| 広報誌「ながのけん」11月号 知事のことば 長野県知事 田 中 康 夫 幼かった頃、鈍行以外にも準急が存在しました。けれども、比較的のんびりとした歩みの準急は、いつの間にか消滅し、便利さが売り物のL特急と、運行本数が少なくなった各駅停車の間で、急行とて不幸な扱いを受けているのです。 蒸気機関車の時代、急勾配にあえぐ篠ノ井線の列車は、例外なく姨捨駅に停車しました。根を詰めて登り続けると、次第に目の前の景色は狭まります。一息ついて“スイッチバック”を行う効用は、再び自分の視界を広げられる点にもあります。効率主義への反省が叫ばれる今、大切な心掛けです。 副知事へと新たに就任した阿部守一は、弱冠40歳。一学年900名の男子高校へ入学するも、その粗雑さに恐らくは抵抗を感じ、1学期を経ずして退学。偶然にも編入試験が行われた公立高校で学び直しました。現在も毎朝、スーツにリュックサックで県庁舎に通う彼は、「不登校」体験を克服した若者らの集いにも週末に出掛ける一面を持ちます。 しなやかな気概を抱いて、私利私欲とは無縁の責任ある判断を常に下せる人物。私が求める副知事の資質を、彼は備えています。のみならず、他者に対する温かい目線も。開かれた長野県の改革を更に結実させるべく、共に踏ん張ります。どうぞ、よろしくお願いします。
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