてはおります。

 私としては当初から表現者の方への当然の私たちの一環としてそういう場の形で皆様にすべてご希望の方にはご入室いただいて、スペースが許す限りしてきておりますけれども、これは少なくとも、どなたと会ったかというようなことは今後も、それは仮に副知事が選任された場合においてもあると思います。また、それは私に関しても同じでありまして、その後のご入室いただくかどうかというテクニカルなところの部分はこれから議論すべきことだと思っております。あるいは今後市町村長の方や議員の方がですね、ガラス張りで明らかに入退室はわかるから中身に関してはご遠慮いただきたいというようなことを強くお申し出があった場合に、どのように私としては対処すればよいかということも、これは今後検討せねばならぬことであろうかとは思っております。私としては公開するということに関しては何らためらいはございませんが、先方の方の、まさに相対するお客様の意向というものも無視するわけにはまいりません。

朝日新聞 西本秀氏
 一応取材する側としてはですね、そのまま知事は公にすることですべて自らを律するようになるということをおっしゃっているんで、すべて副知事に関しても公開していただくように求めたいと思っているんですが。以上です。

長野県知事 田中康夫
 はい。今のはご質問がありましたので、お答えいたしました。
 その他のご質問をお受けいたします。はい、どうぞ。

信濃毎日新聞 高森和郎氏
 高森和郎です。信濃毎日新聞です。
 改革ビジョンの関係なんですが、この素案というか検討案の中では、導入時期ですね、が必ずしも明確ではないかと思うんですけれども、今後その成案の段階でそれぞれをいつ実施していくかということを明確にされていきたいという考え方があるのか、というのが1点です。

 関連するんですけども、この中には財政状況の透明化というようなことも書かれていますけれども、実際こういったことはもっと今すぐにでも実施できることが多々あると思うんですけれども、必ずしも長野県の姿勢として私の印象では、今までこういったことに積極的に取り組んでこなかったと、財政がこれだけ非常に厳しい状態にあるにもかかわらず、県の財政状況がどうなっているのかホームページできちんと公表したりとかですね、あるいは県民にそれをわかってもらって、その上でどういったことを痛みを求めるのかという、そういう姿勢がちょっと欠けていたように思うんですけれども、そういった今すぐできることもあるのではないかと思うんですが、そういったことも含めて今後導入時期についてですね、それぞれの改革…

長野県知事 田中康夫
 改革ビジョンの導入時期ですか?

信濃毎日新聞 高森和郎氏
 そうですね。個々のここに書いてあるものの導入時期ですね。その辺についてどんなふうに考えているのか。

長野県知事 田中康夫
 じゃあ、阿部からまず先にご説明いたします。

企画局長 阿部守一
 事務的にお答えしたいと思いますが、この本編の1枚目をめくっていただいたとこに、「意見募集のための検討案について」って先ほどちょっとご説明したところがございますが、そこの二つ目のポツ(・)のところをご覧いただければ、「確定版においては改革の内容、手順、実施時期等についてさらに具体的に記述する予定です」ということで考えておりまして、今先ほども申したようにワーキンググループを作ることにしておりますが、ワーキンググループの作業の一つとしてですね、今お尋ねのあった、確かに県の財政状況、厳しい中ではありますけれども、そうしたものも踏まえながらですね、改革を具体的に…、どういうものをいつを目途にやっていくのかといったようなことまで、ある程度の方向性を出して最終版として取りまとめたいというふうに考えております。

信濃毎日新聞 高森和郎氏
 すみません。そうしますと、本年度あるいはただちにも実施するということもあるんですか。

企画局長 阿部守一
 すみません。言葉が足りなくて恐縮でございますけれども、先ほどもちょっと言ったように、これをご覧いただくとわかりますよ。既に今現在もう実施しているものも入っています。ただ現在実施しているものは落としちゃうと全体像…、例えば県庁改革の全体像は明らかにならないものですから、既に実施しているものも書いてございますが、今実施しているものあるいは場合によったらですね、ビジョン取りまとめまでに実施してしまうようなものとか、あるいは今後いつごろの時期やるものか、そこら辺についてはすべて区分けしてというか、県民の方にわかるような形で整理する方向で、ワーキンググループで作業してもらいたいというふうに今お願いしているところであります。

長野県知事 田中康夫
 あと、前段の方のご質問に関してですが、確かに各部課のホームページというのが、まだ詳細な具合に関してバグ(欠陥・欠点)が大分あるということは十分認識しております。財政課のホームページに関してもですね、これは近くもっとより具体的に県民に、妙に危機感をあおるとか、あるいは妙に安心感をもたらすといったような意味ではない、ありのままのまずデータと、またそうなったまさにwhyの部分ですね、書き換えていかねばならないというふうには私は認識しております。

 ただそれはその上に立って一番の問題は、これは長野県のみならず、長野県が財政的に決して猶予がある状態でないということはもう明らかであります。ただその場合にとかく議論されるのが、財政というのは一方で国からの多くの交付税あるいは補助金等にも依っているわけですが、私たちがその財政が厳しいから県の単独事業を減らすというような一律的な考えではなく、また逆に言えば県の単独事業のあり方も変わらねばならないわけでして、既に私はいわゆる福祉・環境・教育等における新たな雇用や、新たな事業ということを申し上げて、既に着手している部分も林業をはじめとしてあるわけですし、これはさらに進めていくわけですから、以前に申し上げたかもしれませんが、今までの公共事業、今までの例えば経済対策と、あるいは財政出動というものが10年を経ても必ずしも成功はしていないということは、これはもう国民全員の基本認識でありますから、長野県においては、財源が厳しくても新たな事業に関しては勇気を持って進めると。もちろん県民の議論を踏まえたうえでではありますが、それは必要なことだと思います。財政が厳しいイコール緊縮財政と、あるいは県の単独事業を減らすというようなことではなくて、あるいは逆にいえば財政が厳しいからこそ、景気が悪いからこそ従来の県単独事業等を押し進めるべきだという意見、いずれにもくみするものではないわけです。ただいずれにしても財政の的確な判断を市民の方が、県民の方がしていただけるような提示は近くできるようにしていきたいと思っております。
 その他のご質問受け付けます。はい、どうぞ。

共同通信 伊藤豪氏
 共同通信の伊藤豪ですが、アメリカのですね、同時多発テロの…

長野県知事 田中康夫
 別にお立ちにならなくても、座ったままで結構でございます。あるいはもし、今後、皆さんテレビカメラに写るということでお立ちになりたければ、あるいはカメラの方を向いてお話しになるのも、遠く離れたご親族等に元気な姿を見せることができますから。

共同通信 伊藤豪氏
 先日の会見でですね、小泉首相の姿勢について疑問を呈してらっしゃいましたが、知事は以前から個人の自立ということをよくおっしゃっておりますが、国に対してのですね、考え方というのをちょっとお聞かせていただきたいのですが。

長野県知事 田中康夫
 ここ数日、後で述べますが、とりわけ土日の各紙面は、読売新聞や毎日新聞をはじめとして、極めて冷静な分析が3面等で加えられるようになってきたということを、大変私はうれしく思っておりますし、テレビも民放各局においては少なくとも、土曜日・日曜日の討論番組等でもそうした冷静な意見というのがずいぶんと放映されるようになってきていると思います。
 ちょっと、私自身はカソリックではございませんが、両親がカソリックであることもあって、「マタイ伝」にこういう部分がございます。同様の文章は「ルカ伝」にもあるわけでございますが、「マタイ伝」に、「目には目を、歯には歯をと命じられたのをあなた方は聞いている。しかし、私はあなた方に言う。悪人に逆らってはならない。もし誰かがあなたの右の頬を打ったならば、他の頬をも向けなさい。」という文章がございます。「ルカ伝」の中にも「敵を愛し、あなた方を憎むものに善を行いなさい。呪う者を祝福し、あなた方を辱める者のために祈りなさい。あなたの頬を打つ者に、もう一方の頬も向けなさい。」という箇所がございます。

 決して私は、そのカソリシズムが絶対だと申し上げているわけでもございませんが、ある意味では、アメリカという国もプロテスタントの方が多いとはいえ、毎朝国旗を掲げ、国歌を歌うときに、彼らがまたとりわけ裁判所での宣誓というものが、日本とは違う重みがあると言われてきたのは、恐らくこうしたカソリシズム、カソリックの考え方のうえにたっていたわけでありまして、とするならば、私は今回のブッシュ大統領がですね、「アメリカ人が正義と平和を守る固い決議で結ばれた日だ」とか、あるいは攻「撃を受けたのは私たちの自由そのものだと、アメリカの自由が世界の自由として守られるであろう」というような発言というのは、少し私はテロリズムを認める者ではありません。極めて、先般もお話し申し上げたように、亡くなられたすべての方に対して哀悼の辞を表しますし、テロというような形での問答無用を認めることではないのですが、確かどこの新聞でございましたでしょうか、複数の新聞がクリントン氏やあるいはその他の、今までのレーガン氏の発言に、あるいは父親のブッシュ氏の発言に比べても、今回の演説というものが、非常にまさにソフト・パワー(Soft Power)としてのワード・ポリティクス(Word Politics)というか、言葉によって人々を良い意味で、クリントンやあるいはブレア氏や金大中(キム デジュン)氏の発言のような、言葉によって人々を、冷静に覚せいして鼓舞していくということからすると、いささかならず、それらの方と比較すると非常に弁証法が欠けてるような気がいたしているわけです。

 で、これは、読売新聞の1面でアメリカ総局長の水島敏夫さんという方が、土曜日(9/15)付けの新聞でありますけれども、『たとえ米国が報復に出たところで、テロ組織はさらなる攻撃に打って出る可能性が強いと。世界各地に散らばるテロ集団を一人残らず殲滅(せんめつ)することはまず難しいだろうと。見えない敵との戦いに突入した世界は、出口の見えない暗闇に入ったと言ってよい』とおっしゃってるわけです。私はこの分析は極めて冷静なものだと思いますし、同じその読売新聞でも林道郎さんという方でしょうか、『ウサマ・ビンラディン一派などを追う戦争の前途は、あまりにも厳しい。にもかかわらず米軍が行動を起こすことは正当なのかとの議論は、今回は全く…、今回というのはユーゴ、コソボ等へのときと比較してですけど、全く聞こえてこない』とおっしゃってます。で、私はもう1個非常に感銘を受けたのは、毎日新聞の布施広さんという方が、事件が発生した日の日本時間の夜11時56分にインターネット上に掲載されておりますから、ほとんど恐らく、文章を書き上げられて送稿されたのは、多分事件の第一報から1時間を経ずしてお書きになっている文章ですけど、私はこれはその後時間が経て様々な分析が出てきた中でも、大変に素晴らしい、「ブッシュ政権に大きな衝撃、対外姿勢に発展も」

(http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200109/11/20010912k0000m030169000c.html)

という文章なんですが、ブッシュ政権は国益と再選…選挙ですね、国益と再選のために露骨な外交政策を推進しているように他者から見えても不思議ではないと。テロは言語道断としても、イスラム世界に対する姿勢や国際社会との協調という点で、ブッシュ政権への疑問を改めて提起する事件と言えるというふうにおっしゃってるわけで、まさにパレスチナの議長をミサイルによって暗殺をするというのは、暗殺というのは、恐らく私たちの世界では、まさに自由と民主の社会においては認められていないことなわけでありまして、前回私が報復をアメリカが行う前に、あるいは数々の報復を受けてきていたのではないかと。またその報復を受けてくるようなことは、はたしてどのような中で起きてきたのかということを申し上げたと思いますが、少しく、こうした聖書の文章を越えて、まさにその、何て言いますか、おあいこの世界の中にですね、深みにはまっていく、地上戦に至る至らないの前に、おあいこの深みの中に入っていってしまうということを、私は大変憂慮しますし、その点はここ数日のヨーロッパの各首脳の発言というものが、テロは憎むけれどもこれはむしろ、ある種良い意味なのかどうかわかりませんが、少しくアメリカが判断していくことだというような、微妙な言い回しになってきているというのは、やはり冷静に私たちが徐々に考える、本当に正義あるいは大義というのはどこにあるのかということが問われてきているのだと思います。

 それが私は前から申し上げているように、アドルフ・ジュリアーニ市長の終始冷静な、帽子をかぶって、まさに現場で的確な指示を冷静に出していく姿と、星条旗をがれきの上で振って、国家の名前を連呼するジョージ・W・ブッシュ大統領との違いに現れているような気がしてならないわけです。

 いずれにしてもこの他の新聞も極めて冷静な論調になってきてますし、民放各局も冷静な論調になってきているということをうれしくは思いますが、とりわけこの読売新聞の総局長や、あるいは毎日新聞の最初の第一報をお書きになったような、こうした特派員経験をお持ちの方が、近い将来に国内にお戻りのときには、長野県政の改革に関してもこの長野の地で出稿をしていただける日ような日が来ることを私は願っております。
 他に、ご質問は。一番後ろの…。

長野放送 嶌田哲也氏
 改革ビジョンに戻らせていただきますが。長野放送の嶌田哲也です。
 2点ほど確認させて欲しいんですが、改革ビジョンを押し進める中で、その中期総合計画と食い違いが出てきてしまった場合は、改革ビジョンに則った方を優先させるという理解でよろしいのかどうかということとですね、あとこの12ページの「協議プロセスの明確化」、「市町村との連携」なんですが、これ関係市町村と充分に協議を行いますということになっているんですが、当然といえば当然で、これを改革ビジョンに載せた意味合いが少しよくわからないんで、以前ですね、公共事業の先送りだとか「『脱ダム』宣言」で、その地元から事前の説明が十分でなかったというような批判があったのですが、それに基づく、それに対する反省も込められて載せているのかどうか、そのへんちょっと確認したいんですが。

長野県知事 田中康夫
 では、先に阿部からお答え申し上げます。

企画局長 阿部守一
 まず、前段の中期計画との関係であります。で、これ中期計画なり、本県、長期構想もあるわけでございますけれども、それらご覧いただけるとわかるかと思いますが、非常に網羅的にすべての分野、目配せしながらいろいろな方向性でありますとか、施策が書かれているわけでございます。今回、改革ビジョンを作るにあたりまして、それらとの関係について私ども検討したわけでありますけれども、基本的に長期構想なり中期計画で書かれている内容、例えば福祉については長期構想では「みんなが安心して暮らせる長寿社会づくり」でありますとか、中期計画においても「介護保険の円滑な運営」とか、「子育て支援対策の整備」といったようなことが書いてあるわけで、これらについて改革という名の下にですね、否定するようなものではないんじゃないかというふうに考えております。従いまして長期構想、中期計画に書かれている方向性とか県づくりの基本理念、そういったものについては引き続きこれからも尊重していくという考え方でございます。ただ、県政改革ビジョンを作る作らないにかかわらずでございますけれども、常に私ども、県政、いろんな外的環境も変わっておりますし、県民のニーズも変わっているわけでありまして、そうしたものの変化に常に対応していくということは、当然のことだろうというふうに考えているわけであります。

 従いましてこれから取りまとめていく話になるわけで、今の時点でただちに確たることがどうこうという話にはならないわけでありますけれども、今掲げているのは、基本的には中期計画なりの基本的な方向性には沿っているというふうに考えておりますが、仮に全く違うと、全然違うというようなものを最終的な取りまとめの中に入れていくというときには、当然今回の改革ビジョン、新しく作られるものであるということと同時に、プロセスもですね、総合計画審議会の意見を聞いたり、あるいは県民の意見を聞かせていただいたり、さらには最終的には知事、本部長の関係部局長参加の下での県政改革推進本部で決定いたしますので、そうした場合には県政改革ビジョンの考え方なり、目指していくものというものが優先されるべきものというふうには考えておりますが、今の時点でですね、ただちにその方向性なりが変わっているというふうには考えておりません。

長野県知事 田中康夫
 他のご質問があればお受けいたします。

長野放送 嶌田哲也氏
 答弁漏れ…答弁漏れじゃない…。

長野県知事 田中康夫
 ありがとうございます。予行練習…。

企画局長 阿部守一
 これ…ですね、「協議プロセス」の話しにつきましては、市町村との関係、これは私個人的にも非常に重要だろうというふうに思っておりまして、今回、県庁の自己改革のところに一項目あえて起こしております。当たり前と言われると当たり前なのかもしれないんですけれども、必ずしも、すべて県と市町村の関係がですね、今まで本当に対等の協力になっているのかどうかということは、これ長野県に限らずですね、今までその機関委任事務制度が存在したり、いろいろな制度的な制約の中で、恐らく市町村から見るとですね、我々都道府県が国に対して思っているような、何というか重しを感ずるような部分というのは、当然存在しているわけでありまして、そうしたことがないように、本当の真の意味での対等な関係を構築していくべく、その一つのシステムとしてですね、「協議プロセス」といったものを構築していく必要があるんではないかということで今回載せているということでご理解いただければと思います。以上でございます。

長野県知事 田中康夫
 よろしいでしょうか。はい。

長野日報 新保修一氏
 長野日報の新保修一です。
 県政改革ビジョンなんですが、これから具体的なことが出てくるようになるとは思うんですけれど、ビジョンを策定していろんな施策を具体化していく中で、いわゆる現行の国の制度だとか、政策だとか、そういうものとある意味で相反することっていうのも生じてくるような気がするんですが、そのへんに…、そういう場合にはどういう対処をしていくのか。何かお考え、今現在考えてられることがあるんであればお聞かせいただきたいなと思います。

企画局長 阿部守一
 県政を改革していくうえで、当然のことながら、今も先ほどちょっと申し上げたように、私としてもその国の制度の制約というようなものとバッティングしてくる部分も、今回のビジョンに限らずですね、これからも出てくるんではないかというふうに考えております。

 そうした中で、今回先ほどご説明した理念の中の4番目にも、既存の制度や慣例にとらわれませんということで、国の制度がこうだからもうそれしかできませんというようなことではなくてですね、国の制度がそうであっても、本当に県民の求めるもの、あるいは本当に県として成すべきものが違うところにあるとすれば、そういったことについては積極的にですね、提言していくというような形を取っていくべきであろうというふうに考えております。

 そうした意味で、例えば18ページのところに、「バス事業者に対する支援などによる地球環境にやさしい社会づくり」のところにも、「具体的な取り組みうんぬん、さらには並行在来線に関する国への政策提言を行うことなどにより…」と書いておりますけれども、県としてですね、本来的に国の制度がこうあるべきじゃないかということで必要と思われるものがある場合には、当然のことながら、積極的に国にこれからも提言していくということでございますのでよろしくお願いいたします。

長野県知事 田中康夫
 よろしいですか。その他ございますでしょうか。時間が少し過ぎておりますが。
 なければ、あと、ネット上で活字になるときには、ちょっとこの毎日新聞の布施さんの原稿というのはとても素晴らしいので、クリックができるような具合にできればとも思っております。
 あと手元の方にお渡しをしているかと思いますが、「『審議会等の設置および運営に関する指針案』に関する意見募集」というのを人事課の方から、担当であります野池の方からお配りを申し上げていると思います。これに関してはまたご覧いただきまして、ご質問があれば、直接人事課でお答えを申し上げます。
 あと、松本市で明け方に火災が起きました件に関しましては、ほぼ鎮火はしておりますが、現時点で把握している限りで2名の方がお亡くなりになられているということであります。出火の原因等に関してはわかり次第この「仮設表現道場」の方でも、もちろん県警等の発表もあるかとは思いますが、あるいは県警の報道に準じた形での資料の掲示になるかもしれませんが、この点に関しても逐次ご連絡を申し上げます。
 以上であります。

 
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